「いまの自分が望む暮らしは、本当にここで叶う?」そんな風に考えた時、多くの人が「移住」を頭に思い浮かべるかもしれません。今回は、「子育て中の家族にやさしい」「独身の方が輝ける」「心安らぐ老後を過ごせる」「海のそばで癒される」「温暖な気候に包まれる」「自然豊かな田舎暮らし」をテーマに、厳選した25の移住先をご紹介します。あなたの理想のライフスタイルを叶える場所が、きっと見つかるはずです。
CONTENTS
- 移住先を選ぶポイントは?
-
マドリームが選ぶ、おすすめ移住先ベスト25
- ●子育てにおすすめの移住先5選
- 1.境町(茨城県)
- 2.小松市(石川県)
- 3.南箕輪村(長野県)
- 4.明石市(兵庫県)
- 5.豊後高田市(大分県)
- ●老後におすすめの移住先4選
- 6.伊達市(北海道)
- 7.小山市(栃木県)
- 8.佐久市(長野県)
- 9.宗像市(福岡県)
- ●独身におすすめの移住先4選
- 10.青森市(青森県)
- 11.岐阜市(岐阜県)
- 12.倉吉市(鳥取県)
- 13.都城市(宮崎県)
- ●あたたかい地域のおすすめ移住先4選
- 14.伊豆大島(東京都)
- 15.静岡市(静岡県)
- 16.鹿児島市(鹿児島県)
- 17.沖縄県北中城村
- ●海沿い地域のおすすめ移住先4選
- 18.雄武町(北海道)
- 19.鴨川市(千葉県)
- 20.玉野市(岡山県)
- 21.糸島市(福岡県)
- ●田舎暮らしの移住先4選
- 22.那須塩原市(栃木県)
- 23.神山町(徳島県)
- 24.高知市(高知県)
- 25.多良間島(沖縄県)
- 移住に関するサポートと制度
- 移住計画の立て方
01| 移住先を選ぶポイントは?
移住先を選ぶ際には、事前に多くの情報を集め、それらをもとに移住先でどんな暮らしが待っているのかをイメージしておくことが大切です。具体的なポイントを見ていきましょう。
生活の利便性
移住先の環境や自治体の規模によっては、生活がこれまでと大きく変わることがあります。特に暮らしのベースとなる交通、医療、スーパーなどは地域によって利便性に差があるため、十分にリサーチしておく必要があります。車は必須か、車がなくても電車やバスなどで移動が可能か、その場合にかかるおおよその交通費用と時間。生活圏内で受けられる医療の質や内容、もしもの場合の選択肢。スーパーやコンビニの数、近所の商店の品揃えなどを細かくチェックしておきましょう。
仕事・経済面
移住先で現在の仕事を続ける場合、インターネット環境をしっかり確認しておくことが必要です。場合によっては、テレワークで働く可能性もあります。地域によってはインターネットにつながりにくく、通信速度が安定しないエリアもあります。現地を下見した際には、必ず通信環境もチェックしておきましょう。
移住先で新たに仕事を探す場合は、自治体の移住相談窓口に問い合わせをするのがおすすめです。自治体によっては移住者向けに就業支援を行っており、漁業や農業、観光など地域の特色を生かした仕事が見つかることもあります。自治体で就業支援を行っていない場合は、移住先のハローワークや民間の求人サイトで探すことができます。また、最近は全国のリゾート地や観光地に特化した住み込みのリゾートバイトなどを紹介している民間サイトもあります。
地域支援
多くの自治体では移住相談窓口を設け、就業支援以外にも移住希望者向けにさまざまな支援を行っています。短期滞在しながら、現地での生活を体験できる「お試し住宅」。移住の際の初期費用が抑えられる「移住支援金」や、移住してからの家賃が抑えられる「家賃補助制度」。現地の格安物件を紹介する「空き家バンク制度」など、手厚いサポートが受けられる自治体も多くあります。希望の移住先の自治体がどんな支援を行っているのか、事前にしっかりリサーチしておきましょう。
02| マドリームが選ぶ、おすすめ移住先ベスト25
日本には1700を超える自治体があります。全国の自治体の中から、マドリームがおすすめする移住先ベスト25を選出。子育てのしやすさや老後の暮らしやすさなど6つのカテゴリーに分けて、それぞれの魅力をご紹介します。
●子育てにおすすめの移住先5選
1.境町(茨城県)
道の駅さかい
千葉県と埼玉県の県境に位置する境町は、東京まで車で約1時間。アクセスのよい立地でありながら、町のあちこちに美しい田園風景が広がり、利便性とのどかな環境の2つの面を持ち合わせているのが特徴です。自治体初の取り組みとして、買い物などの際、誰でも無料で利用できる「自動運転バス」が町なかを走るなど、車がなくても生活に困らないことも魅力です。
西部には利根川が流れ自然を感じられる一方、子どもを遊ばせながらテレワークルームで仕事ができる屋内型キッズランド「S-WORK+KIDS」や、ボーネルンドの遊具が設置され、雨や日差しの強い日でも遊べる全天候型の公園「ニコニコパーク」など、子育て世代に嬉しい施設が充実。大型スーパーや地元食材をふんだんに使ったおしゃれなレストランなど、生活を豊かにする便利なスポットがたくさんあることも見逃せません。
さらに、「子育て支援日本一」をめざしていて、子育てに関する施策が整っているのが最大の特徴です。20歳の学生まで医療費無料、第2子以降保育料無料、保育施設・小中学校給食費無料など、所得制限なしの制度を実施。
教育面でも、保育園から外国人講師による先進英語教育が無料で受けられ、小学校6年生の英検5級保有率が75.5%を誇るなど、子どもたちが“英語移住”できる町としても人気を集めています。
