
再開発や整った街並みによって、利便性が高くなることは、暮らしの豊かさにもつながるはず。
今回は、再開発によって大きく変化を遂げる中野(東京)と、美しく整えられた街並みが魅力の西宮(兵庫)、
二つの街をご紹介します。
text:Ikumi Ueno photo:Eizaburo Sogo
新宿駅まで電車で約5分。都心へのアクセスのよさに加え、飲食店の豊富さや買い物のしやすさから、暮らしやすい街として人気を集める中野。長年、サブカルチャーの発信地として親しまれてきた商業施設・中野ブロードウェイや、個性豊かな店が集う商店街など、ディープな魅力もあり、多くの人を惹きつけてきました。そんな中野が今、100年に一度といわれる再開発によって大きな進化を遂げています。
2001年に警察大学校が府中市へ移転したことをきっかけに、跡地を活用した再整備がスタート。2012年には、中野セントラルパークや中野四季の森公園を含む「中野四季の都市(まち)」が誕生し、新たなにぎわいを生み出しました。その流れを受けて、中野駅周辺でも再開発が本格化。2026年には西側南北通路と橋上駅舎の開業、そして新駅ビル・アトレ中野の誕生が予定されています。さらに駅の北西側に位置する囲町(かこいちょう)地区では、超高層タワーマンションを中心とした街づくりも進行。駅の利便性向上に加え、大規模居住エリアの整備も進み、中野は今、大きな転換点を迎えているのです。かつての「サブカルチャーの街」という個性を大切に残しながら、利便性と暮らしやすさを兼ね備えた新たな暮らしの街へ。中野は未来へ向けた歩みを着実に進めています。

生まれていく風景に、うれしさを感じます
中野セントラルパークは単なるオフィスビルではなく、中野の街とシームレスにつながる空間として誕生しました。大きな特徴は中野四季の森公園を含む、約3ヘクタールの開放的な緑地を囲むように、オフィス・商業施設・住宅が配置されていることです。建物や敷地の間に壁や柵を設けず、街に開かれたデザインを目指しました。また、公園だけでなく、周辺にはベンチや椅子が置かれた「パークアベニュー」も広がり、緑あふれるなかで思い思いに過ごせる開かれた空間が生まれています。居住地としての印象が強かった中野に、新たな賑わいを生み出し、老若男女多様な人が自然に交わる場所になっていると感じています。
2023年から私たちが四季の森公園の指定管理者となったことで、さまざまなイベント開催にも力を入れています。代表的な取り組みのひとつが「中野チルナイトピクニック」。2024年から始まった中野区主催のイベントで、東京建物は共催の立場で関わっています。中野セントラルパークのビル壁面をスクリーンにして、プロジェクションマッピング技術を活用し、アニメーション映画を投影するイベントです。中野区や、テナントである東映アニメーションさま、キリンビバレッジさまなど、多くの方々と連携しながら実施しています。映画を壁面に投影するためには、オフィスのブラインドを下ろしていただいたり、窓際の照明を落としていただいたりと、テナントのみなさまの理解と協力が欠かせません。そうした支えがあって実現しているこのイベントに、ファミリー層を中心に多くの方が集まる。街全体でにぎわいが生まれていく風景に、うれしさを感じます。
もともと中野は、都心へのアクセスなど利便性の高さがありながら、商店街や個性あふれる飲食店などアットホームさが共存する、暮らしやすい街でした。そしてカルチャーの発信地としての印象を持つ方も多いと思います。そこに再開発が進んだことで、オフィス街としての新たな表情も加わりました。住む人、働く人、学ぶ人、訪れる人。それぞれ異なる立場の人たちが、心地よく過ごせる街へと変化してきたように感じています。中野セントラルパークのキッチンカーに、オフィスワーカーやお子さん連れの方、学生さんなどが自然と並ぶ風景を見るたびに、多様な人が肩ひじ張らずに過ごせることこそ、中野の魅力だと感じます。
中野駅の南口にある、ヨーロッパの小路を思わせるような雰囲気があるエリアです。会社での飲み会がある時には、セントラルパークから足を延ばし、地域に根付いたさまざまなお店に足を運ぶようにしていて、お気に入りのスポットのひとつです。駅から徒歩1分とアクセスのよさがありながら、路地には味わい深い飲食店が軒を連ねています。一歩足を踏み入れると、中野の新たな魅力に出会えるスポットです。


