「都心から一番近いプチ田舎」がキャッチフレーズの小平市は、東京都心から電車で約30分の好立地でありながら、田園風景が広がり、武蔵野の面影を残す豊かな自然に触れられる街。玉川上水沿いなどには四季の自然を楽しめる散歩道が設けられ、街のあちこちでは、今なお現役で活躍する昔ながらの丸ポストにも出合えます。
便利さとのんびりした暮らしを両立させたい人にぴったりの小平市の治安、家賃相場、物件価格をご紹介します。
ライター:立花裕子(MAP&NEWS.net)
CONTENTS
01| 小平市の概要:水と緑に恵まれ、学校環境も充実した街
東京多摩エリアの東北部に位置する小平市は、面積20.51平方km、人口約19万7,000人。小平という名前の通り、全体的に平らで坂が少ない街です。
丸ポストのある風景
写真提供:一般社団法人こだいら観光まちづくり協会
市内には、江戸時代に引かれた玉川上水や野火止用水、狭山・境緑道などを結んで市をぐるっと一周する散歩道「小平グリーンロード」が整備され、ブルーベリーをはじめとした農作物の栽培も盛ん。直売所が約200か所もあり、地元の新鮮な野菜や季節の果物、花などを気軽に買うことができます。
小平グリーンロード
写真提供:一般社団法人こだいら観光まちづくり協会
02| アクセスと主要駅:新宿まで約25分、東京駅までは50分でアクセスが可能
西武新宿線小平駅
小平市には、JR武蔵野線と西武線が通っており、小平駅や新小平駅、小山駅など7つの駅があります。西武新宿線小平駅から西武新宿駅までは25分ほど、東京駅までは50~55分でアクセスできるので、通勤や通学に不便はありません。
市内の移動の足としては、大人1回150円で乗車できるコミュニティバス「にじバス」や<コミュニティタクシー「ぶるべー号」などが利用できます。
03| メイン駅周辺の様子:便利なお店が集まる小平駅南口側
小平駅南口ロータリー
小平市の代表駅である小平駅は、北口側と南口側でかなり雰囲気が違うのが特徴。少し歩けば広大な小平霊園がある北口側は石材店が多く、全体的に落ち着いた雰囲気。南口側は、駅前にスーパーマーケットやドラッグストア、100円ショップなどが揃い、高層住宅などもあって、暮らしに便利な環境が整っています。
日本一丸ポスト(ルネこだいら前)
写真提供:一般社団法人こだいら観光まちづくり協会
南口からすぐの「ルネこだいら(小平市民文化会館)」前には、高さ2.8mと日本一大きな丸ポスト「日本一丸ポスト」があり、「丸いポストのまち こだいら」のシンボルになっています。
都立小平霊園
04| 治安:人口1万人あたりの犯罪認知件数は東京都の平均より10件以上少ない
警視庁が発表している犯罪統計によると、2022年の小平市の刑法犯発生件数(認知件数)は807件。人口1万人あたりの犯罪認知件数は41.2件で、東京都全体の人口1万人あたりの犯罪認知件数約55.9件より、10件以上低い数字となっています。地域別で見ると、東大和市駅~小川駅、小平駅、花小金井駅周辺での発生件数が多め。犯罪の種別・手口別では、自転車盗難や万引きなどの非侵入窃盗が全体の約60%を占めています。
市内には、大学や専門学校、高校も多く、落ち着いた雰囲気の学園都市なこともあって、他地域に比べて治安はいいといえるでしょう。
05| プチ田舎の雰囲気を満喫できる休日のお出かけスポット3選
小平市の魅力は、都心へのアクセス良好な場所でありながら、身近に自然を感じられるところ。豊かな自然に触れながら、プチ田舎ののどかな雰囲気を満喫できる、おすすめのお出かけスポットをご紹介します。
①自然を楽しみながら散策できる全長21kmの散歩道「小平グリーンロード」
小平グリーンロード
写真提供:一般社団法人こだいら観光まちづくり協会
