公開日: 2024.04.01 最終更新日: 2024.04.01

【私の移住ストーリー】~東京から和歌山市へ。移住者交流会を開催し、ホストファミリーとして活動~わかばママさんのケース

【私の移住ストーリー】~東京から和歌山市へ。移住者交流会を開催し、ホストファミリーとして活動~わかばママさんのケース

「海の近くに住みたい」という希望もあり、和歌山市和歌浦を選んだそう

住み慣れた場所から別の土地へ移住を考えるとき、家族それぞれの事情や希望が大きく影響します。わかばママさんの場合は、パソコンがあればどこでも仕事ができるという状況下にあったフリーランスのご主人が、「地方移住をしたい」といいだしたことが始まりだったとか。どんなふうにして希望の土地へと移り住んだのか、そのストーリーを教えてもらいました。

ライター:鈴城久理子

ライター:鈴城久理子

01| 「自然のそばで子育てをしたい」 と選んだのは、懐かしさ漂う日本遺産の街

暮らしに寄りそう明治初期からの商店街

ノスタルジックな看板も健在の裏路地 ノスタルジックな看板も健在の裏路地

都会でのワーキングママとしての暮らしに少し疲れてしまい、「自然のそばで暮らしたい」と考えて東京都港区から地方移住を決意。そんなわかばママさん一家が移住先として選んだのは、和歌山市和歌浦地区という古くからの商店街が残る街。「明治初期からあるこの明光商店街には、当時の面影を残す建物が多いんですよ」。

商店街ができた頃の面影を残す建物も多く、のんびりお散歩するのもおすすめ 商店街ができた頃の面影を残す建物も多く、のんびりお散歩するのもおすすめ

商品が段ボールの上に積み重ねられているなど、無造作な店頭ディスプレイにもほっこりさせられる 商品が段ボールの上に積み重ねられているなど、無造作な店頭ディスプレイにもほっこりさせられる

商店街のメイン通りには、昔懐かしい佇まいのお店が軒を連ねています。「裏路地に入るとくねくねした坂道になっていて、その先には何があるのだろうとつい好奇心がわいてしまいます。昔ながらのそろばん塾があったかと思うと、おしゃれな工房があったりして、いろんな発見が楽しいんです」。

「絶景の宝庫 和歌の浦」と呼ばれる日本遺産

春夏秋冬を通じ、さまざまな表情を魅せる和歌の浦。万葉歌に詠われ、芸術や文化を育んだのだそう 春夏秋冬を通じ、さまざまな表情を魅せる和歌の浦。万葉歌に詠われ、芸術や文化を育んだのだそう

人口355,711人(令和6年3月1日現在)が住む和歌山市は、歴史的な遺産が数多く残っている土地。なかでも和歌浦地区は、「絶景の宝庫 和歌の浦」と呼ばれる日本遺産の街として有名です。その美しい景勝は歌に詠われ、和歌の聖地になったといわれています。

江戸時代に架けられたというアーチ状の石橋「不老橋(ふろうばし)」。和歌山市の重要文化財に認定されている 江戸時代に架けられたというアーチ状の石橋「不老橋(ふろうばし)」。和歌山市の重要文化財に認定されている

1621年に徳川頼宣が紀州藩主となったことで、南海道の総鎮護(そうちんご)として創建された「紀州東照宮(きしゅうとうしょうぐう)」。国の重要文化財にも指定されている 1621年に徳川頼宣が紀州藩主となったことで、南海道の総鎮護(そうちんご)として創建された「紀州東照宮(きしゅうとうしょうぐう)」。国の重要文化財にも指定されている

学問の神様、菅原道真が祀られている「和歌浦天満宮」。太宰府天満宮、北野天満宮と共に三菅廟(さんかんびょう)と呼ばれる 学問の神様、菅原道真が祀られている「和歌浦天満宮」。太宰府天満宮、北野天満宮と共に三菅廟(さんかんびょう)と呼ばれる

「私が住んでいる街は日本遺産に登録されていて、歩いて回れる範囲に歴史的な場所がたくさんあるんです。市外や県外から和歌浦に来られた方に、ぜひ歩いて回って楽しんでもらいたいと、いつもすすめています」。

02| 「疲弊しない働き方をしたい」。 起業して自宅で仕事をこなす

和歌山移住者が集うコミュニティを主宰

市内に住む移住者の交流会の主宰をはじめ、県外から訪れる移住者希望の人々を案内するなど、活動もさまざま 市内に住む移住者の交流会の主宰をはじめ、県外から訪れる移住者希望の人々を案内するなど、活動もさまざま

季節ごとに和歌山の魅力を堪能できるイベントを開催。移住者だけでなく地元民も参加可能だそう 季節ごとに和歌山の魅力を堪能できるイベントを開催。移住者だけでなく地元民も参加可能だそう

移住後、わかばママさんが選んだワークスタイルは、起業してできるだけ自宅で仕事をすること。移住を決めたときに望んだのは、以前のような疲弊する働き方ではなく、心身ともにゆとりのある働き方。その理想を目指し、現在は二つの仕事をこなしています。その一つが「人とのつながりで移住生活はもっと楽しくなる」をコンセプトにした移住者コミュニティの運営。主に移住者交流会や体験ツアーなどのさまざまなイベントなどを主宰しています。

