February
2023
Vol.48
SCROLL

猫のように路地裏散策を楽しめる街

看板猫、招き猫、野良猫。路地裏にひょっこり猫たちが顔を出す街があります。猫と一緒に路地裏散策を楽しめる街は、どこか懐かしく、それでいてあなたの冒険心をくすぐるはず。今回は、西荻窪、常滑、尾道と3つの街をご紹介します。

text:Ikumi Ueno(effect) photo:Eizaburo Sogo

  • 西荻窪
  • 常滑
  • 尾道
※新型コロナウイルスの影響により、休業や営業時間の変更が発生している場合があります。 詳細は各公式サイト等でご確認ください。

西荻窪(東京)

西荻窪駅南口から徒歩1分くらいのところにある柳小路。さまざまな国の飲食店が集まっている

西荻窪ってどんな街?

JR中央線で新宿駅から5駅目にある、西荻窪。都心からのアクセスのよい街でありながら、アンティークショップや雑貨店、飲食店など個性豊かな個人店が軒を連ね、圧倒的な存在感を放つ街です。大正後期から昭和初期にかけて文化人の別荘地が多く存在していたことが、文化的な空気が醸成された一因だといわれています。

そんな個人店の多くは、柳小路、平和通り、西荻窪南通りなど路地裏に点在しているため、西荻窪は路地裏散策にもってこいの街。レトロだったり、おしゃれだったり、アジアっぽい雰囲気だったり。店主の個性あふれるお店が多く並ぶ街には、自由気ままな猫が似合います。そんな街だからか看板猫のいるお店も多く、猫との交流も楽しめる街なのです。休日には中央線の快速が通過するなど、一見不便に感じる部分もありますが、それゆえに家賃が安い、日常品の買い物がしやすいなど住民が暮らしやすいのも魅力です。

西荻窪
西荻窪駅の入り口
街の人
西荻窪の有名看板猫・
ちゃいろちゃんが出迎える

「ミルチ」店主バブさん、
みちるさん

多国籍な飲食店が立ち並ぶ西荻窪南口柳小路。そのなかの1店舗で、本場のバングラデシュ料理が堪能できる「ミルチ」は、バングラデシュ人のご主人バブさんと奥さまのみちるさんとともに、看板猫の「ちゃいろ」ちゃんがお出迎えしてくれるお店です。みちるさんに西荻窪の街の魅力、そして看板猫がいるからこそ生まれるお客さまとのエピソードを紹介していただきました。
「ミルチ」店主バブさん、みちるさん
住んでいる人みんなが“西荻愛”を持っている気がして。
同じものが好きだという安心感が、
人との距離をぐっと縮めてくれます。

“西荻愛”が人をつなぐ街

西荻窪にお店を構えたのは2002年のこと。この地を選んだのは、夫が初来日したときから、長くこの地に住んでいたからです。私は結婚してから西荻窪に住むようになりました。ちょっと変わった人が多い街だけど、だれでも受け入れてくれるような安心感と、のんびりした空気がとても気に入りましたね。この街の魅力は、西荻窪を好きな人が多いことじゃないかなあと思っています。住んでいる人みんなが“西荻愛”を持っている気がして。同じものが好きだという安心感が、人との距離をぐっと縮めてくれます。このお店のお客さんも常連さんが多くて、みんな「ただいま」と言いながらお店に入ってくるんですよ。人と人との距離が近い街だと思います。

看板猫ちゃいろちゃん

今いるちゃいろは実は2代目なんです。初代のちゃいろは、このあたりに住み着く野良猫でした。とてもいい子で開店時間中はお店には近づかず、閉店間際になるとふらっと姿を現す、そんな子だったんです。そんなちゃいろがある日、いなくなってしまって。私も夫もとてもショックを受けて、夫は次に飼うなら絶対にちゃいろと同じ柄じゃないと嫌だと言っていました。その後知り合いから子猫がいるんだけど引き取らない? と言われて、出会ったのが今のちゃいろです。先代のちゃいろと同じ柄に運命的なものを感じて引き取ることにし、お店に出勤する看板猫になりました。

