「買って住みたい街」近畿No.1。治安もよくレジャースポットも多い、家族で住みやすい魅力的な街・姫路市

姫路駅直結の展望デッキ・キャッスルビューから見た姫路城
写真提供：姫路市

国宝・姫路城で有名な姫路市。兵庫県の南西部に位置し、面積は約534平方kmで県の第3位、人口は約52万人（2024年3月現在）と神戸市に次ぐ第2位。北は書写山をはじめとする山間部、南は瀬戸内海に面し、44の島から構成される家島諸島もある、とても大きな街です。

ひと昔前は、姫路をはじめ播磨地方の話される播磨弁のイントネーションが強いことや勇壮なけんか祭りが有名なことから、怖い街なのではというイメージがあったようですが、1993年の世界遺産登録と、2015年の「白鷺城」という別名通り真っ白に大改修された姫路城と同じく、街もイメージも一新しました。

姫路駅前に加えて、姫路市全体の再開発が進んだことにより、移住者も増加。自然豊かで、一年を通じて穏やかな気候、災害が少ないということも魅力で、LIFULL HOME'S 「買って住みたい街ランキング近畿版」では、2023年、2024年の二年連続第１位に輝いています。

洗練されたデザインに再開発されたJR姫路駅

姫路は交通アクセスにも恵まれた街です。JR姫路駅は山陽新幹線と、在来線の山陽本線、北東エリアに向かう姫新線、北西エリアに向かう播但線のターミナルになっています。

山陽本線の姫路駅は新快速電車が停車。三ノ宮駅まで約37分、大阪駅まで約57分。京都駅まで約85分で行き来でき、通勤・通学、お出かけに便利です。

山陽新幹線は時間によって「のぞみ」も停車するので、東京方面、広島・博多方面に行くのもスムーズです。

また、在来線、新幹線ともに車窓から姫路城を望むことが可能。毎日、世界遺産を見ることができるなんて贅沢ですね。

海側には私鉄の山陽電鉄も走り、神戸三宮、大阪梅田へ1時間以内で移動可能。海を見ながら毎日旅気分を味わえます。

市内はバスがくまなく走っているので、少し郊外の住まいでも安心です。

多彩なお店や公共施設も揃い、生活に便利な「piore姫路」

姫路駅周辺は商業施設が充実しています。

まず姫路駅には「piole（ピオレ）姫路」が直結。1、2、3と3つのビルがあり、ファッション、雑貨、カフェ・レストラン、美容院、クリニック、学習塾、生鮮食料品を扱う「パントリー」も集結しています。

また、駅の目の前には、映画館の「アースシネマズ姫路」や、22時まで開いている「マックスバリュテラッソ姫路店」などが入るショッピング、ファッションビル「TERASSO（テラッソ）姫路」もあり、贅沢。

どちらも、通勤・通学や外出帰りの買い物や飲食に、休日のショッピングやレジャーに便利です。

姫路城を真正面に構える大手前通り。城下町であることを実感できる
写真提供：姫路市

姫路城から姫路駅に一直線に伸びる大手前通りは、ありとあらゆるお店が建ち並び、いくつもの商店街も東西南北に密集しているので、いつもにぎわっています。

そのなかで、全国的にも有名な「ヤマサ蒲鉾」は姫路が創業地で、大手前通りには直営店があり、観光客だけでなく、地元の人も買い物に訪れます。ここで買った練り物をはじめ、おでんをショウガ醤油で食べるのが姫路スタイル。移住してハマる人も多いようです。

駅周辺はもちろん、郊外にもイオンやラムー、業務用スーパーなどの大型店、ホームセンターなどもたくさんあります。

姫路市は、以前は治安が心配されていましたが、姫路城の世界遺産登録と駅前再開発を機に街が生まれ変わりました。

姫路城を目当てのインバウンドの増加もあって、防犯カメラが各所に設置され、交番や警察官も多いので安心。子どもたちの下校時間に合わせてパトロールカーも走行しています。

2023年の犯罪認知件数は3,678件、人口1,000人 あたり7.0件。多くは自転車窃盗なので、利用者は決められた場所に駐輪し、施錠をしっかりしましょう。また、駅前は繁華街があり、海側は人通りが少なくなるので、暗くなってからの一人歩きには注意を。

世界遺産のお膝元で暮らせる、都心なのに程よく田舎でゆったり過ごせるといったことから人気の姫路市で、毎日をより豊かにしてくれるスポットを紹介します。

ライトアップされた幻想的な姫路城も市民の楽しみ
写真提供：姫路市

安土桃山時代の武将・池田輝政が築城。白鷺が羽を広げたような佇まいから「白鷺城（しらさぎじょう）」とも呼ばれています。当時のままの天守が現存する歴史的価値の高さと美しさから、1993年、奈良県の法隆寺とともに日本初の「世界文化遺産」に登録されました。

