女優/玉城ティナ
人気映画やドラマへの出演が相次ぐ、いま勢いのある若手女優の一人・玉城ティナさん。プライベートでリフレッシュに訪れる京都の魅力についてお話してくれました。また、出演映画『グッバイ・クルエル・ワールド』についても、自身が演じたキャラクターへの思いなどを語ってくれています。
京都
「古いものと新しいものが
お互いを尊重しながら
共存しているのが魅力的」
京都へよく行かれるのですか?
最初に京都を訪れたのが14、15歳の時で、振袖を着て撮影する仕事でした。その撮影の間に街を散歩してみると、いろいろな通りが碁盤の目のようになっていて、歩いていて楽しかったなというのが京都の原体験で、そこから京都の魅力にはまりました。その後も、お仕事やプライベートで何度も訪れるようになって、少なくても年に1、2回は訪れていると思います。ただ、仕事だとあまりゆっくりできないので、プライベートでのんびり観光できる時の方が好きです(笑)。
京都の魅力はどのようなところですが?
普段生活している東京とはまったく異なった景色が広がっていて、訪れるとちゃんと旅行気分を感じられるのがいいなって思います。先ほども話した、碁盤の目のようになっている、東京とは異なった街のつくりや、歴史的な神社やお寺をはじめとした古いものと、近代的なビルなどがしっかりとお互いを尊重しながら共存しているのがとても魅力的です。外国からの観光の方が京都を訪れたくなる気持ちもわかります。それに、建築物はもちろん食べ物についても独特の文化がありますよね。日本は街によっていろいろな表情があると思うのですが、その中でも京都は特徴的な街だと思います。
京都に来たら必ず訪れる場所などはありますか
どんなに有名なお寺や神社でも、東京にあるといつでも行けると思ってなかなか行かないので、京都に来たときは、お寺や神社を回ることが多いですね。私自身が新しいものを知りたいタイプなので、一度行ったスポットなどはあえて避けて、行ったことがない場所をあえて選んで訪れています。プライベートで訪れる時は、1日に何か所も訪れるといったような詰め込んだスケジュールではなく、その時に気になる場所を1、2か所選んで、時間をかけでじっくり見て回るのが好きですね。
食べ物に関しては、やっぱり京都では和食を食べたくなるのですが、有名な洋食店や喫茶店などもあるので、そちらも気になります。ただ、みんなが行くような人気店というよりは、静かなところがいいので、知る人ぞ知るといった感じのお店が多いですし、観光と同じで行ったことのないお店を選ぶことが多いです。
プライベートで京都に行こうと思う時は、どのような時ですか?
何か違う気分を味わいたいとか、気持ちを切り替えたい時が多いですね。気分転換をするのに飛行機で移動するのはちょっと大変かなと思うんです。京都は、新幹線で移動できるというのが私としては大きくて。新幹線でちょっと作業するのも好きなので、2時間くらいっていう距離感がとても好きです。リフレッシュが目的なので、役者の活動に還元できていることはあまり実感としてはないですが、京都の空気に触れることで何かアウトプットできるものがあればいいなと思います。
今後、京都でやってみたいことはありますか?
自分で着物を着られるようになりたいので、着付けの勉強のために通ってみたいなと思っています。私にとって、京都は将来的に興味のあることが詰まっている印象があります。歴史的な建物なども多くて、京都の街は少し難しいのかなと感じている人もいるかと思いますが、そのような部分を含めて、年齢によって見え方が変わる楽しい街だと思っています。私自身も14歳の時に感じたことと、いま行って感じることは少し違っていたりするので、今後、京都を訪れてどのようなことを感じるのか楽しみです。
東京から東海道新幹線で約2時間。京都府の府庁所在地として知られる京都市は、歴史的な建造物が多数ある一方で、中心市街地にはビルが立ち並び近代的な姿も見られるなど、国内外から注目を集める観光都市です。
京都市は、京都府の南部に位置する府内でも最大の政令指定都市。東京が首都になるまで1000年以上にわたり都が置かれ、日本の政治の中心地として大きな役割を果たしてきたほか、平安時代から江戸時代までは日本最大の都市として栄えていました。そのため、京都は“古都”とも呼ばれることも。市内には二条城や鹿苑寺金閣をはじめとした歴史的建造物が多数残っているので、いまでも街を歩けば京都1000年の歴史に思いをはせることができます。
歴史的建造物などが観光名所となっており、観光都市としての側面がよく知られていますが、京都は現代産業でも重要な都市です。京セラやオムロンをはじめとした先端技術を持つ会社や、衣料品メーカーのワコール、世界的に有名なゲーム会社である任天堂といった業界トップクラスの企業の本社も多数集まっています。また、国立の京都大学や、私立の同志社大学、立命館大学といった全国的に知られる大学をはじめ、市内には多数の大学があり、学生はもちろん研究者なども集まる学園都市としての側面も持っています。
かつては都として栄えた都市だけに、鹿苑寺金閣や清水寺、東本願寺といった古刹や、八坂神社や平安神宮といった由緒正しい神社、徳川家康が建設させたとされる二条城など、 1000年の歴史の一端が感じられるスポットが市内の各所にあります。東映太秦映画村といったテーマパークや、市内を一望できる京都タワー、レストランやカフェをはじめ文化施設なども備えた京都駅ビルといった近代的なスポットもあり、国内だけでなく、海外からも注目を集める都市です。
市内には、JR、阪急、京阪、近鉄、市営地下鉄など多数の鉄道が走っており、大阪などへもアクセスしやすくなっています。路線バスも各方面に運行しており、市内の移動もしやすく、交通の便がよい京都市。水族館や動物園といった大人から子どもまで楽しめる施設も市内にあるほか、四季折々の風情のある景色も楽しめます。そのため、市街地の喧騒から少し離れたエリアは、ファミリー層にぴったりの暮らしやすい街となっています。
映画『グッバイ・クルエル・ワールド』は、ハードな内容の作品ですが、最初に台本を読んだ時の感想は?
