公開日: 2025.03.06 最終更新日: 2025.03.06

憧れの島暮らしを実現したい! おすすめの移住先12選と離島移住のポイントを紹介

憧れの島暮らしを実現したい! おすすめの移住先12選と離島移住のポイントを紹介

憧れの島移住を実現するためには、何が必要?

「いつかは島でのんびり暮らしたい」そんな憧れを抱いたことはありませんか? 近年、都会の喧騒を離れて離島へ移住する人が増えています。しかし、憧れだけで移住を決めると「思っていたのと違った……」と後悔してしまうことも。本記事では、離島移住を成功させるために知っておきたいポイントや、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。また、実際に移住者から人気を集める12の島を厳選し、それぞれの特徴や生活環境も紹介します。あなたにぴったりの移住先を見つけ、理想の島暮らしを実現しましょう。

編集:アントレース

編集:アントレース

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CONTENTS

  1. 移住先を選ぶポイントは?
    1. ●生活インフラの確認は必須
    2. ●就職先や経済面の確認を
    3. ●移住支援をしっかりチェック
  2. おすすめの離島移住先ベスト12
    1. 1.利尻島(北海道)
    2. 2.新島(東京都)
    3. 3.八丈島(東京都)
    4. 4.佐渡島(新潟県)
    5. 5.淡路島(兵庫県)
    6. 6.因島(広島県)
    7. 7.小豆島(香川県)
    8. 8.五島(長崎県)
    9. 9.湯島(熊本県)
    10. 10.徳之島(鹿児島県)
    11. 11.宮古島(沖縄県)
    12. 12.多良間島(沖縄県)
  3. 離島移住のメリット
    1. ●大自然に囲まれた暮らしが叶う
    2. ●地元コミュニティのあたたかさ
    3. ●低コストで豊かな生活ができる
  4. 離島移住のデメリット
    1. ●交通の不便さ
    2. ●医療や教育の選択肢が少ない
    3. ●求人が少ない
  5. 移住に向けて準備すべきこととは?
    1. ●生活インフラの具合を必ず確認する
    2. ●自分に合う仕事選び
    3. ●移住体験の活用&住む場所の確保を
  6. 移住者の声
    1. 東京から鹿児島県の秘境・喜界島に移住したゆりさん
    2. あたたかいコミュニティと見渡す限りの大自然に癒やされる
    3. 島民たちが集まり“島の未来”を語り合う場を
  7. 移住支援制度について詳しく知ろう
    1. ●国や自治体の補助金制度を活用する
    2. ●移住相談窓口は積極的に活用する
    3. ●地域おこし協力隊としての活動も視野にいれる
    4. ●NPOや地域団体のサポートを知る
  8. 島へ移住した方たちの体験談。「私の移住ストーリー」をチェック

01| 移住先を選ぶポイントは?

離島への移住は、自身の生活スタイルに大きな影響を与えます。ここでは、離島移住を考える際に考えるべき重要なポイントを紹介します。

●生活インフラの確認は必須

離島での暮らしは、自然に囲まれた穏やかな環境が魅力ですが、生活の利便性についてもしっかりと把握しておくことが重要です。

【交通手段】
島によって大きく異なるため、フェリーや飛行機の運航頻度、本土へのアクセス時間などを事前に確認しましょう。天候による欠航のリスクも考慮する必要があります。

【医療機関】
医療機関の充実度も重要なポイント。小さな島では診療所しかない場合も多く、専門的な治療が必要な際は本土へ移動しなければならないことも。緊急時の対応についても調べておくと安心です。

【日用品の買い物】
スーパーや商店の数や品揃えもチェックしましょう。物価が高い、品数が限られる、通販の送料がかかるなど、都会とは違った買い物事情を理解しておくことが大切です。

●就職先や経済面の確認を

移住先で安定した生活を送れるよう、働き口の有無や収入源を事前にしっかり確認しましょう。島内での仕事を探す場合、観光業、漁業、農業、介護・医療関係、役場の求人などが中心となります。求人数が限られていることが多いため、希望する職種があるかどうかをリサーチすることが大切です。島内での求人は給与が本土に比べて低い場合も多く、給料が減る可能性が高いことを考慮する必要があります。