玉川上水緑道、野火止用水、狭山・境緑道、都立小金井公園を結び、小平市をぐるりと一周する約21kmの緑の散歩道。道程には、玉川上水の清流の音と景色を楽しめる「じょうすいこばし」をはじめとする癒しスポットや、オーナーが丹精込めて手入れした庭を見学できる数々の「オープンガーデン」などが点在しており、バードウォッチングや昆虫採集を楽しめるスポットもあります。
コースの途中には何か所か駅があるので、好きな場所から自分のペースでゆっくり散策できるのも魅力。春は桜のトンネル、夏はアジサイ、秋は紅葉など、四季の自然を楽しめるサイクリングコースも人気です。
②国内外約1,600種の薬草・草木を栽培する「東京都薬用植物園」
東京都薬用植物園
1946年に開設された、東京都内唯一の薬用植物園。薬務行政の一環として薬用植物を収集・栽培しており、国内外の貴重な薬草や木々約1,600種類が栽培されています。3.2haと広い園内は14の区画に分かれており、研究室等以外は自由に散策が可能。カタクリやキンランなどが自生する雑木林や、ガマなどが育つ水生植物区、アイやラベンダーなどを栽培する染料・香料植物区などがあり、さまざまな果樹や花も栽培されているので、四季折々の景色を楽しめます。漢方薬の原料になる植物、染料・香料の原料になる植物など、テーマごとに植物を観察できるのも魅力のひとつとなっています。
園内にある「薬事資料館」では、薬用植物の解説や薬に関する展示も見ることができます。
③江戸時代の小平の暮らしに触れる「小平ふるさと村」
小平ふるさと村
江戸時代に小平に立ち並んでいた農家屋敷等を移築・展示し、小平市の歴史と昔の暮らしを伝える古民家園。往時は街道沿いに並び立っていた住宅・施設のうち、「旧神山家住宅主屋」、「旧鈴木家住宅穀櫃」「旧小川家住宅玄関棟」「旧小平小川郵便局舎」の4棟が移築復元されており、開拓当初の復元住居、水車小屋、消防小屋といった建物も再現されています。
春はハナモモやシダレザクラ、夏はアサガオやクチナシ、秋はキンモクセイやサザンカ、冬は寒咲きアヤメなど、四季折々の植物も楽しめます。昔の遊びを体験する催しや工作教室、マルシェなどのイベントも盛んで、四季折々の自然とともに昔にタイムスリップしたかのような気分を味わえます。
06| 独自の支援制度:市内の7大学と連携して、学生と地域の交流を推進
市内に多くの大学がある小平市では、地域の活性化や行政と大学の連携を目的として、7つの大学で組織された「小平市大学連携協議会(こだいらブルーベリーリーグ)」があり、学生と地域をつないだり、NPO団体との出合いの場を作ったりといった活動を行っています。また市民活動も盛んで、子育てサポートから自然を楽しむ会まで200以上の市民団体が活動しており、市民活動支援センター「あすぴあ」といった施設も設けられています。
市の施設としては、「小平市ふれあい下水道館」がユニーク。誰でも自由に本物の下水道管の中に入れる日本で唯一の施設で、月に1度、小学生を対象に無料で学習講座も実施されています。
07| 知っておきたい家賃相場と新築・中古物件の価格帯
小平市の賃貸物件の家賃相場は次の通りです。
1LDK:86,900円
2DK:79,500円
2LDK:115,400円
3LDK:158,100円
小平市の新築・分譲一戸建ての価格相場は、3,000万~7,000万円台です。中古マンションの価格相場は、3,000~4,000万円台となっています。
小平市の家賃相場を近隣の市と比較してみると、小平市の2LDK相場:115,400円に対し、東久留米市は131,800円、東村山市は118,400円、東大和市は85,800円、小金井市は164,900円、立川市は146,900円、国分寺市は158,900円ほどです。JR中央線が走る南部の市よりは安めで、東村山市とほぼ同等程度となっています。
この記事を書いた人
立花裕子(MAP&NEWS.net) ライター