フリーランスのフォトグラファーnobuさんが暮らしを変えるきっかけになったのはコロナ禍でした。それまで順調だった音楽・演劇関係の撮影の仕事が全てなくなり、外出機会も激減。「こんな状況で自分がアウトプットできることは何か?」と模索し 、外資系ホテルのランチ写真の撮影が好評だったこと、実家の家業が器の製造関係であること、自分自身も器や料理が好きなことから、「自宅で朝食写真を撮って発信する」ことを始めたのです。
nobu さんご夫妻は、3年前に築50年近い“昭和な一戸建て”に引っ越しました。内見の際に「DIYで1・2階を異なるコンセプトの部屋にすれば、仕事に流用できる」と構想が浮かんだのだそう。そして今では朝食だけではなく、暮らしのイメージ写真や物品撮影の仕事も自宅でできるようになりました。
と言っても、家づくりでは特に“仕事”を意識してはいません。「仕事もプライベートも関係なく、やってみたいことを全て盛り込んだら楽しいじゃないですか。好きな要素やこだわりが入った“そこに居てゆったり楽しめる場所”づくりを目指しました」
そんなnobuさんの、家で仕事と快適さを同居させるコツは「ネガティブな感情を持つ空間にしないこと」。「もし、自宅でネガティブな気持ちになるなら、家具の配置、器、食事などを変えてみては? ものごとを少し変えるだけでも家にいる時間が変わる。そこから徐々にステップアップしていくと、気がつけば暮らし方自体が変わっていると思います」
① 夫婦2人とも料理が好きで、一緒にキッチンに立つことも多いため動線を考えて棚の設計や物の配置を決めました。
② 1階の日照のよくない部屋は写真機材の保管・ライティングが必要な撮影用に使用。1階なので機材の出し入れが楽です。
③ 窓にはカーテンではなくウッドブラインドを。おしゃれな見た目だけでなく、光の加減ができるので撮影にも便利。
④ 元は仏壇を置くためのスペースに棚をつけ、あまり使用頻度の高くない食器を収納。
年代:30 代(フォトグラファー)
住居区分:分譲住宅 居住年数:3年 同居人:妻
https://shimizunobu.photo/top
外国籍というだけで部屋を貸してもらえない。海外の人がせっかく来日しても日本人との交流機会がない。そんな状況を変えたくて2008年にサブリース型シェアハウスとしてスタートしたのが「ボーダレスハウス」です。
通常のシェアハウスとの違いは、「国際交流・多文化共生を目的とする住宅」であること。現在、日本・韓国・台湾の3か国で展開される78ハウスでは、10〜30代の日本人と外国人が暮らしを共にしています。
「ボーダレスハウス」の生活では、国や文化が異なる人と共に料理や清掃をし、映画を観たり、イベントに参加したり、出かけたり。日本人は海外留学のような体験が、海外の人は観光ではわからない日本文化に触れることができます。ハウスによっては町内会に加入し、地域の人々と交流をすることも。
自身も「ボーダレスハウス」で暮らしたことがある運営統括の森さんは、「背景が異なる様々な方との交流によって、自分なんてちっぽけなもので世界は広いということに気づかされます」と言います。
時には文化の違いからぶつかることもありますが、その際はスタッフがサポートしミーティングを開催。「Best」ではなく「Better & Better」な落とし所をみんなで探すそうです。「トラブルによって、自分が譲れないもの・人との違いなどを深く考えることができます。そして、どう解決するか模索し、次の一歩を踏み出す。それはその後の人生でも役立つ体験です」と森さん。
多文化共生は自分の殻を破り、新たな世界の扉を叩くきっかけとなっています。
① キッチンには調理器具が備え付けられているため、入居の際に持って来る必要がありません。食材や調味料などは自分で好みのものを買ってきます。
② ハウスの中の主な交流の場であるLDK。ここで言葉や文化を教えあったり、一緒にゲームをしたりしながら過ごします。
③ 交流が主目的のため居室は1人部屋が基本ですが、ハウスによっては2〜4人のシェアルームがある場合も。各部屋はベッドやデスクなどの家具付きです。
東京オフィス:東京都台東区柳橋1-10-8 2F
関西オフィス:京都府京都市上京区五辻通千本東入上る桐木町880 KeFU stay&lounge 1
https://www.borderless-house.jp/jp/