平安遷都以来、1200年の歴史を誇る京都。伝統ある寺社仏閣や数多くの文化財で知られ、日本を代表する観光地です。京都というと古都ならではの佇まいが頭に浮かびますが、京都府全体を見渡してみると、多彩な顔が見えます。北部は日本海に接してリアス式海岸が続き、中央部は山地が連なり多くの部分を森林が覆い、さらに南部は奈良、大阪へのアクセス便利な住宅地です。また、西陣織をはじめとした伝統産業が有名ですが、これらの地場産業が培ってきた技術力を活かしたハイテク産業でも日本をリードする存在。古都ならではの生活を楽しむもよし、豊かな自然の中での田舎暮らしを実践するもよし、生活の拠点を京都において近畿エリアの主要都市へ通勤するもよし、住むエリアを選ぶことでいろんな生活を実現することができます。
CONTENTS
01| 京都府の概要:南北に細長く、地域によって多彩な顔を持つ
嵐山と渡月橋
位置や面積:県域の74%を森林が占める自然豊かな土地
近畿地方のほぼ中央にあり、北は日本海と福井県、東は三重県と滋賀県、南は大阪府と奈良県、西は兵庫県と接する京都府。県の面積は日本の国土の約1.2%にあたり、都道府県の中で31番目の大きさ。南北約140kmにもなる細長い形をしており、北は日本海に接し、中央は山地、南は平野が広がっています。
京都といえば日本を代表する古都であり、人気観光地として知られますが、中央の山地をはじめ森林が多く、県域の74%を森林が占めています。また、北部は日本海に面してリアス式海岸が続く風光明媚な土地で、海と山の自然に恵まれています。
気候:京都市内は典型的な内陸気候、北部は典型的な日本海気候
気候は、県のほぼ中央に位置する丹波高地が境目となり、北側が日本海型、南側が内陸型に大きく分かれます。北部でも丹後半島エリアは日本海側ならではの気候、北部の山間地帯は日本でも有数の豪雪地帯、京都市街をはじめとした盆地は夏暑く、冬は寒い典型的な内陸気候、さらに最南部は穏やかな瀬戸内気候となっています。住むエリアによって大きく気候が異なるので、移住にあたっては考慮が必要でしょう。
過去の災害を見てみると、梅雨末期に集中豪雨の発生が多い傾向にあり、小河川の沿線などでは氾濫への警戒が必要です。台風の被害はさほど多くありませんが、京都市内から南にかけての地域は風害、桂川・由良川流域では水害の発生が見られます。なお、紀伊半島から東海地方へ進む台風においては大雨に見舞われることがあり、なかでも丹波山地が豪雨の中心となります。
地震については、過去に京都府周辺が震源となった海溝型地震はなかったようですが、南海トラフで発生する地震で被害を受ける可能性があります。特に南部の市町村は著しい地震災害が生じる可能性があることから「南海トラフ地震防災対策推進地域」に指定されています。なお、京都盆地・亀岡盆地、木津川・宇治川流域に沿った地域は、地盤がやや軟弱なことから周辺より揺れが強くなる可能性を指摘されています。
人口:京都市の人口集中率は5割を超えるが、府全体では減少傾向
京都の市街地の風景
2023(令和5)年の京都府の人口は約253万人で、47都道府県で13位にあたります。市町村別の人口は、京都市が約144万人、以下、宇治市が約17万5,000人、亀岡市が85,000人、長岡京市が約81,000人と続き、福知山市、舞鶴市、城陽市、京田辺市、木津川市が7万人台となっています。なお、京都市の人口集中率は50%を超えており、これは都道府県庁所在地では京都と東京だけとなっています。この1年で人口が増加したのは京田辺市と長岡京市の2市。13市11町村は人口減少となっており、京都市が最も多く5,478人の減少となりました。
産業:大学・研究機関をベースに、伝統とハイテクが並立
「京都の産業」というと、まず思い浮かぶのは観光業でしょう。確かに、京都市は宿泊業や飲食業を含む第3次産業の割合が非常に高くなっていますが、京都府全体の府内総生産(2020年)構成比を見ると、最も多いのは製造業の25.7%で、これは全国平均の20.0%を大きく上回っています。京都では、もともと西陣織や京友禅、京焼などの町中で行われてきた伝統産業が盛んで、こうした老舗企業の持つ伝統技術をベースにしながら、幅広い分野のハイテク産業が育ってきました。
今では、京セラ、村田製作所、堀場製作所、日本電産、任天堂、オムロン、ロームをはじめ、名だたるハイテク企業が京都に集まっています。京都大学をはじめ多くの大学が新しい技術を開発するバックグラウンドとなり、独自技術をウリとするベンチャー企業も続々と登場しています。