看板猫ちゃいろちゃん

猫好きの集まる店に

ちゃいろが看板猫としてお店にいてくれてよかったと思うことは、お店に入るハードルをさげてくれること。このお店って、初めてだとちょっと入りづらいと思うんですよ。でも、ちゃいろが座っている姿を外から見て、「わー、猫ちゃんだー」って入ってきてくれる方も多いんです。しばらくちゃいろと遊んでから「で、なんのお店なんですか?」と聞かれることもしばしば(笑)。ちゃいろがお店にいてくれることで、絶対に猫好きのお店なんだとわかるので、猫好きの方が集まって、猫の話題で盛り上げることも多いですよ。そして私も夫もいつもちゃいろに癒されて、仕事をがんばれているかなと思います。

西荻窪
店内にはちゃいろちゃんがモデルのブローチが。受注生産だそう

おすすめスポット

五日市街道沿いにある「西高井戸松庵稲荷神社」がお気に入りスポットです。この神社にはキツネのミイラが祀られていて、境内はきつねがたくさん。こじんまりとして素朴な雰囲気に心が落ち着きます。毎日のようにこの前を通るので、時間があるときはお参りをすることもありますし、毎年初詣は決まってここを訪れます。

西高井戸松庵稲荷神社
みちるさんのおすすめの「西高井戸松庵稲荷神社」。
西高井戸松庵稲荷神社:
東京都杉並区松庵3-10-3
スポット
猫とともに路地裏散策を楽しめる

暮らしのスポット

看板猫がいるお店や猫のグッズを置いてある文具店。そんなお店は、不思議と路地裏にあります。猫とともに路地裏散策が楽しめる、西荻窪のスポットをご紹介。
西荻窪
SPOT01
看板猫ちゃいろちゃんとの相席サービスも!?

ミルチ

ミルチ
ミルチ
ミルチ
南口柳小路にある、バングラデシュ料理屋。カレーをはじめとした本格的なバングラデシュ料理が楽しめる。看板メニューはバングラデシュの家庭料理を盛り合わせたベンガルプレート。自家製ヨーグルトで作ったラッシーやインドワインを飲みながらのんびり過ごしていると、看板猫ちゃいろちゃんの相席サービスが受けられるかも。
東京都杉並区西荻南3-11-5
SPOT02
路地裏にたたずむ

帽子工房 シャポーヌ

帽子工房 シャポーヌ
帽子工房 シャポーヌ
帽子工房 シャポーヌ
オーダーメイドやオリジナルの帽子を作る帽子工房。舞台用の帽子やヘッドドレスを中心に制作を行っている。色とりどりの糸が並ぶカラフルな工房を案内してくれたのは、看板猫のクマーヌちゃん。人懐っこい性格で、暖かい日には道路の前に面した窓の前に座り、道行く人とガラス越しの触れ合いを楽しむこともあるそう。
東京都杉並区西荻北3-8-8
SPOT03
動物イラストレーターがオーナーの

動物文具・雑貨の店「文房具タビー」

動物文具・雑貨の店「文房具タビー」
動物文具・雑貨の店「文房具タビー」
動物文具・雑貨の店「文房具タビー」
2020年にオープンした動物文房具の専門店。オーナーを務める吉田さんは、動物イラストレーターで、自宅で猫を飼うほどの大の動物好き。その目利きで集められた愛らしい文具が並ぶ。吉田さん自らがデザインしたというお店の看板は、「具」の字が猫の後ろ姿をイメージしている。
東京都杉並区西荻南3-5-21-102

常滑(愛知)

名古屋の南方、知多半島の中央あたりに位置する愛知県常滑市。この街を一躍有名にしたのが、知多半島で採れる鉄分を多く含んだ陶土を使用して作られる「常滑焼」です。その技術を活かし盛んに作られるようになったのが招き猫。それまで作られていたスリムな招き猫ではなく、ふっくらとした二頭身のフォルムと小判を手にしたデザインで人気を集め、生産量日本一となりました。そのような背景から常滑市には「とこなめ招き猫通り」という観光スポットがあります。名鉄「常滑駅」から東の陶磁器会館に向かう道路沿いのコンクリート壁に巨大な招き猫「とこなめ見守り猫『とこにゃん』」、「御利益陶製招き猫」39体、「本物そっくりの猫」11体が並び、猫好きにはたまらない街なのです。