台本を読んでみて、世界をよくしたいとか、世の中がこうなったらいいのにといった作品全体を通じてわかりやすいメッセージがある作品ではないのだなと思いました。登場人物たちがとる行動と、彼らの考えが一致しているわけではないことも多く、考えながら読んでいったので、普段よりも台本を読むのに時間がかかりました。原作がないオリジナルの脚本なので、監督などの考えがよりダイレクトにでると思います。原作がある作品とは異なった楽しみもあるので出演できるのはうれしかったです。
撮影に入る前は、私が演じた美流(みる)は、メインキャラクターでは唯一の女性で、目立つ役柄。女性として担う役割が大きいなと思ったので、どのように演じようかとすごく考えました。撮影中も美流というキャラクターについて考えることが多く、西島秀俊さんや斎藤工さんをはじめ、第一線で活躍する先輩たちとのシーンでも、緊張している余裕がなかったです。
今回演じた美流は、どのような女性だと思いますか?
自分が望んで裏社会に行ったというより、気づいたらそんな世界にいてしまった女の子だと思うんです。考えて、考えて、生き抜いてきたというよりは、瞬発力で生きてきた子だと思います。私と似ている部分は……ないというか、彼女には共感できないですね(笑)。演じる時は、あまり自分と重ね合わせることはなかったですし、彼女の現状や取り巻く環境といった要素を考えて、美流というキャラクターを作っていきましたが、自分と比べてどうかといったような距離の測り方はしませんでした。台本をもとに割と自由にキャラクターを作りこめたと思います。
演じるうえで工夫したことなどはありますか?
外見から作り込んでいくのが私の役作りなので、監督と話し合って外見を決めて、さらに台本を読みながらどのような人物なのか、さらに深めていきました。撮影にあたって髪をオレンジに染めたのですが、美流というキャラクターを作るのに助けられた部分は大きかったです。
美流は、物語の途中から、“何事もなく、すごいことをやっている”ということを見せなければいけなかったので、そこに自分の感情を入れて演じてしまうと監督が意図したものにならないと思い、感情で演じるのではなく俯瞰的な視点でどのように見えるのかということを意識しながら演じていました。そうすることで、美流たちが開放的だったり、爽快に見えていたらいいなと思います。
撮影中の印象的なエピソードがあれば教えください
斎藤工さんとは何度か共演していたこともあって、斉藤さんに痛めつけられるシーンでも、「思いっきりきてください」と言えるくらいに不安がなく撮影に臨めました。みなさん経験を積まれている方ばかりだったので、自然と気を使っていただいていて、とても助けられました。また、大森監督が美流というキャラクターをこう思われているんだろうな、ということを探りながら演じていくのはすごくやりがいを感じました。
玉城さん的にぜひ見てほしいシーンはありますか?
あえて挙げるなら作品冒頭の目出し帽をかぶったシーンです。目出し帽をかぶって演技をしたのが初めてだったってこともありますし、目出し帽姿の人が4人並ぶと戦隊モノではないですけど、少しコミカルな場面になっていて。シリアス過ぎないヌケのあるシーンになったなって思うので、個人的には気に入っています。ただ、イケメンの人たちの顔が隠れてしまっているので、もったいないなとは思います(笑)。物語が進むごとにキャラクターそれぞれの関係性もどんどん変わっていくので、どこも見逃せないシーンばかりとなっているので、楽しんでほしいですね。
「グッバイ・クルエル・ワールド」
ある日、ヤクザの資金洗浄現場から大金の強奪に成功した強盗団。彼らは、それぞれ自分の素性を隠し、事件以来それぞれの日常に戻ったはずだったが、大金を奪われたヤクザも黙っておらず、彼らはヤクザに追われるように。そして、強盗現場のホテル従業員や刑事も巻き込み、大きな騒動に…。
監督:大森立嗣
出演:西島秀俊、斎藤工、宮沢氷魚、玉城ティナ、宮川大輔、大森南朋、三浦友和ほか
公式HP:https://happinet-phantom.com/gcw/
©『グッバイ・クルエル・ワールド』製作委員会
玉城ティナ
Tina Tamashiro
2012年講談社主宰オーディションの初代グランプリでデビュー、ViVi最年少専属モデルに。2014年女優デビュー後、『Diner ダイナー』『惡の華』『ホリックxxxHOLiC』などに出演。アクターズショートフィルム2「物語」では脚本と監督を務めた。7月にはテレビ朝日金曜ナイトドラマ「NICE FLIGHT!」がスタート。