千葉県の西北部、東京都心から約25kmに位置する鎌ケ谷市。市内を4つの電車路線が走り、都心までは30分ほど。県内主要都市へのアクセスも便利です。実は、鎌ケ谷市は、2000年代に入っても人口増加が続いています。その人気の理由は、子育て世代への支援が手厚く、教育環境もよいこと。また、駅を中心に生活に必要な施設を集約したコンパクトシティを形成しており、利便性の高さも鎌ケ谷市ならではの魅力。一方で、市内各所に緑豊かな公園があるほか、江戸時代から続く伝統の梨栽培をはじめ、果物栽培が盛ん。市内でフルーツ狩りが楽しめるのも大きな特徴です。そんな鎌ケ谷市の街の概要や主要駅のアクセス、治安、支援制度などをご紹介します。
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01| 鎌ケ谷市の概要:アクセス便利で生活や子育ての環境も充実
鎌ケ谷市は、千葉県の北西である「東葛地域」といわれるエリアに属し、船橋市、市川市、松戸市、柏市、白井市と接しています。東京都区部へ通勤する人の多い住宅都市として発展著しく、1996年に人口10万人を超え、2019年には11万人の大台を突破。まだまだ発展が続いています。
鎌ケ谷市の発展の大きな要因となっているのが交通アクセスのよさ。市中心部にある新鎌ヶ谷(新鎌ケ谷)駅は、成田スカイアクセス線、東武アーバンパークライン(東武野田線)、新京成線、北総線の4つの路線が乗り入れ。日本橋や浅草など都心まで直通で約30分、沿線の船橋、松戸、柏などへは20分以内でアクセス可能。さらに、成田空港と羽田空港の両方に直通で行けるのも便利です。
※ちなみに、鎌ケ谷市の表記には「鎌ケ谷」「鎌ヶ谷」の2つが混在しています。一般的な市名として使う場合は「鎌ケ谷」を使っており、市の条例においても「ケ」を使うことが定められています。ただし、駅名としては「鎌ヶ谷」を使うこともあるため(東武野田線以外の路線)、この記事でも2つの表記が混在しています。
こうした利便性をさらにアップさせる施策も着々と進行中。新鎌ヶ谷駅、東武アーバンパークライン(東武野田線)の鎌ケ谷駅、新京成線の初富駅周辺には、商業施設をはじめ総合病院、保育園、銀行、市役所、市民ホール、図書館などの施設を集約。市民生活に便利な施設が集まるコンパクトシティを形成しています。
市域は北総台地のなだらかな地勢にあります。千葉県が作成した「ゆれやすさマップ」では、市全域が県北西部地域でも比較的揺れにくいことが示されており、市でも「ゆれにくい街鎌ケ谷」をアピール。また、標高は13~28mとなっており、隣接する市に比較して高い場所に位置します。はるか昔、東京湾深く海水が入り込んだ「縄文海進」でも水没しなかったとの記録もあります。地震等による海面上昇が起きても、水没しにくい特性をもった土地なのも特徴です。
東京都心からわずか25kmとアクセス至便で、災害等にも強い住宅都市である一方、緑豊かな自然や農地が多いのも鎌ケ谷市ならでは。市制記念公園や貝柄山公園をはじめ、豊かな自然を活かした公園が点在しています。農業では果物の生産が盛んで、梨、ブドウ、桃、ブルーベリーなどを栽培。なかでも梨は特産品として名高く、江戸時代の末期から栽培が始められ、今では鎌ケ谷市の主要産業のひとつに。市内各地の農園では、フルーツ狩りや果物の直売を実施しており、遠くへ出かけずとも旬の果物が楽しめるのも鎌ケ谷市ならではです。
以上のように、住宅都市として数々の好条件を有しながら、近隣の市に比べ地価が低めなのも見逃せないポイント。東京近郊で家を買うことを考えるならば、ぜひ候補に入れたい土地といえるでしょう。
02| アクセスと主要駅:日本橋まで直通で30分。羽田空港へもスイスイ
市内を私鉄4路線(成田スカイアクセス線、東武アーバンパークライン〈東武野田線〉、新京成線、北総線)が交差するように走る鎌ケ谷市。アクセスの中心となるのは市内中心部に位置し、すべての路線が通る新鎌ヶ谷(新鎌ケ谷)駅となります。ちなみに、新京成線は北総線の線路を借りての運行で、利用上は同一路線となります。
新鎌ヶ谷(新鎌ケ谷)駅から東京都心方面へのアクセスは、成田スカイアクセス線直通で浅草へは約30分、日本橋へは約35分。東京駅へは東武アーバンパークライン(東武野田線)→JR総武本線利用で約45分です。一方、千葉県内の主要駅へは、船橋駅へは東武アーバンパークライン(東武野田線)で約10分、柏駅へは東武アーバンパークライン(東武野田線)で約11分、松戸駅へは新京成線で約20分と沿線都市へのアクセスも良好です。
