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夢のショールーム散歩

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 豊洲駅から豊洲市場方面へと歩くこと約8分。モデルハウスが立ち並ぶ住宅展示場で、木枠の窓が目を引く木造住宅の2階に、「スウェーデンヒルズ」のショールームがあります。
 「スウェーデンヒルズ」は、住宅メーカーのスウェーデンハウス株式会社が北海道石狩郡当別町に開発した、約150haにも及ぶ広大な住宅街です。その広さも驚きですが、面積の3分の2(約100ha)を森林として残した、大自然の中にある住環境というのも宅地開発では珍しいこと。さらに、管理センターがパトロールや除雪を行い、住民の安心・安全な暮らしをサポートしているのも魅力です。
「自然と利便性を兼ね備えているというのが、大きなコンセプトの一つ。移住のネックは仕事ですが、札幌まで最寄り駅から約30分と近いので、仕事もカバーできます」と話してくれたのは、スウェーデンハウスの営業企画グループ担当部長の大川保彦さん。そうした環境のよさもあって、住民の約7割が移住者で、東京や大阪、名古屋などの都市から移り住む人も多いそうです。
 また、立ち並ぶ家はすべて、スウェーデンハウスの注文住宅。木製サッシ3層ガラス窓や分厚い断熱材で高気密・高断熱を実現する家です。大空の下に、四季折々の自然の色と赤い外壁の家が並ぶ光景は、まるで北欧のようで魅了されます。
 始まりは親会社の株式会社トーモクの前身企業が戦後に復興住宅事業を手掛けていたことですが、資材不足などでやむを得ず撤退。その後1972年に当別町の開発計画への参画が決まり、復興住宅を手掛けていた創業者が「世界で一番いい家をつくりたい」と、各国を視察。そのときに衝撃を受けたのが、スウェーデンの家でした。日本よりも過酷な冬から住む人を守るその家は、手入れをしながら100年以上住み継がれていく長持ちする家。将来の日本で必要とされる家だと確信し、そのスウェーデンの家を基点に、日本の環境に適した高気密・高断熱、住み継がれていく家が誕生したそうです。
「約40年前の当時は、高気密・高断熱の住宅はオーバースペック。ですが、続けてきたことで、時代が追いついてきました。信じてくれた初期のオーナーがいてこそ、いまの私たちがあります。それが原点です」
 ショールームには家の部材や構造模型、ジオラマがあり、街並みと建物をイメージしやすくなっています。土日祝はスウェーデンヒルズの専属スタッフが常駐し、毎月の東京説明会(予約制)では当別町の副町長が登壇し、街のことを話してくれるのも特徴です。移住者が多く暮らす街と家を知ることで、移り住む暮らしヒントをもらえそうです。

奥深いデータの世界!データで読み解く気になる住まいのトレンド事情

Profile

記事監修/LIFULL HOME'S編集部
不動産賃貸や売買の流れから、ライフスタイルのことまで
「住まいの様々なお役立ち情報」を配信しています!

http://www.homes.co.jp/cont/

 2018年2月28日、認定NPO法人ふるさと回帰支援センターが「移住希望地域ランキング」を発表。LIFULL HOME'S PRESSでは、この結果をもとに最近の移住希望者の傾向についてレポートを掲載しています。
 ふるさと回帰支援センターとは、東京都千代田区の「ふるさと回帰支援センター(東京)」と大阪市中央区の「大阪ふるさと暮らし情報センター」を運営し、全国850超の自治体と連携しながら地方移住を支援しているNPO法人です。センターへの来訪者・問い合わせ件数は年々増加しており、2017年には33,165件と3万件を突破。(以下データは東京センターにおける統計)この背景には、地方自治体の積極的な移住促進への取り組みも影響しているようで、移住相談会やセミナーの開催数は、2008年の54件から2017年には485件と大幅に増加していることがわかります。