2.小松市(石川県)
小松駅
石川県の南部に位置する小松市は、羽田まで小松空港から約1時間、東京まで北陸新幹線で約2時間40分の距離です。大阪や名古屋とは特急で結ばれ、関西や東海へのアクセスも良好。日本海に面し、その影響を強く受けながらも北陸の中では比較的温暖で、雪が少なく過ごしやすいのが特徴です。
複合商業施設や大型スーパーをはじめとする生活インフラが整うだけでなく、九谷焼や250年続く「曳山子供歌舞伎」など、古くからの伝統が受け継がれ、文化が調和した味わい深い街並みが魅力です。声を出して子どもに読み聞かせができる「空とこども絵本館」、親子で楽しめる小松空港近くの航空専門博物館「石川県立航空プラザ」内にある「ぶ~んぶんワールド」など、子どもの知的好奇心を促す施設も盛りだくさんです。
0歳から18歳までの子どもの医療費無料や、小中学校給食費無料など、子育て支援も充実。10万円の「おなかの赤ちゃん給付金」や、5万円の「生まれた赤ちゃん給付金」、乳児期のおむつを定期的に届ける「赤ちゃん紙おむつ定期」などがあり、赤ちゃんがおなかにいるときから生まれたあとまで、手厚い支援が受けられます。
3.南箕輪村(長野県)
箕輪町の風景
中央アルプスの麓に位置する南箕輪村は、東京まで車で約3時間、名古屋まで約2時間20分。雄大な山並みを背景に、緑深い田園と畑作地帯が広がります。日照量が多くて雪が少なく、豊かな自然環境と暮らしやすい気候風土で、のんびりと過ごせるのが魅力です。
村に商業施設は少ないものの、大型スーパーやショッピングモールがある塩尻市と伊那市に隣接。村内に2つのJR駅があり移動にも困りませんが、中央自動車道伊那ICが近いため、車があるとより便利です。また、「日本で唯一保育園から大学院まである村」として、教育機関が際立って充実しているのも大きな特徴です。
高校3年生までの医療費の無料化や、保育料の減免(2人目は半額、3人目は無料)をはじめ、子育て支援を積極的に展開。病児・病後児保育施設「いちごハウス」「病児保育室あるぷす」や、子育てアドバイザーが子育ての相談に応じ、一時預かり保育も行う「すくすくはうす」など、いざというときの施設も豊富です。
充実したサポートによって子育て世代の移住が進み、長野県1位の出生率を誇ります。村の平均年齢は43.8歳(2020年国税調査)で、全国の村の中で9番目に若く、「長野県で一番若い村」として注目されています。人があたたかく、村の人口の約7割が移住者であることから、新規の人も溶け込みやすい環境が整っています。
4.明石市(兵庫県)
明石海峡大橋
瀬戸内海に面し、海を隔てて淡路島と四国を結ぶ位置にある明石市。神戸市と隣接し、大阪まで電車で約40分と関西圏への通勤・通学も便利な立地です。気候は温暖で雨は少なめ。県内で2番目に晴れの日が多く、年間を通じて快適に住むことができます。
商店街や大型ショッピングモールが複数あり、電車やバスが発達していて車がなくても生活できる環境です。休日に明石コミュニティバス「Tacoバス」を利用すると、大人1人につき同伴する小学生以下2名までが無料になる「Tacoバス あかしエコファミリー制度」があり、親子でお得にお出かけが楽しめるのも魅力。ちなみに、「明石市立天文科学館」や「親子交流スペース ハレハレ」など市内4つの公共施設で、子どもの入場料が無料化されています。
さらに、「こどもを核としたまちづくり」を掲げる明石市では、高校3年生までの医療費を無料化。第2子以降の保育料無料や中学校の給食費無料も、所得制限なしで設けています。また、生後3か月から満1歳の誕生日までの赤ちゃんがいる家庭に、紙おむつや粉ミルクなどの育児用品(約3000円相当)を毎月宅配してくれる無料サービス「おむつ定期便」もあり、20代から30代の子育て世代を中心に人口が増加しています。
5.豊後高田市(大分県)
豊後高田の昭和の町 中央通り商店街
大分県の北東部、国東半島の西側に位置する豊後高田市は、瀬戸内式気候に属し温暖で過ごしやすい環境。大分市まで約60km、北九州市まで約90kmで、空港のある両市に比較的近く、東京や大阪までは空からのアクセスが便利です。
大型ショッピングモールなどが整う一方で、昭和30年代の商店街を再生した「昭和の町」など、懐かしい雰囲気も残っています。住みたい移住先などの調査では度々上位にランクインし、妊娠時から子どもが高校を卒業するまで、切れ目ない子育て支援を実施しているのが大きな特徴です。
具体的には、妊婦健診14回分の助成に加え、妊産婦さんは病気やケガの診察も無料。そして妊娠時と出産時にそれぞれ5万円、小中高校の入学時に5万円のお祝い金が支給されます。また、高校生まで医療費はかからず、子どもが入院した場合の入院時の食事代も無料。保育園・幼稚園の授業料や、保育園から高校までの給食費も無料です。
幼児から中学生まで利用できる無料の市営塾「学びの21世紀塾」や、高校生向けの無料公設民営塾「うみね」など、費用を気にせず子どもに学びの機会を与えられる施設も充実。さらに、東京圏からの移住では、要件を満たした人に「豊後高田市移住支援金」として単身で60万円、世帯で100万円が支給され、子どもの人数によって最大300万円が支給されるなど、全国トップレベルの子育て支援を目指しています。
●老後におすすめの移住先4選
6.伊達市(北海道)
伊達市の街並み
