公開日: 2024.07.05 最終更新日: 2024.07.05

澄んだ海と白砂のビーチに魅了される沖縄の人気リゾート・宮古島の移住関連情報&移住メリット・デメリット

澄んだ海と白砂のビーチに魅了される沖縄の人気リゾート・宮古島の移住関連情報&移住メリット・デメリット

宮古島の美しいオーシャンビュー

「宮古ブルー」と称される青く澄んだ海で知られ、沖縄を代表する離島リゾートでもある宮古島。沖縄で4番目の大きさの島で、大小8つの島からなる宮古群島の中心です。サンゴ礁が隆起してできた島は全体が平坦。サンゴ礁と白砂の浜、青い海からなる海岸と、どこまでもサトウキビ畑が広がる内陸の風景が、宮古島ならではの景観を描きます。島の中心街である平良地区は大型商業などもあり利便性が高く、県立の総合病院もあるなど医療面も安心です。産業は観光関係と農業、漁業がメイン。離島ながら近年は人口の微増が続いており、移住先としても人気の高い島です。

編集:アントレース

編集:アントレース

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CONTENTS

  1. 宮古島の概要:沖縄のなかでも独自の文化を有する宮古群島の中心
    1. ●位置や面積:沖縄で4番目の大きさを有するサンゴ礁で形成された島
    2. 気候:冬でも気温15℃以下はまれ。例年、勢力の強い台風が来襲
    3. 地域:周辺離島を含め6つの地域で市を構成
    4. 平良(ひらら)市街地
    5. 池間・狩俣・島尻地区
    6. 城辺地区
    7. 上野地区
    8. 下地地区
    9. 伊良部地区
    10. 人口:中心地の平良地区は人口増が続く
    11. 産業:沖縄県内でも農業・漁業の占める割合が高い
    12. 医療機関:2つの総合病院があり、離島ながら医療事情は優れている
  2. 宮古島移住のメリット・デメリット: 自然環境のよさは群を抜くが、島内移動や気候、物価高などのマイナス面も
    1. ●メリット
    2. 美しい海のそばで暮らせる
    3. ダイビングなどアクティビティが充実している
    4. 冬でも温暖な気候
    5. 子育て環境がよい
    6. ●デメリット
    7. 島内の移動には車が必須
    8. たびたび台風が襲来する
    9. 出張・里帰りなど島外への移動にお金がかかる
    10. 物価が高い
  3. 移住者の声:すぐそばに宮古ブルーの絶景! 釣人あこがれの島で釣りライフを満喫
  4. 宮古島移住で失敗、後悔しないための準備: 給与水準は全国的に見ても低い
    1. ●家の相場
    2. ●仕事
    3. 給与水準
    4. 主な仕事
    5. ●島内・島外のアクセス
  5. 宮古島移住に関する支援制度・補助金: 過去に実績はあるが現在はとくにない
  6. 宮古島の子育て施設:5か所の施設で子育てを支援
    1. 子育て支援センター
  7. 移住後の生活をイメージできる宮古島のレジャー情報:マリンアクティビティが通年で楽しめる
    1. ウミガメシュノーケリング
    2. ユニの浜へ行く
    3. 釣り
    4. 音楽フェス(MIYAKO ISLAND ROCK FESTIVAL 2023)
  8. 宮古島の食事情:独自の文化・風土・気候が育んだ食が豊富
    1. ●食事情
    2. 宮古そば
    3. 宮古牛
    4. 島おでん
    5. 島バナナ
  9. 移住後の生活をイメージできるご当地パン
    1. うずまきパン
    2. 島の駅みやこ「雪塩パン」

01| 宮古島の概要:沖縄のなかでも独自の文化を有する宮古群島の中心

●位置や面積:沖縄で4番目の大きさを有するサンゴ礁で形成された島

神が宿るといわれている大神島 神が宿るといわれている大神島

日本の南西端近く、東京から約2,000kmの位置です。サンゴ礁が隆起してできた島は全体が平坦。サンゴ礁と白砂の浜、青い海からなる海岸と、どこまでもにある宮古島。東西約1,000kmにわたって島々が点在する沖縄県のほぼ中間点にあり、沖縄本島からは約300km、石垣島からは約130kmの距離にあります。台湾の台北までは約380kmなので、沖縄本島と台湾のほぼ中間ともいえます。沖縄県では、沖縄本島、西表島、石垣島に次ぐ、4番目に大きな島です。

