公開日: 2022.04.13 最終更新日: 2023.10.26

安心してのびのび子育てができる街、石川県小松市の住みやすさや移住者の声を紹介

安心してのびのび子育てができる街、石川県小松市の住みやすさや移住者の声を紹介

十二ヶ滝
写真提供:こまつ観光物産ネットワーク

石川県小松市は、水と緑に恵まれた豊かな自然と、江戸時代から続く「ものづくり」の歴史をもとに、子供歌舞伎や九谷焼、小松瓦など伝統文化・伝統工芸が息づく街。市をあげて子育て環境の充実に力を入れており、さまざまな取り組みが進められています。そんな小松市の特長や住みやすさを移住者の声を交えながらご紹介します。

提供:小松市

ライター:立花裕子(MAP&NEWS.net)

ライター:立花裕子(MAP&NEWS.net)

01| 小松市の概要:手の届く範囲に何でもあるバランスのいい街

サイエンスヒルズこまつ
写真提供:こまつ観光物産ネットワーク サイエンスヒルズこまつ
写真提供:こまつ観光物産ネットワーク

石川県の西南部に位置する小松市は、霊峰白山を望む加賀平野の中央部にあたり、豊かな水と緑に恵まれた街です。面積は371.1平方㎞、人口は約10万8,000人(2021年2月時点)で、石川県内では3番目の人口規模を誇っています。

中心部には、ショッピングモールに商店街、病院、学校、公園など、暮らしに必要な施設などが充実しており、生活に不便を感じることはありません。また、超大型ダンプトラックや油圧ショベルの搭乗体験ができる「こまつの杜」や航空博物館「石川県立航空プラザ」、親子の遊び場「カブッキーランド」など、お出かけスポットも充実。車で少し走ると、十二ヶ滝、荒俣峡といった景勝地や加賀温泉郷のひとつ、粟津温泉にアクセスが可能と、手が届く範囲内にほぼなんでも揃っています。バランスがよく便利で住みやすい街としての評価は高く、毎年東洋経済が発表する「住みよさランキング」では、2020年に8位に選ばれました

小松うどん
写真提供:こまつ観光物産ネットワーク 小松うどん
写真提供:こまつ観光物産ネットワーク

食文化も豊かで、お米やトマトの生産が盛ん。松尾芭蕉も絶賛したといわれる「小松うどん」小松市民のソウルフード「塩焼きそば」地元産のトマトで作る「トマトカレー」など、おいしい地元グルメがたくさんあります。

02| アクセスと主要駅:東京への日帰り出張も可能なアクセスのよさ

小松市の中心部は、JR北陸本線小松駅周辺のエリアです。JR小松駅から金沢駅までは約30分と通勤圏内で、名古屋までは新幹線と特急を利用して約2時間20分。東京へは金沢経由の新幹線利用で約3時間20分、大阪へは特急で約2時間30分となっています。金沢・新潟方面へは、北陸自動車道でもアクセスできます。

小松駅から小松空港までは車で10分の距離で、飛行機を利用するにも非常に便利。羽田まで約1時間10分で、日帰り出張も簡単にできるので、東京の企業に勤務しながら小松でリモートワークすることも可能です。その他の都市にも、札幌まで約1時間30分、福岡まで約1時間40分でアクセスでき、国際線も就航しています。

なお、2024年には北陸新幹線が延伸され、東京へのアクセスがより便利になる見込みです。

こまつの杜 こまつの杜

特急列車が止まる小松駅は、2024年には新幹線停車駅になります。駅の東口には、里山での自然観察、わくわくコマツ館での理科・ものづくり教室などが体験できる「こまつの杜」が広がり、西口前には「石川県こまつ芸術劇場うらら」があるなど、文化施設もすぐそば。駅から車で5分ほど行けば、スーパーマーケットのほかファッション、グルメ、雑貨などの専門店が入った大型ショッピングモールの「イオンモール新小松」があり、日常の買い物には困りません。

駅前商店街での歌舞伎市
写真提供:こまつ観光物産ネットワーク 駅前商店街での歌舞伎市
写真提供:こまつ観光物産ネットワーク

小松駅の西側には昔ながらの4つの商店街が広がっており、昭和レトロな喫茶店や古民家を改装したインテリアショップ、古本屋兼カフェなど、個性的な店にも出合えます。

03| 治安と暮らし:犯罪発生件数は全国平均より低め

令和3年(2021年)の警察白書によると、2020年の全国の人口10万人あたりの刑法犯犯罪率は486.6。石川県警の統計資料によると、同年の小松市の人口10万人あたりの犯罪率は322.2なので、低めだといえます。金沢市が345.5、加賀市が357.5なので、近隣の市と比べても低めといえるでしょう。

