東京まで直通で約36分という便利さから、郊外型のベッドタウンとして人気の横浜市戸塚区。江戸時代には宿場町として栄えた歴史ある街でありながら、緑被率が高く農地や果樹園、牧場まであるいい意味で「田舎」の雰囲気も併せ持っています。戸塚駅と東戸塚駅を中心に、戸塚区の魅力や住みやすさ、治安を探ってみましょう。
ライター: 殿木真美子
CONTENTS
01| 戸塚の概要:都心近くで宿場町の歴史と田舎の雰囲気が楽しめる
横浜市戸塚区は横浜市の南西部に位置し、南西から北東に伸びる細長い区です。区の中央を貫くように東海道線が走り、それに並行するように二級河川の柏尾川が流れています。人口370万人超を擁する日本最大の政令指定都市・横浜市の中で、面積が最も大きい行政区だというのも特徴。人口は28万人強と市内第4位で、現在も少しずつ増え続けています。
戸塚の中心を流れる柏尾川と遊歩道
鎌倉時代には鎌倉への玄関口として、江戸時代には東海道の宿場町「戸塚宿」として栄えました。旧東海道沿いでは当時の面影を残す旧跡などを見ることができます。いわゆる郊外型のベッドタウンで、主要駅や国道1号線沿いを中心に住宅街が広がり、戸塚駅と東戸塚駅周辺には商業施設が集積。緑が豊富で、公園の数は市内で2番目の多さであるうえ、シェア農園や果樹園、なんと牧場もあります(ちなみに牧場直営のアイス屋さんも!)。持ち家比率は市の平均と比べて高く、戸建て派も多い傾向にあるようです。
02| アクセスと主要駅:商業施設が集まる戸塚駅と東戸塚駅
①戸塚駅:戸塚区の中心駅。インフラ整備が進み、より便利に
戸塚駅西口のペデストリアンデッキと東急プラザ戸塚、トツカーナモール
戸塚駅は、JR東海道線・横須賀線・湘南新宿ライン・上野東京ライン、横浜市営地下鉄ブルーラインが接続する横浜市南部のターミナル駅。実は、横浜駅に次いで市内で2番目に乗車人数が多い駅です。以前は、人口の割には駅周辺が小さい印象がありましたが、2010年に駅西口の再開発事業によって商業施設「トツカーナモール」、「東急プラザ戸塚」などが誕生。さらにその隣に戸塚区総合庁舎ビルが建ったことで、駅前のインフラが整備され、使いやすく便利になりました。
東海道線で東京まで約36分、湘南新宿ラインを利用すれば渋谷まで約37分、新宿まで約43分と近く、いずれも直通なのがうれしいポイント。便利な反面利用者が多いので、通勤ラッシュはある程度覚悟したいところです。
②東戸塚駅:再開発で都市型の暮らしを享受するコンパクトシティへ
駅東口に下りると見えるオーロラシティの様子。
JR横須賀線と湘南新宿ラインが運航する東戸塚駅は、戸塚区の第2の駅。1999年、駅東口に西武東戸塚S.C.やイオンスタイル東戸塚などが入る商業施設「オーロラシティ」が開業してから、街の様子が一変しました。駅と商業施設、タワーマンション、イオンスタイルまでがペデストリアンデッキでつながる街に生まれ変わったのです。
駅から続くペデストリアンデッキはマンション群につながる
エリア内に4つあるタワーマンションは、ペデストリアンデッキに直結。買い物も通勤も車の通る地上を介さずに済ませることができ、都市型の暮らしを享受できます。広々としたデッキでは、イベントやフリーマーケットなどが定期的に開催されるそう。医療機関や金融機関、保育施設、教育機関などが駅徒歩10分圏内に集中している便利なコンパクトシティです。
03| 治安:市内の地区と比べても治安はよい
戸塚区の治安は市内の他の地域と比べてもとてもいいといえます。駅周辺の商業施設を少し離れると、落ち着いた住宅街が広がっており、農地や果樹園、明るい雰囲気の公園も点在していて安全な街です。市内の犯罪件数(令和2年確定値)を見てみても、犯罪総数は人口比とほぼ同じですが、戸塚区は特に暴行・傷害などの粗暴犯が市内で10位(1,049件中46件)と少なく、凶暴な事件とは縁が少ないエリアだといえます。
