手づくりが大好きということですが、手づくり歴を教えてください

小学生の頃から祖母に編み物を習ってマフラーを編んだり、夏休みに木材でセロハンテープの台をつくってペイントで絵を描いたりしていました。父と一緒に長く使っていた机にヤスリをかけて色を塗り替えたこともあります。

手先が器用なんですね。

細かい作業は苦ではないですし、何かをつくることがすごく好きなんです。

最近はどんなものをつくりましたか？

梅シロップです。友だちの家でその子が漬けた梅シロップをソーダで割った梅サイダーを飲ませてもらったらすごく美味しくて、すぐに材料や道具を揃えました。いまは梅を漬けて、完成を待っているところです。

ときめいたものはやってみる、という自分で決めたルールがあるんです。ずっとデジタルで描いていた絵も、キャンパスに描けば、誰かにプレゼントできると思って、すぐに画材一式を買いました。事務所の先輩にプレゼントしたらすごく喜んでもらえてうれしかったです。立体的な絵が描けるテクスチャーアートにハマったときも一気に道具を揃えてやりました。

集中して取り組むコツはありますか？

絵を描くときはスマホの電源を切っています。一気に仕上げたいのでオフの日など時間があるときにやるのですが、気がついたら６時間くらい経っていたりすることもあるんです。没頭できる時間があるとすごくリフレッシュできますよね。

自身のYouTubeチャンネル「伊原六花のSTEP＆GO」では砂場をDIYする様子を公開しています。

ずっと大きなものに挑戦してみたいと思っていたら、たまたま実家でそういう話が出たので職人の方に教えてもらいながらやったんです。セメントを使うのもレンガを組み立てるのも初めてでした。いまは甥っ子たちが遊んでいます。

手づくりのよさはどんなところにありますか？

自分好みの唯一無二のものができあがるのがいいですよね。実家の壁を父と一緒に塗ったときはザラザラした風合いに仕上げました。作業は大変でしたが、いまもその壁を見るたびに、「どんなふうに仕上がるんだろう？」ってワクワクしながら塗ったことを思い出すんです。自分でつくったものは思い出も一緒についてくるから、あたたかいですよね。

手間と時間がかかりますが、気にならないですか？

その分、ひとり時間が充実します。私は友だちから「オフの日に誘うのを躊躇する」って言われるくらいです（笑）。私のここ数年の暮らしのテーマは「ていねいな暮らし」なんです。

「ていねいな暮らし」は、具体的にどんなことをしていますか？

お白湯を南部鉄器で沸かしてみたり、蒸し料理をするときにせいろを使ったり、音楽をレコードで聴いてみたりしています。

毎日が楽しそうですね。

ほとんど自己満足の世界ではあると思うのですが、すごく居心地がいい家になっています。どれだけ素敵な朝を迎えるかも大事にしていて、朝のコーヒーは豆を自分で挽いて淹れるんです。お湯はもちろん南部鉄器で沸かします。

好奇心がすごく旺盛です。飽きることはないですか？

自分がときめいていないものはすぐ飽きてしまうんです。でも「これはやばい！」と自分の中で盛り上がったものは、やらない時期があったとしてもずっと好きです。

暮らしのなかに好きなものがたくさんあります。

好きなものに囲まれながら暮らしたいんです。絵やお香、それから植物も好きです。苔リウムもつくりました。家にいるときはいつもすごく幸せです。