そこにいるだけで身体も心も不思議と元気になれる街があります。ウォーキングが楽しめる自然豊かな公園に、活気あふれる商店街。多くの人が行き交いながらものどかな空気が流れ、リラックスして暮らせる。毎日を過ごすなら、そんな元気をくれる街に住みたいものですね。今回は、元気をくれる街として、石神井公園の魅力をご紹介します。
text:上野郁美(エフェクト) photo:十河英三郎
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自然あふれる
公園が多い自然あふれる公園がある街なら、ウォーキングをしたり、少し身体を動かしたりと元気になれます。ちょっと疲れてしまったとき、気分転換するときにはベンチに座って自然を眺めれば、心もリフレッシュ。 -
人とふれあえる
商店街がある商店街には人と人との距離が近くなる温かな雰囲気があります。そんな商店街がある街なら、お店の人やほかのお客さんとの交流も生まれやすく、元気をもらえるはずです。 -
野菜直売所で
新鮮な野菜が手に入る野菜直売所がある街なら、新鮮な野菜が手に入りやすくヘルシーな生活を送ることができます。地域で栽培している野菜を食べているうちに、その街にもっと愛着がわくこと間違いなし。
パリッコさん
パワースポットのよう。
不思議な力を感じさせる街なんです。
僕はお隣の大泉学園の出身なのですが、14年前に妻と一緒に暮らすタイミングで石神井公園に引っ越してきました。子どもの頃から大きな公園のある街として「なんか楽しそうだな」とあこがれていたのもありますし、大衆酒場好きが高じて酒場ライターとなった僕には、商店街に古い店や新しい店が混在するこの街の雰囲気がとても魅力的に見えたんです。街としてはやはり「石神井公園」自体に圧倒的な存在感があると思っていて、僕は今でも毎日のように通っています。フリーライターとなり、パソコンさえあればどこでも仕事ができるので、公園で原稿を書いていることも少なくありません。仕事の合間にベンチでぼーっとすることは、僕にとってはなくてはならないリフレッシュできる時間です。公園で遊ぶ子ども達も、ウォーキングにはげむお年寄りもみんなエネルギッシュで、公園を中心に元気な街だと思っています。
石神井公園という街の魅力だと思うのが、なんといっても買い物環境をはじめとする住みやすさ。僕は酒場だけでなくスーパーも大好きなんですけど、この周辺だけでもスーパーがいくつもあります。庶民派から高級派までそれぞれにカラーがあり、スーパー巡りをするだけでも楽しめます。保育園も多く、2021年には待機児童ゼロを実現したそうです。子育てもしやすい街でもあります。
石神井公園の飲食店に顔を出すことも多いですが、石神井公園という街の規模が大きすぎないからなのか、お店同士の横のつながりがとても強いことに驚きます。「兄兄酒場 BELL」というお店の店主によると、オープンしたときに、まず周りのお店の店主が飲みに来てくれたらしいんです。偵察ではなく新しく街に加わった仲間だからと挨拶にきたそうで。そういうつながりがとてもいいですよね。このあたりは「魚隆」という魚屋さんから仕入れているお店が多いんですけど、コロナ禍でも休業はせず時短営業やお弁当を販売していたのは、「魚隆」さんが大変だから少しでも流通をまわそうという気持ちから。なぜそこまでほかのお店のためにできるのか、本当に不思議な街だと思うのと同時に、人同士がつながるパワースポット的な要素がこの街にはあるのではないかと思います。
ここに書ききれないほどあるのですが、僕がしょっちゅう行っていて、ホームともいえる「伊勢屋鈴木商店」さんという酒屋さんを紹介します。ここはお店で買ったお酒を飲める「角打ち」ができるお店です。石神井公園に住みだしたころからいつも店先で盛り上がっている人がいて気になっていたのですが、あまりの盛り上がりになかなか入ることができなくて。2年くらい経ったときに勇気を出して入ってみたら、みなさんとはすぐに仲よくなれ、ここで知り合った方もたくさんいます。寡黙なご主人とお話好きな奥さんが作り出す居心地のよさのなか、偶然居合わせた人とお酒を飲む時間が大好きなんです。石神井公園の温かな雰囲気がきっと味わえると思います。
1978年東京生まれ。酒場ライター、DJ/トラックメイカー、漫画家/イラストレーターほか。酒好きが高じ、酒と酒場に関する記事の執筆を始める。著書に『晩酌百景 11人の個性派たちが語った酒とつまみと人生』(シンコーミュージック・エンタテイメント)、清野とおる氏との共著『赤羽以外の「色んな街」を歩いてみた』(扶桑社)など。
暮らしのスポット
石神井公園
パークロード石神井
とれたて村石神井
久保田食堂
石神井公園MSPビル3階B