June
2023
Vol.50
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プロに聞く 北欧に学ぶ 豊かな夏の過ごし方 & おすすめ商品Top3
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すっかり人気が定着した「北欧インテリア」。
どう取り入れたら「北欧らしい部屋づくり」ができるか、気になりませんか?
北欧家具やインテリアグッズを取り扱い、“自分らしくいられる心地よい空間作り“
を提案するgreeniche代官山で、そのコツを聞いてみましょう!

“北欧マインド”を取り入れる 部屋は自分のアイデンティティの表現。 小さな工夫で慶びある暮らしを

北欧では6月下旬の夏至祭が終わると、数週間に及ぶ長い夏休みが始まります。

「北欧の国々は冬が長く、太陽の光を浴びる時間はほとんどありません。ですから夏が来ると誰もが高揚した気持ちになり外へ出かけます。家で過ごす人もベランダに椅子やテーブルを移動させて、部屋の1つのようにくつろいでいるのが印象的でした」と、greeniche代官山の澁谷さん。

また、北欧の人は“サマーハウス”を所有し、夏はそこで過ごすことも多いといいます。「“サマーハウス”とは別荘のような贅沢なものではなく、水道や電気がない、トイレは外、といった“自然の中にある不便な小さな家”のようなケースも見られます。でも、先祖から受け継いだ家を大切に思い、修繕をしながら使っています」

“サマーハウス”での過ごし方は、草花や野生のベリーを摘んだり、手の込んだ料理に挑戦したり、DIYをしたり、友人や家族と語らったり。「物質的・都会的な豊かさとは異なる、ゆったりと何もしない贅沢を愛おしみ楽しむのです

そんな“北欧的”な夏の部屋づくりのコツを澁谷さんに尋ねると、「見た目だけの北欧風ではなく、“北欧の人々の暮らし方のマインド”を取り入れては?」とのこと。

「彼らは部屋を“自分のアイデンティティの表現”と捉えるため、物は値段の高い安いではなく、自分にフィットするかどうかをしっかり考えて慎重に選びます。そして自分の暮らしを豊かにしていく。その考え方を真似していただきたいと思います」

例えば暑くなってきたら自分にフィットする涼やかなものを厳選して取り入れて。ベランダにチェアを置いて、朝夕は外時間を楽しむ。グリーンなどを飾り、森を感じる香りで気分をリフレッシュ。多灯照明で部屋に陰影をつけ奥行きを出し、キャンドルを灯してみる。デンマークには“ヒュッゲ”という言葉があり“居心地よい”などと訳とされますが、 “家族や仲間とつながる”という意味もあるそうです。親しい人と集ってゆっくり会話を楽しむ夏、というのもよいのでは。

「大きなこと・特別なことをしなくても、小さな工夫で自分を喜ばせたりするのが北欧の人々。それこそが“北欧的な暮らし方”のコツではないかと思います」

手作りガラスの質感が魅力のスウェーデンの作家、エリック・ホグランのシャンデリア。本来はロウソクを灯す照明器具として作られていますが、夏は天井から吊るして青と透明のガラスの涼感を取り入れるオブジェとして活用。

手作りガラスの質感が魅力のスウェーデンの作家、エリック・ホグランのシャンデリア。本来はロウソクを灯す照明器具として作られていますが、夏は天井から吊るして青と透明のガラスの涼感を取り入れるオブジェとして活用。

青いガラスのゴブレットと透明ガラスのオブジェで、壁面に涼やかさをプラスしました。生花ではなくても、ドライや枝物の植物をひとつあしらうだけで、ナチュラルな雰囲気に。

青いガラスのゴブレットと透明ガラスのオブジェで、壁面に涼やかさをプラスしました。生花ではなくても、ドライや枝物の植物をひとつあしらうだけで、ナチュラルな雰囲気に。
北欧ではキャンドルは夜を演出する身近で大切な存在。充電式キャンドル型LEDライトで、火の心配なくヒュッゲな時間を楽しんで。101 COPENHAGENのフラワーベースには、自然を感じるグリーンをさりげなくあしらっています。

北欧ではキャンドルは夜を演出する身近で大切な存在。充電式キャンドル型LEDライトで、火の心配なくヒュッゲな時間を楽しんで。101 COPENHAGENのフラワーベースには、自然を感じるグリーンをさりげなくあしらっています。

ショールーム館長に聞く 猫も人も嬉しいトレンドアイテム3

デンマーク家具の美しさと機能美を参考に、自社職人がリデザインして製作したオーク無垢材の「Svenborgテーブル」は“人の集い”がコンセプト。1本脚のラウンドスタイルは人数に関係なく自由な使い方ができるため、1人ゆったりカフェ気分を味わうにも、2人で食事をするにも、仲間や家族が集まって語らう時にも活躍してくれます。

モーテン・グッドラーが1997年にデザインしたチェア。背もたれと座面には耐久性のあるペーパーコードが使われています。ペーパーコードは使っているうちに次第にその人の体型に馴染むため、「自分だけの椅子」になっていきます。折りたたみ式なので戸外に持ち出すのも簡単です。

「Luu Sofa」は森に丘があり、そこで気心の知れた仲間たちが自然に“集う”ことがコンセプト。背に腰かけたり、背面から座ったり、360度どの角度からも座ることができ、ヒュッゲな時間にぴったりの自社オリジナルソファです。フレームは3種類の樹種、背や座面は300種類以上のファブリックから自由に選ぶことが可能。キャットライフモデルは背もたれの幅があり、ネコが歩いたり寝そべったりもできるので、ネコを飼っている方にも好評です。

案内してくれた人
greeniche代官山 インテリアコーディネーター
澁谷 綾香さん

「私たちは北欧家具だけではなく、北欧の人々の考え方にも目を向けていただき、ご自身の暮らしを豊かにしていただければと考えています。Webサイトでも北欧の暮らし方やコーディネートのヒントなどの情報を発信していますので、ぜひご覧ください」

greeniche(株式会社グリニッチ)
COMPANY PROFILE
greeniche(株式会社グリニッチ)
https://greeniche.jp/
本社・工房・greeniche米子:鳥取県米子市四日市町45 greeniche代官山:東京都渋谷区猿楽町29-10 HILLSIDETERRACE代官山C棟 ※各店舗とも予約優先。コーディネート相談の場合、間取り図や写真をお持ちください。

北欧の新作家具やインテリア小物、米子の工房でリペアしたヴィンテージ家具、自社の職人がデザイン・制作したオリジナル無垢材の家具やオーダー家具を販売。家全体から小さなスペースまで、コーディネート相談にも対応しています。
FDB MØBLER、101 COPENHAGENの日本総代理店。