石川県の県庁所在地である金沢市は、周辺地域の政治・経済・文化の中心として発展してきた街。江戸時代には、「加賀百万石」で知られる加賀藩前田家の城下町として栄え、加賀友禅や金箔、九谷焼、能楽などの伝統工芸・芸能が育まれました。現在の金沢市は、そんな歴史や伝統、文化を資産として継承しつつ、国内外からの人やモノ、情報との交流を通して、新たな価値を創造することを目指しています。そんな金沢市の住みやすさや治安、お出かけスポット、家賃相場、物件価格をご紹介します。
ライター:立花裕子(MAP&NEWS.net)
CONTENTS
01| 金沢市の概要:全国2位の人口当たり高等教育機関数を誇る、北陸の中核都市
金沢市は、面積468.81平方km、人口約45万人で、北陸地方では新潟市に次ぐ人口規模を誇る中核都市です。江戸時代に華開いた工芸技術や芸能の技、建築技術が受け継がれており、その素晴らしさは「世界で最も美しい駅14選」にも選ばれた、金沢駅のシンボル「もてなしドーム」と「鼓門(つづみもん)」にも見ることができます。
金沢駅(鼓門)
画像提供:金沢市
金沢市は生活インフラが充実しており、居住エリア・ビジネスエリア・商業エリアが隣接し、生活機能をコンパクトに集約して効率化した「コンパクトシティ」を目指していち早くまちづくりを進めてきた街でもあるので、暮らしやすさは抜群。石川県は、人口当たりの高等教育機関の数が全国2位、学生数も全国3位と教育機関が集積しており、進学や就職で他県に引っ越す必要性が低いのも魅力です。
ひがし茶屋街
画像提供:金沢市
近江町市場
画像提供:金沢市
02| アクセスと主要駅:東京まで約2時間半!
JR金沢駅
画像提供:金沢市
金沢駅は、JR北陸本線、北陸新幹線とIRいしかわ鉄道が乗り入れている、金沢市の玄関口。北陸新幹線を使えば、約2時間半で東京駅までダイレクトアクセスできます。2023年度末には北陸新幹線が延伸され、福井駅や敦賀駅にもつながる計画です。
金沢市内の交通手段としては、路線バスをはじめ、城下まち金沢周遊バスや金沢ふらっとバス、まちバスなどバスの交通網が充実しています。また、市内約70か所にサイクルポートが設置されている公共シェアサイクル「まちのり」も便利に使えます。
03| メイン駅周辺の様子:駅周辺で何でも揃う快適さ
金沢駅(もてなしドーム)
画像提供:金沢市
金沢駅周辺は、ショッピング施設が集まるエリア。駅構内の「金沢百番街」は、伝統工芸品や特産品を扱う土産店・金沢グルメ店から、人気のファッションブランド店、日々の暮らしに欠かせないスーパーマーケットまで集う名店街。駅東口すぐの「金沢フォーラス」は、若い世代にも人気のショッピングスポットで、休日のお出かけ先としても人気です。
金沢百番街
画像提供:金沢百番街
駅に隣接して「クロスゲート金沢」、「ポルテ金沢」などもあり、こちらでもショッピングやグルメを楽しめます。また、金沢駅兼六園口(東口)からすぐのところには、コンサートホール、邦楽ホール、交流ホールを備えた「石川県立音楽堂」があります。
石川県立音楽堂
04| 治安:人口千人当たりの犯罪件数は全国平均や富山市より低い
石川県警察の発表によると、2022年の金沢市の刑法犯発生件数(認知件数)は、前年とほぼ変わらない1,772件。人口千人当たりの犯罪件数は約3.8件で、全国平均の4.8件より低い数字となっています。人口規模が近い近隣市・富山市と比べても、富山市の2022年の刑法犯発生件数(認知件数)は1,884件、人口千人当たりの犯罪件数は約4.5件なので、金沢市の方が犯罪発生件数は少なくなっています。
市による防犯の取り組みとしては、防犯街路灯の設置や電気料金の助成、地域の人々や警察署と合同での防犯パトロールなどが実施されており、ほかにも、地域の自主防犯組織によるパトロールが行われている地域もあります。
05| 買い物もカルチャーも満喫できる休日のお出かけスポット3選
歴史や伝統を大切にすると同時に、新しい価値の創造にも積極的に取り組んでいる金沢市には、伝統文化にも新しい文化にも触れる機会がたくさんあります。休日に出かけたい買い物スポット、文化スポットを紹介します。
①グルメからお土産、ファッションまで何でも揃う名店街「金沢百番街」