小松市の犯罪認知件数は、石川県内のほかの多くの地域と同様に減少傾向にあり、2019年には456件だったのが2020年には348件、2021年には301件に減っています。犯罪内容の内訳は全国の傾向とほぼ変わらず、約3分の2が窃盗犯で、特に自転車泥棒と万引きが多くを占めています

04| 移住者インタビュー:瀬尾裕樹子さん「海にも山にも簡単にアクセスできる環境が魅力」

お話を伺ったのは、小松市でコワーキングスペース「EAT LAB」の運営や地域の情報の掘り起こし・アウトプットなどを手掛ける「EATLAB株式会社」の共同創業者・瀬尾裕樹子さん。移住のきっかけは、「小松市は夫の地元で、いつか帰りたいとは聞いていた」から。けれど、タイミングまでは決めておらず、「毎月小松にきて面白い取り組みをしている人に会ったりと準備は進めていた」ところだったそうです。子どもが生まれたことを機に移住を決め、2018年に、一家で東京から小松市に移住されました。

「移住当初は、夫は週2、3日仕事で東京へ行かなくてはいけなくて。でも、家賃は東京の半分ぐらいになり、毎月小松に来ていた交通費もかからなくなっていたので、金銭的な負担が急に増えたりすることはありませんでした」と瀬尾さん。保育園を利用して、引っ越し翌年の4月から仕事を再開します。

小松市での子育ては「子どもをのびのび育てやすい」と感じているそう。特にコロナ禍の今は「東京にいたときに比べて空間が広い分、他人との接触を気にせず子どもを外に出してあげられる」というメリットを挙げられました。また、「家から車で10~15分走れば、海にも山にもアクセスできる」のも嬉しいポイントとのこと。「ちょっとした郊外に大自然があり、市街地と密接しているのが過ごしやすいですね」

移住前に小松に通うなかで、少しずつ小松で面白い取り組みをしている人たちとつながりができていたことで、移住後もスムーズに地域に入っていけたという瀬尾さん。今は、食や伝統文化などさまざまな分野で、地域の情報を掘り起こして発信することで、地域の未来を描いていくことを仕事の軸にしているそうです。「EAT LAB」は、小松を訪れた人と住んでいる人をつなぐ場所にもなっています。

05| 移住者紹介:ストリートカルチャー×九谷焼の新ブランド「九九谷」を立ち上げた吉田良晴さん

2020年に、小松で新しい九谷焼ブランド「九九谷(くくたに)」を立ち上げた吉田良晴さんは、元・プロのスケートボーダー。その後、エンジニアや映像、音楽制作などの仕事をしていましたが、伝統文化の発信に興味を持ったことから小松市地域おこし協力隊に応募し、小松に移り住みました

九九谷のコンセプトは、古くから小松市で受け継がれる九谷焼とさまざまなものを“掛け算”していくこと。ストリートカルチャーとコラボした新しい九谷焼を発信し、小松市伝統の九谷焼に新しい風を吹き込んでいます。

06| マドリーム厳選、子どもと休日に訪れたいスポット4選

子育て支援に力を入れている小松市は、子どもと一緒に訪れたいスポットが屋内施設・屋外施設共に充実しています。市の中心部からアクセスしやすい、4つのおすすめスポットをご紹介します。

①大人も子どもも一緒に楽しめる、ちょっと特別な遊び場「そらのあそびば ハレノチクモリ」

「ハレクモ」の愛称で親しまれる、親子のための室内型遊び場。JR小松駅から車で5分ほどの県道22号線沿いに、2020年にオープンしました。子どもたちを迎えるのは、県産の木材で作られたこだわりの大型遊具たち。館内は8つのエリアで構成。高さ約5mの施設のシンボル「ハレクモの塔」では、考えて想像する遊びや隣の「くも工場」へ続く滑り台が楽しめます。ほかにも、「きらぼし洞窟」では這って進む洞窟探検や影遊び、「ぽかぽか図書館」では500冊以上の絵本や図鑑など、さまざまな遊びに出合えます。

※入場は公式サイトからの予約制。利用は有料(会員は1人500円、非会員は600円、3歳未満は無料)。

②親子でクッキング体験もできる大型の遊び場「カブッキーランド」

大型遊具から知育玩具まで豊富に揃った「すくすくひろば」と、子ども専用の料理体験施設「クッキングスタジオ」などからなる、室内型の子どもの遊び場。「すくすくひろば」は、お店屋さんごっこやブロックを使っての組立て遊びなど、想像力やコミュニケーションを刺激する遊びができる「ワクワクゾーン」、大きく体をを動かして遊べる「どきどきゾーン」、0~24カ月までの赤ちゃんが安心して遊べる「にこにこゾーン」に分かれており、子どもたちの年齢や好みにあった遊びを楽しめます

