
2025年4月で10周年を迎えたマドリーム。
2015年の創刊から様々なお部屋を紹介してきました。
この10年で、インテリアやライフスタイルはどのような変化があったのでしょうか?
マドリームに掲載している人気企画「お部屋の実例」と一緒に振り返ってみましょう。
今では定番となった北欧スタイルですが、日本で広く浸透し始めたのは2000年代前半といわれています。インテリア好きの間でじわじわと話題となっていましたが、2006年公開の映画「かもめ食堂」や同年のIKEA再上陸がブームを加速させました。シンプルで機能的、木のぬくもりがあり、優れたデザイン性を持つ北欧デザインは、日本人の感性にフィット。家具はもちろんマリメッコのテキスタイルやリサ・ラーソンの陶器、イッタラやアラビアの食器などは、単なるブームにとどまらず、定番アイテムに。
かつて「日曜大工」と呼ばれていたDIYですが、2011年には女性向けのDIYコミュニティ「DIY女子部」が誕生し、性別を問わず楽しめる文化として広がり始めました。また、2010年代半ばには、SNSの普及とともに100円均一ショップのアイテムを活用した100均DIYが人気に。特に、2015年頃からInstagramでお洒落なDIY投稿が増え、さらなる盛り上がりを見せました。コロナ禍ではワークスペースづくりやベランダDIYに挑戦する人が増え、DIYブームがさらに広がりました。
猫の飼育頭数が犬を上回ったのは2017年のこと。それまでもSNSの普及により猫が人気コンテンツとなり、2007年には、土鍋に入って眠る猫の姿が話題となった「ねこ鍋」や、和歌山県貴志駅の駅長の「たま駅長」が注目を集めました。2014年にはアプリゲーム「ねこあつめ」が登場し、手軽に遊べるスマホゲームとして爆発的な人気に。2015年頃には猫ブームを経済政策「アベノミクス」になぞらえた「ネコノミクス」という言葉も生まれ、猫がもたらす経済効果が広く知られるように。2025年現在も、猫も人も安全で快適に暮らせるインテリアや家づくりなどが広がり、猫人気は健在です。
2020年に新型コロナウイルス感染症が拡大し、外出自粛やステイホームが進む中、家の中にも癒しを求める人が増加。これに伴い、初心者でも育てやすいパキラやモンステラなどの観葉植物や、湿度を好み空気清浄効果があるとされるシダ類のボストンファーン、土が不要で置き場所の自由度が高いエアプランツが人気に。2015年頃から注目を集めていた多肉植物も再注目されました。特に、自宅菜園とベランダガーデニングが流行し、閉塞感のある状況の中でも、自分で何かを生み出すことが求められました。さらに、個性的なフォルムが魅力の塊根植物(コーデックス)や、フィロデンドロンなどのアロイド系の植物も人気が高まり、多様なグリーンが注目されました。
日本での熱帯魚ブームは、1960年代に第一次、1980年代から1990年代に第二次が訪れたとされています。コロナ禍のステイホームの影響で、水のせせらぎや水槽の中を魚が自由に泳ぐ姿に癒しを求め、ボトルアクアリウムやデスク水槽などのミニ水槽を取り入れる人が増加。また、初心者でも飼育がしやすく、カラフルな改良品種が人気のメダカブームが再来。屋外でも楽しめることから都市部を中心にベランダビオトープが流行し、ホテイアオイやアナカリスなどの水草人気も上昇。さらに、水中部分と陸地部分を組みらわせたアクアテラリウムも人気となり、流木や苔を活用したレイアウトで熱帯雨林のような景観を楽しむスタイルが注目を集めました。
地方移住への関心は1970年代以降、波がありつつも徐々に高まりましたが、団塊の世代が大量に退職を迎える2007年頃から特に注目が集まりました。当時はリタイア世代を中心に「スローライフ」というニーズが強く、完全移住がメインでした。コロナ禍となった2020年以降、リモートワークの普及や密を避ける意識の高まりから、地方移住への関心が再燃。2021年には東京が転出超過となり移住が加速しました。特に20~40代のリモートワーカーやファミリー層の移住が増え、ライフスタイルも変化。二拠点生活や多拠点生活など柔軟な暮らし方を選ぶ人が増えています。地方自治体も移住者を呼び込むため、補助金制度の充実やワーケーション推進などの地方創生策を強化。こうした支援策が後押しとなり、コロナ後の移住ブームは「定住」だけでなく「多様な暮らし方を選ぶ時代」へとシフトしています。
2015年の創刊から、マドリームはさまざまな人の力をあわせて制作されてきました。
マドリームのつくり手の皆さんに、10年間で暮らしの中で変わったことをお聞きしました。
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マドリーム編集長
久保良子
美瑛のマイルドセブンの丘。いまは木々の多くが伐採されているそうで、大切な思い出になっています マドリームが10周年を迎えました! 10年の歩みを調べていて、あらためて、多くの人に支えられていることを実感しました。この10年では、息子の誕生が大きな変化でした。超がつくインドア派でしたが、いろんな風景を一緒に見たいと思い、週末家にいることはほぼゼロに。とりわけ北海道は年に1・2回訪れ、苦手だったお寿司をおいしいと思うようにまでなりました。
