December
2024
Vol.59

鎌倉(神奈川)、小樽(北海道)、魚沼(新潟)の3つの街を「あたたかな移住暮らしが叶う街」として紹介

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過ごしやすい気候が特徴の街や、近隣に暮らす人との交流が叶う街。そんな土地に移住をすれば、自然と心も体もあたたかく暮らせるはずです。今回は、あたたかく暮らせる街として、鎌倉、小樽、魚沼の三つの街の魅力をご紹介します。

text:Kanta Kosugi、Ikumi Ueno(effect) photo:Eizaburo Sogo

  • 鎌倉(神奈川)
  • 小樽(北海道)
  • 魚沼(新潟)
※休業日や営業時間については、各公式サイト等でご確認ください。

穏やかな自然の中であたたかく暮らす 鎌倉(神奈川県)

東京駅、新宿駅から1時間ほどで到着するJR鎌倉駅。江の島電鉄と2線が利用可能

鎌倉ってどんな街?

神奈川県の南部に位置する街、鎌倉。かつて鎌倉幕府が置かれていたことから大本山円覚寺、鶴岡八幡宮などの神社仏閣、歴史的建造物も多く、古都として人気の街です。観光スポットも豊富で、鎌倉駅から鶴岡八幡宮方面に向かう小町通りには、約230の店舗が立ち並び、ショッピングや食べ歩きを楽しむ多くの人でにぎわいます。そして鎌倉のもうひとつの特徴が、三方を山に囲まれ南側が相模湾に面した、自然の多い環境。冬の冷たい風は丘陵にさえぎられ、夏は涼しい風が海から吹いてくるため、冬はあたたかく、夏は涼しい、過ごしやすい気候が魅力です。

観光地として有名な街ではありますが、豊かな自然、過ごしやすい気候、買い物スポットの多さなどから、近年は移住先としても人気に。東京駅、新宿駅から1時間ほどで着く距離にあることも、都心部からの移住者に選ばれる理由のひとつです。観光地としての人気ゆえ、週末は周辺の道路が混雑するので、住民は自転車を活用するなど工夫をしながら暮らしているようです。しかし人気の観光スポットをいつでも楽しめる環境は、移住の際のプラスのポイントでもあります。自然を有する街の空気は、ここで暮らす人の心を穏やかに、あたたかくしてくれるはずです。

鎌倉(神奈川県)
鶴岡八幡宮に続く段葛(だんかずら※葛石を積んで一段高くした参道のこと)。住民の散歩スポットとしても人気
街の人
北鎌倉でお花のカヌレ専門店を経営

マヤノカヌレ
高橋摩耶さん

北鎌倉で、ご夫婦でカヌレ店を営む高橋摩耶さん。エディブルフラワー(食べられる花のこと)がついた米粉でできたカヌレは、そのかわいらしさと優しい味が評判を呼んでいます。2018年に鎌倉に移住してきた高橋さんに、移住の経緯や、生活がどのように変わったのかをお聞きしました。
マヤノカヌレ 高橋摩耶さん
マヤノカヌレ
マヤノカヌレのカヌレは米粉と平飼いたまごを使い、グルテンフリーなのが特徴。エディブルフラワーが彩りを添える(左上から時計回りにプレーン、メイプルパンプキン、チョコ、栗)
「今日は満月だから、月を見にいこう」
そんな自然を大切にする暮らしが叶う街

駅から見える海に魅了されて

元々、私は東京暮らしをしていて、その後はニューヨーク、京都、横浜などで生活をしていました。引っ越しを考えたときに、ある程度、自然が豊かな場所に住みたいという思いがあったため、都内にはあまり魅力を感じる街がなかったんです。その後、たまたま鎌倉駅から3つ先にある長谷(はせ)という駅の近くの物件を見つけました。内見に来たとき、長谷駅を降りて物件まで歩いていると、すぐに海が見えてきて、日常の中にこんなに海が身近にあるんだと驚きました。いつか海の近くで暮らしたいとも思っていたので、その景色を見て移住を決めたんです。

お花がもっと身近になるように

移住後は、料理人の夫がお店を開くために物件探しを開始しました。こちらも運よく、骨董品屋だった物件があいていて、店内に残されていたアンティークのガラスケースや店内の雰囲気に一目惚れして、ここでお店を開くことにしました。当時はコロナ禍だったので、まずはテイクアウトしやすいカヌレ専門店という形で出店をすることになったんです。私が小麦粉アレルギーだったため、夫が米粉でカヌレをつくりました。私は生花店勤務経験があり、もっとお花が身近になってほしいという思いを込めてカヌレの上にエディブルフラワーを飾っています。いまはカヌレ店を金、土、日曜の3日間、夫のお料理のお店を火、水、金、土曜の4日間開いています。