宮古島は池間島・来間島・伊良部島・下地島・大神島・多良間島・水納島とあわせ大小8つの島からなる宮古群島に属し、多良間島・水納島を除く6島が宮古島市を形成しています。そのなかでも最も大きいのが宮古島で、宮古島市役所などがある宮古島市の中心となっています。ちなみに、宮古島からは池間島が池間大橋、来間島が来間大橋、伊良部島が伊良部大橋で結ばれており、下地島は伊良部島経由でつながっており、大神島のみは船での行き来となっています。

宮古島イムギャーマリンガーデン 宮古島イムギャーマリンガーデン

宮古島はサンゴ礁が隆起してできた島で、島の海岸は砕けたサンゴが白い砂浜を形成しています。島の全体がおおむね平坦で、最高標高地点でも115mほど。沖縄の主要な島のなかでは唯一、川らしい川がありませんが、地下水が豊富で上水道はこの地下水や湧水で賄っています。川がないことから雨が降っても濁った水が沿岸に流れ込むことがなく、また非常に水はけのよい地質で雨水がすぐに地下に浸透することもあり、周囲の海はいつも非常に透明度が高く、白い砂浜と相まって、「宮古ブルー」といわれる沖縄でも有数の海岸美を誇ります

こうした地勢的な条件から、島内には数多くの魅力的なビーチがあるほか、島の北部海域には八重干瀬(やびじ)と呼ばれる日本最大級のサンゴ礁群が広がります。また、内陸は亜熱帯海洋気候特有の希少な植物が生い茂る森とそこにすむ固有の生物など、この島ならではの自然に溢れています。なお、沖縄の主な島のなかでは唯一、ハブのいない島とされます。また、文化的にも沖縄本島や八重山とは異なる独自のものが多く、方言も独特な発音で島外の沖縄県民には理解するのが難しいといわれています。

気候:冬でも気温15℃以下はまれ。例年、勢力の強い台風が来襲

珊瑚礁に囲まれた美しいシギラビーチ 珊瑚礁に囲まれた美しいシギラビーチ

高温多湿な亜熱帯海洋性気候に属している宮古島。年平均気温は約23℃、年平均湿度は約80%です。最高気温は真夏でも33℃ほど。海からの風が吹き込むこともあり、日中の日陰では涼しく感じますが、夜間は熱帯夜の日が続きます。1~2月が最も寒い季節ですが、この頃の最低気温の平均値は15℃前後で、これを大幅に下回る日はめったにありません。ただ、冬季は季節風が強いので、風のある日は体感温度が低くなり、薄手のアウターなどが必要なことも。梅雨は5月中旬~6月下旬で、この時期に年降水量の約2割が降ります。                                                                                                                                                                            

また夏から秋にかけては台風のシーズンとなり、例年9月に勢力の強い台風が来襲します。なお、宮古島に雨が降るのは主に梅雨と台風によるもので、台風が少ない年は水不足に悩まされることもあります。

地域:周辺離島を含め6つの地域で市を構成

宮古島市平良下里、西里周辺 宮古島市平良下里、西里周辺

宮古島市の市域にはかつて5つの市町村があり、2005(平成17)年に合併して宮古島市となりました。現在の地域分けは、この旧市町村を元にしています。

平良(ひらら)市街地

沖縄県 宮古島 平良 沖縄県 宮古島 平良

島の中部にあたる地域で、宮古島市の中心地。市役所などの行政機関、県立病院、銀行や商業施設などが集まっています。ホテルやショップ、飲食店も集中しており、観光客の多くもここを拠点とします。

池間・狩俣・島尻地区

八重干瀬のサンゴと魚群 八重干瀬のサンゴと魚群

宮古島北部の細くなった部分と池間島、大神島からなるエリア。区域分けでは、平良地区に含まれることもあります。宮古島の3分の1にあたるといわれる巨大サンゴ礁の「八重干瀬」があり、豊かな漁場となっているほかダイビングやシュノーケリングで訪れる人も多い地区

全身泥まみれの奇神パーントゥが集落内を駆け回り、住民や建物などに泥をつけて厄払いをする奇祭で知られる島尻集落もこのエリアにあります。

城辺地区

城辺地区の広大に広がるサトウキビ畑 城辺地区の広大に広がるサトウキビ畑

宮古島の東部に広がるエリア。一面のサトウキビ畑が、宮古島らしい景色を描いているほか、名勝として知られる東平安名崎も。東海岸は吉野海岸、新城海岸などのシュノーケリングスポットが連なります。