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有限会社ブレインカフェ
企画制作部
酒井まず1面だけモリスの壁紙を貼ってみたら、残念部屋がいい感じに! この度は創刊10周年、おめでとうございます。「住まいは変えられない…」と諦めて○十年。残念な部屋で暮らしていましたが、この十年マドリームの実例取材を重ね、自力で素敵な部屋を実現する方々と出会い、目から鱗が!できるところから真似して、天井を塗り、壁紙を貼り・・・「理想の部屋」に変えつつあります。
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ライター
今泉愛子
里山に借りた一軒家は、自然がいっぱいの場所にあります。 10周年おめでとうございます。創刊から巻頭インタビューを担当し、暮らしについてたくさん考える機会がありました。その影響もあって、4年前に2拠点生活をスタート。都会と里山を行き来しています。最近は山を走るトレイルランニングにも挑戦。さらに自然を身近に感じるように。都会の洗練された空気も里山の新鮮な空気もどちらも大好きです。
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整理収納アドバイザー
インテリアスタイリスト
村上直子お気に入りの場所でのんびり 10周年おめでとうございます。生活で大きく変わった事は、コロナ禍に猫を飼う事にしました。そこからお庭に迷い込んだ黒猫を保護しまして、我が家はペットが2匹になりました。まさかの2匹の母になりました。今では本当に可愛くて、猫と過ごす時間は、ホッと出来る至福の時間です。
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株式会社ヒストリアル
代表取締役
東良昭銘酒との出会いは人生の喜びです マドリーム10周年! 心よりお祝い申し上げます。創刊より取材や制作に携わらせて頂き、様々な街の魅力を知ることができました。個人的には大阪と東京の二拠点生活を開始。各所でお酒との出会いを楽しんでいます。
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ライター
殿木真美子
昭和感あふれる半世紀前の写真とともに…… マドリーム創刊10周年、おめでとうございます。この10年で子どもたちが巣立ったおかげで、空いた子ども部屋を念願の私室にすることに。「世のお母さん個室がない問題」から解放され、調子に乗ってメイクコーナーもつくってみました。
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有限会社キーノート
コピーライター
中野祐子水遊び中に。この笑顔に癒されています 10周年おめでとうございます。創刊時より関西の取材を担当し、素敵な住まいを多数拝見できたおかげで人生も激変しました。結婚し、犬が加わり、極小ですが庭ありマンションに引っ越し。ビール片手に小庭で犬と遊ぶ時間が最高の幸せです。
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フォトグラファー
芹澤裕介
再開発された街を見ると、嬉しさ半分、寂しさ半分の気持ちになります 10周年おめでとうございます! 創刊間もない頃から参加させていただき初めての撮影地は秋葉原でした。10年間、撮影で色々な街に行かせてもらい、その都度楽しませていただいております。先日は初めて一人暮らしをした街に撮影で行き、整備され変わった風景に時の流れを感じました。今後ともマドリームの撮影を通じて、変化していく街の現在の風景を撮影させていただければ幸いです。
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フォトグラファー
田村和成
高さ約300mという橋の上から故郷の街を撮影しました マドリーム10周年おめでとうございます。この企画が始まった時は奈良の山奥にすんでおりました。古民家を改造しながら楽しんでいたのが懐かしいです。コロナを経験して実家近くの海がある町にもどりましたが今は山の暮らしが恋しいです。
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アートディレクター
深田さおり
オランダ旅行のお土産は、DJ仕様の爪とぎ。でも、イギリス製でした 10周年おめでとうございます。創刊からアートディレクションを行っていて、とても嬉しいです。我が家に猫息子ケネディ君が加わったことにより、生活が一変。子供達が成長し、引っ越ししていったので、猫中心の生活になりました。どこに外出しても、いつも留守番中のケネディの事が気になってしまい、ご褒美に沢山お土産を買ってしまいます。