休日は海や川でリフレッシュ。ファミリー層に人気の福岡市・姪浜の住みやすさや治安を解説

福岡市の西部に位置する姪浜エリア。江戸時代は唐津街道の宿場町として、近代から1960年代前半にかけては炭鉱と漁業の町として発展しました。1983年の姪浜駅の地下鉄・JRの相互乗り入れ、1989年の「アジア太平洋博覧会」開催をきっかけに駅南側の都市開発や博多湾岸の埋め立てが進んでベッドタウン化し、現在は人口約20万人を有する福岡市西区の核となる街となっています。

姪浜エリアの東側を流れる室見川。日中はジョギングや釣りを楽しむ人などでにぎわっています。
写真提供：福岡市

都会的な面がありながら、自然に恵まれているところも姪浜エリアの特徴です。海に近く、大きな川があり、公園も豊富で、休日のリフレッシュスポットとしてぴったり。地元民は身近にアウトドアを満喫しています。

こうした好環境の結果、姪浜エリアでは平成になって以降、転勤族を中心にファミリー層の人口が増加。近年は、九州大学が福岡市西区伊都へキャンパスを移転した影響もあって、学生向け単身用マンションの建設も目立つようになりました。

姪浜駅南口のロータリー。西日本鉄道のバス路線や商業施設・マリノアシティ福岡行きのバスの停留所があります。

姪浜エリアの主要駅となる姪浜駅は、地下鉄空港線や箱崎線、JR筑肥線の始発駅になっています。地下鉄空港線を利用すれば、天神まで約13分、博多まで約19分、福岡空港まで約26分でアクセスが可能。始発駅のため、ラッシュアワーでも座って通勤・通学ができます。

一方JR筑肥線は、人気観光地の糸島市や佐賀県唐津市へ向かう際に便利。休日の小旅行で、これらの地域へ足を延ばして訪れてみるのもありかもしれません。

福岡都市高速道路姪浜入り口。車を使って約18分で九州自動車道福岡インターチェンジまで行くことができます。

マイカー所有者にとってもメリットがあります。姪浜エリア内を明治通りや国道202号と行った福岡市の主要幹線道路が東西に走り、天神や博多駅、郊外への移動がスムーズ。姪浜と愛宕の2つの出入り口がある福岡都市高速道路は、2012年に環状化されたことで、福岡県外への移動がよりスムーズになりました。

通称・姪浜大通り。この道沿いに西区役所のほか、スーパーマーケットやドラッグストア、飲食店が集結しています。

姪浜駅から徒歩圏内に、区役所、銀行、病院、スーパーマーケットといった生活に必要な施設が集結しているところも住みやすさのポイントです。

駅の南側にあるウエストコート姪浜や北側にあるイオンマリナタウン店、マリノアシティ福岡といった大型商業施設は、ファミリー層に人気。特に休日は、多くの人でにぎわっています。

福岡市で一番の歴史があるという姪浜漁港の朝市。毎回10～13軒ほどが出店しています。
写真提供：福岡市

海沿いの街ならでは楽しみの一つに、姪浜漁港の朝市があります。毎週日曜日の5時30分から開催されており、タイやカレイ、キスやエビなど、博多湾の新鮮な魚介を購入できます。オープンと同時にネタが売り切れるほど人気ですので、ぜひ早起きして出かけてください。

2015年より「福岡市防犯のまちづくり推進プラン」を策定し、計画に基づいた防犯施策に取り組んでいる福岡市。その結果、福岡県警のデータによると、刑法犯の認知件数は2002年をピークに年々減少しています。

特に姪浜エリアのある西区は、福岡市のなかで犯罪発生数の少ないエリア。2020年からは福岡市がIoTやICT、AIなどの新しい技術を活用した防犯施策にも着手しており、さらなる治安の向上が期待できます。

一方、福祉面では介護施設の充実ぶりが住民に評価されています。一部の病院では、認知予防の集まりや単身シニア向けのサロンを開設しているところも。エリア内に二次救急病院があるなど、病院数が多いところも安心して暮らせるポイントです。

海や川、山が身近にあり、公園も豊富で自然を満喫できる姪浜エリア。ファッションやインテリア、ガーデニングといったライフスタイルの専門店も充実しており、休日をアクティブに楽しみたい人にぴったりの環境がそろっています。ここでは、そんな方におすすめのスポットを3つ挙げてご紹介します。