上野地区

上野地区の海岸沿い遊歩道 上野地区の海岸沿い遊歩道

城辺地区と下地地区に挟まれた南部のエリア。宮古島を代表するリゾートエリアで、数々のリゾート施設が整備され多くの観光客が訪れます。陸上自衛隊宮古島駐屯地もこのエリアに。

下地地区

透き通る海に架かる来間大橋 透き通る海に架かる来間大橋

島の南西部と来間島からなるエリア。東洋一ともいわれる与那覇前浜ビーチや来間大橋からのコバルトブルーの海など、マリンスポーツの盛んな地域です。

伊良部地区

伊良部大橋から眺める平良地区 伊良部大橋から眺める平良地区

伊良部島と下地島からなるエリア。近年は、無料の橋としては日本一の長さを誇る伊良部大橋で知られます。また、下地島空港の先端部には、宮古群島でも屈指の美しさといわれるビーチ・17END(ワンセブンエンド)も。

人口:中心地の平良地区は人口増が続く

宮古島市公設市場 宮古島市公設市場

2023(令和5)年度版「統計みやこじま」によると、宮古島市の人口は55,690人で前年度比151人増となっており、2年続けての増加となりました。地区別に見ると、2022(令和4)年は平良、下地、上野で増加し、城辺と伊良部は減少でした。ところが、2023(令和5)年は平良のみの増加となっています。なお、10年前の2013(平成25)年に比べて、684人の増加となっています。

地区別の2023(令和5)年の人口は以下のようになっています。
平良地区=38,578人 城辺地区=5,392人 下地地区=2,987人
上野地区=3,897人 伊良部地区=4,836人
宮古島市の全人口の約69%が平良に集中していることがわかります。
なお、沖縄県のなかで宮古島市の人口は第9位にあたります。

産業:沖縄県内でも農業・漁業の占める割合が高い

大きく育ったサトウキビ 大きく育ったサトウキビ

沖縄県が発表した「令和2年度県民経済計算」によると、宮古島市の市内総生産は、沖縄本島の6つの市に続き、第7位の規模です。その構成比を見てみると、第1次産業が4.2%、第2次産業が22.7%、第3次産業が73.8%となっています。沖縄県の構成比は、第1次産業が1.2%、第2次産業が14.5%、第3次産業が85.0%となっており、第3次産業の占める割合が高いのが大きな特徴です。また宮古島において、第3次産業のなかでは、卸売・小売業が10.3%、宿泊・飲食サービス業が2.7%といずれも高く、観光に関連する業種も大きな柱になっています。

農業では、島の景観を構成する一大要素であるサトウキビをメインに、マンゴーをはじめとした果物、葉たばこの栽培が盛ん。また、ゴーヤー、カボチャ、オクラなどの農業産出額は県内1位となっています。栽培の最盛期が冬から春で、本土とは逆になっているのも強みです。

伊良部島佐良浜漁港 伊良部島佐良浜漁港

水産業に目を向けると、島の周辺は黒潮の源流にあたる豊かな漁場になっています。島の近くでの一本釣りや近海での底魚一本釣り、伝統漁法の追い込み、銛付き漁などが盛ん。カツオ、キハダマグロ、メバチマグロ、クロマグロをはじめ各種のイカ、沖縄ならではの魚が水揚げされるほか、モズク、クルマエビなどの養殖も盛んです。

医療機関:2つの総合病院があり、離島ながら医療事情は優れている

宮古島の街並み 宮古島の街並み

日本医師会の地域医療情報システムによると、宮古島市の医療事情は以下のようになっています。いずれも人口10万人あたりに換算した施設数です。またカッコ内は実数です。

一般診療所数 宮古島市=62.35(33) 全国平均=72.55
病院病床数(一般病床) 宮古島市=802.93(425) 全国平均=701.15
医師の数 宮古島市=151.14(80) 全国平均=281.21
歯科医師数 宮古島市=30.23(16) 全国平均=91.76

総合病院としては、「沖縄県立宮古病院」「宮古島徳州会病院」があります。
なお、宮古島市では、島内で治療のできない難病やがんなどで、島外の医療機関への通院および入院が必要な人には、渡航費用などの一部を助成する制度を用意しています。