札幌市と函館市の中間に位置する伊達市は、工業都市の室蘭市や温泉観光地の登別市、屈斜路湖町などと隣接。北海道内でも雪が少なく、四季を通じて気候が温暖なことから「北の湘南」と呼ばれています。
伊達市が老後におすすめの街である理由のひとつが、病院、大型ショッピングセンター、福祉施設などが街の中心部に集約されたコンパクトシティであること。市では「高齢者はまちの宝!」としてシニアが暮らしやすい街づくりを目指し、「伊達ウェルシーランド構想」を進めています。
具体的には、「伊達版安心ハウス認定制度」があげられます。バリアフリー化され、緊急時対応サービスの利用が可能な民間の賃貸住宅を「伊達版安心ハウス」に認定。この制度の推進によって、高齢者の入居を拒まず、60歳以上なら誰でも入居でき、シニアが安心して暮らせる住居の充実を図っています。
ほかにも、シニアの外出機会を増やす取り組み「伊達版ライフモビリティ」として、車の運転をしない人が低価格で利用できる会員・予約制の「相乗りタクシー事業」などを実施。こうした施策は地域経済の活性化にもつながっていて、全国から高齢者が集るシニアの移住にやさしい街として人気が高まっています。
7.小山市(栃木県)
小山駅
栃木県の南部に位置する小山市は首都圏からのアクセスがよく、東京まで東北新幹線で約40分の距離。市街地には田園風景が広がり、コウノトリが繁殖する「渡良瀬遊水地」をはじめとする豊かな自然と、「小山城跡」など数多くの文化・歴史的遺産を有しています。
遊園地の跡地を再生したショッピングモール「おやまゆうえんハーヴェストウォーク」など、大型複合商業施設も充実。また、市内には3つのJR駅があり、路線バスも13路線が運航しているほか、郊外5つのエリアで事前予約による乗り合い型のデマンドバス「おーバス」が運行し、車がなくても生活しやすいのもシニア移住に適した理由です。
「安心して暮らせる生きがい・長寿・健康都市」を目指し、多彩な高齢者支援を実施。まず、市内6か所に「高齢者サポートセンター」を設置し、高齢者の生活全般における相談を受け付け、高齢者の社会福祉活動や趣味を楽しむ多彩なサークル活動を推進しています。また、歩行に障害のある高齢者を支援するための「シルバーカー購入費助成制度」や、70歳以上に年間6回分のマッサージ補助券を交付する「はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧施術費助成制度」などもあります。
8.佐久市(長野県)
佐久市の風景
長野県の東部に位置する佐久市は、浅間山や八ヶ岳などに囲まれた高原都市。軽井沢まで車で約30分と近く、東京まで北陸新幹線で約1時間15分と首都圏へのアクセスも良好です。空気が澄んで星がきれいに見えることから「星空のまち」と呼ばれています。
市内の主な居住エリアは大きく5つ。新幹線駅の佐久平駅周辺で便利な「佐久平・岩村田エリア」、ドクターヘリを所有する大きな医療センターがある市の中心街の「中込エリア」、日本一大きなパラボラアンテナがあり、天体観測にもってこいの「臼田エリア」など、老後の過ごし方によって暮らす場所が選べます。
「快適健康都市」として医療体制が充実し、医師や保健師、看護師が多く、総合病院やクリニックの数も県内トップレベル。このため「健康長寿のまち」としても知られ、宝島社『田舎暮らしの本』2024年版「住みたい田舎ベストランキング」において、シニア世代部門1位を獲得しています。
高齢者の生活支援としては、65歳以上に年間10枚の利用権が支給される「高齢者訪問理美容サービス事業」や、片道1回500円で月4回まで利用できる「高齢者外出支援サービス事業」などがあります。ほかにも、65歳以上を対象に自宅での無料の栄養相談を実施するなど、健康に関しても手厚いサポートが受けられます。
9.宗像市(福岡県)
宗像市の許斐山からの風景
福岡市と北九州市の中間に位置する宗像市は、3方を海に囲まれ、北側には玄界灘の美しい景観が広がります。3つのJR駅があり、JRに並行して国道3号、国道495号も通っていて、2大都市へのアクセスが充実。生活環境が整った都会と、静かな田舎の両面を備えています。
市内には12の地域コミュニティがあり、島暮らしが楽しめる有人島の「大島」、JR赤間駅の北側に広がり交通の便がいい「赤間西」、世界遺産の「宗像大社」をはじめ観光名所が数多く集まる「玄界」、活魚センターなど海に関する施設が多い「岬」など、ライフスタイルに合わせて生活の場所を選べるのも魅力です。
住まいは宗像市移住・定住サイト「ムナカタに住む。」を通じて空き家バンクで探せます。「宗像市移住支援金」(東京圏からの移住で要件を満たした場合、単身で60万円、世帯で100万円を支給)などを利用すれば、低コストで移住生活をスタートさせることも可能です。
高齢者向けサービスとしては、定期的な配食サービスによる安否確認や、ゴミ出しが困難な高齢者や障害者を対象に自宅の玄関先でゴミを収集してくれる「ふれあい収集」などがあり、老後一人でも安心して暮らせる制度が整っています。
●独身におすすめの移住先4選
10.青森市(青森県)
青森市中心市街地の風景
津軽半島と下北半島の間に位置する青森市は、世界でも有数の豪雪都市ですが、夏が短く、春から秋にかけて快適に過ごすことができます。おいしい食やおいしいお酒に加え、浅虫温泉や酸ヶ湯温泉をはじめとする豊富な温泉が身近にあるのも魅力です。