「クッキングスタジオ」は予約制で、時節メニューを楽しんで作る食育の場です。

定期的に、「県外出身ママ・パパの集まり」、「ハイハイよちよちかけっこレース」といったイベントも開催されています。
※入場料とは別にクッキング体験料がかかります。

③ウォーキングやレジャースポットとして親しまれる市民憩いの場「木場潟公園」

加賀三湖と呼ばれた湖のひとつ「木場潟」の姿をそのまま残して整備された水郷公園。木場潟を一周する6.4kmの周遊路があり、中央園地、北園地、西園地、南園地の4つのエリアをつないでいます。

中央園地は、パークゴルフ場やグラウンド、カヌー競技場、家族や友だち同士で思い思いに過ごせる広場などが揃う「スポーツゾーン」。休憩スペースや授乳室を備えた公園センターもあり、ドッグランも利用できます。北園地は運動広場などがある「健康ゾーン」で、春には北園地~中央園地の遠路沿いに植えられた1,700本の桜が目を楽しませてくれます。

西園地は「景観ゾーン」で、木場潟越しに白山を眺められる絶好のビュー・スポット。南園地は「レジャーゾーン」で、貸しボートやレンタサイクル、釣り用桟橋などが整備されており、初夏にはハナショウブ、夏には花ハスが開花。また、流し舟に乗って、湖面から木場潟の景色を楽しめます。

④シミュレーターでジェット機の操縦体験もできる航空博物館「石川県立航空プラザ」

小松空港のすぐ北側に立つ航空博物館。1階は実機の展示場、2階は飛行機の歴史や原理、種類などを紹介した展示コーナーになっており、小型飛行機からジェット戦闘機まで17機の実機を間近で見ることができます

さらに、全日空で実際に使用されていた旅客機(YS-11)のシミュレーターや、セスナ・旅客機・F-15ジェット戦闘機・ヘリコプター・ピッツS-2B・ビジネスジェットの簡易型シミュレーターでのリアルな操縦体験もでき、パイロット気分が味わえます(有料)

1階展示場の一角にある、飛行機型遊具を備えた子ども広場「ぶ~んぶんワールド」では、プラズマカーで小松空港の滑走路をイメージした道を走ったりと、ここでしかできない遊びも。子どもから大人まで楽しめる施設です。

07| 注目の行政サービス:2022年4月から中学1~3年生の給食が完全無償化

小松市は、子育て支援や移住・定住支援に力を入れている自治体です。

子育ての負担軽減の具体的な取り組みのひとつとして、2022年4月に、中学1~3年生の学校給食が完全無償化されることになりました。学校給食費の無償化状況についての統計は、2017年度に文科省が実施した調査の結果がありますが、この時点で小・中学校の給食を無償化していた自治体数は東京都でもわずか2、石川県では0。現在でも、人口10万人を上回る規模の自治体で、所得制限を設けず中学1~3年生の給食を無償化している例はあまりなく、全国的にも珍しい取り組みです

子育て支援策としてはほかにも、お腹の赤ちゃん1人につき妊婦に5万円を給付する「おなかの赤ちゃん特別給付金」や、18歳以下の子ども医療費の窓口負担ゼロといった取り組みもあります。

移住・定住化支援策としては、転入者への支援金住宅購入者向けの住宅購入補助制度などがあります。たとえば、市外からの転入者向けに「ようこそ小松」定住促進奨励金制度3世代住宅を建てる人用の「3世代家族住宅建築奨励金制度」といったもので、移住を考えている人にとっては心強い制度です。

08| 小松市に住むなら、知っておきたい家賃相場や新築物件の価格帯

小松市の賃貸物件の家賃相場は次の通りです。

1LDK:56,400円
2LDK:60,400円


新築・分譲一戸建ての価格相場は

3,900万円台

となっています。

小松市の賃貸物件相場は、2LDK・3K・3DKで月約6万円。東京都と比較すると、足立区の約1/2、杉並区や中野区の約1/3、品川区や文京区の約1/4といった水準です。概ね、東京23区内でワンルーム・1K・1DKを借りるより低予算で、2LDK・3K・3DKの部屋を借りられます

立花裕子(MAP&NEWS.net)

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