さらに、テレワークが可能かどうかも重要なポイント。特にフリーランスやリモートワークを希望する方は、通信インフラの安定性をチェックすることが必須です。

●移住支援をしっかりチェック

多くの自治体では、移住者向けの補助金制度を設けており、一定の条件を満たせば数十万〜数百万円の支援を受けられる場合があります。また、空き家バンクを活用した格安物件の提供や、家賃補助などの住居支援を行っている地域も多くあります。

起業を考えている方には創業支援金事業補助が用意されていることも。特に観光業や地域活性化に関わるビジネスには手厚い支援が期待できます。

これらの制度を活用すれば、移住の初期費用を抑え、スムーズなスタートを切ることが可能かもしれません。移住を希望する場所の自治体の公式サイトをチェックし、自分に合った支援制度をしっかり確認しておきましょう。

02| おすすめの離島移住先ベスト12

島国である日本は、北は北海道、南は九州地方まで多くの島々から成り立っています。そして、日本に存在する島の数はなんと14,000以上にも及び、そのうち、人が暮らしている「有人島」は400以上にもなるそうです。

その中から移住におすすめの離島を12か所厳選。各島の気候や生活環境、移住制度など、さまざまな角度からその魅力をご紹介します。

1.利尻島(北海道)

島のシンボル、利尻山とエゾカンゾウの花 島のシンボル、利尻山とエゾカンゾウの花

北海道の北端に位置する利尻島は、美しい自然と豊かな文化に恵まれた、周囲約63kmの小さな島。島のシンボルである利尻山は日本百名山にも選ばれた美しい円錐形の山で、その姿は「利尻富士」とも呼ばれ、登山者を魅了しています。利尻島は利尻昆布をはじめ、ウニやホッケ、カニなどの海産物が特産品として広く知られています。

また、利尻島は移住者への支援が充実。子育て世帯の経済的負担を軽減するために、「利尻高校」に通う生徒に対して、通学距離に関係なく1人あたり5万円の通学支援給付金が支給されます。さらに、不妊治療支援として、利尻富士町に住民登録している夫婦には、一般不妊治療に15万円特定不妊治療に30万円を助成する制度も。島外での治療にかかる交通費や宿泊費の一部も助成されるため、家族での移住にも心強い環境が整っているといえそうです。

交通アクセスに関しては、稚内港からは定期フェリーが運航しており、所要時間は約1時間40分ほど。さらに、利尻空港からは、夏季のみ新千歳空港や丘珠空港からの直行便もあります。島内の交通手段としては、路線バスが循環していますが、便数は1日4本と少ないため、利用する際は注意が必要です。

2.新島(東京都)

真っ青な空に映える羽伏浦海岸のメインゲート 真っ青な空に映える羽伏浦海岸のメインゲート

新島は伊豆諸島の一部で、東京都の最南端に位置。東京本土から約163km南にあり、船で約6時間で到達します。また、「新島空港」があり、東京から飛行機で約40分の距離です。透明度の高い海と美しいビーチが魅力で、特に釣りやダイビングが人気のアクティビティとして知られています。

新島の大きな特徴は、何といっても温暖な気候と温泉。特に海に面した温泉地が点在しており、地元の人々や観光客にとって癒しの場所となっています。

新島村では移住希望者に向けたさまざまな支援が行われています。例えば、定住化体験住宅では、新島本村地区の一軒家で最短6泊7日から島の暮らしを体験できる機会を提供。また、移住・定住ポータルサイト「Flowlife」を通じて、空き家バンク情報や求人情報の提供、オンライン相談サービスが利用可能です。さらに、移住者向けには最大100万円の支援金制度もあり、条件を満たす方には交付金が支給されます。

3.八丈島(東京都)

八丈富士の中腹に位置する「ふれあい牧場」 八丈富士の中腹に位置する「ふれあい牧場」

東京都の本州側地域から南へ約287km、飛行機で約50分の距離にある伊豆諸島に位置する八丈島。特徴的な景観は、八丈富士と三原山という2つの活火山で、自然の美しさと火山活動の痕跡を楽しめます。島の特産品には、青唐辛子や黒糖、海産物などがあり、さらに、数多くの温泉地も点在しており、リラックスした時間を過ごすことができそうです。

子育て世帯にとっては、八丈町定住支援金など、地域の支援制度が充実。移住者には、単身の場合は就業で60万円テレワークで30万円の支援金が交付されるほか、教育環境や住民支援も整っており、お試し移住プログラムや住居支援、仕事の紹介なども提供されています。

