浦和駒場スタジアム
さいたま市浦和区は、市役所や埼玉県庁といった主要官公庁がある行政の中心地。同時に、埼玉サッカー発祥の地で、かつサッカーJ1リーグで活躍する「浦和レッドダイヤモンズ(浦和レッズ)」の本拠地でもある「サッカーのまち」であり、名門進学校が集まる文教地区の顔を持ち、「浦和画家」と呼ばれる数々の芸術家の作品を見られる芸術の街でもあります。
ここでは、そんな数々の魅力を持つさいたま市浦和区の暮らしやすさや治安、家賃相場、物件価格をご紹介していきます。
ライター:立花裕子(MAP&NEWS.net)
CONTENTS
01| 概要: 県・市行政の中心地であり、文化・教育施設も充実した環境
見沼代用水の桜
さいたま市浦和区は、人口約17万人(2024年9月1日現在)、面積11.51平方km。行政の中心地、文教の街、スポーツの街と、さまざまな顔を持っているのが特徴です。
埼玉県庁
浦和区は、まず埼玉県庁や裁判所、県警本部、市役所などが集まる行政機関の中心地であり、かつ小・中・高校と高い教育水準を誇る学校が多い文教地区でもあります。同時に、年以上の歴史を持つ「サッカーのまち」としても知られており、街なかには、サッカーファンが集う店やホームチーム・浦和レッズのショップ、モニュメントも。繁華街は落ち着いた雰囲気ながら、多くの人でにぎわっています。
埼大通りケヤキ並木
©さいたま観光国際協会
施設面では、浦和駒場体育館、市営浦和球場、浦和駒場スタジアムなどのスポーツ施設が充実。また、さいたま市立中央図書館、埼玉県立近代美術館、うらわ美術館、さいたま市青少年宇宙科学館など、教育・文化に関する場も整っており、芸術や知識にアクセスしやすい環境になっています。教育資源が充実していることに魅かれ、子どもの教育のために、浦和住まいを選ぶ人も少なくないようです。
北浦和公園
区内には、サッカースタジアムを擁する駒場運動公園をはじめとする公園も多く、週末には、クラブ活動に汗を流す小・中学生や高校生、スポーツや散策を楽しむ人たちの姿が多く見られます。
02| アクセスと主要駅:都内の主要駅へ30分ほどでアクセスが可能
JR浦和駅
©さいたま観光国際協会
さいたま市浦和区は、南北にJRが走っており、京浜東北線、埼京線、武蔵野線、高崎線の4路線が利用可能です。浦和駅からは、東京駅まで乗り換えなし・約30分でアクセス可能。JR浦和駅は、湘南新宿ラインや上野東京ラインの停車駅でもあり、新宿や品川といった都内の主要駅にも、乗り換えなしで出かけられます。
バス路線も充実しており、病院や市役所といった施設や区内・近隣区の主要なスポットに簡単にアクセスできるのもうれしいところ。浦和駅からは、羽田空港行きのバスも運行されているので、出張や旅行でもスムーズに移動できます。
浦和区付近には東北自動車道浦和ICがあり、首都高速川口線・東京外環自動車道と接続しているので、車での移動も便利です。
03| メイン駅周辺の様子:JR浦和駅前は、西口・東口ともに充実した買い物スポット
アトレ浦和
JRの5路線すべてが停車する浦和駅の周辺は、ショッピング施設が集まる買い物スポット。東口前には、アパレルショップからレストラン、映画館、書店、家電店まで揃った「浦和PARCO」があり、地下にはスーパーマーケットも入っています。
浦和コルソ
西口にも、駅ビル「アトレ浦和」に「伊勢丹 浦和店」、「コミュニティプラザ・コルソ(浦和コルソ)」など、大型商業施設が集結。2024年11月現在、再開発が進められている南側には、商業施設に市民会館、マンションなどが入る「URAWA THE TOWER」が誕生する予定です。
加えて、西口・東口ともに、昔ながらの商店街もあり、老舗に交じって、近年オープンしたレストランなども営業しています。
04| 治安:ファミリー層中心の住宅地も多く、治安のよさには定評あり
埼玉県警察によると、2023年のさいたま市浦和区の刑法犯発生件数(認知件数)は963件。人口1000人あたりの件数は5.7人で、埼玉県全体の1000人あたり犯罪件数とだいたい同じ数字です。しかし、人が集まる場所では犯罪も多いもの。同じさいたま市内で、浦和と並ぶ中心エリアといわれる大宮区は12.7件なので、浦和区の治安はかなりいい方だといえるでしょう。
浦和区の治安がよい理由としては、県警本部があることに加え、地元警察の定期的なパトロールが行われていることや、地域住民の防犯意識が高いことが挙げられます。加えて、文京地区として知られるエリアであることも見逃せません。学校が多く、教育熱心な世帯も多く暮らしている街であり、ファミリー層中心の住宅街が多いことも、浦和区の暮らしやすい環境につながっているようです。
05| 週末に出かけたい、親子で楽しめるお出かけスポット3選
文化からスポーツまで、子どもの興味を後押しできる施設が整っていることは、浦和区の大きな魅力です。区内にある、親子で楽しめるおすすめスポットをご紹介します。
