February
2022
Vol.42
cover
めざすのは猫と人との幸せ空間。
我が家は、猫ファースト
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Photo: Daisuke Yamada text: Nahoko Sakai
暮らしの実例で見る幸せに暮らす3つの部屋
猫との暮らしが運んできたゆとりの時間と新しい趣味
猫との暮らしが運んできたゆとりの時間と新しい趣味

 6年前、猫のURIと一緒に九州から神奈川に越してきたuribonneさん。URIが窓の外を見ながら日向ぼっこできる部屋を望んでいたのですが、夫のAさんが探してきたマンションは、日当たりが悪くてガッカリ。でも今は「この部屋をここまで作ってきて、何年か後に元に戻さなくちゃいけないと思うと寂しいですね」と言います。

URIがおてんばだった頃、勢い余って飛び出してしまったキャットステップ。成長にあわせて頑丈な作りに。

 以前は仕事に追われて、家は『ただ眠るだけの場所』だったというuribonneさん。引っ越しを機にURIと一緒にゆっくり休日が過ごせる仕事に転職しました。時間にゆとりができ、趣味としてDIYを始めることに。その最初の作品がキャットタワーだったそう。市販のものを購入したものの大きすぎて邪魔だったからと「突っ張り式の壁面材を使って自分で作ったら、思いがけずうまくできたんです」。それからスイッチが入り、窓や壁にキャットステップや猫グッズの収納棚、部屋のパーテーションなど次々に作っていきました。「URIが大きくなるに従って、キャットステップを荷重に耐えられるようにしたり、使い勝手を考えて滑り止めをつけたり、URIと一緒にこの部屋も育ててきた感じがします」。

LABRICOで作ったキャットステップ。窓に貼り付けるタイプの猫用ハンモックは、大きなURIでも十分入る大きさ。

LABRICOで作ったキャットステップ。窓に貼り付けるタイプの猫用ハンモックは、大きなURIでも十分入る大きさ。

LDKを手作りのパーテーションで区切って使用。

LDKを手作りのパーテーションで区切って使用。
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フクロウが描かれたキャットステップの滑り止め。 フクロウが描かれたキャットステップの滑り止め。
ダイニングスペース。天井の大きな梁に貼ったレンガ模様の壁紙が、部屋全体の統一感を醸している。 ダイニングスペース。天井の大きな梁に貼ったレンガ模様の壁紙が、部屋全体の統一感を醸している。
最初にキャットタワーを置いた場所に新たにマントルピースを手作り。中には暖炉型ヒーターをセット。 最初にキャットタワーを置いた場所に新たにマントルピースを手作り。中には暖炉型ヒーターをセット。
この部屋に住み始めて食器も増え、そのための棚も作成。器は陶器市や合羽橋道具街で購入。「道具が好きです。キッチン道具とか工具とか」とuribonneさん。 この部屋に住み始めて食器も増え、そのための棚も作成。器は陶器市や合羽橋道具街で購入。「道具が好きです。キッチン道具とか工具とか」とuribonneさん。
キッチンの扉は壁紙を貼り、その上からペンキで茶色に塗り替え、床はキッチン部分だけクッションフロアを貼った。 キッチンの扉は壁紙を貼り、その上からペンキで茶色に塗り替え、床はキッチン部分だけクッションフロアを貼った。
間取り&部屋主プロフィール
間取り
  • マスキングテープを使って色を紺に変えたドア。
  • 鹿の壁飾りは「僕も何か趣味を持ちたい」とAさんが製作したオーブン陶芸。
  • パーテーション裏は猫のトイレとお掃除グッズコーナー。
  • キャットステップの滑り止めは、URIの行動を観察して、滑りそうなところに追加。
部屋主プロフィール
間取り&部屋主プロフィール
uribonneさん[神奈川県横浜市] 50歳代(会社員) 住居区分:賃貸 居住年数:6年 同居人:夫、猫(URI)

休日を使ってDIYに勤しむ日々をInstagram(@uribonne)で発信中。平日の忙しさを忘れられるひと時。

愛猫のために建てた家で新しく迎えた猫たちがはしゃぐ
愛猫のために建てた家で新しく迎えた猫たちがはしゃぐ

 愛猫の楓と一緒に上京した時、猫と一緒に住めるマンションを探すのに一苦労したKさん。「そのときの住まいは最寄り駅からバスで15分。通勤の便は無視しても楓の快適性を優先しました」。その後、長く患っていた楓のためにと、その過ごしやすさを一番に考えて5年前に今の家を建てたそう。「設計会社の担当者さんも猫を5匹飼っていて、猫のためのアイディアを出しあいました」。楓が外を眺めやすいように床から近い場所に明かり取りの窓を設けたり、床を全てフローリングにしたり。「床材や壁材もペット対応の傷や汚れに強いものを選びました」。

3階のキャットウォーク。ナツメとスズはいつもここの窓から通りの人を眺めている。

 楓が虹の橋を渡って、しばらくは猫を飼うことはなかったKさんですが、どうしても猫が飼いたくなり、よく知るブリーダーに相談。自分たち夫婦が留守の時も2匹いれば寂しくないからとアメリカンショートヘアのナツメとスズを連れ帰ることに。2匹ともアクティブで、楓より大きいので「キャットステップはもう少し大きめに作った方が良かったなと思っています」。