羽田空港からわずか55分という利便性もあり、二拠点生活にもおすすめ。バスは運行していますが、本数が少なく、島の一部エリアしかカバーしていないため、自家用車が必須といえるでしょう。

4.佐渡島(新潟県)

佐渡島の絶景を望む尖閣湾揚島遊園 佐渡島の絶景を望む尖閣湾揚島遊園

佐渡島は新潟県に属する日本海最大の島で、人口は約50,000人。2024年に「佐渡の金山」が世界文化遺産に登録され、江戸時代の金採掘跡や歴史遺構が残ります。雄大な山々や美しい海岸線が広がり、島内の大部分が国立公園や自然公園に指定されています。絶滅危惧種に指定されているトキの保護活動も行われており、歴史と自然が調和した独自の魅力を持つ島です。

移住支援においては、佐渡市定住支援金を活用することで、移住希望者に助成金が交付されます。さらに「さど暮らしお試しツアー」「佐渡市若者移住家賃補助」など、移住をサポートするプログラムが提供されており、移住を考える人には心強い支援があります。子育て世帯向けには、教育環境や子育て支援が整備されており、移住後の生活も安心です。

生活面では、コンビニやファストフード店、カフェ、ドラッグストアなどの施設が充実しており、都市部の便利さと田舎の穏やかな生活が両立しています。保育園、学校、病院も整っており、待機児童数はゼロで、病院数(人口比)は東京よりも多いとされています。

また、新潟本土よりも冬は温暖で雪が少なく、夏は涼しく過ごしやすいという気候の特徴も、移住するには大きな魅力です。

5.淡路島(兵庫県)

映えスポットとして話題の「幸せの階段」 映えスポットとして話題の「幸せの階段」

淡路島は兵庫県南部に位置し、「国生みの島」として知られる日本最古の島の一つ。神戸から車で約30分、大阪からも約1時間とアクセスがよく、西日本屈指の人気観光地にもなっています。

島内には多彩な観光スポットが点在し、鳴門の渦潮や明石海峡大橋の絶景、四季折々の花が楽しめる「あわじ花さじき」、アニメのテーマパーク「ニジゲンノモリ」、さらにはハローキティをテーマにした「AWAJI HELLO KITTY SMILE APPLE LAND」など、自然・文化・エンターテインメントが融合しています。

温暖な瀬戸内海式気候により、平均気温は約16度と過ごしやすく、特に玉ねぎの生産が盛んな農業の島でもあります。

淡路島では移住支援が充実しており、「こども医療費助成制度」をはじめ、「お試し移住」プログラムや、空き家を活用できる「空き家バンク」など、多様な支援制度が整っています。移住を検討する方向けに、電話相談や面談相談が可能なほか、実際に島での暮らしを体験できる1泊2日の移住相談ツアーも開催されています。

6.因島(広島県)

因島と向島を結ぶ「因島大橋」 因島と向島を結ぶ「因島大橋」

因島(いんのしま)は、広島県尾道市に属し、しまなみ海道の四番目の島として、本州の尾道市と生口島の間に位置しています。瀬戸内海の多島美を代表する景観が広がり、温暖な気候と豊かな自然に恵まれた暮らしやすい島です。標高約390mの白滝山をはじめ、島内にはハイキングやサイクリングに最適なスポットが点在し、自然を身近に感じながらのびのびとした生活を送ることができます。

温暖な気候を活かした柑橘栽培も盛んで、特に因島発祥の八朔(はっさく)は全国的にも有名な特産品です。

移住を検討する方向けの支援も充実しており「因島空き家バンク」では、島内の空き家情報を詳しく紹介。さらに「因島空き家バンク相談会」も定期的に開催され、移住希望者が気軽に相談できる環境が整っています。生活インフラも充実しており、スーパーや銀行などが揃っているため、島でありながら便利な暮らしが可能です。

交通面でも、因島はしまなみ海道の一部として因島大橋と生口橋で結ばれ、本州や四国からのアクセスが容易なのも特徴です。

7.小豆島(香川県)

「小豆島オリーブ公園」はまるで地中海のような雰囲気 「小豆島オリーブ公園」はまるで地中海のような雰囲気

小豆島(しょうどしま)は、香川県に属する瀬戸内海で2番目に大きい島。土庄町と小豆島町の2つの町で構成され、約25,000人(2024年時点)の島民が暮らしています。温暖で少雨な瀬戸内海型気候に恵まれ、快適に暮らせる環境が整っています。