「離島」と聞くと、医療機関の数や種類などが心配になる人も多いでしょうが、宮古島の医療事情は概ね安心のようです。

02| 宮古島移住のメリット・デメリット: 自然環境のよさは群を抜くが、島内移動や気候、物価高などのマイナス面も

●メリット

美しい海のそばで暮らせる

嶋と島をつなぐ橋 嶋と島をつなぐ橋

宮古島は外周を巡って1周しても100kmほど。車なら4時間もあれば1周できてしまいます。島のどこに住んでいても、車で30分も行けばお気に入りのビーチが見つかるでしょう。宮古島の海の透明度は沖縄のなかでも飛び抜けていて、沖縄本島の人も感動するほど。海水浴は5~9月まで楽しめます。また、サンゴ礁が海岸近くに広がっているので、シュノーケリングで熱帯魚と触れ合うことも簡単です。どこまでも青い海と白砂の海岸は、1日のうちでもいろいろな姿を見せてくれるので、訪れるたびに感動を新たにすることができるでしょう。

ダイビングなどアクティビティが充実している

鮮やかな熱帯魚とサンゴ礁を楽しめるダイビング 鮮やかな熱帯魚とサンゴ礁を楽しめるダイビング

透明度が高く、穏やかな海は1年を通してマリンアクティビティが楽しめます。ダイビングをはじめ、シュノーケリング、カヌー&シーカヤック、スタンドアップパドル、水上バイクなど種類も多彩です。マリンアクティビティ好きが高じて移住してくる人も多いようです。

冬でも温暖な気候

南国宮古島の青空 南国宮古島の青空

冬でも気温10℃を下回ることはめったにありません。12~3月でも平均気温は20℃を超えます。季節風の影響で屋外では寒さを感じることはあっても、屋内にいる限り寒さを気にすることはないようです。

海水浴のおすすめシーズンは5月からですが、4月でも気温の高い日は十分楽しめます。なお、宮古島の自然環境ではスギやヒノキはの育たないので、花粉症の人にとっては安心です。

子育て環境がよい

自然豊かな環境で子育て 自然豊かな環境で子育て

沖縄でよく見かける「ゆいまーる」という言葉。いまでは、飲食店の店名にもよく使われていますが、もともとは沖縄の方言で、助け合いを表す言葉。「ゆい」とは結い・共同・協働、「まーる」は順番が回るの意味で、あわせて相互扶助を順番に平等に行う助け合いの心を意味し、沖縄の人の心に深く浸透しています。

宮古島もこの精神は脈々と受け継がれているといわれ、子育てについても助け合いの気持ちが根付いているといいます。ただ、社会状況の変化で、子育て環境に懸念が出てきていることもあり、宮古島市では「太陽の子(てぃだ ぬ ふぁ)・もやいプラン」という子育に関する事業計画を策定しており、市をあげて子育て環境の充実に努めています。

●デメリット

島内の移動には車が必須

宮古島のマスコットキャラクターまもる君 宮古島のマスコットキャラクターまもる君

島内には電車は走っておらず、公共交通機関は路線バスのみです。ただ、本数は限られ、エリアも限定的。観光旅行のガイドブックを見ても、観光を満喫するならばレンタカーがおすすめとあるくらいですから、生活をするならば推して知るべしです。

また、夏は日差しが強烈なので、徒歩は無論、自転車、バイクでの移動も控えたいところ。車がないと生活はままならないでしょう。ただ、1周しても約100kmの島なので移動距離は短く、地形が平坦なので坂道もほぼなく、高速道路もないので、軽乗用車でも十分事足ります。

たびたび台風が襲来する

台風直撃時のムイガー断崖 台風直撃時のムイガー断崖

宮古島周辺は、俗に“台風銀座”と呼ばれるほど、台風の接近が多いエリアです。気象庁のデータでは1年間に平均3.8個の台風が接近します。とくに9月が要注意で、過去には、最大瞬間風速85.3メートル毎秒で宮古島観測史上第1位の1966(昭和41)年の第2宮古島台風「コラ」をはじめ、数々の大型で猛烈な勢力の台風が襲来しています。

近年では、2003(平成15)年の台風14号(マエミー)において、最大瞬間風速74.1メートル秒、最低気圧912.0ヘクトパスカル、最大1時間降水量58.5ミリを観測しています。建物の倒壊や農作物の被害、高潮などが心配されるほか、航空機・船舶の欠航が相次ぐことも。欠航が長引くと食料品やガソリンをはじめ生活必需品が欠品する恐れもあります。