さらに、成田空港へは成田スカイアクセス線で約40分、羽田空港へは1時間10分ほど。いずれも乗り換えなしアクセスが可能と、飛行機利用の際の利便性が非常に高いのも特徴です。なお、成田空港へは、国道464号線を利用すれば車でも1時間弱でアクセスできます。
市内は路線バスのちばレインボーバス、新京成バスがカバーするほか、全線100円で利用できるコミュニティバスが3路線5ルートで運行し、市内移動の便を図っています。
03| メイン駅周辺の様子:生活必需品が何でも揃う2大ショッピングモール
鎌ケ谷市の中心部に位置する鎌ケ谷駅。北総線の開通に伴い1991年に開業しました。以後、翌92年に新京成新鎌ヶ谷駅、99年に東武野田線新鎌ケ谷駅が開業し、現在の姿になります。こうした経緯もあり、北総線・京成成田空港線と新京成線は並列する高架駅になっていますが、東武野田線(東武アーバンパークライン)はやや離れた位置に。乗り換えは若干時間がかかりますが、乗り換え通路があり雨の日も傘をささずに往来できます。
駅前で目につくのは、2つの大型ショッピングモール。駅東口側にあるのが「アクロスモール新鎌ケ谷」。店舗面積は市内第2位の規模を誇ります。ファッション、雑貨、リビンググッズ、飲食店をはじめ約70店舗が1階、2階のフロアに展開。書店やドラッグストア、銀行、スポーツクラブなどもあります。
一方、北総線の線路を挟んだ向かい側、駅の東南に位置するのが「イオン鎌ヶ谷ショッピングセンター」。市内最大規模の商業施設となります。イオン鎌ヶ谷店とヤマダ電機が核店舗となっており、そのほかファッション、グッズ、飲食店など40以上の専門店が1階、2階のフロアに揃います。
上記の2大ショッピングモールで、日常生活で必要なものはほぼ手に入り、まさにワンストップショッピングが可能。さらに駅周辺には、パン屋やカフェなど個性的なショップも。また、計画的に造られてきた街だけに、駅近くに公園があるのもうれしいところ。
鎌ケ谷市役所までは徒歩約5分。各種手続きで気軽に立ち寄れるのも魅力です。その際は、ぜひ屋上スペースへ上がってみたいもの。「かまがやスカイビュー」と銘打ち、一般開放されているスペースからは、空気が澄んだ日は東京スカイツリー(R)とその後方に富士山が配置された絶景を見られます。周辺に高い建物がないおかげともいえ、閑静な住宅地が広がるエリアなのが実感できます。
04| 治安:犯罪件数が少なく、各種防犯対策も着実に実施中
鎌ケ谷市の犯罪件数を見ると、2021年の総数は577件。2011年は1,494件となっており、着実に減少していることがわかります。また、2021年の内訳を見ても、凶悪犯の割合は5.5%と低率で、64.3%と半分以上を窃盗犯(非侵入盗)が占めており、その多くは自転車盗となっています。治安は非常によいといえるでしょう。
これは、青色回転灯付防犯パトロール車による夜間パトロール実施、自治会等の防犯パトロールへの支援、防犯灯の設置・維持活動、移動交番車による巡回、防犯カメラの設置など、さまざまな防犯対策が寄与しているといえます。
さらに、児童生徒の登下校時のパトロール実施。子どもの見守りカメラ(防犯カメラ)や全ての庁用車にドライブレコーダーを設置するなど、子どもたちの見守りが充実しているのも、子育て世代には安心です。
05| マドリームが選ぶ鎌ケ谷市のおすすめスポット
公園も多く、憩いの場に事欠かない鎌ケ谷市には、他ではお目にかかれないスポットも。マドリームおすすめのスポットを3か所ご紹介。
①:地元民を見守り続ける「鎌ケ谷大仏」
写真提供:公益社団法人千葉県観光物産協会
新京成線のその名も「鎌ヶ谷大仏駅」から徒歩すぐの墓所にある大仏様は、江戸時代の作で、高さは約1.8m。市の指定文化財に指定されています。
江戸川河口の行徳と利根川の木下河岸を結ぶ木下街道の宿場町・鎌ケ谷宿の住人が、1776(安永5)年、先祖供養のために江戸・神田の鋳物師に鋳造させたもの。先祖代々の供養のために造られたもので、今でも個人の所有となっているとのこと。建立以来、鎌ケ谷名物として親しまれてきました。
最寄り駅の「鎌ヶ谷大仏駅」は、全国で唯一「大仏」の名が駅名に付いている駅で、関東の駅百選にも選定されています。
②:野鳥が集う池を中心に木々が鬱蒼としげる「貝柄山公園」
写真提供:公益社団法人千葉県観光物産協会