以上のように製造業を中心とした第2次産業、観光を中心とした第3次産業と、それぞれ京都ならではの特徴を持ちますが、第1次産業である農業や水産業にも特徴があります。農業ではブランド京野菜の栽培や宇治茶の生産、山間部での丹波松茸や本シメジの収穫も盛ん。また、日本海では、ブリ、マグロ、サワラなどの水揚げが多く、アワビや岩ガキの養殖なども行われています。
02| 京都府の地域:北から大きく5つの地域に分かれる
●丹後(たんご)地域
日本海の宮津湾にある天橋立
京丹後市、宮津市、伊根町、与謝野町の2市2町で構成。リアス式海岸が続く日本海に面したエリア。日本三景のひとつ「天橋立」や、山陰海岸ジオパークに象徴される海・山の景観に恵まれています。また、重要伝統的建造物群保存地区の「伊根浦舟屋群」や「ちりめん街道」、古代丹後王国を伝える史跡など独自の歴史・文化が今に伝わります。農林水産業が盛んで、丹後産コシヒカリやブランド京野菜、間人(たいざ)ガニや伊根ブリなどをはじめ、多彩な農産物や水産物が生産されています。
●中丹(ちゅうたん)地域
舞鶴赤れんがパーク
舞鶴市、福知山市、綾部市の3市で構成。京都北部の中心となる地域。長田野工業団地、綾部工業団地をはじめ、わが国有数の工業団地があり、各種製造業の企業が集まります。また、日本海側の国際物流の一大拠点である京都舞鶴港も。各市とも中心部は都市基盤が充実していて生活に便利で、周辺には豊かな自然が広がります。
●南丹(なんたん)地域
南丹市美山町のかやぶきの里
亀岡市、南丹市、京丹波町の2市1町で構成。京都市に隣接し、電車や車で通勤・通学が可能なベッドタウンの性格を持ちます。一方で、住宅地を少し離れれば広大な自然が広がっており、都市近郊での田舎暮らしといったライフスタイルが叶います。食品産業を中心に各種製造業の企業も多く、京都先端科学大学や明治国際医療大学、京都医療科学大学、京都美術工芸大学、京都伝統工芸大学校など各分野の特色ある教育機関があります。
●京都市・乙訓(おとくに)地域
全長約6.6キロの烏丸通
京都市、長岡京市、向日市、大山崎町の3市1町で構成。京都府の経済・文化の中心。日本を代表する観光都市の顔を持つ一方で、西陣織、京友禅、京焼・清水焼などの伝統産業、さらに日本を代表する先端産業までが集積します。また、京都大学や同志社大学、立命館大学をはじめ、全国的に知られる大学が集まる高等教育の街です。
●山城(やましろ)地域
宇治市、八幡市、城陽市、京田辺市、木津川市、宇治田原町、和束町、笠置町、久御山町、井手町、精華町、南山城村の5市、6町、1村で構成。日本茶の代表的なブランドである「宇治茶」の主要産地で、山間を茶畑が覆っています。また、京都市だけでなく、大阪や奈良市内などへのアクセス便利な京都の交通の結節点であり、機械金属、食品などの製造業、物流関連産業が集結。我が国を代表する研究機関や研究開発型企業が集まる「けいはんな学研都市」の大きな部分を形成しています。
03| 京都府移住のメリット・デメリット: 京都市周辺はオーバーツーリズムの弊害も
●メリット
日本の歴史や文化が身近にある
平安神宮
中心部は平安京の時代から1000年以上の歴史を有し、第二次大戦時の空襲も東京や大阪などに比べると被害が比較的少なかったので、数多くの神社仏閣が昔のまま存在します。周辺地域にも、神社仏閣をはじめ遺跡の数々があります。また、伝統文化・産業がしっかり継承されているので日本文化の奥深さにも触れられるでしょう。住むエリアによっては、窓を開ければ有名神社仏閣が遠くに見えるといった生活も可能。桜や紅葉のスポットも多く、日本の美や情緒も大変身近に感じられます。
京都市は街がコンパクトで自転車移動に便利
京都タワーと京都市内の風景
京都市は日本有数の人口密集地域であり、商業施設や文化施設なども中心部に集中しています。住むエリアにもよりますが、自転車で気軽に出かけられるエリアで日常生活が事足りるのも魅力です。また、市内は電車、地下鉄、バス、タクシーなどが充実しているので、公共交通機関でも十分移動ができます。
バラエティ豊かな自然が楽しめる
京都市山科区の風景