 さて、気になる最も人気を集めた移住希望地はどこなのでしょうか。東京のふるさと回帰支援センターに相談や見学、セミナーに参加した人にアンケートを取り、ランキングにした結果を見てみましょう。
 1位は長野県、2位は山梨県、3位は静岡県という結果に。長野県と山梨県は常に1位と2位を争う人気の移住先で、豊かな自然や移住者の受け入れ体制がしっかりしていることから多くの人に支持されているようです。4位の広島県は、2014年は18位、2015年に6位に上昇し、2016年以降は4位をキープ。いまや人気の移住先として定着しています。5位の新潟県は、昨年の8位からランクアップし、年代別ランキングでは20代以下の移住希望地で1位を獲得しました。広島県は、移住情報を専用サイトで発信したり、空き家と移住希望者とのマッチングに力を入れていること、また新潟県についても若い世代に興味を持ってもらえるセミナーを開催したことなどから、それぞれの結果につながったようです。
 また、移住希望先をUIJパターン別に見ると、Iターン(都市部から出身地とは違う地方に移住して働くこと)では1位が長野県、Jターン(生まれ育った故郷から都会に移住した後、故郷に近い地方都市に移住すること)は山梨県、Uターン(地方から都市に移った人が再び故郷に戻ること)は新潟県、孫ターン(祖父母が住む田舎へ子育て世代が移住すること)は長野県という結果になりました。

 レポートではさらに、最近の移住希望者の年代や、希望する地域の条件の変化を挙げています。こういった需要の変化にともない、地方自治体の取り組みにも新しい動きがあるかもしれません。今後の移住事情に、注目です。

インテリアのプロが解く 美空間の方程式

PROFILE

コマタトモコ Tomoko Komata
建築家・インテリアデザイナー 東京都生まれ。聖心女子学院卒業。ICS カレ ッジオブアーツ、桑沢デザイン研究所で学んだ後、早稲田大学芸術学校建築科 卒業。アルド・ロッシ建築設計事務所勤務を経て、1995 年より横堀建築設計事 務所参加。住宅や店舗の設計、マンションの内装のほか、家具や什器のデザイ ンも手掛ける。ICS カレッジオブアーツ講師。インテリアブランド「CASA BUKU」代表

http://www.yokobori-aa.jp/

暮らしをそのまま移動する。
週末住宅に必要な
日常と非日常のバランス

 今回のテーマは「移住」。転勤や結婚などの諸事情から住む家を変える“引っ越し”ではなく、ライフスタイルや価値観に合わせて、意思を持って“暮らす場所を移す”ことを、「移住」と考えます。
 このテーマで、私が思い浮かべる建築は、写真のフランク・ロイド・ライトの代表作の一つ「落水荘(フォーリング・ウォーター)」です。ピッツバーグの百貨店オーナーだったエドガー・カウフマン氏の依頼でフランク・ロイド・ライトが設計し、1935年に建てられた別荘です。
 森の中にある滝の上に建てられていて、自然の中に身を置いていることを感じながら過ごすことができる週末住宅です。階段を使って直接、水辺に降りることもできますし、夫人はテラスから釣りを楽しんだといわれますが、その様子はまさに非日常。別荘は、この日常と非日常の絶妙なバランスが重要なのだと思います。非日常感やワクワク感を求める旅とは異なり、暮らしを移動するプチ移住ともいえる、別荘のお話からはじめましょう。

将来の定住を視野に入れた
別荘をつくる

 私のクライアントや知人にも、都心で暮らしながら自然を求めて長野・軽井沢に別荘を建てる人がたくさんいます。昔のように、年に数回だけ行く別荘ではなく、週末ごとに通い、長期の休暇時にも過ごす別荘ですから、プチ移住、あるいは週末移住といえるかもしれません。そうなると別荘での暮らしはライフスタイルの一部にもなり、いずれは別荘に移住することを考えている方も少なくありません。

1・2)軽井沢の別荘。都心のマンションに暮らしつつ毎週末、この別荘で過ごされています。将来、ここに移住する可能性を考えて設計。

3)平屋ですが仕事ができる書斎スペースをロフトにつくりました。

 「移住」と「仕事」というものは、切り離して考えることはできません。少し前なら、自然を求めて都心から地方に移住すること=田舎暮らし、農業をはじめる……、というイメージでしたが、インターネット時代となった現代では、移住先でも変わらず現在の仕事を続けることも可能です。もちろん、仕事の内容にもよりますが、知人のグラフィックデザイナーは、都心から静岡県・熱海に移住しましたが、変わりなく仕事を続けられています。また、こちらはアーティストの家。世界中を旅して、海外に暮らした経験もあるクライアントが移住先として選んだのは長野県の穂高でした。自然の中に身を置き、自然の一部だと感じられることは豊かな創造力を生むようです。

