February
2026
Vol.66
猫と暮らしたくなる街 吉祥寺、熱海

猫と暮らしたくなる街 吉祥寺、熱海

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好奇心旺盛で自由気ままな行動が魅力の猫。その愛くるしい存在と日常の中で出会え、
文化としても街に根付いている場所に住めば、心にゆとりができ、毎日にちょっとした遊び心が生まれそう。
今回は、猫と暮らしたくなる街として、吉祥寺(東京)、熱海(静岡)の二つの街の魅力をご紹介します。

text:Kanta Kosugi photo:Eizaburo Sogo

  • 猫も人も暮らしやすい街 吉祥寺(東京都)
  • 便利さと豊かな自然環境で人気上昇中 熱海(静岡県)
※休業日や営業時間については、各公式サイト等でご確認ください。
猫も人も暮らしやすい街 吉祥寺(東京都)

猫も人も暮らしやすい街 吉祥寺(東京都)

1917(大正6)年に開園した「井の頭恩賜公園」。約500本の桜や豊かな緑が残る

吉祥寺ってどんな街?

東京都武蔵野市の東部に位置する吉祥寺は、猫と深いゆかりを持つ街です。昔から猫の雑貨店や猫にまつわる作品を展示するギャラリーが点在するほか、地域の保護猫活動もさかんに行われてきました。大島弓子さんのエッセイ漫画を映画化した作品『グーグーだって猫である』や、いしかわじゅんさんの漫画『ミミ正』など、吉祥寺を舞台とし、猫をテーマにした作品も多く、猫好きにとって注目の街であり続けています。2010年からは、毎年秋に「吉祥寺ねこ祭り」という地域活性化イベントが約1か月にわたって開催されるようになり、それ以降、街には猫にまつわる施設がさらに充実。近年では、猫カフェなど気軽に猫と触れ合える場所も増え、猫と人とが共生する街としての魅力が広がっています。

吉祥寺は、「住みたい街ランキング」でたびたび上位にランクインする人気の街。駅周辺にはスーパーやカフェ、古着屋などが立ち並ぶ大きな商店街や商業施設が充実しており、帰宅ついでに買い物をすませることができます。公園や美術館もあるうえ、渋谷や新宿へも1本でアクセスできるため、休日の過ごし方にも困りません。また、都心にありながら、ほどよく静かで緑豊かな環境は、世代を問わず魅力的にうつります。駅前の「井の頭恩賜公園」は自然が多く、約500本の桜が植えられている名所。見頃を迎える春には、毎年多くの花見客で賑わいます。田舎と都会、それぞれのよさが共存する、人々の心を掴んで離さない街です。

吉祥寺(東京都)
昼は生鮮食品や惣菜、夜は立ち飲みやハシゴ酒が楽しめる「ハモニカ横丁」
吉祥寺(東京都)
約160店舗が並ぶ吉祥寺のランドマーク「吉祥寺サンロード商店街」
街の人
猫と里親をつなぐ保護猫カフェを経営

保護猫カフェきゃりこ オーナー
福井隆文さん

吉祥寺で猫と里親をつなぐことを目指す保護猫カフェ「きゃりこ」を営む福井隆文さん。2007年ごろから猫に関わる仕事を続けてきた福井さんに、“保護猫”という形でカフェづくりをされた経緯や、吉祥寺での暮らしの中で感じる“猫”の要素について伺いました。
保護猫カフェきゃりこ オーナー 福井隆文さん
保護猫カフェきゃりこ
店内にはキャットウォークが張り巡らされており、気ままに遊ぶ様子を観察できる
一人ひとりの意識が高まれば
猫の暮らしは変わるはず。
保護猫の理解を広められる場所にしたい

保護猫カフェで猫へ恩返し

実家で暮らしていた頃はたくさんの猫を飼っていて、まさに猫づくしの生活を送っていました。でも、上京してからは土地柄もあって、猫と過ごす時間がほとんどなくなってしまって。自然と「また猫と一緒に暮らしたい」という気持ちが強くなり、2007年ごろ、吉祥寺に「きゃりこ」をオープンしました。当初は一般的な猫カフェとして経営していたのですが、吉祥寺内でよりよい物件へ移転したことをきっかけに、「猫にごはんを食べさせてもらった分、恩返しがしたい」と思うようになり、1店舗目の跡地で保護猫カフェをスタートしました。そこから徐々に「きゃりこ」全体が保護猫カフェへとシフトし、現在は吉祥寺と埼玉で2店舗を展開しています。