京都市は盆地にあり、周りを山で囲まれているので、少し足をのばせば自然に触れあうことができます。また、京都府は南北に細長く、地域ごとに特色ある自然を有します。日本海に面したリアス式海岸、北部山間部の鬱蒼とした緑、南部の穏やかな田園風景など、府外に出かけなくても四季折々多彩な自然と触れ合えます。
伝統食をはじめ食文化が豊か
和菓子作りの道具
長い歴史の中で洗練を極めた和食、町中の老舗が代々作り続ける和菓子、清らかな水で醸す日本酒など、日本の食の伝統が身近に感じられます。また、カフェやレストランも京都ならではの進化を遂げており、個性あふれるお店が点在。また、スーパーなどでは京野菜や京料理の惣菜なども並んでおり、自宅でも京都ならではの食が楽しめます。
友人知人が観光のついでに訪門できる
祇園祭
新幹線を利用すれば、東西どこからでもアクセスしやすい京都。神社仏閣を中心とした観光を考えている友人知人も多いことでしょう。また、春の葵祭、夏の祇園祭、秋の時代祭りをはじめ、一年を通じて数多くの祭りが挙行されるので、こうした祭り・イベントに絡めて京都を訪ねたい人も多いのでは。そんなとき、案内人を務めたり、宿泊スペースを提供したりすることもできるので、喜んで会いに来てくれる人もいるのではないでしょうか。
●デメリット
京都市内はオーバーツーリズムで生活に影響が
京都市内は渋滞が多い
京都市は世界的に知られた観光地だけに、国内外から大変多くの旅行客が訪れます。そのため、近年世界各地の有名観光地で問題になっているオーバーツーリズム(観光公害)が発生しています。路線バスが激しく込み、数台見送らないと乗車できない、有名観光スポットが大混雑でおちおち見学していられない、といった報道が各種メディアでされています。それ以外にも、ゴミのポイ捨て、私有地への無断侵入、民泊の騒音などが指摘されており、いずれも市民生活に少なからぬ影響が出ているようです。従来は秋の紅葉シーズンなど観光のピーク時期での現象でしたが、最近はごく普通の週日でも同様の影響が見られるそうです。
京都市は“夏は暑く、冬は寒い”典型的な盆地の気候
大文字山からの眺望
京都市主要部は、東山、北山、西山などの山々に囲まれた典型的な盆地。夏は非常に蒸し暑く、冬は“京の底冷え”といわれるほどに冷え込みます。また、梅雨の時期の降水量もかなり多くなっています。温暖な気候の中で、のんびり過ごすというわけにはいかないようです。体感は移住以前に住んでいた地方との差で感じるため、「夏の蒸し暑さがたまらない」という人もいれば、「冬の寒さは耐えられないほどでもない」といった人もいるようです。
家賃相場は高め
鴨川沿いに並ぶ川床
京都市内は、古都としての景観を維持するために、建物の高さ規制をはじめさまざまな条件が課せられています。また、町家に代表されるように狭い地域に人々が住んでいて、古い住居の建て替えや更地も少なく、新築の賃貸マンションなどが増える余地がありません。こうしたことから賃貸物件に限りがあり、事情を知っている人がなかなか転居しません。学園都市の一面もあり、学生の数が多いため、リーズナブルな物件を見つけるのも難しいといいます。こういった背景もあり、中には強気な貸主もいて、物件によっては礼金の金額がかなり割高になっていることもあります。
04| 移住者の声
遺産、自然、そして食文化と奥深い京都の魅力にますます魅了される
2023年9月に、都内から京都市へ移住をされた中田絢子さんにお話をうかがいました。
都内で雑誌や書籍のエディターとして活動していた中田さん。旦那さんも都内の料理店で働いていました。京都移住のきっかけをこう語ります。
「夫が独立して店舗を持ち、夫婦で切り盛りしていくのが夢でした。店舗を持つならば夫の生まれ故郷である京都市で、と狙いを定めていました」。
その前段階として、まずは2023年5月に滋賀県大津市へ。旦那さんのお義母さまが現在もお住まいの実家へ引っ越しました。
「東京にいては物件探しも思うようにいかないので、京都市までアクセスのよい大津市へまずは引っ越しをして、実際に京都市内を回って、お店を開くことになる物件を見つけました。物件が決まったので、京都市内に住まいも定め、あとは開業へ向けて一直線。2024年3月、『スペイン食堂 ラ・ファローラ』を無事オープンすることができました」。
スペイン料理店ラ・ファローラ
京都市に移住して約半年、実際に住んでみての感想をこう語ります。