出張・里帰りなど島外への移動にお金がかかる

下地島17ENDビーチからの飛行機の眺め 下地島17ENDビーチからの飛行機の眺め

島外への移動は、基本的に飛行機となります。日本各地へ出張をしたり、出身地などに里帰りをしたりする際の出費はかなりの金額になります。あらかじめ出かける日が決まっていれば早割で節約もできますが、突然の病気の見舞いや葬式など突発的な場合はそうもいきません。また、ゴールデンウィークや夏休みなど観光のハイシーズンは、チケットをとるのもひと苦労です。

物価が高い

宮古島の公設市場 宮古島の公設市場

離島なので、島内で栽培されている野菜などを除くと、食料品をはじめ生活必需品は本土や沖縄本島から船便で輸送 -->

03| 移住者の声:すぐそばに宮古ブルーの絶景! 釣人あこがれの島で釣りライフを満喫

2021年4月に、岐阜県から宮古島へ移住をされたKazushi Udaさんにお話をうかがいました。

夫婦そろって魚釣りが好きなUdaさん夫妻。移住する前も、年に2、3回のペースで沖縄本島に釣りを目的に通っていました。その流れで、「次は宮古島へ行ってみよう」との思いが募り、2015年に初めてお二人で宮古島を訪れたそうです。

「滞在中は、ほぼ毎日朝から釣りに出かけていました。釣りに飽きて、暑くなってきたら、そのまま海に飛び込んで熱帯魚といっしょに泳ぐ……そんなスローライフという言葉がぴったりの時間の流れが『最高だな』と感じました」

滞在は約2週間。宿泊費を抑えるため、人生で初めて「ゲストハウス」に泊まったそうです。ゲストハウスは、寝室となる自分たちの個室以外、風呂、トイレ、キッチン、リビング、ダイニングなどのスペースを宿泊者全員で共用します。

「大きな一軒家にたくさんの他人と一緒に住んでいる、という表現がぴったりの施設です。我々を含め15人ほどが滞在していて、釣りのために来島した人もいれば、ダイビングが目的の人、自転車で日本一周中の人、将来農業をやりたくて葉タバコ農家で見習いしてる人……などなど、普段の生活ではほとんど関わる機会のないような人たちばかり。夜はみんなで話をしながら晩酌や夕食を楽しむなど、毎日が本当に刺激的でした」

滞在にゲストハウスを選んだことも、宮古島へ移住するきっかけのひとつになったというUdaさん。岐阜へ帰ってからも、宮古島への思いはますます強くなりました。

「釣りを目的に日本各地へ出かけましたが、こんなにも『またすぐにでも行きたい』と思ったのは宮古島が初めてでした。移住するまでの約7年間、毎年2、3回は宮古島を訪れ、釣りとともにゲストハウスでの出会いを楽しみました。そんな中で宮古島生まれの島民の方や移住してきた方とも知り合い、頭の中に『移住』がちらつき始め、移住してみて、あわなければ岐阜へ帰ればいいかと、という感じで移住することにしました」

宮古島へ移住して足かけ3年。住んでみて実感した宮古島のよさをこう語ります。

「宮古島は端から端まで車で1~2時間の小さな島どこに住んでいても海まで車で20分以上かかることはありません。私の自宅からだと5分も行けば海です。しかも釣り場が混雑していることもないです。岐阜に住んでいた頃は、渋滞する道を数時間かけて車でポイントまで向かい、着いたら着いたで、釣人だらけで大好きな釣りをしているはずなのにストレスを感じたり、場合によっては釣りそのものを諦めたりしたことも。しかし、宮古島ならそんなストレスとも無縁で、大好きな釣りを思う存分楽しめます」

また、南の島特有の温暖な気候も快適だとUdaさん。

「暖房器具に使う灯油を一度も買ったことがありません。1月や2月でも、日によっては半袖で過ごせます。岐阜の冬はかなり冷え込むのですが、宮古島は凍えるような寒さはなく、とても暮らしやすいです」

そして、宮古島独特のリゾート感も大きな魅力だと話します。

「生活にもだいぶ慣れましたが、今もどこかに、特別な場所で暮らしている感覚があります。自宅の庭にはバナナとヤシの木が茂っていますし、少し歩けば宮古ブルーの絶景が広がります。いたるところで出会う観光客や道を行き交うレンタカーも宮古島の風景の一部です。宮古島は多くの観光客が訪れるとても魅力的な島だと、日々実感しています。現在も次々とリゾートホテルが建設されていますし、この人気はしばらく続くでしょう。そんな多くの人にとって憧れのリゾート地が、今の自分にとって日常生活の場になっているなんて、本当に贅沢だなと思う毎日です」