"人と猫との共存は知識の広がりで進む

猫は、見た目はもちろん、性格もすべてがかわいい動物だと思います。甘えてくる時もあれば、そっけない時もある。その思い通りにならない感じが、人生に似たおもしろさがあって、私にとっては魅力的です。そんな猫たちが暮らしやすい世の中の実現に、「きゃりこ」を通じて少しでも貢献したいと思っています。ただ、まだまだ課題も多いです。たとえば捨て猫問題は、去勢・避妊が行われず繁殖してしまうことで起こるケースも少なくありません。飼う・飼わないは関係なく、猫に関する正しい知識や認識が社会にもっと広がれば、人と猫との共生はさらに前に進んでいくと思います。

常時25匹以上の保護猫が在籍していて、新たな家族が決まると卒業していく
常時25匹以上の保護猫が在籍していて、新たな家族が決まると卒業していく

吉祥寺は今も昔も“猫の街”

吉祥寺は今も昔も猫との親和性が高い街だと思います。昔は道ばたで猫を見かけることが多く、とくに井の頭公園近くにあったジェラート屋はホットスポットになっていました。一方で、現在も「吉祥寺ねこ祭り」が毎年10月に開催されたり、猫カフェが数多く集まっていたりと、都内でも有数の猫のメッカだと感じています。私のように猫に惹かれて吉祥寺周辺に移住してくる方もいるかもしれません。駅前には商店街があり便利ですし、東京ながら自然が豊かな一面もあるので、地方出身の方にとっても比較的居心地がいい環境だと思います。吉祥寺の発展とともに、猫の魅力もさらに広がっていったらうれしいです。

おすすめスポット

Mimi Tea/BAR AOTETSU
「BAR AOTETSU」オーナーの粟生さんとは、「きゃりこ」を始めた当初からのお付き合いです。彼が店に来てくれたことをきっかけに親交が始まり、仕事の相談などをさせていただくうちに、私にとって頼れる存在になっていきました。そして今年1月、長年一緒に働いてきたスタッフが「BAR AOTETSU」を間借りしてオープンさせたのが「Mimi Tea」。ダージリンや中国紅茶を中心としたシングルオリジンティーの喫茶店で、お茶菓子もおいしくてお気に入りです。

BAR AOTETSU
木〜日曜の昼は喫茶店「Mimi tea」、金〜火曜の夜は隠れ家バー「BAR AOTETSU」として営業している
東京都武蔵野市吉祥寺南町1-5-11 3F Mimi tea insta@mimitea0110 BAR AOTETSU externalhttps://www.aotetsu.net/
BAR AOTETSU
スポット
にゃんとも癒される

暮らしのスポット

吉祥寺には全国の猫好きが注目するほど猫にまつわるスポットがたくさん。日々の生活がおだやかになるお店や施設をご紹介します。
暮らしのスポット
SPOT01
人と猫が互いに喜ぶ場所

きゃりこ吉祥寺

きゃりこ吉祥寺
きゃりこ吉祥寺
きゃりこ吉祥寺
オーナーの「猫へ恩返しがしたい」という思いから生まれた、NPO法人リトルキャッツと提携している都内最大級の保護猫カフェ。保護された猫たちが暮らしており、実際に見て、触れたうえで譲渡を選ぶこともできる。もちろん、純粋に猫と遊びたいという方も大歓迎。料金の一部は猫たちの世話代に還元されるため、楽しみながら猫たちの生活を支えられる。保護猫カフェのハードルを下げ、より多くの猫が豊かな暮らしを送れる社会を目指している。
東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-2 2F insta@catcafe_calico_official
SPOT02
猫がひそむ絵本の世界

吉祥寺プティット村

吉祥寺プティット村
吉祥寺プティット村
吉祥寺プティット村
中道通りの中でもひと際存在感を放つ、「扉を開ければ絵本の世界」がコンセプトの小さなテーマパーク。扉の先には“小人たちがひっそりと暮らす小屋”などをモチーフにした、猫カフェやティースタンド、雑貨店など、さまざまなジャンルのお店がお店が7件集まる。さらさらと流れる小川や猫シェイプの壁泉、猫の足跡など細部までこだわった装飾も見どころで、まるで絵本の中に迷い込んだかのようなひとときが過ごせそう。
東京都武蔵野市吉祥寺本町2-33-2 insta@kichijoji_petitmura
SPOT03
癒され、くつろげる猫カフェ