県外からのリモートワークを推進していて、5泊6日を上限に市内の施設に無料で滞在し、リモートワーク環境が体験できるモニター事業などを実施しています。体験を経て市内に移住する若者も多く、東京圏から移住した場合「青森市移住支援金」として、要件を満たした人に単身で60万円を支給。東京圏以外からの場合は、引っ越し費用などの50%(上限25万円)が支給されます。さらに、市内に移住してリモートワークを行う場合は、1世帯に対し10万円の加算支給が受けられます。
また、リモートワーカーやクリエイターは、「活動支援金」として最長3年間、対象経費の50%(年間上限36万円)の補助が受けられる制度も。市では、移住を希望するクリエイターに対してサポート活動などを行う「地域おこし協力隊」も募集していて、独身者が夢を追いながら堅実に暮らせる制度が盛りだくさんです。
11.岐阜市(岐阜県)
岐阜駅前の風景
岐阜県の中南部に位置する岐阜市は、名古屋まで電車で約20分とアクセス良好。都市機能に恵まれた県庁所在地でありながら、市内中央部を長良川が流れ、金華山がそびえるなど、心地よい自然にあふれた街です。
織田信長ゆかりの岐阜城など「歴史の街」としても知られる一方、近年は岐阜駅を中心に再開発が進められ、2023年には商業施設が入った分譲マンション「柳ヶ瀬グラッスル35」が誕生。その南側には広大な芝生広場のある「金公園」がリニューアルオープンし、市民の憩いの場として賑わっています。また、2LDKの家賃相場は名古屋市の10万7000円に対し、岐阜市は8万1000円とリーズナブル。街の治安がよいのも独身におすすめの理由です。
岐阜市では、東京23区内に居住もしくは勤務していたなど、東京圏から要件を満たして移住してくる人を対象に、「移住支援金」を支給。単身の場合、最大60万円の支援金が受け取れます。さらに、市内で結婚生活を始める人に、新居の住居費や引っ越し費用を最大60万円補助する「結婚新生活支援金」などの制度もあります。
また、「岐阜市リモートオフィス(Neo work-Gifu)」では、岐阜市で起業したい人向けに、「スタートアップ相談窓口」を常設。岐阜商工会議所や金融機関と連携したオール岐阜市体制で、起業から起業後までバックアップしてくれます。ほかにも、岐阜市で仕事を探すなら、「ぎふ長良川の鵜飼船頭募集」(例年1月ごろ募集)など、地域ならではの求人もあります。
12.倉吉市(鳥取県)
倉吉市の風景
鳥取県の中部に位置する倉吉市は、重要伝統的建造物群保存地区に指定された「打吹玉川」地区をはじめとする趣深い街並みが魅力。市内で生産されるフィギュアなどのポップカルチャーを活用した街づくりを推進していて、歴史と新しい文化が共存するレトロでクールな一面も人気を集めています。
開湯1300年の関金(せきがね)温泉やその周辺でのキャンプやトレッキング、関金温泉エリアにある旧国鉄倉吉線廃線跡など、休日のお出かけにも事欠きません。倉吉の地名は「暮らしよし」が語源という説もあり、東洋経済新報社の「住みよさランキング」において3年連続で上位にランクインした実績もあります。
市では、東京圏からの移住で要件を満たしている場合、単身者に60万円の「移住支援金」を用意。住まいについても、空き家バンクの賃貸物件を借りる場合は1件につき最大5万円の家賃補助が受けられ、35歳以下の場合は固定資産税の減免も対象です。
さらに、若者定住支援として「新婚新生活支援補助金」(夫婦ともに29歳以下の世帯で最大60万円、夫婦ともに39歳以下の世帯で最大30万円)や、単身でのIJUターンで市内に新築もしくは中古住宅を購入する際、最大50万円が支給される「住宅取得支援制度」などもあります。
13.都城市(宮崎県)
都城市の風景
宮崎県の内陸部で、鹿児島県との県境に位置する都城市は、人口約16万人と、南九州では鹿児島市、宮崎市に次いで3番目に大きな都市。九州縦貫自動車道と5本の国道、2本のJR鉄道が走り、宮崎空港と鹿児島空港を40km㎞圏内に有するなど、南九州の拠点都市としての顔を持っています。
そんな都城市の一番の魅力は、おいしい食べ物。牛肉、豚肉、鶏肉ともに日本一の産出額を誇ります。特に高級ブランド和牛「宮崎牛」の産地として知られ、スーパーや直売所などで宮崎牛を格安で購入できるのは地元ならでは。
移住支援としては、単身者が要件を満たして東京圏から移住した場合、60万円の「移住支援金」が受けられるなど独身者にうれしい制度も。また、「お試し移住制度」では、要件を満たす人を対象に、宿泊費(通算10泊以内、1人1泊あたり上限3000円)と、レンタカー代(最大264時間、24時間あたり上限2500円)が補助されます。
ほかにも、運転免許を持っているがほぼ運転経験がないという人が自動車運転講習を受けた際、市が2回まで半額を負担してくれる「ペーパードライバー講習費補助」もあり、移住を機にペーパードライバーを卒業して周辺のドライブを楽しみたいという独身者にもおすめです。
●あたたかい地域のおすすめ移住先4選
14.伊豆大島(東京都)
伊豆大島の元町港
伊豆大島の波浮港
伊豆大島は首都圏から近く、東京・竹芝から高速船で1時間45分の距離。島には元町港と岡田港の2つの玄関口があり、天候によって使い分けています。黒潮の影響によって一年を通じて温暖な気候に恵まれています。三原山を中心とした火山島ならではの独特の景観が広がり、大自然と地球のエネルギーを感じることができるのが魅力です。