写真左のマリノアシティ福岡は、観覧車とクジラの絵が目印。右側の白い建物は、ホテルマリノアリゾート福岡です。

姪浜エリアで1番のオシャレスポットといえるのが、駅の北側に位置するマリナ通り沿いの湾岸エリアです。

九州最大級のアウトレットモール・マリノアシティ福岡には、ファッションやインテリアの専門店のほか、飲食店やアミューズメント施設も充実。観覧車「スカイホール」では、地上60メートルの高さから博多湾や福岡市内の景色を楽しめます。

その隣接地には、小戸公園があります。園内には球技遊びが楽しめる大きな芝生広場や多彩な大型遊具、BBQ場などがあり、アウトドアレジャーに最適。日々の散歩やジョギングコースとしても人気があります。

このほかにも湾岸エリアには、ヨットハーバーや温浴施設、ゴルフセンター、ライフスタイルの専門店が集結。幅広い世代が思い思いの場所で一日を満喫できます。

姪浜エリアの東側にある鷲尾愛宕神社。春は約2,000本の桜が彩り、花見客でにぎわいます。
写真提供：福岡市

日本三大愛宕の一つとして親しまれる鷲尾愛宕神社は、標高68メートルの愛宕山山頂に鎮座しています。近年はパワースポットとして注目され、縁結びや恋愛成就、試験・就職祈願などで国内外の人々が参拝。特に、福岡市内を一望できる絶景は一見の価値があります。また、縁起のよいといわれる桜を観賞できる春もおすすめです。

ちなみに、鷲尾愛宕神社の近くには、旧唐津街道の宿場町の名残を残すレトロな場所があります。その一角にある姪浜商店街沿いには、カツオ節専門店といった老舗や古民家を改装した飲食店＆カフェなど、ユニークな店舗が点在。歴史散策と一緒に、これらの店で“メイドイン姪浜”の味を堪能してみてはいかがでしょう。

博多湾に浮かぶ能古島。気軽に南国気分が味わえる場所として、福岡市民に親しまれています。
写真提供：福岡市

姪浜渡船場から約10分の船旅で能古島へ行けるところも、姪浜エリアに住むメリットの1つと言えます。

島の北側に位置する広大な自然公園・のこのしまアイランドパークは、四季折々の花が楽しめる場所として有名。アスレチックやミニ動物園、海水浴場やキャンプ村もあります。特に、幅広い世代でプレーが可能なゴルフをアレンジした「のこのこボール」はおすすめ。機会があればぜひチャレンジしてみてください。

姪浜駅から徒歩3分ほどの場所にある西区役所。隣には、保健所の機能を有する保健福祉センターがあります。

平成以降の急激な転勤族の増加により、西区役所ではそれに対応したスムーズな受け入れ態勢を整えてきました。例えば、公式サイトに「転入者応援ページ」という項目を設け、転入の手続きに関してシンプルかつ簡潔に案内。街を知るための探訪企画も充実しています。もちろん、窓口での手続きもスムーズ化を推進。保険福祉センターが隣接地にあるため、保健福祉関係の手続きも1か所で行えます。

子育てコミュニティーの整備に重点を置いているところもポイントです。大半の公民館では育児サークルが盛ん。西区役所内には、子育てや家庭に関する相談窓口が設けられています。ちなみに保健福祉センターでは、「西区子育て情報マップ」を作成して児童手当申請時などに配布をしています。公園や散歩スポットの情報のほか、西区内の保育園や幼稚園、相談窓口や救急医療が紹介されていますので、ぜひ入手して活用しましょう。

不動産・住宅情報サイト「ライフルホームズ」によると、姪浜エリアのある福岡市西区の家賃や新築・分譲・中古物件の相場は次のとおりでした。

●賃貸マンション・アパート・一戸建ての家賃相場の目安
ワンルーム・1K・1DK：4.6万円
1LDK・2K・2DF：6.39万円
2LDK・3K・3DK：8.14万円
3LDK・4K・4DK：9.41万円

●新築・分譲一戸建ての価格相場の目安
2,899万～5,530万円台

●中古マンションの価格相場の目安
2,218万円台

充実の住環境であるにもかかわらず、中央区や博多区といった福岡市の都心に比べると手ごろな相場でした。現在、福岡市では、次世代の街づくりが進む東区の人工島・福岡アイランドシティや2022年度に博多駅延伸が予定されている地下鉄七隈線沿線に注目が集まりつつあるため、姪浜エリアはかえって狙い目かもしれません。

ちなみに、移住・定住に関する相談窓口は福岡市単独では存在しませんが、福岡県には「ふくおかよかとこ定住相談センター」があります。気になる方は、ホームページなどでご確認ください。

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