小豆島は約2000万年前の地殻変動と火山活動によって形成され、古くから塩の生産地として栄えてきました。江戸時代には醤油・素麺・石材産業が発展し、現在もその伝統が受け継がれています。また、日本のオリーブ栽培発祥の地としても知られ、特産品や観光が盛んです。

小豆島への移住は、小豆島町と土庄町の両方で支援制度が充実しています。主な支援には、賃貸物件の補助空き家リフォームの補助があります。賃貸の場合、契約時の費用と家賃の一部が補助されます。空き家リフォームでは、費用の50%(最大100万円)が補助されます。

移住前に島の暮らしを体験できる制度もあり、「NPO法人トティエ」や各町が運営しています。オンライン相談窓口も設置されており、移住に関する詳細な情報を得ることができます。

8.五島(長崎県)

福江島にある「堂崎教会」 福江島にある「堂崎教会」

長崎県の五島列島は、九州の西方に浮かぶ152の島々からなる美しい群島で、主要な有人島には福江島、中通島、久賀島、奈留島、若松島があります。青い海と白い砂浜が広がる高浜海水浴場や、雄大な大瀬崎断崖など、豊かな自然が魅力で、マリンスポーツも楽しめます。

五島列島は隠れキリシタンの歴史と深く関わり、世界文化遺産に登録された頭ヶ島天主堂や堂崎教会など、多くの教会が点在しています。グルメでは、日本三大うどんの一つである五島うどんや、新鮮なトビウオを使ったアゴ出汁が有名で、海産物はもちろん、野菜や果物、お肉、お米も美味しく、食の魅力も豊かです。

アクセスは、長崎や福岡からの飛行機、または長崎・佐世保からのフェリーや高速船が利用できます。さらに、保育園や認定こども園が充実しており、待機児童ゼロを実現。東京圏からの移住者には、2人以上の世帯で100万円の移住補助金などの支援制度もあり、オンラインの個別移住相談も実施されています。

9.湯島(熊本県)

島内では猫たちがのんびりと暮らす 島内では猫たちがのんびりと暮らす

熊本県の湯島(ゆしま)は、天草諸島に位置する小さな島で、温暖な気候が魅力です。湯島は観光地としても知られ、特に「湯島温泉」が地元の人々にも親しまれています。温泉は島の南端に位置し、海水温泉や泥温泉など、豊富な種類の温泉があり、それぞれ異なる効能を楽しめます。

島内には観光スポットも多く、特に「湯島灯台」は絶景を楽しめるスポットとして人気。灯台からは周囲の海や他の島々を一望でき、夕焼け時には美しい景色が広がります。湯島では新鮮な海産物が味わえ、特に魚介類はその新鮮さが何よりの魅力。さらに、湯島は「猫島」としても知られ、猫好きにはたまらないスポットがあります。

移住希望者向けには「SEA暮らす(シーグラス)」という移住お試し施設があり、7日間から30日間の滞在が可能です。この施設で島の生活を体験でき、利用料は7日間で14,000円、以降1日ごとに2,000円が加算されます。

上天草市では、移住者向けに充実した支援制度が提供されています。住宅取得助成金や引っ越し費用助成金に加え、空き家バンク登録物件の取得支援や、子育て世帯への加算制度も整っています。

10.徳之島(鹿児島県)

リゾート感たっぷりの「与名間ビーチ」 リゾート感たっぷりの「与名間ビーチ」

徳之島は鹿児島県の奄美群島に属し、温暖な気候が特徴。透き通る海ではシュノーケリングやダイビングが楽しめ、多彩な海の生き物と触れ合うこともできます。独自の文化や伝統も息づき、「徳之島舞踊」や特産の黒糖が名物。新鮮な魚介や黒糖を使ったお菓子も人気です。

アクセスは、鹿児島本土から飛行機で約50分、またはフェリーでの移動が可能です。移住希望者向けの支援制度は、徳之島町・天城町・伊仙町の3町がさまざまな支援を実施。徳之島町では、金見集落に定住促進住宅を設置し、最長2年間の入居が可能です。また、各町が空き家バンク制度を運営し、住宅改修補助や合併浄化槽設置助成を行っています。

さらに、東京圏からの移住者には、条件を満たせば最大100万円の移住支援金が支給されます。徳之島町では、妊産婦や障がい児の医療機関受診時に旅費・宿泊費の助成もあり、移住者に優しい環境が整っているといえるでしょう。

