「団地は敷地が広く緑が多く、必要な施設がひとかたまりになっており、管理が行き届いているところがいい」と言うplus9さん。特にURと無印良品がコラボしてリノベーションした「MUJI×UR Plan」という住戸がお気に入りとのこと。このリノベ住戸では壁や天井、木質部はすべて白で統一され、ダクトや配管はあえてむき出しに。襖や余分な壁、押入れなどは撤去され、開放感ある自由度の高い住み方ができるのが魅力。以前は別の団地で同様の部屋に住んでいたそうです。
一方で、この住戸は約47平方mと決して広くはなく、小天井以外の収納がないという特徴も。引越しの際には物を「かなり削った」ものの、一緒に暮らすミキさんとの共通の趣味である登山の道具やDIY道具も多く「最初はカオスでした」と笑うplus9さん。
そこで、「見せる収納ではなく、収納を見せる」ことをイメージしたDIYをスタートしたのです。「面倒なことは嫌」というミキさんの要望もあり、雑多なものは隠す収納に放り込み、よく使うものは見せる収納ですぐ手に取れる場所に。また、できるだけ視線を遮る物や縦のライン作らないことで抜け感を出し、色数を抑えたり、小物をマットな質感で揃えたり、ということにも留意。団地では音の出る工具は使えないため、大きなパーツはホームセンターや河川敷で作業してから車で運ぶなどして、今の住まいが出来上がりました。もちろん、すべてが原状回復可能です。
Instagramなどを通して、住まいに悩む人へのアドバイスも行っているplus9さん。今後はこの知見を生かした新たな展開も考えているそうです。
① 玄関脇の部屋はデスクを自作しPCルームに。その脇にはショップ風に服を見せて収納する2人分のクローゼットを設置。引越しで物を減らした際に「服は少なくても問題ないと気づき、気が楽になった」そうです。
② キッチンに付随しL字型に置いてあったダイニングテーブルを移動しI型に変更。テーブル下には頑丈な収納ケースが並んでいます。
③ 2人の趣味の道具はこちらに棚をつくってひとまとめに。ウェアもギアも白と黒で統一されているので、インテリアの邪魔になりません。
年代:40代(会社員)
住居区分:賃貸住宅 居住年数:4年
築数十年の古い団地に住むTakeさんが、DIYを始めたのは2021年頃。当時、ランドリーラックが壊れ、どうしようか? と悩んでネットで調べてみると、DIYで家具を自作する人たちが意外に多いと知りました。ちょうどコロナ禍ということもあり、「インドアで楽しめるなら悪くない」と思ったTakeさん。「ちょっと自分もつくってみようか」と試したところ、そのおもしろさにすっかりはまってしまったのだそうです。そこからほぼすべての家具を自作、いまの部屋ができあがりました。
もともとインテリアや雑貨、カフェが好きなTakeさんですが、「以前の部屋は既成のカラーボックスやスチールラックが並び、色合いもごちゃごちゃ。せっかくおしゃれな小物を買ってきても、浮いていました」と言います。そのうえ、毎日仕事で疲れて帰宅するため、散らかりがちに。そこで、「帰宅した時に生活感が漂っているより、ホッとリラックスできるほうがいい」と、ナチュラル&アンティークなテイストで、木のぬくもりを感じるカフェ風の空間づくりを目指したのです。
集合住宅のため工具を使う作業は遅い時間を避け、塗料は匂いの少ないタイプを選択。また、現状復帰が可能なように、着脱できる木枠を作って活用したり、固定しなくてもよいデザインにしたり。古い冷蔵庫や給湯器は木枠でパネルを作り隠し、ちょっとした装飾もテイストを合わせて手づくりして。DIYが進むとともに部屋の雰囲気が変わっていったそうです。
これでも「手を入れたい場所がある」というTakeさん。まだまだ部屋作りの楽しみは続いていきます。
① 和室は襖を撤去。書斎とした和室は畳縁にマスキングテープを貼った上に両面テープを重ね、クッションフロアを固定。すっかり洋室になりました。
② リビングとダイニングの床は老朽化していたため、管理者に許可を取って自分でクッションフロアを敷きました。
③ 古くなり見た目が気になる冷蔵庫は、シートを貼ったり塗装したりした上で木枠を貼り付け、インテリアに違和感なくなじむように。
④ デスク脇には1年中ツリーを飾って、季節ごとにオーナメントを変えて楽しんでいます。夏は SUMMERの文字やカモメに変わります。
年代:50代(会社員)
住居区分:賃貸住宅 居住年数:15年