マヤノカヌレ
摩耶さんが一目惚れしたというアンティークのガラスケース

自然との触れ合いを大切にできる暮らし

移住当初は都心の生活と比べて、少しだけ不便さを感じることがありました。お店は夜早くに閉まってしまいますし、定休日をしっかり設けているところも多いです。ただ、慣れてくると、事前に調べてその時間内に行けばいいだけなんだと考えられるようになり、いまは不便さを感じることはほとんどないです。個人でお店を経営している人が多いため、みんな無理せずに自分のペースで仕事をしていて、それが鎌倉のゆったりした空気につながっているのだと思います。そしてお店が早く閉まる分、自然や季節をすごく大事にできる生活になりました。「今日は満月だから、月を見にいこう」と海辺に月を見に行ったり。元々都会暮らしだった私でもなじめるくらい、鎌倉は利便性と自然のバランスがとてもいい街だと思っています。

おすすめスポット

ハレトキ
三浦の朝採れ露地野菜を中心に、手づくりのお惣菜も日替わりで並ぶ小さなマルシェです。元々この場所は、72年間親子3代に渡って地元に愛されてきた八百屋さんがあった場所。いろいろなご縁の巡り合わせで、私の友人のご夫婦がその想いを継承しお店を構えることになったそうです。毎日、ここのお野菜を食べていますが、新鮮でとてもおいしいです。

ハレトキ
朝採れの三浦野菜を中心に扱うマルシェ「ハレトキ」。
その新鮮な野菜を求めて多くの人が集まる
神奈川県鎌倉市坂ノ下13-15
スポット
心も体もあたたまる

暮らしのスポット

鎌倉には、訪れる人の心や体をあたためてくれるスポットがあります。移住後の生活を豊かにしてくれるお店をご紹介します。
暮らしのスポット
SPOT01
ご夫婦の優しい人柄に癒される

マヤノカヌレ

マヤノカヌレ
マヤノカヌレ
マヤノカヌレ
ニューヨークで料理人をしていた高橋浩介さんと、生花店で働いていた妻の摩耶さんが営む、エディブルフラワーがのった米粉のカヌレ専門店。営業日は金・土・日曜の3日間だけながら、その優しい味わいとかわいらしさが特徴のカヌレを求めて、県外からも人が訪れる。元々は骨董品屋だった物件をリノベーションしており、当時の家具も残っているため、レトロで心落ち着く空間となっている。イートインスペースもあり、カフェ利用もできるので、ご夫婦のあたたかい人柄に癒されながらカヌレを楽しむのもおすすめ。
神奈川県鎌倉市山ノ内510
SPOT02
築80年超えの古民家で味わう薬膳料理

燕カフェ

燕カフェ
燕カフェ
燕カフェ
洋食屋のコックとして経験を積んできた店主が、ほかにはあまりないテイストのお店をと、薬膳料理を中心に提供するカフェ。地元の良質野菜、オーガニック食材を使用することにこだわってつくられる料理は和洋折衷のスタイルで、体に優しいだけでなく、しっかりとした味わいもあり、どれもおいしい。カフェを構えるのは築80年超えの古民家で、店内には骨董品やアンティーク家具などが揃えられている。冬には縁側にこたつも登場し、ここで過ごすひとときは、心も体もあたためてくれる。
神奈川県鎌倉市小町3-2-27
SPOT03
自分好みのファブリックミストがつくれる

The Flavor Design® "Kamakura"

The Flavor Design® Kamakura
The Flavor Design® Kamakura
The Flavor Design® Kamakura
2016年に誕生した香り専門のブランド「The Flavor Design®」の鎌倉店で、オープンは2021年。The Flavor Design® "Kamakura"は史跡の残る鎌倉の街並みにインスパイアされたのれんや提灯がかかった外観が印象的なお店となっている。このお店の特徴は、自分好みのファブリックミスト(衣類、布製品専用の香水)の制作ができる、「Flavor Shake®」というプログラムが楽しめること(予約優先)。ほかにもパフュームオイルなどの定番商品の購入も可能。心地よい香りが、心あたたまるリラックスタイムを演出する。
神奈川県鎌倉市御成町13-26

山と海に囲まれ、ほどよいノスタルジーに浸れる 小樽市(北海道)

小樽運河の夜景

北海道の中部に位置する街で、雄大な自然環境が魅力のひとつである小樽。東・西・南の三方を山に囲まれた地形で、坂や斜面が多くあるため、港に停泊する船を見下ろすことができる景勝地が点在しています。また、石狩湾や日本海にも面しており、海岸線の形状が変化に富んでいることから、ウニやアワビにくわえて、シャコやニシンといった珍しい海産物を楽しむことも。市内には、寿司屋が立ち並ぶ「小樽寿司屋通り」など幅広い特産品を生かした食のスポットが多いです。また海水浴場も多く、スキューバダイビングやシーカヤックなどのアクティビティも充実しているので休日の遊び場に困ることはありません。

