女優 / 檀れい
スタイリスト:髙橋正史(OTL)、ヘアメイク:黒田啓蔵
テレビや映画、CMでの凛としたたたずまいやかわいらしい表情で多くの人を魅了する女優・檀れいさん。主演を務める映画『太陽とボレロ』の撮影で訪れた長野県の松本の魅力についてお話してくれました。また、作品の監督である水谷豊さんについて、作品への思いもお聞きしました。
松本市
「今回の撮影で訪れた松本市は
自然も多くて、住む人たちも温かく、
その雰囲気に癒されていました」
松本はどんな街?
東京からJR中央線で約3時間。長野県の中核都市として栄える松本市は、国宝 松本城といった史跡や北アルプスなど雄大な自然もあり、観光だけでなく移住したい街としても人気です。
撮影で訪れた松本の印象はいかがでしたか?
松本は、緑が多いですし、なんといっても人が温かい。今回の撮影は、社会状況もあって感染症対策のためにホテルと撮影現場とを往復するだけでした。でも、松本の人たちは私たちのことを心よく受け入れて、撮影に協力してくださって、本当にありがたかったです。心の温かい人たちが集まっている街なのだなと感じました。松本の自然と人に癒されましたし、今回の撮影でますます松本が好きになりました。
住んでみたくなりましたか?
街と自然のバランスがとてもよく、住みやすそうですね。自然ばかりだとのんびりできますが、実際に生活するとなると不便なこともありそうです。松本は街は栄えていますが、東京ほどにぎやかではない。自然と街の両方がほどよく揃っているのも魅力的に感じました。
今回は、ホテルと撮影現場の往復だったとのことですが、今度訪れたら行ってみたいところはありますか?
松本はおいしいものもいっぱいあるので、『太陽とボレロ』の出演者の方々と松本のおいしいものを食べながら、お芝居の話をしたいなって思います。今回は、撮影中にも地元の料理が楽しめるお弁当を出してくださったり、長野のおそばが食べられる機会もあったので、それはうれしかったですね。
檀さんにとって、今回の撮影を通じて、松本はどんな街になりましたか?
撮影で訪れたことによって、これまでよりもぐっと身近な街になりましたし、住む人たちを含めて温かい雰囲気の街だと思います。仕事もあるので、いますぐというのは難しいと思いますが、いつか松本に住んでみたいですね。
奔走する女性であるように演じました
檀さんが演じる花村理子は、地元のアマチュア交響楽団の主宰者でありながら、ブティックを経営していたり、母親の面倒を見ていたりとスーパーウーマンに見えますが、檀さんはどのようにとらえていましたか?
理子は、自分のためというよりも人のために頑張っている女性。自身が主宰する弥生交響楽団の解散が決まり、ラストコンサートを開くことにしたのも、みんなに最高の舞台を用意するため。父から受け継いでいる家業を守る、母や家族を守るといったように、自分のことを後回しにしてでも、周りのことに一生懸命な人だなと思いました。ただ、理子を表現するなかで、苦しい表情はあまり見せたくないなと思いました。そうすることで、最後に母親からかけられる言葉がより実感できればいいなと思いましたし、ただただ人のために奔走している女性でありたいなと思いました。私もつい人に任せず自分でやってしまう方なので、理子のがんばりすぎてしまうところは通じるものがありましたね。
水谷豊さんが監督ですが、監督とはどのようなやりとりがありましたか?
台本を読んだときに想像していたものを飛び越える演出に驚かされたり、刺激を受けたりすることの連続でした。撮影中も、今日はどんなシーンになるのかなというワクワク感があったので、毎日現場に行くのが楽しかったですね。水谷さんは普段脚本を書くときは架空の人物をイメージしながら書くそうなのですが、今作のとあるシーンで私のことが思い浮かんだそうです。そのシーン以外は架空の人物をイメージして描いたそうですが、そのことをだいぶ撮影が進んだ時に教えてもらい、驚きつつも嬉しく思いました。
今作は、人間ドラマやユーモラスなシーンが印象的に描かれていますが、演じていて大変だったことはありますか?
ユーモアあふれるシーンもシリアスなシーンも水谷監督の「やりすぎず、やらなさすぎず」という言葉を胸に演じていました。監督の「OK」という言葉を頼りに今回は演技をしていたので、悩んだらすぐ監督に相談していました。お芝居は掛け合いでもあるので、監督の意図を聞いたうえで、ほかの俳優さんにしているアドバイスも聞きながら、テストで試して微妙な兼ね合いを調整しながら演技していましたね。弥生交響楽団のメンバーも個性が強い人ばかりなので、私が登場している場面だけではなく、クスクスっと笑えるポイントは多いですし、それぞれの演者さんが楽しんで演じていた結果ですね。なので、笑うポイントは人それぞれだとは思いますが、きっとクスクスッと笑いながら楽しんでもらえると思います。
今作では、弥生交響楽団のメンバーは吹き替えなしで演奏シーンを撮影していたということです。檀さんから見ていて、メンバーの演奏はいかがでしたか?
私は楽器の演奏はなかったのですが、ほかの方は、演技をするだけでも大変なのに、いままで触れたこともない楽器を演奏することになって。ゼロからのスタートで練習されて撮影に臨んでいらっしゃったので、本当に頭の下がる思いです。そして練習を重ねるごとにしっかり音が出るようになって、しっかりと市民楽団に見えるほどに上達されていました。最後には「楽器とお別れするのがさみしい」と言っていた方もいるほど、愛情をもって音楽に取り組んでいた結果でもありますし、そんな姿は見ているだけの私でも胸にくるものがあったので、最後の理子の表情にもそんな思いが込められていますね。今作は、クラシックが好きな人も楽しめますし、クラシック関係なく映画が好きで見に来た人も幅広い年代で楽しめるようなエンタテインメント作品となっているので、ぜひご覧ください。
「太陽とボレロ」
「今日、私たちは、解散をします。」
ある地方都市で18年間活動を続けてきたアマチュア交響楽団の解散が決まった。
それを期に超個性派の楽団メンバーの人生も大迷走! 主宰者の花村理子は彼らに翻弄されながらも最後のコンサートを計画するが不協和音が響き、問題山積みの中、全員の様々な思いをのせたコンサートがはじまってしまう。理子はバラバラの楽団員を一つにできるのか? 最後のそして最高の舞台となるのか?
監督:水谷豊
出演:檀れい、石丸幹二、町田啓太、森マリアほか
公式HP:https://www.sun-bolero.jp/
©2022「太陽とボレロ」製作委員会
檀れい
Rei Dan
衣裳:LANVIN COLLECTION、アクセサリー:NATURALI JEWELRY