11.宮古島(沖縄県)

池間ブルーと称される青い海かかる「池間大橋」 池間ブルーと称される青い海かかる「池間大橋」

宮古島は沖縄本島から南西約300kmに位置し、「宮古ブルー」と称される美しい海が魅力のリゾート地です。ダイビングやシュノーケリングに最適で、年間約94万人が訪れます。年平均気温は23度と温暖で、スローライフを求める移住者にも人気があります。

宮古島市では移住希望者向けの支援制度が充実しており、住宅取得補助子育て支援制度のほか、移住相談窓口も設置され、仕事や住居の紹介、生活情報の提供など移住者をサポートする体制が整っています。

生活環境も充実しており、医療機関や保育施設、学校も多く、特に子育て世帯にとって安心できる環境が整っています。「こども医療費助成制度」により未就学児から中学生まで医療費の自己負担がなく、保育士の就労支援として「宮古島市保育士就労渡航費等補助金交付事業」も実施されています。

島内にはスーパーや商業施設もあり、日常生活に必要なものはほとんど揃いますが、移動には車が必須となるため、交通手段の確保が重要です。美しい海のそばで暮らせるうえ、冬でも温暖な気候が魅力の宮古島は、移住先としての魅力が詰まった島といえそうです。

12.多良間島(沖縄県)

島の形は絵に書いたような円形 島の形は絵に書いたような円形

多良間島(たらまじま)は、沖縄県宮古島市に属し、宮古島と石垣島の間に位置する小さな島。透き通る海と広大なサトウキビ畑が広がり、伝統文化やのどかな島暮らしを求める移住者に人気があります。「日本で最も美しい村」にも承認されており、豊かな自然と伝統が大切に守られています。

移住支援も手厚く、「定住奨励金」として定住者一世帯につき20万円が支給されるほか、高校生までの医療費無料制度も整っています。さらに、出生祝金や入学祝金など、子育て支援も充実しており、家族での移住にも適した環境です。

生活面では、スーパーや診療所、学校などの施設がそろい、必要最低限のインフラは整っています。ただし、大型商業施設はなく、宮古島や石垣島への定期的な買い出しが必要となるため、島での自給自足的な生活スタイルに適応することが大切です。

また、小さなコミュニティだからこそ、地域のつながりを大切にしたイベントが多く、島の人々と深く関わりながら暮らすことができます。移住相談窓口も設置されており、仕事や住居の紹介、生活に関するアドバイスを受けることで地元コミュニティの温かさを実感できます。

03| 離島移住のメリット

●大自然に囲まれた暮らしが叶う

離島への移住は、自然に囲まれた豊かな生活を楽しめるのが何よりの特権。島なので周囲は海。美しい景色を眺めながら、穏やかな時間を過ごせます。さらに、手つかずの森林が残る島も多く、自然のなかで心身ともにリフレッシュできるのも大きなメリットです。また、漁業や農業が盛んな島では、新鮮な海鮮や野菜を手に入れやすく、食生活も豊かになるはずです。

●地元コミュニティのあたたかさ

自然に囲まれた穏やかな環境の中では、地域の人々とのあたたかなつながりも期待できます。人口が少ないため、住民同士が近しい関係を築きやすく助け合いの精神が根付いた暮らしが実現可能に。地域のイベントや交流活動も活発で、移住者もすぐに溶け込みやすい環境が整っています。都会では味わえない、人と人との深い絆が育まれ、安心感に包まれた生活が送れます。

●低コストで豊かな生活ができる

島への移住は、都市部よりも生活コストを抑えられる可能性も。特に家賃や島内の交通費は安く、島で採れる野菜や海鮮を活用すれば食費も節約できます。また、都会ほど娯楽施設が多くないため、レジャー費も抑えられるでしょう。

一方で、コストが増える面もあります。島外への交通費や輸送が必要な物資の価格は高くなりがち。ガスなどの光熱費、医療や教育のための島外通院・進学費用も考慮が必要です。さらに、インターネット環境や家電のメンテナンスなど、サービスの選択肢が限られる場合は費用がかさむことも。移住前にコストが減るもの・増えるものの確認をすることが大切です。

04| 離島移住のデメリット

豊かな自然、あたたかい人々との繋がり、そして自分らしい暮らし。離島には都会では味わえない魅力がたくさんあります。そんな離島移住のデメリットを具体的にご紹介します。