小樽市は北海道開拓の玄関口として栄えた街です。小樽運河沿いの石造倉庫など、明治から昭和初期にかけての歴史的建造物が数多く現存しており、情緒溢れるレトロな街並みの中で過ごせます。北海道の中でも寒暖差が小さく生活しやすいのもポイントです。交通の便もよく、市内にはJRと31のバス路線が整備されているので快適に移動可能。東京からのアクセスも計2時間30分程度と良好です。自然の豊かさや生活利便性の高さにくわえて、行政による住宅取得等補助金などの制度も充実しているため、移住先に適しながらも、ほどよいノスタルジーに浸れる街です。

小樽市(北海道)
小樽市内の風景
SPOT01
歴史的建造物を活用した専門店

小樽オルゴール堂

小樽オルゴール堂
小樽市を拠点とし、全国各地に店舗を展開するオルゴール専門店。本館は大正4年に建てられた小樽市指定の歴史的建造物を活用しており、館内にはノスタルジックな雰囲気が漂う。また建物正面にある蒸気時計は15分ごとに蒸気でメロディを奏でる人気のフォトスポット。品揃えは約3,200種類、約38,000点と日本最大級を誇る。パイプオルガンとアンティークオルゴールの実演やオルゴールの制作体験を楽しむこともできる店舗も存在する。
小樽オルゴール堂
北海道小樽市住吉町4-1

住みやすさ日本一を目指す食の楽しみに溢れる街 魚沼市(新潟県)

秋の魚沼の色づいた田んぼ

2004年に2町4村が合併し、新潟県中越地方の南東部に誕生した街。日本有数の豪雪地帯で、市内面積の80%以上を森林が占めるほど自然が豊か。環境を生かした特産品が多く、とくに豊富な雪解け水を利用した「魚沼産コシヒカリ」や、芳醇な香りとふくらみのある味が特徴の「地酒」が有名。ほかにも山菜やきのこ、鮭や鮎といった川魚など食の恵みに溢れています。雄大な景色や旬の食材の変化などから四季をはっきりと感じられるため、自然に寄り添った生活を求める方にぴったり。また農業従事者に向けて、補助金などさまざまな支援を実施しているので米農家を始めることも可能です。

魚沼市は、市をあげて「住みやすいまち日本一」を目指しており、雪国でありながら交通の便が整っています。市内には関越自動車道が整備されており、マイカー生活も快適。冬は3mを超える積雪になることもありますが、除雪体制も整っているため通勤・通学の心配はありません。また上越新幹線も通っているので、首都圏や県内主要都市までのアクセスも良好。東京までは最短1時間30分で移動可能です。移住や子育ての支援にも力を入れていて、移住支援金、子どもの医療費無料など多岐に渡ります。生活の不安が少ない中で、食と自然を満喫できるリラックスタウンです。

魚沼市(新潟県)
冬の魚沼市、夕暮れの風景
SPOT01
魚沼産コシヒカリ100%使用の米粉だんご

笹雪だるま®

笹雪だるま®
雪だるまに見立てた真っ白な団子に笹を着せたキュートな笹だんご。見た目は白とピンクの2種類。手作業で笹の服を着せ、顔入れしているので一つひとつ表情が微妙にちがう。魚沼産コシヒカリ「惣五郎」を100%使用した米粉だんごは、なめらかな口当たりともちふわ食感が自慢。またたっぷりと詰め込まれた粒あんはほどよい甘さで、最後まで食べやすいのも魅力。新潟土産として人気で、冬のおうち時間に食べたい一品。
笹雪だるま®

街をよく知る“目利き”に聞いてみよう

寒さが深まる季節だからこそ、心と体をほっこりと満たす暮らしを見つけたい。
体の芯からあたたまる料理、美味しいカフェで心を癒すひととき。
雪景色が映える街並みを散策しながら、静かな時間を楽しむのも素敵です。
冬の魅力を存分に味わえる街をご紹介。
File 01

恵比寿ガーデンプレイス」で
イルミネーションや冬のマルシェを楽しめる街

恵比寿(東京)
タカマツハウス不動産株式会社
タカマツハウス不動産株式会社
File 02

六甲山のロープウェイから見える
雪景色を一望できる街

神戸市中央(兵庫)
株式会社日住サービス
株式会社日住サービス
File 03

おいしいラーメンや焼き鳥
心も体もあたたまる

久留米(福岡)
株式会社みんなの不動産本舗
株式会社みんなの不動産本舗