中部国際空港があり、空の玄関口としても知られている常滑市。名古屋鉄道常滑線、空港線の2線の電車と、知多半島道路、知多横断道路と2本の道路が走り、交通機関が充実しています。また大型商業施設も多く、買い物にも困りません。焼き物の街として栄えてきた旧市街には煙突や窯、工場など、昔の街並みがそのまま残されており、「やきもの散歩道」として整備されているのも魅力。常滑焼の焼き物体験のほか、ギャラリーや雑貨店、常滑焼の器を使ったカフェなどが楽しめる街となっています。

常滑
SPOT01

やきもの散歩道

やきもの散歩道
昭和初期ごろ最も栄えた窯業集落一帯を整備した、歴史的産業遺産を巡る観光スポット。常滑駅から徒歩で約5分の陶磁器会館をスタート地点に、レンガ造りの煙突や窯、黒塀の工場などがあるAコースと、INAXライブミュージアムなど見学施設が盛りだくさんのBコースの2コースが楽しめる散歩道となっている。
愛知県常滑市栄町
SPOT02

MADOYAMA

MADOYAMA
土管工場をリノベーションした築70年超えの建物にお店を構えるカフェ。1階の雑貨販売スペースでは、常滑焼の陶器やオリジナルブランド「REAL STANDARD life」の帆布バッグなどの販売を行い、常滑焼の陶芸作家、濱比嘉詩子さんの猫モチーフが並ぶことも。名物は野菜をたっぷり使ったカレーと季節の果物のパフェ。
愛知県常滑市栄町3-111

尾道(広島)

瀬戸内のほぼ中央、広島県の東南部に位置する広島県尾道市。漁港があり、小さな路地も多かったために野良猫が多く、猫の街として全国にその名を知られています。人懐っこい猫も多く、観光に訪れた人も温かく迎え入れてくれるそう。ほかにも、芸術家の園山春二氏が生み出した「福石猫」が路地に置かれた「猫の細道」や、同じく園山氏が空き家を再生して作った「招き猫美術館」など、猫にまつわる観光スポットも多くあります。

尾道は猫の街以外にもさまざまな顔を持っています。1つ目には物流の街であること。瀬戸内海の海上交通の要地で、古くから港町として栄えてきました。ほかにも山陽新幹線などの鉄道と、山陽自動車道、瀬戸内しまなみ海道、中国やまなみ街道などの高速道路、フェリーなどが整備されており、主要都市からのアクセスがよい立地となっています。また平地が少なく、坂の街としても知られている尾道。神社仏閣が点在し、歴史ある街並みが連なる景色は圧巻で、映画のロケ地や、文学作品の舞台にも選ばれてきました。観光地として栄えているため、尾道駅の周辺には飲食店なども多いのが特徴です。坂の多さは暮らす上での不便さはありますが、景観の美しさや自然の豊かさは住民の心を癒します。

尾道
SPOT01

猫の細道

猫の細道
絵師であり芸術家の園山春二が生み出した「福石猫」を、路地に置きはじめたことで「猫の細道」と呼ばれるようになった、細い坂の路地。多くの猫達が住みつき、訪れる人びとを癒やす観光名所として親しまれている。ほかにも「創造と再誕」をコンセプトに古民家を改修したカフェ、バー、小物ショップ、美術館、庭園などが建ち並ぶスポット。
広島県尾道市東土堂町
SPOT02

やまねこ

やまねこ
地元の食材にこだわったチーズケーキ専門店。「やまねこチーズケーキ」は、東広島上ノ原牧場「カドーレ」のチーズと世羅産米粉使用のグルテンフリーのチーズケーキで、ほかにもほうじ茶やチョコレートなど全部で5種類のフレーバーを販売している。店内のイートインも可能で、猫のラテアートがかわいいカフェラテと一緒に味わうのがおすすめ。
広島県尾道市土堂2-9-33

街をよく知る“目利き”に聞いてみよう

穏やかな空気が漂っている街や、お洒落な港町、ノスタルジックな城下町。そんな猫に出あえそうな街をご紹介します。気になる街があれば、目利きの話をチェックしてください。目利きならではの情報をたっぷり話してくれるはず。
File 01

穏やかな通りには猫が似合う
ファミリー層に人気の街

白山(東京)
ケーコーポレーション
ケーコーポレーション
File 02

繁華街、海、里山のバランスがいい
猫が集いそうな港町

横浜(神奈川)
リアルエージェント
リアルエージェント
File 03

猫に出会えそうな城下町散策が楽しい
四国最大の都市

松山(愛媛)
レントハウス松山
レントハウス松山