居住地域は、島の北部と南部の大きく2つに分けられます。港がある北部の元町、岡田方面は空港や役場、銀行、スーパー、飲食店が集中しているのに対し、南部の差木地(さしきじ)、波浮(はぶ)方面は静かでのんびりとした雰囲気。島内の移動はマイカーが中心なので、車の免許は必須です。買い物は基本現金でコンビニはなく、病院が一つしかないなど不便もありますが、事前に島暮らしの体験相談が可能です。
担当者が島内を案内し、移住への不安をクリアできるよう努め、移住の手続きなどの手伝いもしてくれます。島には1000件を超える空き家があり、空き家の購入や改修、荷物処分などに係る費用を最大30万円補助してくれる「大島町空き家対策事業補助金」も。
さらに、「大島町空き店舗等活用起業者等支援事業補助金」では、島の空き店舗などを利用して起業する場合、経費の2分の1(最大30万円)が補助されます。また、現地にはパートやアルバイトの求人もあり、高齢化に伴い飲食店や宿の経営を誰かに継いでもらいたいという需要も高まっています。
15.静岡市(静岡県)
静岡市市街地の街並み
雪がほとんど降らず、夏は海風で涼しく過ごせる静岡市は、東京まで東海道新幹線で1時間。通勤・通学できる距離でありながら都心に決して近すぎず、仕事とのバランスを保ちながら、ゆったり生活したい人に人気です。温暖な気候を生かして多くの農畜産物が生産され、有名なお茶やワサビをはじめ、メロンや牛肉など味覚も豊富。穏やかな気候のためか、人々も空気もどこかのんびりとした雰囲気に包まれています。
生活に必要な施設はすべてコンパクトにまとまる一方、車で20分も走れば駿河湾や富士山を正面に臨む日本平などの雄大な自然に親しめるのも魅力。マリンスポーツやトレッキングなど、アウトドア好きにはたまらない環境です。
市では、「静岡市移住者住宅確保応援補助金」として、県外から移住した人に、住宅確保にかかる費用を助成。対象となるのは39歳以下の移住者、もしくは18歳未満の子どものいる世帯で、東京圏から要件を満たして移住した場合、単身で60万円、世帯で100万円(子ども1人あたり100万円加算、最大400万円)が助成されます。東京圏以外から移住した場合でも、要件を満たせば単身で30万円、世帯で50万円(子ども1人あたり50万円加算、最大200万円)の補助が受けられます。
ほかにも、移住生活をスタートするための支援制度が充実。静岡市の移住・定住情報サイト「いいねえ。静岡生活」で、補助金などの情報がチェックできます。
16.鹿児島市(鹿児島県)
城山展望台
年間平均気温が18.6度と温暖な気候に恵まれた鹿児島市は、南九州の中核都市でありながら森林率が54.7%で自然が身近に感じられます。桜島を望む景観が、ベスビオ火山を有するナポリと似ていることから「東洋のナポリ」とも呼ばれ、市内には「ナポリ通り」と命名された通りもあり、両市は姉妹都市として交流を続けています。
農畜産業や水産業が盛んで、安くて新鮮な食材の宝庫。市内に266か所もの源泉があり、公衆浴場のほとんどが温泉を引いているため、いつでも温泉が楽しめるのも魅力です。生活インフラが集まり最も多くの市民が暮らす「中央地域」、JR鹿児島中央駅から電車で10分の距離にある人気の高い住宅地「谷山地域」、雄大な自然に抱かれた「桜島地域」など、地域ごとに暮らし方が選べるのも特徴です。
東京圏から鹿児島市へ移住した場合、要件を満たした単身者に60万円、2人以上の世帯に100万円(18歳未満の子ども1人につき最大100万円加算)が「移住支援金」として支給されます。また、「かごしま市IJU倶楽部」に加入すると、ホテルの宿泊代やレンタカー代の割引などの特典があり、移住前の下見にお得に利用できます。
17.沖縄県北中城村
北中城村喜舎場(きしゃば)周辺の風景
沖縄本島の中部に位置する北中城村は、風光明媚な自然と、伝統文化や歴史的遺産に恵まれた村です。年間平均気温は23.3度と温暖で、真冬でも10℃以下になることはめったにありません。マリンスポーツが楽しめる海は年間を通じて透明度が高く、海風が吹くため、夏場の猛暑日が少ないのも特徴です。
村には沖縄随一の規模を誇る大型ショッピングモール「イオンモール沖縄ライカム」があり、映画館やフィットネスも完備。24時間診療の総合病院をはじめ、スーパーやコンビニなどの生活インフラも一通り揃っています。那覇市まで車で約35分、那覇空港まで車で約40分とアクセスも良好。一方、都市化されていない集落では、庭の小さな畑で育てた野菜を隣近所で分け合う、顔の見える暮らしが続けられ、毎日の生活の中にささやかな優しさを感じることもできます。
北中城村観光協会では、村にふれて、村のことを知れるさまざまなイベントを開催。農業体験や漁業体験、ものづくり、三線体験と民謡鑑賞、まちあるきなど、多彩な体験プログラムに参加して、移住を検討してみるのもおすすめです。
●海沿い地域のおすすめ移住先4選
18.雄武町(北海道)
夏の日の出岬
道東地方、稚内と知床の中間地点に位置し、オホーツク海に面した雄武町(おうむちょう)。毎年冬になると流氷が接岸し、壮大な自然の景観が広がります。「日の出の町」とも呼ばれ、美しい日の出が望める「日の出岬」などのスポットがあるのも特徴。日の出岬にはキャンプ場やオーシャンビューのホテルなどもあり、観光地としても人気です。