「歴史の教科書に載っているような神社仏閣や史跡がいっぱいあり、街を歩いているだけで歴史の舞台に出合えます。散歩をしたり、大河ドラマなどを見たりするのが楽しくなります! 美術館をはじめとした文化施設やセンスのよいショップ、おいしい飲食店がたくさんあるのもいいところですね。わざわざ遠くへ出かけなくても、生活が豊かになりました」。
また、京都市ならではのならではのロケーションも気に入っているポイントだそう。
「気分転換をしたいときは、鴨川沿いや電車に乗ればすぐの琵琶湖(滋賀県)のほとりへ行って、ボーッとしたり、ランチをとったりしています。京都市はおいしいパン屋さんも多いので、お気に入りのパンを買ってのんびりすることも。ちょっと足を伸ばせば自然に触れ合えるのも京都市ならではです」。
現在、日中はエディターとして、夕方からはお店のフロアスタッフとして働く中田さん。定期的に東京へも出向きます。
「東京でお付き合いのあった会社さんからも引き続きお仕事をいただいているので、雑誌や書籍の取材・撮影のために東京へ出かけています。京都と東京、2つの都市のいいところを満喫できるバランスのよい生活が、私にはとても心地いいです」。
一年のうち収穫期間が2週間ほどしかなく、地元でしか出回らない滋賀のアドベリー
まだまだ始まったばかりの京都での生活ですが、今後この地でやってみたいことが次々と浮かんでいるそうです。
「京都も滋賀も食材や食文化がとても興味深いんです。例えば、京都大原の朝市に行くと、今まで見たことのない地元野菜がたくさんあったり、琵琶湖では固有の魚がとれたりします。あと、どちらも独自の発酵文化を持っているのも面白いです。京都ならすぐき漬け、滋賀なら日野菜漬けや鮒寿司などが日常に浸透しています。他にも幻のフルーツといわれる滋賀のアドベリーも注目です。深堀りしていくと、独自の食文化がいろいろ出てくるので、自分の目と舌で確かめ、プライベートでもお店のメニューでも取り入れていきたいです」
美容食インストラクター®の資格を持つなど、人一倍食への関心が高い中田さん。夫婦二人で営むスペイン料理店を盛り上げていくとともに、食文化の追求も一層深まっていきそうです。
ラ・ファローラのインスタグラムはこちら
https://www.instagram.com/la_farola_kyoto/
05| 京都府移住で失敗、後悔しないための準備
仕事は製造業や宿泊・サービス業での求人が多い
●家の相場
京都市内の家賃や新築物件の相場は次の通りです。
賃貸マンション・アパートの目安は下記。
2DK:70,000円
3DK:80,000円
1LDK:85,000円
2LDK:90,000円
新築・分譲一戸建ては
3,000万円台後半
から多くの物件が販売されています。
中古マンションは
築5年~15年以内:3,000万円台前半
それ以上の築年数:2,000万円台後半
となります。
●仕事
<給与水準>
令和5年度地域別最低賃金によると、京都府は1,008円で、全国加重平均の1,004円をやや上回っています。首都圏(東京:1,113円、千葉:1,026円、埼玉:1,028円、神奈川:1,112円)に比べると、若干低くなっています。
厚生労働省が2023(令和5)年3月に発表した「令和4年賃金構造基本統計調査」の、都道府県別賃金(男女計)を見ると、京都府は305,600円となっています。残念ながら全国平均の311,800円を下回っています。ちなみに、首都圏では、東京375,500円、神奈川県が335,600円、千葉県は309,000円、埼玉県は305,200円。隣接の自治体では、大阪府が330,900円、兵庫県が312,300円、奈良県が310,600円となっています。
<主な仕事>
2024(令和6)年1月現在の求人倍率を見てみると、京都府は1.18倍となっており、全国平均の1.27倍をやや下回っています。
京都府の就業者数は113万9,827人となっています。産業大分類の従業者数を見ると、「卸売業、小売業」が20.5%、次いで「製造業」が16.2%、「医療・福祉」が15.5%、「宿泊業・飲食歳ービス業」が9.8%となっています。全国の構成比と比較すると、いずれもやや高い割合となっています。
冒頭でも紹介しましたが、京都府は大きく5つの地域に分かれ、それぞれが地域性を生かした産業が発達しています。現地での就職を考えるのであれば、こうした地域性を頭に入れて、求職活動をするのが賢明でしょう。
●京都府内のアクセス
京都駅
南北に長い京都府内を背骨のように走るJR各線をメインとしながら、京都駅を中心に多くの鉄道が府内をカバーしています。
