移住の魅力をお伝えする「私の移住ストーリー」。今回は、岐阜県出身で、出産を機にご主人の勤務先に近い愛知県半田市へ家族で引っ越したというたっしーさん。「今では半田市が大好きで、もう、ずっとここにいたい」と話すたっしーさんに、半田市の魅力を教えてもらいました。
CONTENTS
01| 子育てのしやすさを考えてご主人の勤め先に近い半田市へ
任坊山(にんぼうやま)の展望台から望む半田市。温暖な気候が影響するのか、半田市にはおおらかな人が多い気がします
半田市は愛知県知多半島の東部付け根に位置し、人口は約11万7千人(2023年11月現在)。年間を通して温暖な気候に恵まれ、江戸時代より食酢(「ミツカン」創業の地として有名)やみそ、醤油といった食品工業と海運業が発達してきました。運河沿いに建ち並ぶ⿊壁の蔵とともに、歴史的な建造物も保存され、往時の姿を今に伝えています。そんな半田市にたっしーさん一家が移住してきたのは、2007年のこと。
「夫と私、それぞれの勤務先との距離感を考え東海市に住んでいたのですが、夫の勤務先が変わることになったのを機に、長男が生後6か月のときに半田市へ移住しました。今年で長男は16歳になり、引っ越し後に産まれた長女は13歳。半田市に住み始めて16年になります。家は戸建ての4LDK、持ち家です。最初は賃貸も検討していましたが、持ち家の方がコスパがよかったので購入を決意しました」。
半田運河の前で。かつては運河から海へ、そして江戸へという航路で、市にとって大切な場所です
半田市に住んでいたことのあるご主人からある程度まちの感触を聞けたため、移住後の生活について、不安はあまり感じていなかったそう。
「閉鎖的な雰囲気ではなさそうだったので、安心していました。『はんだの山車まつり』といった地元の文化も根付いていて、地域の繋がりがもてそうなところも魅力的でした。保育園も通常募集期間であれば入園の目途がたちそうでした」。
02| 半田市に移住してよかったこと
「半分田舎で半分都会」だから、子育てしやすい
市内の農園でいちご狩り。いちご、トマトは市の特産品
東は衣浦湾(きぬうらわん)、西は知多丘陵に面する緑豊かな半田市は、自然の恵みもたくさん感じられます。
「フルーツに野菜に知多牛に……食べ物は何でもおいしい! 潮干狩りなどの楽しいイベントも沢山あります。(一番上に掲載している)写真の撮影場所である雁宿公園も、家から徒歩10分ほどのところにある公園ですが、展望台があり、春は桜がきれいで、ウサギやカモなども見られますよ」。
新見南吉記念館のすぐ横に流れる矢勝川から権現山を眺める子どもたち。左には代表作「ごんぎつね」の像が
半田市は観光に力を入れており、名所もそこかしこに。半田市に住むママたちが口を揃えて言うのが「遠くまで出かけなくても、市内に楽しいことがいっぱいある」ということだったそうです。
「半田市出身の児童文学者・新美南吉さんの記念館や、春には菜の花・ポピー、秋には彼岸花やコスモスが咲く矢勝川などがあり、観光の方が多く訪れます。特に彼岸花は300万本が咲き、圧巻です。半田運河は鯉のぼりやアートイベント『キャナルナイト』、マルシェなど、近年イベントスポットとしても人気です。ほかにも運動公園で走り回ったり、科学館でプラネタリウムを楽しんだり……。魅力的な個人店が多いのも嬉しいですね。それぞれの楽しい場所を見つけられるまちだと思います」。
子育て支援が充実、移住後の生活がスムーズ
自宅から車で30分くらい走ったところで見た夕陽。市内ではありませんが、知多半島ではこんなにきれいな景色が見られて癒されます
行政に関しても、子育て支援が充実していたことが移住の決め手のひとつだった、と語るたっしーさん。様々な市のサービスのおかげで、移住後の生活もスムーズに始められたそう。
「知り合いや友達がいない地でしたが、引っ越してきて最初に心の拠り所となったのは、子育て支援センター『はんだっこ』でした。子どもを連れて出かければ、同じようなママさんとお話ができ、スタッフの方に小さな相談ごともできました。出かけるのに慣れてくると市の情報紙『はんだっこ0123』を見ては、今日は児童センター、今日は保育園の一般開放と出かける予定を立てました。子どもを通して、自分の世界も広がっていくのを感じました。乳児教室で一緒になったママ達とは、今でもいい関係が続いています。また、子どもが大きくなってきて進路を考えるようになりましたが、半田は高校数も多く、県外に出なくても進路を考えられる点がいいですね」。
03| まちづくりに参加していく
子どもとの時間を増やすために起業を決意!