また、2015年には16年にも及ぶ「平成の大修理」が完了。外壁などが真っ白の漆喰（しっくい）塗りにお色直しされました。

三の丸広場では、定期的にイベントやお祭りも開催される

天守閣の下には広大な「三の丸広場」が広がり、子どもを遊ばせたり、ちょっとしたピクニックを楽しんだりもできます。

懐かしさが漂う城内の動物園。ライオンやキリンなどの出会いに子どもは大喜び
写真提供：姫路市

また、姫路城一体には、兵庫県立歴史博物館や、蔵書豊富で姫路城を眺めながら読書ができる姫路市立場内図書館、姫路市立動物園などもあり、観光客だけでなく、住民にもよく利用されています。

姫路市は自然に恵まれ、公共の施設も充実しています。いくつかピックアップしました。

ハリウッド映画『ラストサムライ』など撮影にもよく利用される圓教寺境内
写真提供：姫路市

標高371メートルの「ふるさと兵庫50山」のひとつ。山頂には西の比叡山と呼ばれる天台宗の寺院「書寫山圓教寺（しょしゃざんえんきょうじ）」があります。精進料理を食べたり、写経や座禅を体験したりでき、姫路の学校の課外活動でも利用されています。

書写山山頂まで約4分の空中散歩
写真提供：姫路市

山頂まではいくつかの登山コースがありますが、麓から山頂までは「書写山ロープウェイ」で登頂可能。全長781メートル、高低差211メートル。姫路市街や明石海峡大橋、淡路島、晴れた日には徳島県の鳴門方面、香川県の小豆島を見渡すことができます。また、山頂駅に設置された展望デッキ「ミオロッソ書写」からも絶景が楽しめます。

世界的建築家・安藤忠雄氏が設計。本格的な天体観測が可能
写真提供：姫路市

全国でも珍しい宿泊できる児童館。口径90センチの天体望遠鏡があり、宿泊や特別なイベント以外は誰でも無料で星の観察ができます。また、広々とした芝生広場や読書室、プレイルーム、地元食材を使ったレストレランもあり、大人も楽しめると住民にも人気です。

緑と四季折々の花に溢れる園内の大花壇
写真提供：姫路市

姫路駅のすぐそばにありながら、約38ヘクタールもの面積を誇る公園。広場や遊具も完備されているので、使い方、過ごし方は自由自在。また、温室植物園や姫路市立の水族館、野球場、陸上競技場もあるので、学校行事や部活動でも利用されています。

遠くに行かなくても家島諸島で旅気分
写真提供：姫路市

大小合わせて40以上の島々からなる諸島。そのうち、家島、坊勢（ぼうぜ）島、男鹿（だんが）島、西島には人が暮らしています。各島へは姫路港からフェリーで約25分〜30分ほどの近さ。海水浴や釣り、カヤックなどが楽しめ、オーシャンビューの旅館、漁師飯が味わえるお店、古民家を改装したカフェなども充実。最近は移住者も増えています。

姫路市は移住と育児に力を入れています。

2024年度から、播磨地域の7市8町を除く地域から、姫路市の人口減少率や高齢化率が高い地域に移住して住民登録をした39歳以下の若者世帯に最大50万円が支給されます。中学生以下の子どもがいれば、子ども一人ずつに子育て支援金もプラス。0歳児を150万円とし、1歳ごとに10万円減額した金額が支給されます。しかも、新幹線通勤者には通勤手当てとの差額を1か月あたり2万円上限に助成。移住者にとって魅力的な制度です。

育児制度としては、3〜5歳までの幼稚園・保育園・認定こども園などの利用料が無償。2024年7月からは0歳から18歳までの医療費の自己負担額を所得制限なしで全額助成してもらえます。

2024年3月には、妊娠・出産から思春期までの子育てを切れ目なく支援するこどもの未来健康支援センター「みらいえ」がJR東姫路駅前に完成。赤ちゃんや小さな子どもを遊ばすことができるフリースペースや子ども用トイレ、授乳・オムツ替えススペースも完備され、ママ・パパに便利。保健師、助産師、管理栄養士、歯科衛生士、保育士、精神保健福祉相談といった専門家に相談もできます。

また、姫路駅に直結するピオレ姫路6階には、地域子育て支援拠点「駅前すくすくひろば」を設置。オモチャや絵本が用意され、赤ちゃんや小さな子ども連れで気軽に利用でき、子育て相談も可能です。

姫路市の家賃や新築物件の相場は次の通りです。

賃貸マンション・アパートの家賃相場

ワンルーム　6.23万円
1K 5.36万円
1DK 5.73万円
1LDK 7.52万円
2K 4.28万円
2DK 5.23万円
2LDK 7.20万円
3K 5.07万円
3DK 5.50万円
3LDK 8.54万円

新築・分譲戸建て：1,880〜4,830万円

中古戸建て：20年以上990万円〜3～5年以内3,241万円

中古マンション：20年以上1,298万 〜3～5年以内3,158万円

「買って住みたい街」のトップに選ばれていることもあり、物件の相場は上昇傾向にあるようです。ただ、神戸市や西宮市といった兵庫屈指の住宅街と比べると手が届きやすいといえるでしょう。