町の中心地もオホーツク海沿岸に広がり、役場近くの旭日公園で開催される「こども冬まつり」と「おうむキャンドルナイト」は冬の風物詩に。中心地にはスーパー、コンビニ、病院、学校などの生活インフラが整うほか、飛行船をイメージした建物が町のシンボルにもなっている「道の駅おうむ」では、冬には展望台から流氷の大パノラマを望むことができます。
町では、1週間以上1か月以内で利用できるお試し住宅「宮の森荘」と「旭日団地B-6棟4039号室」(入居費用6~9月1日あたり2000円、10~5月1日あたり2500円)を完備。また、移住宅地を無償で貸し付け、一定期間内に住宅を建築した場合、その土地を無償で譲渡する「移住宅地の無償貸付及び無償譲渡」もあり、住宅支援サービスが充実しています。
仕事面においては、雄武町酪農振興会が地域の牧場、酪農家をサポートする「酪農ヘルパー」を募集。月3万円程度で借りられる町営住宅もあり、移住希望者も安心して生活がスタートできます。
19.鴨川市(千葉県)
鴨川市の中心街
房総半島の南東部に位置する鴨川市は、「鴨川シーワールド」をはじめ、アメリカの西海岸をイメージした商業施設「Kamogawa SEASIDE BASE」などが集まる観光都市。沿岸部は南房総国定公園に指定され、太平洋を一望する「鴨川灯台」や日本三景の松島を思わせる「鴨川松島」など、魅力的なスポットが満載です。東京まで車で約1時間30分、電車で約2時間の距離にあり、二拠点居住やテレワーク生活に適した移住先としても人気が高まっています。
市内にはテレワーク施設「里山オフィス」があり、月額1万7625円から利用可能。移住に関する情報は、鴨川市移住・定住応援サイト「かも住」で発信しています。野菜づくりや味噌づくりなど、田舎暮らしを楽しくするスキルが学べる移住者向けの体験型イベント「鴨川暮らしセミナー(かもくら)」を毎月開催していて、サイト内で参加者を募集しているほか、各種支援情報や、空き家バンク情報などもこちらでチェックできます。
主な支援策としては、東京23区から鴨川市に移住し、就業・テレワーク・起業といった要件を満たす場合に、単身で60万円、2人以上の世帯で100万円支給される「鴨川市移住就業支援金」、市外から転入して鴨川市で住宅を取得した場合、最大50万円が支給される「鴨川市住宅取得奨励金」などがあります。
ほかにも、就農支援として農作業への意欲がある人に「鴨川ふれあい農園」の畑を貸し出していて、1区画(30平方m)を年額1万円で利用することができます。
20.玉野市(岡山県)
宇野港
岡山県の南端に位置する玉野市は、瀬戸内海の美しい自然に恵まれた風光明媚な港町。市の中心部には岡山県の海の玄関口の宇野港があり、瀬戸内海の海上交通の拠点として発展してきました。
東洋経済新報社の「住みよさランキング2024」において岡山県内第1位を獲得。特に都市公園の面積や気候などを理由に、快適度が高く評価されています。居住地域は、大きく4つ。都市機能が集結しているだけでなく、瀬戸内海国際芸術祭の際につくられたアート作品がある「中央部エリア」、県内最大級の海岸の渋川海岸や瀬戸内海を一望する「王子が岳」などがある「西エリア」、田園風景や昔の街並みが残る「北エリア」、温州ミカンの生産地で海苔の漁獲が盛んな「東エリア」と、それぞれ表情が異なります。
移住支援制度も充実していて、東京圏から玉野市へ移住する場合、要件を満たすと単身で60万円、18歳未満の子どもがいる2人以上の世帯で100万円を支給。「たまののお試し滞在助成金」では、玉野市に滞在して住まいや仕事を探す場合、1家族・グループにつき上限10万円(単身での滞在は5万円)が支給されます。
21.糸島市(福岡県)
二見ヶ浦の風景
福岡県西部の糸島半島に位置する糸島市は、市の北側が玄界灘に面し海岸線が広がります。市の南側には山々が連なり、海と山の中間部に糸島平野のなだらかな田園地帯が広がっています。海岸線には夕日の名所「桜井二見ヶ浦」や、白砂青松の「幣の浜」などの景勝地があり、美しい自然の中でサーフィンや海水浴が楽しめるのが魅力です。
福岡市から電車、車ともに約30分の距離にあり、博多駅や福岡空港へ乗り換えなしでアクセスできるなど利便性も抜群。都市近郊型の農業・漁業・畜産業が盛んでさまざまな食材が「糸島ブランド」として定着し、市内の直売所は多くの人で賑わっています。
市では、自宅から気軽に移住相談ができる「オンライン移住相談」を随時開催。インターネット環境があれば、住まいや仕事、地域コミュニティのことなど、なんでも相談できます。また、移住・定住を目的に空き家を利用する場合、家財撤去などの費用を最大30万円補助。ほかにも、戸建て住宅を求めている人と戸建て住宅の所有者をつなぐ「糸島市戸建て住宅ニーズバンク」もあります。
●田舎暮らしの移住先4選
22.那須塩原市(栃木県)
塩原温泉の風景
栃木県の北部に位置する那須塩原市は、東京まで東北新幹線で約1時間10分、車で2時間~2時間30分の距離。首都圏への通勤・通学も可能な地域でありながら、那須連山や那珂川などの美しい自然が満喫でき、塩原温泉郷や根室温泉など温泉も豊富です。
ひと口に田舎といっても里山や高原、別荘地などさまざまな風景があり、移住前にしっかり下見をしてから居住エリアを選ぶのがおすすめ。「那須塩原市移住応援補助金」を利用すれば、賃貸住宅に住んで12か月間家賃の一部を補助(月額最大2万円)してもらいながら、じっくり検討することができます。