中野セントラルパーク

GOOD MORNING CAFE

まんだらけ中野店
兵庫県の南東部に位置する西宮市。豊かな自然の中に、穏やかな住環境、便利な生活環境が溶け込んだ街として幅広い世代に支持されています。
西宮市は1963年に日本で初めて「文教都市宣言」を行いました。教育や文化を大切にし、健全かつ品格のある環境を整え、守り続けています。その一つが景観への配慮です。治安や風紀を脅かす施設などの出店、派手なネオンや過度な広告が規制されているので、街全体がすっきりとして落ち着きがあります。こうした雰囲気と安心感は長く暮らす場所として大きな魅力となるでしょう。
もう一つ、西宮の魅力として挙げられるのが自然環境です。北に六甲山系、南に大阪湾が広がり、街の中には夙川や武庫川が流れ、緑もたっぷり。癒やしに困ることはありません。また、住宅街に続く道には街路樹が計画的かつ無理なく整備され、通勤や通学など日々の暮らしのなかでつねに自然を感じられる贅沢さです。
西宮は交通アクセスのよさも光ります。街には阪急電鉄・JR神戸線・阪神電車の3つの路線が東西に走り、大阪方面にも神戸方面にも移動がスムーズ。なかでも阪急西宮北口駅は街のメインターミナル的な存在です。神戸線は特急をはじめすべての電車が停車し、大阪梅田駅、神戸三宮駅に直結。宝塚方面への今津線にもスムーズに乗り換えできます。また幹線道路と南北のバス路線も整備され、車移動や駅までのアクセスも便利です。
生活環境の代表は、阪急西宮北口駅に直結する西日本最大級のショッピングモール「阪急西宮ガーデンズ」です。ファッション、雑貨、レストラン、映画館、スーパーまでラインアップ。屋上にあるスカイガーデンは花と緑に溢れ、街の中にいながら心地よく過ごせる場にもなっています。
病院や市の公共施設なども充実。保育所・幼稚園、小・中学校、高校、大学まで揃い、文教都市として進学校や名門校が多いことも西宮の特長です。
どれをとってもクオリティが高い西宮。美しく整った暮らしを送ることができるでしょう。
西宮市民にとって、芸術・文化・自然は、暮らしや人生の一部になっていると感じます。芸術文化センターでクラシックや演劇を楽しむことも、日常の一コマ。私も西宮だからこそ、潤いのある日々を過ごせていると思います。お気に入りの過ごし方は街のあちこちにある美味しいパンやコーヒーをテイクアウトして、夙川河川敷緑地でほっこりすることです。時には山側に、時には海側に、いろいろなところに行って楽しめるところも魅力。こんな素敵な街で育ち、暮らし続けていることを幸せに思っています。
通勤のしやすさ、子育てのしやすさを考えて西宮に移り住みました。周囲には同じような人が多く、子どもはもちろん、ママ友やパパ友もつくりやすい環境が魅力です。街は道がゆったりとして移動しやすく、公園や子育て施設も充実しているので、子どもをのびのびと遊ばせることができますね。習い事の種類も豊富ですし、学校教育の環境も整っているという印象です。また、文化や芸術に触れる機会も多いので、家族揃って豊かに暮らしていけると思います。
高校生まで暮らした西宮に自分の店を出店できたのは、西宮の人とのつながりがあったおかげです。毎日忙しいですが、夙川がそばにあるので癒やされますね。また、日々お客様と接するほどに西宮は食のレベルも高いと感じています。ウチのパンはマニアックなものもあるのですが、いろいろな食材と合わせて食べ方を楽しんでおられます。だからこそ、つくりがいがあるし、美味しいと喜ばれることがうれしい。これからも街と人と食をつなぐパンをつくり、新しく西宮に暮らすお客様とも絆を深めていきたいです。


兵庫県立芸術文化センター

夙川河川敷緑地












