水産業が盛んな一方、製鉄業においても目覚ましい発展を遂げた歴史を持つ釜石市。現在、まちづくりの観点から、昔ながらのお祭りや伝統ある朝市の復活など、市民が主役となりさまざまな活動を行っています。そのひとつが、外部の地域や人との交流を深め「ひらかれたまち」を目指すオープンシティ戦略。釜石ならではの“生きた”観光コンテンツの創出、未来の釜石を担う若者を対象にしたキャリア教育、この地で新しく挑戦したい起業人向けサポートなど、釜石市で活動する人、定住にとらわれず釜石市のために汗を流そうという人を増やす多様な試みが進行中です。
2019年にはラグビーワールドカップも開催され、ますます大きな注目を浴びていますが、すべての原動力となっているのは「人」。行政と共に考え活動する市民たち。都会ではなかなか巡り合わない、周辺コミュニティーのために汗をかく人がそこにはいます。自然と人と、深くつながり、このまちで生きていくとはどういうことなのでしょうか。先輩移住者のコメントを交えて取材します。
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神脇隼人さん
2018年より釜石市に移住
リノベーションを通して周辺エリアやまち全体を活気づける合同会社sofo代表社員。またジュエリーブランド「HABAYA.」代表
東京の大手不動産会社に勤めていた神脇さんは、より自分らしい暮らしや働き方を求め、釜石に移住。「拠点を移す要因となったのは、起業型地域おこし協力隊、そして観光名所である釜石大観音の足元にある仲見世通り（※注：2017年12月に稼働店舗がゼロとなったシャッター商店街）の存在でした」。神脇さんは、仲見世通りのエリアリノベーションをおこなう合同会社sofoを設立、仲見世通りの再興を目指しています。その第一歩として「はじめにいくところ×いつもいるところ」となるカフェをオープンする予定だそう。また、ご自身の趣味であったジュエリー制作をビジネス化するために「HABAYA.」というブランドを立ち上げました。現在は釜石でつくられている“コバリオン”という次世代金属を活用しようと考えているとか。「自己実現がまちの未来につながっていく。自分らしく暮らす楽しさを釜石で実感しています」。
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手塚さや香さん
2014年より釜石市に移住
釜石リージョナルコーディネーター（通称：釜援隊）として釜石地方森林組合で活動。その他、「岩手移住計画」代表、ライターとしても活動している。
2011年の東日本大震災当時、新聞記者として働いていた手塚さん。「ボランティアとして通っていましたが、もっと直接復興に携わりたいと思い、自社の記事に出ていた『釜援隊』に興味を惹かれて転職・移住したんです。釜援隊では、企業による植樹のコーディネートや森林組合の人材育成など、現地の方がやりたいと思っていたことを形にするお手伝いをしています」。ひょうひょうと話す手塚さん、移住先の魅力は“人”といいます。「3年ほど通っていたので、移住後の暮らしが想像できましたし、知り合いもいました。ここには、集落や地域のために当たり前に汗をかく方々がいるんです。そういう人たちがいるからこそ、着実に復興してきたと思いますし。人の力強さ、魅力を感じますね」。
松井玲奈 RENA MATSUI
1991年愛知県出身。役者・作家。
2008年芸能界デビュー。映画・ドラマ・舞台と演技をメインに活動中。代表作はNHK連続テレビ小説「まんぷく」「エール」など。2019年、短編小説集「カモフラージュ」で作家としてもデビュー。以降、執筆活動も継続中。
スウェットトップス 8,690円（SAAAGE boutique／サージュブティック|03-6271-4866）ワンピース 29,700円（iNtimite／アンセミック|03-6801-6096）スリッパ 1,980円（nico and …／アダストリア|0120-601-162）
アンサンブル 27,500円（NICENICE MOMENT／NICENICE MOMENT ルミネ新宿店|03-6302-0705）パンツ 23,100円（iNtimite／アンセミック|03-6801-6096）スリッパ 1,950円（nico and …／アダストリア|0120-601-162）
カーディガン 10,450円（SAAAGE boutique／サージュブティック|03-6271-4866）ワンピース 16,000円（NICENICE MOMENT／NICENICE MOMENT ルミネ新宿店|03-6302-0705） スリッパ 8,500円（kashwere／カシウエア|03-4386-5505）
松井玲奈さんとともに暮らす猫は、オスのノヴァくん（推定6歳）とメスのルナちゃん（推定3歳）の2匹。どちらも飼い主のいない保護猫でした。実家では犬を飼っていたという松井さんと2匹の猫との出会い、お家での様子や冬の過ごし方を教えてもらいました。
――――犬も猫もお好きだそうですが、犬と猫はどんな違いがありますか？
それぞれの性格にもよると思いますが、犬のほうが「私を見て！」という要求が強いですね（笑）。人との距離感が近くて、「遊ぼう！」というときのアピール力もあります。
――――ノヴァくん、ルナちゃんと松井さんは、どんな関係ですか？
付かず離れずです。とてもなついてくれていますし、私ももちろんかわいがっているんですけど、ずっとベタベタしているわけではなく、それぞれの時間があります。
――――まさに家族のような存在ですね。
ふとしたときに隣で、寝ていたりして、その姿を見るだけで幸せです。
――――2匹とも保護猫ということですが、すぐになついてくれましたか？
ノヴァは家に来たとき、長い毛がからまっていて、しかも一部の毛はバリカンで剃られているような状態だったんです。3ヶ月くらいは噛まれたり、引っ掻かれたりしていましたが、一緒に過ごすうちに、すこしずつ自分の居場所を見つけてくれました。ずいぶん穏やかになりましたが、今もお腹を出して寝ませんし、知らない人に触られることが好きではないですね。
――――ルナちゃんがやってきて、ケンカしませんでしたか？
先にいたノヴァは、ルナがくると家の中を案内してあげていました。ルナはお姫様のような性格で、気に入らないことがあると手が出ることもあるのですが、ノヴァは優しく寄り添って毛繕いしてあげたりしています。
ルナはかわいがられることが大好きなので、誰かが来てもすぐになつくんです。その姿を見て、ノヴァもだんだん人に対する警戒心が薄れてきました。
――――松井さんが元気になるという“猫吸い”について教えてください。
猫を抱き上げて、お腹に顔をうずめて呼吸すると、猫の匂いと体温をダイレクトに感じるんです。とても幸せな気分になります。
――――お部屋は“猫仕様”になっていますか？
上下運動ができるように、キャットタワー付きの本棚にしました。うちの子たちは引っ掻かないのですが、念のため壁に爪とぎ防止シートを貼っています。あとは、猫がいても大丈夫な観葉植物を置いています。
――――寒い日はどんなふうに過ごしていますか？
私は暖かいスリッパを、2匹には小さなホットカーペットを用意しました。冬になると2匹とも日向ぼっこする時間が長くなりますね。日中はほぼ窓際にいます。
――――猫を飼うときの家探しのポイントはありますか？
基本的にペット可の物件は、ペットが過ごしやすい環境であることが多いですが、ひとつだけ気をつけているのは、玄関と猫たちがいる空間との間にドアがあったり、ペットサークルを置いたりできるかどうかです。猫たちが飛び出してしまうと困りますから。
自分らしい暮らしを大切にするいっぽうで、飼い主として2匹を見守る松井さん。光がたっぷり入るリビングで、今日も猫たちと一緒に、暖かくして過ごしているのでしょう。
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