最後に、宮古島で今、やってみたいことを伺いました。

「宮古島周辺の海には、宮古島方言でガーラと呼ばれるロウニンアジが生息しています。60kgを超える大物もいて、引きが強くゲーム性も高いことから釣人の憧れの魚なんです。ところがこれがなかなか釣れない。宮古島には人生を賭けて狙っている人がいるほどです。私は移住前に、1度だけ船から39kgのものを釣ったことがあるのですが、移住後は1度も釣ることができていません。ぜひ、大物のロウニンアジを船上からでなく、陸から釣り上げてみたい、というのが今の目標です」


まさに、宮古島の釣りライフを満喫しているUdaさん。宮古島での移住生活は、まだまだ続きそうです。

04| 宮古島移住で失敗、後悔しないための準備: 給与水準は全国的に見ても低い

●家の相場

宮古島の家賃や新築物件の相場は次の通りです。

賃貸マンション・アパートの目安は下記。

2DK:70,000円
3DK:77,000円
1LDK:67,000円
2LDK:77,000円

新築・分譲一戸建ては
4,000万円台
から多くの物件が販売されています。

中古マンションは
築5年~15年以内:2,000万円台
となります。

●仕事

給与水準

令和5年度地域別最低賃金によると沖縄県は896円で、全国加重平均の1,004円をかなり下回り、全国でも最低水準です。なお、首都圏では、東京:1,113円、千葉:1,026円、埼玉:1,028円、神奈川:1,112円となっています。

厚生労働省が2023年3月に発表した「令和5年賃金構造基本統計調査」の、都道府県別賃金(月額・男女計)を見ると、沖縄県は265,400円となっています。残念ながら全国平均の318,3000円を下回っています。ちなみに、首都圏では、東京368,500円、神奈川県が350,400円、千葉県は309,500円、埼玉県は317,200円。隣接の自治体では、鹿児島県が268,300円、宮崎県が254,300円、大分県が271,400円となっています。

主な仕事

シギラリゾートのプール シギラリゾートのプール

2024(令和6)年2月現在の求人倍率を見てみると、沖縄県は1.05倍となっており、全国平均の1.26倍を下回っています。ただ、宮古島市ハローワークでは、2023(令和5)年12月に過去最高の2.17倍を記録しており、求人はかなりあるようです。

求人の内容は、ホテル・宿泊サービス関係、飲食店関係、建設関係が多く、季節により農業や漁業関係の求人もあります。介護関係は保育士、看護師なども人手不足から求人が多く見られます。

●島内・島外のアクセス

宮古空港 宮古空港

島内のアクセスは基本的に車です。高速道路はなく、一般道のみとなります。交通量は少なく、見通しの悪場所も少ないですが、集落内など道の狭いところも一部あります。

島外へのアクセスは基本、飛行機となります。なお、宮古島には市街地近くの「宮古空港」と新たに完成した「下地島空港」があります。

宮古空港への直行便は
東京(羽田)間=約3時間
那覇間=約45分
大阪(関西)間=約2時間半 ※季節運行
名古屋(中部)間=約2時間半 ※季節運行
石垣間=約30分
←→多良間=約25分

下地島空港への直行便は
東京(羽田)間=約2時間40分
神戸間=約2時間5分
那覇間=約50分

那覇以外からの直行便の本数は1日3便前後と少ないので、本数の多い那覇で乗り継ぐ方法が一般的です。

05| 宮古島移住に関する支援制度・補助金: 過去に実績はあるが現在はとくにない

現在、とくに移住に関する支援制度や補助金の支給はしていないようです。
2023(令和5)年度は「宮古島市保育士就労渡航費等補助金交付事業」として、市外在住保育士に対し、宮古島市内の認可保育施設への就労にかかる渡航費や転入費などの費用について補助金を交付していました。

06| 宮古島の子育て施設:5か所の施設で子育てを支援

子育て支援センター

宮島市では市内に5か所の「子育て支援センター」を設置しています。乳幼児と親(親族)および妊娠中の人が利用でき、育児相談や育児講座、子育てサークル支援、絵本の読み聞かせなどを行っています。また、電話での相談に随時対応しています。また、それぞれ別々の団体が運営しており、独自の催し、企画なども実施しています。