国内外からホームステイを楽しんでもらう

この日のホームステイのゲストは、大阪から来た親子。海に入るのが初めてという子どもたちも大喜び この日のホームステイのゲストは、大阪から来た親子。海に入るのが初めてという子どもたちも大喜び

県外はもとより、ドイツなど海外から足を運ぶファミリーも 県外はもとより、ドイツなど海外から足を運ぶファミリーも

「田舎ホームステイのホストファミリー」がわかばママさんの二つめの仕事。県外からだけでなく、海外からもゲストが訪れることもあります。「以前、ドイツ人のファミリーがわが家にホームステイしてくださったのですが、ドイツのことを教えていただきとても勉強になりました。教育や環境問題への取り組みなど、実際にお聞きしてみると驚くことも多く、大切な出会いになりました」。

03| 「丁寧な暮らしをしたい」と、築100年の古民家を改造

DIYを駆使して心地よい空間に

都会のマンションから一変、築100年の古民家に引っ越し 都会のマンションから一変、築100年の古民家に引っ越し

移住するにあたり、もう一つの希望は「丁寧な暮らし」ができること。その希望を実現するためにも、移住前の下見は欠かせなかったといいます。そして住まいとして決めたのは築100年の古民家でした。「以前、畳を上げて掃除したところ、“大正10年”と竣工日が書かれている板を発見したんです。その板には大工さんの名前も書かれていて、さらに愛着がわきました。丁寧に使って、たくさんの思い出をつくっていきたいですね」。

シーリングライトを外し、ライティングレールをDIYしてランプシェードを取りつけた シーリングライトを外し、ライティングレールをDIYしてランプシェードを取りつけた

一枚板を使い、ご主人がつくってくれたのが、このダイニングテーブル 一枚板を使い、ご主人がつくってくれたのが、このダイニングテーブル

古民家を住みやすくするため、少しずつ自分たちでDIYして丁寧な暮らしを実践中。「最近はすきま時間を利用して、夫に手伝ってもらいながらちょこちょこDIYしています。照明やテーブルのほか、壁に漆喰風の壁紙を貼ったり、押し入れの扉を自作したりなど、いろいろと工夫しています。達成感もあるし、部屋の雰囲気もかなり変わるので、やってみてよかったと思います」。

キッチン収納を見直してゲストにも使いやすく

ホストファミリーを始めたことから、家族以外の人でも使いやすい収納を目指した ホストファミリーを始めたことから、家族以外の人でも使いやすい収納を目指した

暮らしやすい空間づくりは、家族だけでなくホームステイのゲストへの気配りでもあります。「親子で来られる方も多く、食事時にはいろいろと手伝ってくださるんです。それで、初めてこの家に来られる方でも使いやすいようにと思い、収納を見直しました」。見直しする際に役立ったのは、東京に住んでいた頃に勉強した整理収納のルール。“だわへし=出す・分ける・減らす・しまう”というルールに則り、キッチン収納を見直しました。

にわとり生活で循環型の暮らしに

卵から育てたひよこたち。成長が早く、あっという間に大きくなって驚くことも 卵から育てたひよこたち。成長が早く、あっという間に大きくなって驚くことも

卵からかえって1歳4か月になったにわとりたちも、ピクニックに同行 卵からかえって1歳4か月になったにわとりたちも、ピクニックに同行

以前はマンション暮らしでしたが、移住後に戸建て暮らしになって困ったことがあるそう。それは庭の雑草対策。草刈りは楽しいものと思っていたところ、どんどん生えてくる雑草に悩まされ、その対策としてにわとりを飼うようになったといいます。「庭でにわとりを放し飼いするようになったとたん、雑草に悩まされることがなくなりました。雑草はもちろん、生ごみも食べてくれて、代わりに新鮮な卵を産んでくれる。にわとりを飼うことで、循環型の暮らしに近づけました」。

にわとりたちも今では大切な家族の一員 にわとりたちも今では大切な家族の一員

自分自身の移住体験を生かし、移住者や地元の人たちがつながる機会を提供。そんなわかばママさんからの移住についてのアドバイスは……。

「大切なのはやはり家族でよく話し合いそれぞれの移住の目的を明確にすることでしょうか。それと、実際に下見に行ってその土地の暮らしに触れてみることも大切ですね。その際、移住者の先輩に会ってみるのがおすすめです」。


※わかばママさんのインスタグラムはこちら!
https://www.instagram.com/mama._.wakaba/
※わかばママさんの移住者コミュニティのインスタグラムはこちら!
https://www.instagram.com/tsunagaruwakayama

04| まとめ

自分の体験を通して移住先でコミュニティを運営する。そんな移住者だからこそ語ることができるストーリーですね。ぜひ参考にしてみてください。

鈴城久理子

この記事を書いた人

鈴城久理子 ライター

雑貨紹介や料理、インテリアなど暮らし系の記事を中心に執筆することが多いライター。ただいまメダ活実践中。

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