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「寒い日に備えて、夫は薪割りに励んでいます。『人生初の木こり』だといって」と穏やかに笑うYasukoさん。木立に囲まれた軽井沢の家は7月に完成したばかりで、リビングに据えたストーブに炎が揺れるのが待ち遠しい様子。
「夫は北海道、私は埼玉の出身。軽井沢へはよく一緒に遊びにきていました。我が家は転勤族で、二人とも田舎暮らしにあこがれがあり、別荘兼老後の住まいにと十数年前に土地を買っておいたのです。娘が小学生のうちに自然に触れさせたいと家づくりを始めたら、運よく夫の長野赴任が決まり、引っ越してきました」。
地元の工務店に依頼し、キッチンカウンターはヤマザクラ、床はカラマツ、天井はヒノキ…、木の味わいにこだわった家ができました。Yasukoさんは家庭菜園を始め、娘さんと一緒に図鑑で植物の名前を調べる日々。「ここは本当に静かで、夫は窓際の椅子に座って庭や樹木を眺めていると、あっという間に時間が過ぎていくと言っています。癒されますね」
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Tomoeさんは韮崎市(にらさきし)の「空き家バンク」で斡旋された古い平屋を、補助金を利用して自分でリフォーム。家の中に、おとぎ話に出てくるような山小屋風の空間をつくりました。「ここはベッドルームで、漆喰の壁に小窓を付けたのがポイント。夜に灯りをともすと、ほんわかした雰囲気になり、一番お気に入りの場所です。屋根部分はロフトとして読書や音楽を楽しんでいます」。
東京の専門学校でインテリアデザインを学び、工務店に入社して大工の世界で働いてきたTomoeさん。自分の工房を持ちたくて独立、実家からほどよい距離にある韮崎にUターンしました。「天井を壊して吹き抜けにし、畳の下の古材を屋根裏に貼り付けました。床にはヘリンボーンの床材を貼って…新築を建てるより手間暇がかかったかも。でも私はピカピカに新しいものより、古い建物や家具を大切に使うことが好き。売り主さんも、古い家を活かすという話によころんでくれました」
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以前は東京で下町ライフを楽しんでいた、コピーライターのさやかさんと会社員の和也さん夫妻。二人は「街中は面白い場所も多いけど、飽きてしまって。庭があるような暮らしをしたくなりました」「狭いマンションにお金を払うのはやめて、ゆったりできる家を建てたい」と、和也さんの実家がある茨城県取手市に引っ越しました。新居は最寄り駅から近く、都心への通勤も苦ではないと言います。
「木を感じられる家にしたくて、床は無垢材に。素足で歩くと本当に気持ちがいい」と和也さん。二人で下北沢や西荻窪、京都の古道具店で買い集めていたちゃぶ台や茶箪笥、手提げ籠も無垢の床によく似合います。さやかさんも「この辺りで野菜を買うと新鮮で大きくて、食が豊かになりました。それに星空がきれい。今までニュースで聞くだけだった流星群も、あ、本当にあるんだなって」と、自然が残る茨城での暮らしを満喫しているそうです。
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