ほかにも、金銭的な支援策として「那須塩原市移住支援助成金」があり、要件を満たした人に対し、単身で60万円、世帯で100万円(18歳未満の子どもがいる場合1人につき100万円加算)が支給されます。また、「新幹線定期券購入補助金」では、那須塩原市に移住して那須塩原駅から新幹線を利用し、大宮駅、上野駅または東京駅を経由して通勤する場合、月額最大1万円、最大5年間補助されます。
23.神山町(徳島県)
神山町の風景
徳島県のほぼ中央に位置し、1000m級の山々に囲まれた神山町は、鮎喰川(あくいがわ)の上中流域を中心に農地と集落が点在。お遍路さんへの接待文化が残り、背景の襖絵が変化するからくりが見事な「阿波人形浄瑠璃」など古くからの伝統芸能が息づいています。
2004年に四国で初めて全戸に光ファイバーを整備。それから町はガラリと変わり、IT系のベンチャー企業がサテライトオフィスを開設したことで全国的に有名に。以降、多種多様なクリエイターが集まる町として注目度を高めています。
不動産屋がない神山町では、NPOと役場が協働し、移住交流支援センターにおいて空き家を紹介。また、共有サロンのあるシェアハウス「すみはじめ住宅」(家賃2万円~、契約期間3か月~1年半)を利用して、実際に暮らしながら町の人と交流し、家を探したり仕事を試したりことができます。仕事探しについては、将来町が必要とするジャンルの人材を“逆指名する”という発想から生まれた「神山ワーク・イン・レジデンス」があり、実際にこの取り組みを利用して、パン屋さんやウェブデザイナーなどさまざまな人材が移住しています。
24.高知市(高知県)
高知市街地
四国南部のほぼ中央に位置する高知市は海、山、川にほど近く、田舎と都会の両方の顔をあわせもったコンパクトシティ。北側に四国山地があり、南側は太平洋に面した市域はかなり広いですが、市街地は南北約3km、東西約5kmの中に街の機能がぎゅっと詰まっています。街の中心部はかつての土佐藩の城下町で、路面電車やバスなどの交通網が整い、車がなくても暮らせる利便性が自慢です。
高知市では、「こうち二段階移住」という新しい移住のカタチを提案。いきなり田舎暮らしを始めるのではなく、まずは比較的都市部の高知市に移住・滞在し、そこを拠点に高知県内をめぐり自分にあう田舎を探すという、二段階移住を推進する取り組みです。この取り組みでは、要件を満たす人に、高知市でのお試し移住費用を最大24万円補助。高知県内をめぐる際のレンタカー代(高知市内での利用を除く)が最大2万円補助されます。
また、2泊以上28泊以下のお試し滞在が可能な移住体験滞在施設「しいの木」(最初の2泊まで1室3300円、以降1泊ごとに1室1100円)を用意。移住を検討している人向けの無料の「高知市ガイドツアー」(市街地、鏡地区、土佐山地区、フリーの4コース)もあり、お試し滞在中ツアーに参加して、さまざまな地域の魅力にふれるのもおすすめです。
25.多良間島(沖縄県)
多良間島の海
多良間島は宮古島と石垣島のほぼ中間に位置し、楕円形をした面積19.7平方kmの島に1300人ほどが暮らしています。那覇から直行できず、宮古島へ渡り、そこから1日1往復のフェリーもしくは1日2往復の飛行機で向かうしかありません。まだ観光地化されていない島には手つかずの自然が残り、特に沖縄の離島の中でも海の青がひと際美しく、ダイバーの間で「多良間ブルー」と呼ばれています。
多良間村は多良間島と、多良間島からチャーター船で約30分の面積約2.2K平方kmの水納島の2島からなり、村ではさとうきびを中心に野菜の栽培や肉用牛の生産が盛ん。琉球王国時代から伝わる国指定重要無形文化財の「八月踊り」や、ヤギ同士が闘う「ピンダアース大会」など、古くからの伝統文化も息づいています。
そんな多良間村では、移住支援として結婚成立1組に対して15万円を支給する「結婚祝金」や、定住者1世帯につき20万円を支給する「定住奨励金」などがあります。また、移住者が住宅を建築または購入する場合、「定住住宅建築及び購入奨励金」として最大120万円が支給されます。ほかにも「出産祝金」(同一の父母の第1子、第2子にそれぞれ5万円、第3子以降は10万円)や、「入学祝金」(2万円)など、子育て支援も充実しています。
03| 移住に関するサポートと制度
移住支援にはどのようなものがあり、利用するにはどんな点に注意すればよいのかなどを理解しておきましょう。
①移住支援制度
・支援内容
「移住支援制度」は、人口減少や少子高齢化が進む地域への移住を促進するための制度です。大きく分けて国が主体のものと、自治体が主体となるものがあり、さまざまな支援を行っています。
【国が主体のもの】
国が主体のものとしては、「移住支援金」があります。東京圏から地方へ移住する場合、単身で60万円、世帯で100万円が支給されます。これは、国と各自治体が共同で支援金を支給する制度で、自治体によっては「○○市移住支援金」などと名称を定めている場合もあります。
【自治体が主体のもの】
自治体が主体となって進めているものとしては、「結婚祝金」や「出産祝金」、子どもの医療費の無料化や教育費、給食費の補助といった子育てに関する支援、「就職祝金」、仕事探しといった就業に関する支援、移住・定住相談窓口の設置や移住・定住情報サイトの開設などがあります。支援内容は各自治体によって異なるため、希望の移住先の自治体がどんな支援を行っているのか、各自治体のホームページなどで確認しておきましょう。
・申請方法と注意点