●交通の不便さ

島移住のデメリットとしてまずあげられるのが交通の不便さです。島内の移動手段は限られており公共交通機関はバスのみという島も。さらに基本的には本数が少ないため、やはり車が必須となることが多いようです。

島外へ出る際はフェリーや高速船を利用するのが一般的ですが、これらは天候に左右されやすく、強風や台風の影響で欠航になることもあります。飛行機が発着する島でも、悪天候時には遅延や欠航のリスクがあり、計画通りに移動できないこともあります。そのため、スケジュールには余裕を持ち、万が一の際の備えも必要です。移動の自由度が低いため、都市部のような気軽な外出が難しい点は、島暮らしの大きな課題といえます。

●医療や教育の選択肢が少ない

島内には病院の数が少なく、診療科も限られているため、専門的な治療が必要な場合は本土の大病院まで行かなければならないことがあります。特に緊急時には、フェリーや航空機で搬送されるケースもあり、迅速な対応が難しいことから、高齢者や持病を持つ人にとってはリスクが伴います。

教育機関も少なく、特に高校や専門的な教育を受けられる施設は限られています。そのため、多くの子どもが進学時に島を離れる必要があり、親子での別居を余儀なくされることも。島での生活は自然に恵まれた魅力がある一方で、医療や教育の面では不便さを感じることがあるため、移住を検討する際は十分な準備と対策が必要です。

●求人が少ない

特に観光業、農業、漁業が中心の島では、それ以外の職種の仕事が限られており、自分のスキルやキャリアに合った仕事を見つけるのが難しい場合があります。

求人の数自体が少なく、希望する職種があっても競争率が高くなる可能性も。専門職やオフィスワークの仕事はほとんどなく、都市部でのキャリアを活かしにくいケースも少なくありません。そのため、移住前に仕事を確保するか、リモートワークや自営業など、島での生活に適応した働き方を考えておくことが重要です。

05| 移住に向けて準備すべきこととは?

移住は人生における大きな転換期であり、綿密な準備が成功の鍵を握ります。特に離島への移住は、生活環境や文化、コミュニティなど、本土とは異なる点が多いため、徹底的な事前リサーチが重要です。

●生活インフラの具合を必ず確認する

電気、ガス、水道、通信など、日常生活を支える基本設備が十分に機能しているかどうかは、安心して暮らすための大前提となります。現地の情報を入手し、実際に訪れて設備の状態や地域の対応体制を確認することで、予期せぬトラブルに備えることができます。災害時の支援体制や地域独自の事情も含め、十分な情報収集を行うことが大切です。

●自分に合う仕事選び

島では観光業、農業、漁業が主な産業となることが多いため、未経験でも地域の仕事に挑戦する方法を検討すると選択肢が広がります。自治体や移住支援団体が、就業支援や研修制度を提供していることもあるため、活用するとスムーズに働き始められます。

インターネット環境が整っている島なら、リモートワークを活用するのも一つの方法。フリーランスやテレワークが可能な職種であれば、都会の仕事を続けながら島暮らしを実現できます。

移住前に仕事を確保しておくことで、安定した生活を送りやすくなります。現地の雇用状況や支援制度を事前に調べ、自分に合った働き方を見つけることが大切です。

●移住体験の活用&住む場所の確保を

各自治体では、移住希望者向けに「移住体験ツアー」や「お試し移住施設」を用意している場合があり、実際に島での暮らしを体験しながら、住環境や仕事の状況を確認できます。ツアーに参加することで、地元の人と交流し、移住後の生活を具体的にイメージしやすくなります。

住居の確保も重要なポイントです。島によっては空き家バンクを活用できたり、自治体が移住者向けの住宅支援制度を設けていたりする場合も。希望するエリアの賃貸・購入情報を事前に調べ、必要であれば役場や不動産業者に相談するとよいでしょう。

06| 移住者の声

美しく透き通った海を満喫 美しく透き通った海を満喫

東京から鹿児島県の秘境・喜界島に移住したゆりさん

2021年5月に、鹿児島県奄美群島にある小さな島「喜界島」に移住したゆりさんに、移住の経緯や喜界島での暮らしなどについてお伺いしました。

東京生まれ、東京育ちという都会っ子だったゆりさん。旅行業界や販売、営業職などを経て、保育士免許を取得し、10年ほど保育の世界で活躍しましたが、結婚後の生活の中で“暮らす場所”への思いに変化があったといいます。