市内を流れる根郷川の最上流、谷津田と呼ばれる湿地帯だったところを、もとの景観を活かして整備した公園。「貝柄山」という地名は、公園の南側にある市内最大の貝塚「中沢貝塚」を由来としています。公園の名称は、この「貝柄山」が由来となっています。
写真提供:公益社団法人千葉県観光物産協会
敷地は、南北に細長く伸びた形。公園の中央には大きな池があり、多くの水鳥の姿を見られます。アジサイ、桜をはじめ40種、約1,700本の木々が公園を覆うように鬱蒼とした林をつくっています。公園を一周できる園路も整備されているので、散策をしながら自然の中でのんびりと寛げます。芝生の広場のほか、遊具も公園各所に置かれていて、子どもたちも楽しめそう。ウォーキングやバードウォッチング、自然観察、遊具遊びと、老若男女それぞれがリフレッシュできる公園です。
③:ファイターズ鎌ケ谷スタジアム
プロ野球球団・北海道日本ハムファイターズのファーム球場で、通称は「鎌スタ」。隣接する室内練習場、選手寮「勇翔寮」を含め、2軍の本拠地兼練習施設となっています。
球場ではイースタン・リーグの試合など年間60試合前後を開催。選手が打席に入る時には登場曲が流れ、2軍マスコットキャラクターも登場するなど、ボールパークとしての充実したイベントや、臨場感あふれる試合が楽しめます。
球場グルメも充実しており、スタジアム限定品の鎌スタドッグや鎌スタ丼はじめ、ファストフードからビールのお供まで充実。北海道名物が味わえるイベントも随時開催されています。また、スタジアム周辺には選手たちが行きつけの食事処も点在。そちらで腹ごしらえをするのもおすすめ。
イベントも随時開催されるので、野球観戦を含め、1日たっぷり遊ぶこともできます。寮が隣接していることもあり、選手と触れ合える機会も多く、サインをもらいやすいスポットも。ダルビッシュ有選手や大谷翔平選手をはじめ、数々の有名選手が巣立っていったスタジアム。将来のスター候補を探す楽しみも、ファーム球場ならでは。
06| 独自の支援制度:妊娠から出産、子育てまで、きめ細かにサポート
鎌ケ谷市では、保健師・助産師・栄養士・歯科衛生士・保育士・子育て支援コーディネーターなど多くの専門家が一体となって妊娠から出産・育児までをサポート。初めてママになる人とその家族を対象に「Welcome Baby School」開催。助産師をはじめとした専門職がアドバイス。出産後には、助産師や保健推進員の自宅訪問が受けられ、ママの体調、母乳やミルクの相談などに対応してもらえます。
鎌ケ谷市では、2015年度から連続して待機児童ゼロを達成中。乳幼児期の保育園のほか、小規模保育事業の「駅チカあっとほーむ」、小学1~6年生までの児童が対象の放課後児童クラブなどで対応。放課後児童クラブでは、子どもの登下校の時間、防災などの緊急連絡を、保護者等のメールに配信するシステムを他市に先がけ導入するなど、先進の取り組みにも積極的。なお、子育てに関する情報は、市の子育て支援センターが運営するサイト「かまっこ応援団」で、いつでも閲覧できます。
また、市内には5カ所の児童センターを設置。0歳から18歳までが対象の子どもの遊び場で、ひとりでも、グループでも、大きい子も、小さい子も(未就学児は保護者同伴)一緒に遊ぶことができるのが大きな特徴。保育士と保健師の連携による「子育て親子の交流」や「子育ての悩み相談」、子ども達には「遊びや体験教室」を随時開催されます。
そして、小中学校には、教職員のほか様々な専門スタッフやサポート教員を配置。少人数教育指導教員(きらり先生)、特別支援教育推進教員(ほほえみ先生)、学校図書館司書、ALT(外国語指導助手)、理科支援員などが充実した学校生活を支援中。学校施設に関しても、全小中学校の校舎耐震改修が完了しており、全教室にエアコンを設置済み。ICT教育環境(タブレット)も充実しています。
まさに、子育て・教育環境が充実した街といえるでしょう。
07| 鎌ケ谷市に住みたいと思ったら、知っておきたい家賃相場と新築物件の価格帯
鎌ケ谷市の家賃や新築物件の相場は次の通りです。
賃貸マンション・アパートの目安は下記。
2DK:55,000円
3DK:65,000円
1LDK:75,000円
2LDK:85,000円
新築・分譲一戸建ては
3,000万円台前半
から多くの物件が販売されています。
中古マンションは
築5年~15年以内:2,000万円台前半
それ以上の築年数:1,000万円台後半
となります。