「移住支援制度」を利用する際には、必ず利用条件をチェックする必要があります。例えば、国が主体の「移住支援金」ですが、対象は「東京23区内に在住または通勤する人」などの条件があります。利用したい制度において、国や各自治体が求める要件を自分が満たしているかどうか確認しましょう。
また、制度の中には、年度予算などの関係で申請期間が決まっているものも多くあります。その年度の申請期間が過ぎてしまうと、次の申請期間まで1年待たなければならないということもあるため、利用したい制度については申請期間も必ず確認しましょう。
②住宅取得支援
・補助金や低利融資の利用
「住宅取得支援」は、主に自治体が主体となって進めている制度です。この制度がある自治体へ移住する際、住宅の購入費の一部を補助してもらえたり、低利子での融資が受けられたりします。ほかにも、住宅に関する支援としては、家賃の一部を一定期間補助してもらえる「家賃補助」や、引っ越し費用の一部を補助してもらえる「引っ越し費用補助」などがあります。
・空き家バンクの活用
「空き家バンク」は、地域の空き家情報を自治体のホームページ上などで公開する制度です。営利目的で運営されていないため、新築で家を建てるよりも格安で家を購入できたり、借りることが可能です。ただし、家が傷んでいたり家財などがそのままになっていたりして、リフォームや撤去が必要になることがあります。自治体によっては、家財の撤去費用やリフォーム費用の補助制度を設けていることもあるので、空き家バンクを活用する際には補助制度の有無についても確認しましょう。
③地域おこし協力隊
・活動内容と参加条件
「地域おこし協力隊」は、総務省が2009年度から実施している制度です。都市部から過疎地域へ移住した人に、自治体が地域おこしを委託。地場産品の開発・販売・PR、農業や漁業の担い手になるなど、地域の活性化のための活動を行います。地域おこし協力隊になるには、応募して自治体の書類選考や面接を受ける必要があります。まずは、各自治体の活動内容や参加条件などの募集要項を確認しましょう。
・支援制度と待遇
地域おこし協力隊の任期は1年以上、3年以内。その間、自治体から報酬が支払われます。報酬は2019年までは年間200万円でしたが、2020年に年間280万円まで増額されました。任期中は安定的な収入を得ながら、地域の人々のサポートを受けて商品開発を行ったり、農業や漁業などの職業経験を積むことができます。
また、地域おこし協力隊の募集の中には任期終了後に起業を目指す「起業型地域おこし協力隊」があり、任期終了日の1年前もしくは任期終了日から1年以内に起業した場合、最大100万円の「起業支援補助金」が支給されます。
04| 移住計画の立て方
移住を考えてはいるけれど、何から始めたらいいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。移住計画の立て方についてのポイントをご紹介します。
①地域の下見の重要性
移住支援制度や空き家バンクなどの情報を調べた上で、希望する移住先を絞り込んだら、必ず現地を訪れて下見をしましょう。下見の際のポイントは、スーパーやコンビニ、病院など、生活に欠かせない施設の距離感やアクセス方法などを確認することがひとつ。また、住まいの目星がある程度ついている場合は、住宅設備や周辺環境も確認します。隣近所の雰囲気やゴミ出しのルールなどもチェックしておくと、住んでみてからこんなはずじゃなかったというギャップやストレスを減らすことができます。
1日や2日ではなかなか感じとれないことも多いと思うので、自治体のお試し住宅施設などを利用し、現地に短期滞在してじっくり検討するのもおすすめです。さらに、下見は一度だけでなく、時期や時間帯などを変えて複数回行うことが理想的。特に、季節によって気候が大きく変わるような地域では、気候の厳しい時期の暮らしのイメージも肌感覚としてつかんでおくとよいでしょう。
②移住相談窓口やイベントの活用方法
移住相談窓口では、対面、電話、オンラインなどさまざまな方法で移住相談を受け付けていて、いずれの場合もホームページの専用フォームなどから事前予約が必要です。対面の場合、相談員と直接話をすることで、不安や疑問が解消でき、安心感が得られるのがメリットです。
電話の場合は、事前予約の際に希望の連絡時間帯を伝えます。対面でしっかりと相談する前に、電話で軽く話を聞いてみたいという場合におすすめです。
オンラインの場合はWeb会議ツールを使用するため、インターネット接続ができるパソコンもしくはタブレット端末、スマートフォンを用意する必要があります。事前予約後、オンライン相談に必要なURLなどがメールで送られてくるので、それを確認し、予約の日時になったらURLをクリックして入室します。対面に近いかたちで相談ができるので、時間がなくて現地に行けないという人などにおすすめです。
移住者向けのイベントも、積極的に活用しましょう。各自治体では、移住支援の一貫としてさまざまな体験イベントを開催しています。移住先で就業するつもりなら仕事体験、田舎暮らしをしたいなら収穫などを手伝いながら農家との交流を図る体験イベント、移住先の町の様子を知りたいならガイドツアーなどがおすすめです。こうしたイベントでは、先輩移住者との交流がプログラムに組み込まれていることも多く、実際に移り住んだ人の話を聞いて、移住計画に生かしたり、移住後の暮らしをイメージすることができます。