「結婚後は転勤族の夫について回る生活でした。新しい土地に行っても、2、3年後には必ず別れが訪れると分かっている以上、周囲の人々との関係を築き続けるのは辛いと感じていました。
その後、コロナ禍でいろいろなことが一気に変わっていくなかで、この先は自分たちが好きな場所で、好きな人たちと暮らしていきたい! と移住を決意しました」

喜界島の“これから”についてさまざまな取組みを始めたゆりさん 喜界島の“これから”についてさまざまな取組みを始めたゆりさん

そんな中で、もともと好きでよく訪れていた奄美大島が移住先として浮上しました。

「奄美大島は『暮らすのによさそうだな』と何となく思っていたこともあり、まずは奄美群島の島で探し始めました。コロナ禍で実際に足を運ぶのが難しい時期でもあったので、オンラインの移住相談を利用したのですが、そこで喜界島と出あったんです。

担当の方がとても親切で、『この方がいらっしゃるなら安心かも!』と思い、実際に現地へ下見に行くことに。すぐにここで暮らすイメージができたこともあって、喜界島に移住することを決めました」

あたたかいコミュニティと見渡す限りの大自然に癒やされる

そして、2021年5月に夫婦で喜界島へ移住。島での暮らしが始まり、約4年が経ったいま、実際に住んでみて感じていることを伺いました。

「島の方々は移住者である私たちをあたたかく迎え入れてくれました。歓迎会をたくさんの方がしてくれて、1週間夜の予定が埋まるという時もあったほど。同い年と聞いて飲み会に誘ってもらったり、困ったことがあったら言ってねと声をかけていただいたり。さまざまな年代の友達、知り合いができたことが一番よかったなと思うことです」

島には牛やヤギ、島ならではの珍しい生き物がたくさん生息している 島には牛やヤギ、島ならではの珍しい生き物がたくさん生息している

自然に囲まれた長閑な暮らしならではのメリットもたくさんあるといいます。

「例えば夜は暗い、とか、満月で晴れていると月の明かりがすごく明るい、とか、当たり前だけど東京にいると忘れてしまうような感覚が島にはありました。そして、お金をかけずに楽しめることが島にはたくさんあるんです! 庭でBBQをしたり、海でBBQをしたり、ピクニックをしたり……。海に散歩に行ったり、自然を感じる場所に気軽に遊びに行けたりするのがいいですね」

満天の星空は息をのむ美しさ 満天の星空は息をのむ美しさ

もちろんいいことだけではなく、小さなコミュニティならではの大変さも。

「まずは、自然には逆らえない、ということですね。波が高ければ船は来ません。風が強ければ、飛行機が飛ばないこともあります。昨年、大きな台風が来た時は、5日間の停電を経験しました。この時ばかりは電気のありがたみが身に沁みました……。島の方はこういったことに慣れているのがすごいなと思いましたね。

また、コミュニティが小さいので、ウワサなどが回るのが本当に早いです。ナンバーで誰の車かわかっている方も多く、移住してすぐの頃、『〇〇にいたね!』とそこで会ってないのに言われた時は『なんで知ってるの!?』と思いましたが、今思えば駐車場の車を見てわかったんだなと納得できました(笑)」

島民たちが集まり“島の未来”を語り合う場を

「喜界町議会議員って何?」や「お金から見る喜界町のしくみ」などをテーマに町民と語り合う場を毎月開催している 「喜界町議会議員って何?」や「お金から見る喜界町のしくみ」などをテーマに町民と語り合う場を毎月開催している

そんな中でゆりさんは喜界島の未来を見据えた新たな取組みをはじめました。

「人口戦略会議というところが出している「消滅可能性都市」というデータに喜界町があるのを見たとき、『このままここで暮らし続けたいのに、それが叶わないのは嫌だな』と感じたんです。『このままだと島が無人島になってしまう時が来るかもしれない』という危機に直面したのをきっかけに「THINKING OF KIKAI」という島民同士が島の課題や未来を話し、交流できる場を自らつくりました。具体的には月に1回、さまざまなテーマで話をする会、町のしくみを勉強する学びの会、高校生たちと企画したタウンクリーン活動などを主にしています。」