情報紙「Marche(マルシェ)」。女性向けフリーペーパー制作会社での企画編集をしていた経験を活かして自主発行していました
暮らしだけでなく、たっしーさんのキャリアも大きく変化していきました。2010年、末の子どもが生後4か月のときに「言葉工房トム」を立ち上げ、2015年には中小企業診断士資格を取得。知多半島の中小企業を中心に、クライアントの思いと魅力が伝わるPRツール制作を主な事業としています。
「育休から復帰して以降は、育児の時間が足りなくなり、仕事との両立ができなくなってきて……。自分で仕事の時間をコントロールできるかもしれないとの思いから起業しました。半田市がもつ都会と田舎のほどよいバランスのおかげか、周囲でも起業をする女性が多く、情報交換し合えたことは心強かったです。また、ちょうど起業の機運が高まっていた時代だったことも幸運でした。同時期に、半田市のよさを伝えたくて、市内を中心に知多半島のイベントやスポットなどを紹介するフリーペーパーも自主発行を始めました。3年間発行したフリーペーパーを通して、友達が増えたり、後に仕事につながったりと、嬉しいことがたくさんありましたね」。
まちづくりは、地元の人たちとともに
ワークショップは女性も多く、年齢層も職業も様々な人が参加していて、ワクワクしました
たっしーさんは地域のまちづくりにも参加していきました。市民や事業者らによるシティプロモーション推進組織「ふるさと半田応援団」のメンバーになったり、市の広報誌に寄稿したりと、精力的に活動されています。
「半田市は街のありかたをトップだけで決めるのではなく、住民の人や移住してきた人の声も取り入れる姿勢が感じられるのが魅力です。写真は、2023年10月に開催した半田市のまちづくりを考えていくためのワークショップに参加したときのもの。主催は半田市ではなく、まちづくりの会社ですが、市役所の方も何人が参加されていました。今は中心市街地をどうしていくかという議題に力を入れています。こういった場にはこれからも参加していきたいですね」。
04| たっしーさんから、移住についてのアドバイス
よく散歩に出かける任坊山公園。数年前に池がきれいに整備されたので、わりと新しいスポットで、市民の憩いの場になっています
「子どもが乳幼児のときに移住すると、地域になじみやすいと思います。子どもきっかけで自分と同じ境遇の人たちとのネットワークが広げやすいし、まちの情報を色々知ることができます。子育てをしていると、そのときの様々な行政に関わることも増え、自然と地域に関係することが多くなってきます。それに、引っ越し準備も育休中だと時間のやりくりが可能です。さらに言えば、独身の頃から住みたい街を探したり、いろんな街に住んでみたりしておくと、自分の住みたい街のイメージをつくりやすいかもしれませんね」。
家族仲よく、穏やかな暮らしを送っています
※たっしーさんも参加している、旅コミュニティ「旅色LIKES」はこちら。
https://tabiiro.jp/likes/
地元自慢やおすすめの旅スタイルなどたくさんの交流が生まれています。
メンバー随時募集中!
旅色LIKES
05| まとめ
半田市で子育てができてよかったと振り返るたっしーさんのストーリーでした。移住に興味がある方は、ぜひ参考にしてくださいね。