てまりのおしろ

てまりのおしろ
てまりのおしろ
てまりのおしろ
“猫たちがつくったヘンテコなお城”がコンセプトの猫カフェ。スコティッシュフォールドやメインクーンなど、常時20匹ほどの猫たちが自由気ままに過ごす城内には、猫サイズの扉や魚モチーフのシャンデリアなど遊び心あふれる装飾が並ぶ。食事やスイーツ、ドリンクを楽しめ、時間制限がないのも嬉しい。お城のデザインを隅々まで眺めたり、猫たちの姿に癒されたりしながら、心ゆくまでくつろげます。
東京都武蔵野市吉祥寺本町2-33-2 吉祥寺プティット村 1F insta@temarino_ouchi.oshiro
便利さと豊かな自然環境で人気上昇中 熱海(静岡県)

便利さと豊かな自然環境で人気上昇中 熱海(静岡県)

500を超える源泉がわく温泉リゾート、熱海。海沿いの温泉宿からは「熱海海上花火大会」が楽しめる宿が多い

静岡県の最東部に位置する熱海は、海と山に面した美しい景観に恵まれた街。ビーチや神社、美術館といった観光名所が多く、日本屈指の温泉地としても有名です。その歴史は古く、奈良時代に万巻上人(まんがんしょうにん)が海中から湧く温泉を現在地に移したことが始まりとされています。その後、徳川家康が湯治に訪れたことで全国的に名を広め、バブル期には温泉リゾート地として大いに賑わいました。バブル崩壊後、一時は停滞しましたが、近年は駅や宿泊施設のリノベーションが進み、街には再び活気が戻りつつあります。日帰り温泉や足湯など、気軽に入浴できる施設も多く、住民にとっては暮らしのそばで温泉を楽しめる街です。

観光地として知られる熱海は、近年、生活拠点としての人気も高まりつつある街です。都内や名古屋、大阪などの主要都市へのアクセスがよく、東海道新幹線を利用すれば約50分でJR東京駅に到着します。市内は坂が多いため、移動には車があると便利です。また、移住や就業、子育てなど、さまざまな分野で支援制度が手厚い点も魅力のひとつ。「すくすく応援ギフト」では、妊婦1人につき給付を受けられる仕組みがあります。子育て支援センターも2か所あり、遊びや交流のほか育児相談も可能です。海と山に囲まれた自然環境でありながら、観光地らしいにぎやかさも併せ持つ熱海。楽しく暮らしたい、子どもをのびのび育てたいという方におすすめの街です。

熱海(静岡県)
レトロな雰囲気が漂う熱海平和通り商店。熱海・伊豆・静岡の名産品や温泉まんじゅうなどの土産物を中心に、様々な店が並ぶ
気になる移住支援制度 Pick UP
SPOT01
猫と人をつなぐ癒しの空間

ねこハウス Temple Cat

ねこハウス Temple Cat
ねこハウス Temple Cat
ねこハウス Temple Cat
保護猫団体「NPOくすのき」が運営する、オープン型シェルターの譲渡型保護猫ハウス。 今まで200匹以上の保護猫を里親が見つかるまで預かってきた施設で、1時間単位で触れ合いを楽しめる。譲渡会では本来の魅力を発揮しきれない猫たちのリラックスした日常の姿を見ることができ、体験を通じたお迎えの相談も可能。入室料金はすべて保護猫たちの医療費やフード代に充てられ、猫と利用者、お互いに幸せをもたらす場所です。
静岡県熱海市昭和町6-10 insta@kusunoki.templecat
SPOT02
バズった猫に出会えるバー

Muddy Cat

Muddy Cat
Muddy Cat
Muddy Cat
SNSでたびたび注目を集める、バズり猫に会えるかもしれないバー。看板猫4匹の様子を投稿するお店のSNSアカウントは、総フォロワー14万人を超えている。落ち着いた雰囲気の店内には、流木を使ったキャットウォークを設置。猫のキュートな姿を横目に、またたび酒を使ったオリジナルカクテル「ねこまっしぐら」に酔いしれる至福のひとときが楽しめる。オリジナルの猫グッズが揃う姉妹店「泥猫倶楽部」に立ち寄るのもおすすめ。
静岡県熱海市和田町13-8 insta@muddycat.atami
SPOT03
熱海の自然に触れる堤防釣り

熱海港海釣り施設

熱海港海釣り施設
熱海港海釣り施設
熱海港に延びる堤防の内海側で釣りができる施設。熱海の街並みや山々を眺められるロケーションが魅力で、ハイシーズンには早朝から多くの釣り客が集まる。入場料に加え、有料で初期指導付きの貸し竿セットや持ち帰り用のクーラーボックスも利用でき、手ぶらでも楽しめるのがうれしい。釣った魚は近隣の協力店の和食処で味わうこともでき、思い出に残る釣り体験が叶う。
静岡県熱海市和田浜南町1694-32 instahttps://www5d.biglobe.ne.jp/~atami/