最後にゆりさんから、離島移住してみたい! と思っている方に向けてこんなアドバイスをいただきました。

「実際に足を運んで、暮らしたらどんな感じかな?という目線で見て回るといい かなと思います。本土と比べると、正直島は不便です。でもその不便さこそが島なんです。のんびりしているようで、結構忙しいのが島。まるで日本語の通じる外国のようです(笑)。ただ、ひとえに島といっても一つ一つが個性豊か。そこに島の楽しさが詰まっていると思います。自分に合う島が見つかったら、きっと人生観が変わると思いますよ」


※ゆりさんのインスタグラムはこちら!
https://www.instagram.com/yuyuri28/

07| 移住支援制度について詳しく知ろう

離島のみならず、移住を考える時は経済的な負担や生活の変化に対する不安を感じる方も多いはず。そこでぜひ知っておきたい制度やサポートなどについて詳しく解説します。

●国や自治体の補助金制度を活用する

離島への移住を支援するため、国や自治体ではさまざまな補助金制度を設けています。例えば、「空き家バンク」では、移住希望者に対して安価な賃貸・購入物件を紹介し、自治体によっては住宅改修補助金が支給される場合もあります。

また、「離島振興法」に基づき、定住促進住宅の整備や就業支援が行われており、移住者向けの補助金や奨励金を設けている島もあります。さらに、東京圏から移住する人には、国の「移住支援金制度」を活用できるケースもあります。

こうした支援制度を活用することで、移住の初期費用を抑えながら新しい生活をスタートできます。

  • 「離島振興法」とは?
    離島の振興を目的とし、1953年に制定された法律で、10年ごとに改正・延長されています。この法律は、離島の地理的・社会的条件の改善、産業振興、生活環境の整備を通じて、離島の自立的発展と住民の生活向上を図ることを目指しています。主な施策には、インフラ整備への補助率引き上げ、医療確保、再生可能エネルギーの導入促進などがあります。また、離島の国家的役割として、領域保全や海洋資源利用なども明記されています。

●移住相談窓口は積極的に活用する

多くの自治体では移住相談窓口を設けており、積極的に活用することをおすすめします。窓口では、住まいや仕事の紹介、生活環境の説明、支援制度の案内など、移住に関する幅広い情報を提供しています。さらに、移住体験ツアーやお試し住宅の利用を案内している場合もあり、実際の暮らしを具体的にイメージしやすくなります。地域住民との交流の機会を設ける窓口も多く、移住後の人間関係づくりにも役立ちます。オンラインや電話での相談も可能な場合が多いため、移住を検討し始めたら早めに活用し、疑問や不安を解消することが大切です。

●地域おこし協力隊としての活動も視野にいれる

移住を検討する際に必ず目にするのが「地域おこし協力隊」という活動。これは、都市部から移住し、地域活性化の活動に携わる人を自治体が募集・支援する制度です。活動内容は、農業・漁業の振興、観光PR、伝統文化の継承など多岐にわたり、地域に密着した仕事を経験しながら移住生活をスタートできます。

地域おこし協力隊には給与や活動費が支給されるため、収入面での不安を軽減しながら移住できるのも魅力です。任期終了後は、そのまま地域に定住し、起業や就業につなげるケースも多くあります。

●NPOや地域団体のサポートを知る

離島への移住では、NPOや地域団体のサポートが心強い味方になります。移住者向けの住宅支援や仕事探し、地域交流の場を提供し、スムーズな定住をサポート。地域とのつながりを深めるイベントも多く、安心して新生活を始められます。また、離島への移住を支援するNPOや地域団体の活動が活発化しており、例えば「シマ育コミュニティ」は、NPO法人離島経済新聞社が運営する新しい取り組みです。

「シマ育コミュニティ」は、離島の豊かな自然や文化、支え合う暮らしの中で子育てを行う「シマ育」の価値を広め、都市部の親子と島の人々をつなぐプラットフォーム。離島留学や子育て移住に関心のある家族、島外から子どもを受け入れたい島の人々に向けて、先進事例の紹介や体験談の共有、専門家のインタビューなどを提供しています。

08| 島へ移住した方たちの体験談。「私の移住ストーリー」をチェック

沖縄の離島・多良間島へ移住! 島の知名度アップのため奔走。あっきーさんのケース

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一年限定のつもりが、瀬戸内海と島の風景を気に入って小豆島に移住。田中詩都香さんのケース

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温暖な気候の沖縄市で、家族と共にゆとりのある暮らしを満喫中。とーぴーさんのケース

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