4・5)穂高のアーティストの家。東京からの移住。大きな窓からは美しい日本アルプス山脈を眺めることができ、周囲にはのどかな田園風景が広がります。この環境を生かした、外と中がつながる建築が自然との一体感を高めます。

仕事やライフスタイルに合わせて
自分らしい理想を実現する移住

 医師という職業は仕事と場所のつながりがより明確です。写真の医院の医師は、出身地の栃木県宇都宮に産婦人科医院を建てて、小児科医である夫人とともに東京から移住。病院内に住宅空間をつくり、現在は2人のお子さんと4人家族で暮らしています。移住することで、病院を訪れる患者はもちろん、先生やスタッフ、そして家族も快適に過ごすことができる理想の空間を追求、実現させた例です。

6・7)産婦人科の医師は24時間勤務といっても過言ではありません。常に妊婦を見守り対応しなくてはならないので、すぐに駆けつけられるよう住職一致は必須。医療空間の機能性やデザイン性にもこだわり、快適な医療空間と住宅空間が同居しています。

 移住の形もいまはさまざまで、都心から地方への移住もあれば、その逆もあります。こちらは国を超えて移住された方々の例。

8)便利な都心に建てた家をセカンドハウスに。住まい手自身のライフスタイルを優先した移住先として、東京を選択した。

 それぞれオランダ、京都に拠点を持ちながら、東京の都心に新たな拠点としての家をつくられました。東京・港区を選んだ理由は、レベルの高い美味しいレストランが多いこと、友人を招いてよく食事会を行うこと……、などなどグルメで料理が趣味の住まい手にとって青山は、生活に必要な条件が揃った=ライフスタイルに合った場所ということなのです。ライフスタイルとして何を最優先させるかということは、移住する際の最も重要なポイントだと思います。

 「暮らしが仕事、仕事が暮らし」これは、私の師であるインテリアデザイナーの内田繁から教えられたこと。モノを創造する者は、住と職が一致しているべきだという、長年の私の理想だった師の教えを、私自身も昨年ついに実現させました。仕事場と住居を都心の青山から都内の住宅街に移したのです。約1年間過ごしてみて、師の言葉通り、住と職が一致していることの大切さを痛感しています。四季を感じる空間に身を置くことで、これまで見逃していた多くのことにも気づくことができました。
 自分らしいライフスタイルを表現する最も大切な空間として「住宅」を考えるとき、「住宅・仕事・自然」のバランスを自分らしい形で表現することは、豊かに生きていく上でとても大切です。本当に自分らしいライフスタイルを見つけるために、「移住」が以前に比べて実現しやすくなった現代、移り住まうことはとても有効で魅力的な選択肢といえるのではないでしょうか。

風水片づけ&お掃除術

監修者プロフィール

紫月香帆 Shizuki Kaho
手相・人相、四柱推命、九星気学、風水などを得意とし、的中率の高さとわかりやすいアドバイス、具体的な開運方法に定評がある。雑誌やテレビ、携帯コンテンツなど各方面で活躍中。著書に『やってはいけない風水』(河出書房新社)など。

http://pc.uranai.jp/shizuki/

こんな収納はいけない!

風水片づけ&お掃除術

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カンタンだから食べたい! 朝&夜ゴハンレシピ

監修者プロフィール

落合 貴子 Takako Ochiai
栄養士・フードコーディネーター。

栄養士免許取得後、自然食品メーカーにてカウンセリングなどの実務経験を経てフードコーディネーターに転身。多くの料理家のアシスタントを務めたあと独立。現在、2児の母親であり、テレビや雑誌などで「優しく・おいしく・楽しく」を心がけたレシピを提案する。キッチンスタジオにて料理教室も開催。

カンタンだから食べたい! 朝&夜ゴハンレシピ

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