07| 移住後の生活をイメージできる宮古島のレジャー情報:マリンアクティビティが通年で楽しめる

ウミガメシュノーケリング

ウミガメに遭遇できるシュノーケリング ウミガメに遭遇できるシュノーケリング

日本最大級のサンゴ礁があり、澄んだ美しい海に囲まれた宮古島は、野生のウミガメに遭遇できる日本屈指の島。一番多く見られるのはアオウミガメで、そのほかにもタイマイ、アカウミガメに遭遇するチャンスもあります。アオウミガメは海底の海藻を食べるために浅瀬に出没するので見られる確率が高く、シュノーケリングで手軽に遭遇が楽しめます。

ウミガメは5~8月頃が産卵シーズンで、毎年同じビーチへと産卵にやってくるため、さらに会える確率が高くなります。なかでも高い確率でウミガメを見られるのが、島の東部にある新城海岸。サンゴ礁があり熱帯魚など多くの魚が眺められるシュノーケリングスポットとして人気ですが、ウミガメの産卵場所である吉野海岸と隣り合っているためウミガメに出会える島随一のスポットとなっています。

このほか、島の南部に位置するシギラセブンマイルズリゾート内のシギラビーチ、隣接するわいわいビーチも狙い目。いずれもウミガメシュノーケリングのツアーが催行されています。

ユニの浜へ行く

干潮時のユニの浜 干潮時のユニの浜

写真映えがするスポットとして近年人気の「ユニの浜」。「ゆに」とは宮古島の方言で「盛り」という意味。宮古島と伊良部島をつなぐ伊良部大橋近くの海上にある浜で、普段は海中に没していて、干潮時しか姿を現さず、姿を見せるたびに形や大きさが変化するため、「幻の島」との異名を持ちます。沿岸から島までは約1.4kmの距離で、定期船などはなく、泳いでいくのも不可能。島へ行くには現地のツアーに参加します。船のほかジェットスキーやシーカヤック、スタンドアップパドルで現地を目指すツアーも。白砂の浜と周りに360度広がる青く澄んだ海の描き出す光景は、まるで別天地です。

釣り

宮古島の漁場 宮古島の漁場

宮古島周辺の海は、黒潮にのって多種多彩な魚がやってくる豊かな漁場で、本土ではお目にかかれないトロピカルな魚にも出会えることから、釣りも人気の高いアクティビティです。また宮古島ならではの澄んだ海で楽しめることから、釣人はもちろん普段は釣りをしない人もトライしたくなる魅力に満ちています。

釣りのスポットも多彩で、漁港周辺のビーチや防波堤で楽しめるほか、磯釣り、遊漁船で出港するツアーも。海の透明度が高いので魚影を見ながらの釣りも可能です。

音楽フェス(MIYAKO ISLAND ROCK FESTIVAL 2023)

日本最南端のロックフェスとして知られる「MIYAKO ISLAND ROCK FESTIVAL」。新型コロナ禍を経て、2023(令和5)年10月14日に4年ぶり、15回目のフェスが「15th anniversary MIYAKO ISLAND ROCK FESTIVAL 2023 ~SAVE THE SEA SAVE THE SKY~ 海に優しく、空に優しい、南の島のロックフェス」と銘打って開催されました。出演者は、かりゆし58、HEY-SMITH、新しい学校のリーダーズ、HY、サンボマスター、緑黄色社会などなど豪華なメンバー。宮古島コースタルリゾートヒララ内の特設会場は澄んだ海のすぐ傍ら。リゾート感満載のロックフェスで、2024(令和6)年は10月19日に開催が決まりました。

08| 宮古島の食事情:独自の文化・風土・気候が育んだ食が豊富

●食事情

宮古そば

宮古そば 宮古そば

沖縄そばの一種である宮古そばですが、その見た目には大きな違いが。麺の上には刻んだネギ以外に具材が見当たらず、一見素うどんのようなシンプルさが特徴です(近年は具材を上にのせている店もあります)。しかし、麺の下にはちゃんと具材が。この“具隠れ”スタイルこそ、宮古そばのアイデンティティとされます。このような盛り方になった理由は、かつて厳しい年貢の取り立てに対して貧しさをアピールしたとか、具材を温かくキープするためだとか諸説あり。