金沢百番街
画像提供:金沢百番街
金沢駅構内にある、金沢のグルメ・お土産ショップから人気のアパレルショップ、生活を支えるスーパーマーケットやドラッグストア、書店まで、100店舗以上が一堂に会する名店街。グルメ・お土産エリアの「あんと」、ファッション・雑貨・カフェエリアの「Rinto」、毎日の買い物に役立つ店舗が揃う「あんと西」の3エリアに分かれており、多くの観光客や市民でにぎわっています。
「あんと」には洋菓子店や和菓子店もたくさん出店しているので、ちょっとスイーツを買いたい時にもぴったり。北陸の海の幸を扱っている店舗も数多くあります。
②「まちに活き、市民とつくる」を目指す参画交流型の美術館「金沢21世紀美術館」
金沢21世紀美術館
画像提供:金沢市
県内はもちろん、国内外からも多くの人が訪れている現代アートの美術館。円形の館内に立方体のホワイトキューブ型の展示室が配置されている造りで、観覧者の好きなペース、好きな順番で、自由に作品を鑑賞できます。レアンドロ・エルリッヒの「スイミング・プール」をはじめとする恒久展示のほか、期間限定のユニークな展覧会も開催。美術館の建物への入館は無料、展覧会ゾーンは有料チケット制になっており、ショップやレストランも併設されています。
また、親子で季節やテーマにあわせた芸術体験ができる「キッズスタジオ」や、金沢市内の小中学校との連携事業なども実施。市民がメンバーとなって美術館を舞台にさまざまな活動を行う「プログラムメンバー」といった取り組みもあるなど、市民に開かれ、市民と一緒に作り上げていくことを大切にした美術館です。
③金沢駅徒歩1分の大人気ショッピングスポット「金沢フォーラス」
金沢フォーラス
金沢駅東広場バス乗り場前に建つ大規模商業施設。7階建てで、ファッション、雑貨、コスメ、キャラクターグッズ、スマホ修理等のサービスなどの店舗から、カフェ、レストラン、映画館まで集まっている、人気のショッピング・グルメスポットです。
レストランには、和牛ハンバーグ専門店や能登前寿司など地元の食材を味わえる店舗もあり、最上階にある映画館は9スクリーン、1,500席以上のシネマコンプレックスで、デジタル3D映画も楽しめます。
また、6階のスペースからは金沢駅兼六園口にある「もてなしドーム」を見下ろすことができます。
06| 独自の支援制度:訪問相談をはじめ、多彩な子育て支援策を実施
金沢市は、歴史や伝統、学術、文化といった街の資産と国内外からの人・モノ・情報の交流が掛けあわさることで、新たな価値の創造につながるというビジョンのもと、“世界の「交流拠点都市金沢」”を目指す取り組みを進めています。歴史や伝統、文化資産の継承や交通・情報インフラの整備・充実、モノづくりの活性化、子育て支援、人材育成などは、市が力を入れている分野です。
子育て支援の取り組みとしては、0歳児の親子に遊びの指導のほか、育児不安の相談の場、親同士がつながる場を提供する親子教室の開催、ボランティアによる訪問相談、経済的に困難な状況にある子どもに多様な体験の機会を提供する体験型クーポンの発行など、多方面に渡り支援が充実。男性の育児参加を促進するため、中小企業等で育児休業を取得した男性労働者に市が奨励金を交付する制度もあります。
07| 知っておきたい家賃相場と新築・中古物件の価格帯
金沢市の賃貸物件の家賃相場は次の通りです。
1LDK:72,200円
2DK:50,000円
2LDK:87,900円
3DK:61,700円
3LDK:115,800円
広島市の新築・分譲一戸建ての価格相場は、2,000万~7,000万円台です。
中古マンションの価格相場は、築20年以上で1,000万円台となっています。
金沢市は石川県の県庁所在地であり、人口40万人を超える中核都市だけあって、周辺の市に比べて賃貸家賃相場は高めです。2LDKの賃貸相場は、金沢市が87,900円、小松市が63.600円、白山市が53,800円となっています。
他県の日本海側の都市との比較では、富山市の72,300円よりはやや高く、新潟市中央区の121,900万円に比べれば大幅に安い価格帯になっています。
この記事を書いた人
立花裕子(MAP&NEWS.net) ライター