反面、道路事情はあまりよいとはいえません。国道一号線をはじめとした幹線道路で渋滞が多く、またバイパスなどの出口や混雑する交差点があることから、令和2年度の交通事故発生件数は市内でも3番目に多いものでした。おおむね便利で暮らしやすい街ですが、車の事故には気をつけたいですね。
04| マドリームが選ぶ戸塚で休日に楽しめるおすすめスポット3
自然と都市型の暮らしが融合した戸塚区には、豊かな緑が楽しめる大型公園が充実。そのほかに自然と触れあえるスポット、また買い物に便利なスポットなど、おすすめのスポットを3つご紹介します。
①区民の憩いの場「柏尾川プロムナード」
柏尾川の遊歩道の様子
戸塚駅のホーム下にも流れている延長約11kmの「柏尾川」は、区のシンボル的存在。川沿いには「柏尾川プロムナード」という遊歩道が設けられていて、ウォーキングやランニングを楽しむ人、木陰のベンチで休む人など、区民の憩いの場となっています。
遊歩道沿いにはソメイヨシノをはじめとした700本もの桜が植えられ、桜の開花に合わせて例年「戸塚桜まつり」も開催されています(2020、2021年はコロナ禍のため中止)。市内でも屈指の桜の名所です。
②果樹園で季節の果物を味わおう!
ぶどう、なし、いちごなどさまざまな果物が季節ごとに楽しめる(画像はイメージです)
果物狩りというと、都心から遠く離れた場所でするものだと思っていませんか? 実は都心に近い戸塚区でも果物狩りができるんです。びっくりですよね。
横浜市には果樹園がいくつか点在していて、浜なしや浜ぶどう(※)などの栽培が盛んです。戸塚区には浜なし・浜ブドウのほか、みかんやいちご、ブルーベリーやイチジクなど変わり種の果物を収穫できるところもあり、季節ごとにおいしい果物を楽しむことができます。
※浜なし、浜ぶどうは品種名ではなく、横浜市果樹生産者の統一ブランドのこと。なしは新水、あきづき、幸水など、ぶどうは藤稔、シャインマスカットなどがある。
③駅直結のショッピングモール「オーロラシティ」
オーロラシティの入り口付近
JR東戸塚駅東口とペデストリアンデッキでつながる「オーロラシティ」は、便利な複合型ショッピングモール。西武館、モール館、アネックス館、イオンスタイルからなり、東戸塚駅の紹介で触れたようにタワーマンション棟ともデッキでつながっています。駅からすぐの場所にあるのが西武館とモール館。2020年に全館テナント型の施設としてリニューアルし、名前も西武東戸塚店から「西武東戸塚S.C.」に変更されました。生活必需品から日用雑貨、ファッション、贈答品までなんでも揃う便利な施設です。
05| ファミリーに人気の秘密は、子育てしやすい街だから⁉
戸塚区は都心へのアクセスがよく暮らしやすい街なので、ファミリーを中心に人気です。区の子育て支援はもちろん、子育てに便利な施設なども充実。戸塚駅西口の戸塚区役所には一時託児やベビーカーレンタルを行う子育て支援ルーム「とことこ」が、東戸塚駅西口の「モレラ東戸塚」には戸塚区地域子育て支援拠点「とっとの芽」があります。
また、東戸塚で24時間365日小児急患の受け入れをしている「子ども病院」をはじめ、区内には大きな病院やクリニックモールなどが点在していて、いざという時に安心です。、教育面では学習塾が充実しており中学受験率が比較的高めなのも特徴。教育熱心な親御さんが多い印象です。
06| 戸塚区に住みたいと思ったら、知っておきたい家賃相場と新築物件の価格帯
賃貸マンション・アパートの目安は下記。
2DK:88,900円
3DK:111,500円
1LDK:102,500円
2LDK:120,600円
新築・分譲一戸建ては
3,000万円~5,000万円台
で多くの物件が販売されています。
中古マンションは
築5年~15年以内:3,000万円台
それ以上の築年数:2,000万円台前半
となります。
07| 戸塚ならおまかせ! おすすめの不動産会社
戸塚で暮らすなら、その街をよく知る人に聞くのが一番。マドリームがおすすめする不動産会社をピックアップしています。
この記事を書いた人
殿木真美子 ライター