ちなみに、具材は豚の三枚肉と宮古島特産の波打った形状のかまぼこの薄切りがデフォルト。麺は小麦と塩水、かんすいで作られたストレートの平麺で、スープはあっさりしつつも、だしの風味豊かなもの。お店では、味変用に七味やコーレーグース(島とうがらしを泡盛につけたもの)が用意されているほか、カレー粉が置かれているのも宮古島ならでは。

宮古牛

宮古牛 宮古牛

宮古牛は沖縄を代表するブランド牛として知られます。多良間村を含む沖縄県宮古地域で生産・育成された黒毛和種のみが宮古牛を名乗れます。もともと宮古島は牛の飼育が盛んで、その多くは子牛のうちに出荷され、全国各地で肥育されていました。宮古牛はその一部を島に残し、大切に育てた希少なものです。そのため、宮古島や沖縄本島の限られた飲食店でしか提供されておらず、精肉についても宮古島内の限られた店舗でしか取り扱われていません。宮古島の温暖な気候のなか、ストレスなく育った宮古牛の肉質は柔らかく、脂身が適度でさっぱりとして、甘みのある味わいが特徴です。

島おでん

島おでん 島おでん

寒い地方、寒い時期の食べ物というイメージのおでんですが、沖縄では「島おでん」、あるいは「沖縄おでん」と呼ばれ、一年中人気の食べ物。専門店やおでんをメニューにのせる居酒屋がたくさんあります。島おでんの一番の特徴は、具材としてテビチ=豚足が入っていること。特別にオーダーしなくても、おでんを頼めばテビチがどんとのったおでんが登場します。しっかり煮込まれたテビチは、ぷるぷるやわらかで、コラーゲンたっぷり。ビジュアルに負けずにひと口食べれば、とりこになるはず。

このほかにソーキ=豚のあばらやソーセージなども定番。豚を頭から足先まで無駄なく活かすという沖縄ならではのメニューです。また、一緒にさっとだし汁を通したレタスやチンゲンサイ、小松菜などの葉物野菜が出てくるのも特徴のひとつです。

島バナナ

島バナナ 島バナナ

フィリピン~小笠原諸島経由で沖縄へ移入されたという島バナナ。宮古島でも栽培を手掛ける農家があります。島バナナは一般的なバナナの半分ほどの大きさで、皮の色合いが濃く、とても薄いのが特徴。濃厚な甘さがあり、もっちりとした食感と独特な風味は、まさに熱帯のフルーツ。栽培管理が非常に難しいことから手掛ける農家が少なく、大変貴重な品。店頭に並ぶのは沖縄でもお盆の時期に限られ、その価格は通常のバナナの10倍以上にもなります。

09| 移住後の生活をイメージできるご当地パン

うずまきパン

うずまきパン
( 写真提供:@shimanoeki.miyako)

うずまきパン
( 写真提供:@shimanoeki.miyako)

「うずまきパン」または「うずまきサンド」の名で知られる宮古島を代表する菓子パン。平たく焼いたパンに白いクリームを巻き込んで、ロールケーキ状にしたものです。元祖とされるのは伊良部島内の「まるそうパン」で、うずまきサンドの名で販売。1960年代に発売されたといわれ、砂糖を溶かさず混ぜ込んだジャリジャリ食感のクリームが特徴です。1980年代にフェリーターミナル内で販売されるようになると伊良部島土産として知られるように。いまでは、伊良部島のパンメーカーだけでなく、宮古島の大手パンメーカーである京屋製パン所、富士製菓製パン、太洋製菓製パンをはじめいくつかのメーカーが販売しており、宮古島全体の名物パンとなっています。

島の駅みやこ「雪塩パン」

雪塩パン 雪塩パン

島内で栽培された野菜や果物、島の雑貨やお酒・調味料などが揃う「島の駅」。この施設の名物のひとつが「食パンのニシザト」で販売している「雪塩パン」。雪塩は宮古島の美しい海の海水をそのままお塩にした、宮古島の人気特産品です。この雪塩を製造しているメーカーならではのロールパンで、表面には雪塩をまとっており、一口噛めばカリカリ焼きあがった生地の食感のあとからバターが香り立ち、もちもちの生地を噛めば噛むほどおいしさが広がります。特に焼き上がりは絶品。島の駅みやこ内の工房で製造しているので、ぜひ焼き上がったばかりのパンをゲットしたいものです。

幸せのバナナパン 幸せのバナナパン

島の駅みやこのインスタグラムはこちら
https://www.instagram.com/shimanoeki.miyako/

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