①あらゆる面から子育て世代をサポート「さいたま市子ども家庭総合センター『あいぱれっと』」
さいたま市子ども家庭総合センター『あいぱれっと』(外観)
子育て世代を総合的にサポートするために、2018年に開設された複合施設。1階には、乳幼児が自由に遊べるスペースや、親が子どもを見守りつつ休憩できる子どもの見守りゾーンがある「ぱれっとひろば」、子育てについて何でも相談できる「なんでも子ども相談窓口」、小学生が遊べる屋根付き運動場などを備え、親子が安心して過ごせる環境が整っています。
さいたま市子ども家庭総合センター『あいぱれっと』(内観)
乳幼児や小学生だけでなく、中・高校生~30代を対象に進路や就職、人間関係などの相談ができる「なんでも若者相談窓口」や中高生年代を対象とした活動スペースも完備。2・3階には、児童相談所や子どもケアホーム、専門相談機関に相談できる相談室エリアもあります。
JR与野駅東口から徒歩約7分のアクセスしやすさも含め、子育て世帯にとって非常に頼もしい存在です。
②楽しみながら宇宙の魅力に触れる「さいたま市青少年宇宙科学館」
さいたま市青少年宇宙科学館
最新鋭のハイブリッド・プラネタリウムを完備した、科学や自然について学べるスポット。光学式投影機と全天周デジタル映像システムによるプラネタリウムは、1千万個の星を映し出せるハイスペック。年代や興味にあわせて楽しめる数々のプログラムが用意されており、「宇宙広場」や「ふしぎ広場」、「ひまわり広場」の展示とあわせて見ることで、星々や宇宙に対して、より深く理解できる仕掛けになっています。
館内では、月ごとにテーマが変わるサイエンスショーや、身の回りの素材を使ったものづくりを通して科学のおもしろさを体験できるワークショップも開催。気象衛星ひまわりの模型や宇宙船のコクピットも展示されており、国際宇宙ステーションの模型で宇宙飛行士の生活を体験できるツアーもあります。
③市民に広く芸術に親しむ機会を提供する「埼玉県立近代美術館(MOMAS)」
埼玉県立近代美術館(MOMAS)
JR北浦和駅からすぐの北浦和公園に、1982年に開館した美術館。モネやシャガール、ピカソなどの海外の巨匠から、日本の現代作家、かつて浦和にアトリエを構えた画家まで、幅広い作家の作品を収集・展示しています。
シーズンごとに、常設展とは一味違ったユニークなテーマでの企画展も開催。また、市民に芸術に親しむ機会を提供しようと、ミュージアム・シアターやミュージアム・レクチャー、アート体感ワークショップなども積極的に開催しています。
併設されている、美術書やオリジナルグッズが揃ったミュージアムショップやイタリア料理を楽しめるレストランも、お楽しみのひとつ。館内では、近代以降のデザインの椅子を集め、常時数十種類が展示されている椅子のコレクションも見ごたえがあり、実際に座ってみることもできます。
06| 独自の支援制度:女子サッカー教室の開催やうらわブランドを発信する取り組みも
浦和区は「にぎわいと文教の調和する緑豊かなまち」を掲げており、教育やスポーツ、にぎわいの創出などに力を入れている街です。
教育分野では、さいたま市全体の取り組みとして、2016年度から市独自の英語教育「グローバル・スタディ」を実践し、身に着けた英語を発揮する場として、英語ディベート大会や英語劇発表会なども実施。加えて、区独自の取り組みとして、女子サッカー教室の開催や中学生の職場体験の実施、美術館を通じた生涯学習環境の整備などが進行中です。まちづくりでは、高校生や市民活動ネットワーク登録団体からまちづくりの意見を聞く「浦和ネクストステージプロジェクト」や、江戸時代からご当地名物として知られるうなぎをアピールする「うなぎのまち浦和」のPR発信などが行われています。
子育て世代を総合的にサポートする市の施設「さいたま市子ども家庭総合センター『あいぱれっと』」にアクセスしやすいなど、子育て支援も充実。子ども同士や親子の触れ合いの場として、主に0~3歳未満の親子が利用できる、「子育てセンターうらわ」といった施設もあります。
07| 知っておきたい家賃相場と新築物件の価格帯
さいたま市浦和区の賃貸物件の家賃相場は次の通りです。
1LDK:121,500円
2DK:114,800円
2LDK:177,500円
3LDK:194,000円
さいたま市浦和区の新築・分譲一戸建ての価格相場は、3,000~7,000万円台です。中古マンション価格相場は、5,000~6,000万円台となっています。
さいたま市浦和区の2LDK・3K・3DKの家賃平均相場は174,800円で、市内では大宮区、桜区に次いで高い水準となっています。市内のJR駅ごとの同間取り物件相場は、北浦和駅が173,800円、浦和駅が167,100円、与野駅が160,400円で、北浦和駅が最も高くなる傾向があります。
この記事を書いた人
立花裕子(MAP&NEWS.net) ライター