夫のYさんがリモートワークになった時に設置したスペース。Yさんが不在の時は猫の遊び場。

夫のYさんがリモートワークになった時に設置したスペース。Yさんが不在の時は猫の遊び場。

左側にあるケージは、ナツメとスズが子猫の時に使った頂き物のケージ。

左側にあるケージは、ナツメとスズが子猫の時に使った頂き物のケージ。
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猫用の水道に集まる2匹。 猫用の水道に集まる2匹。
3階のトイレに猫用トイレが3台置けるスペースを設置。1階のトイレは、来客のための人間専用のトイレ。 3階のトイレに猫用トイレが3台置けるスペースを設置。1階のトイレは、来客のための人間専用のトイレ。
1階の猫用の窓。靴箱と壁の隙間なので、猫しか入れない場所だが明かり取りにもなる。 1階の猫用の窓。靴箱と壁の隙間なので、猫しか入れない場所だが明かり取りにもなる。
Kさんの部屋の窓辺。キャットタワーを設置し、猫たちの憩いのスペース。窓に取り付けた猫用ベッドは吸盤と脚がついており丈夫。
              Kさんの部屋の窓辺。キャットタワーを設置し、猫たちの憩いのスペース。窓に取り付けた猫用ベッドは吸盤と脚がついており丈夫。
大きくなったナツメとスズのために新しくした猫用自動給餌機。 大きくなったナツメとスズのために新しくした猫用自動給餌機。
間取り&部屋主プロフィール
間取り
  • 玄関のライトは猫にも反応するため帰宅時の脱走用に役立つ。
  • 人間専用トイレ。
  • 戸棚は全て猫の手が届かない場所に扉をつけて。
  • 猫用の水道。気づいた時にすぐ新鮮な水をあげられる。
  • Yさんのテレワークスペース。
  • 猫用トイレが3台置ける。
部屋主プロフィール
間取り&部屋主プロフィール
Kさん[東京都目黒区] 40歳代(会社員) 住居区分:持ち家 居住年数:5年 同居人:夫、猫(ナツメとスズ)

Instagram(@k.kaede_cat)では元気なナツメとスズの日常を発信中。

子どもたちが独立して始まる夫婦と猫との穏やかな暮らし
子どもたちが独立して始まる夫婦と猫との穏やかな暮らし

 長年育ててきたミニチュアダックスのmarronが3年前に旅立って、体力的にもう犬を飼うのは難しいと思った藤森さん。長男が猫アレルギーだったので、猫を飼うことは諦めていましたが、「サイベリアン」という猫種ならアレルギーが出にくいと聞き、信頼のおけるブリーダーに相談。そこで一目惚れしたのがSherryでした。「猫を飼うにあたって、ソファーや壁に傷がつくことは半ば想定していました。でもこの子は本当に大人しくて、壁で爪をといだことはありません」。そう言われて見渡すとお部屋のあちこちに可愛らしい「爪とぎ」がいくつも置かれていました。Sherryにストレスがかからないよう工夫しているのがわかります。

Sherryが大好きなサンルーム。花の形の爪とぎは高さが1mくらい。

 棚やチェスト、デッキの手すりまで自分で好みの色に塗るほどインテリアが好きな藤森さん。「爪とぎや猫のおもちゃはインテリアのことも考えてダークな色使いのものは避けています」。Sherryのためのサンルームには大きな花の形の爪とぎの横にアジアンテイストのアームチェアがありましたが、「この椅子で爪をといだこともないんです」。

ほとんどSherryのための部屋。トイレもこの部屋に。奥のチェストの上にはmarronの祭壇が。

ほとんどSherryのための部屋。トイレもこの部屋に。奥のチェストの上にはmarronの祭壇が。

洗面台の青いタイルは「水が跳ねるとカビが生えやすくなるので」と、藤森さんが貼ったもの。

洗面台の青いタイルは「水が跳ねるとカビが生えやすくなるので」と、藤森さんが貼ったもの。
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ニンジンの形をした爪とぎ。 ニンジンの形をした爪とぎ。
ダイニングスペース。インテリア雑貨なども大好きだが、飾り棚の中に入っており、表には出さない。 ダイニングスペース。インテリア雑貨なども大好きだが、飾り棚の中に入っており、表には出さない。
2階のお風呂場。日当たりがよく、ここもSherryの好きな場所。手前のチェストも元は茶色だったものを白く塗ったそう。 2階のお風呂場。日当たりがよく、ここもSherryの好きな場所。手前のチェストも元は茶色だったものを白く塗ったそう。
室内にはグリーンやお花を飾ったりすることも多いが、Sherryがかじったり、いたずらするのは見たことがない。
              室内にはグリーンやお花を飾ったりすることも多いが、Sherryがかじったり、いたずらするのは見たことがない。
大人しくて臆病なSherry。庭で写真を撮ろうとしたらアリに驚いてしまい、柵を飛び出しそうになったので、庭に出る時は必ずハーネスをつける。 大人しくて臆病なSherry。庭で写真を撮ろうとしたらアリに驚いてしまい、柵を飛び出しそうになったので、庭に出る時は必ずハーネスをつける。
間取り&部屋主プロフィール
間取り
  • 臆病なSherryは見知らぬ人が来るとここのピアノの裏に隠れてしまう。
  • Sherryのために作ったサンルーム。
  • あちこちにある爪とぎ。
  • Sherryは2階の踊り場から1階を眺めるのが好き。
部屋主プロフィール
間取り&部屋主プロフィール
藤森さん[茨城県守谷市] 50歳代(会社員) 住居区分:持ち家 居住年数:17年 同居人:夫、娘、猫(Sherry)

春には娘さんも独立。趣味のカメラでSherryを撮影。Instagram(@siberian_sherry)で発信する毎日。