丹後地域
京都駅からはJR嵯峨野線・舞鶴線を経由。地域内は京都丹後鉄道と丹後海陸交通バスが主要部分をカバー。京都駅から京丹後市(久美浜駅)までは約3時間15分、天橋立駅までは約2時間20分です。
中丹地域
京都駅からJR嵯峨野線を経由し、地域内をJR山陽本線と舞鶴線が主要部を結びます。京都駅から綾部駅までは約65分、福知山駅までは約1時間20分、西舞鶴駅までは約1時間30分です。
南丹地域
京都駅から亀岡駅まではJR嵯峨野線で約20分、京丹波町へは園部駅からバスを利用し約1時間、南丹市はJR嵯峨野線の八木駅から胡麻駅までの各駅が利用可能です。京都市へのアクセスが便利なエリアです。
京都・乙訓地域
京都駅を中心にJR嵯峨野線・京都線・奈良線・琵琶湖線、地下鉄、近鉄京都線が市内および周辺地域へとのびています。また、阪急河原町駅を基点に阪急京都線、嵐電嵐山本線、さらに京阪本線が市の東部を走り叡山電鉄へつながります。なお、京都駅から向日市(向日町駅)へはJR京都線で約7分、長岡京市(長岡京駅)へは約10分です。
山城地域
エリア内の主要部は、JR奈良線・関西本線・学研都市線、京阪宇治線、近鉄京路線がカバー。鉄道駅のない町はバスがカバーしています。
いずれの地域も最寄り駅から京都中心部へのアクセスは良好ですが、最寄り駅までは車での移動が基本となります。
06| 京都府移住に関する支援制度・補助金
多くのメリットがある「移住促進特別区域」への移住は要チェック
京都府では、「京都府移住の促進及び移住者等の活躍の推進に関する条例」に基づき、移住の受入に積極的に取り組む地域を「移住促進特別区域」として指定。市町村を通じて、指定地域へ移住する人へ支援を行っています。さらに、移住促進特別区域のうち、市町村が移住者や関係人口等も含むさまざまな人が活躍できるまちづくりの取組みを行う場合、「移住者受入・活躍応援計画」を策定すると、府が支援を行います。
移住促進特別区域の指定する区域の規模は、旧村または小学校単位としており、人口減少に対して対策を講じる必要性があることをはじめ、いくつかの要件を設けて選定。京都府全域で100以上の区域が指定されています。中でも丹後、中丹、南丹の各地域はそれぞれ30以上の区域があります。
指定区域に移住する場合には、京都府空家バンクに掲載されている登録空家を購入・賃借した際に、空き家改修等の支援として最大180万円、不動産取得税を2分の1に軽減、借入金の金利を借入残高の最大0.5%相当額補助といった支援があります。また、農山漁村地域に移住する場合は、移住者の起業には最大300万円の補助金を支援します。
このほかにも、「京都府移住支援金(地方創生移住支援事業)」として、東京23区に在住または近隣の地域に住んでいて23区内に通勤している人で、京都府の対象地域へのUIJターン(移住&就業)する人を対象として移住支援金を支給。支給額は世帯の場合は最大100万円、単身の場合は最大60万円となっています。
07| マドリームが選ぶ、京都府移住におすすめの地域
北部地域は移住支援が手厚く、南部地域はアクセスのよさがウリ
●京都市
京都市の風景
京都府の府庁所在地で政令指定都市の京都市。府内人口の5割強を擁する最大都市です。日本を代表する古都として歴史・伝統を今に伝える一方で、伝統産業からハイテク産業までが共存する「ものづくり都市」であり、多くの大学がある「学術研究都市」「大学のまち」そして「学生のまち」と、多面的な顔を持ちます。
京都市では、移住者を応援するための「京都移住サポートセンター」を開設しています。センターの移住ポータルサイト「住むなら京都(みやこ)」では、京都住まいの魅力を情報発信するとともに、電話・対面・オンラインで移住に関する相談にのってもらえます。センターは京都市内のほか、東京にも設置されています。
京都市は全部で11の区で構成されていますが、京都ならではの魅力を十分に体感しつつ、都市機能を活用した生活が営むことができると人気なのが、以下の3つの区です。
右京区
天龍寺の庭園
京都市の西部、桂川の東岸にひろがる右京区。人口は20万人を超え、面積は市内最大です。南部に広がる市街地には、春は御室の桜、夏は嵐山の新緑、秋は高尾の紅葉、冬は雪の嵯峨と、京都を代表する四季折々の景勝地が。一方、北部の水尾、宕陰(とういん)、高雄、京北の山間地域には緑豊かな自然が広がります。観光スポット以外のエリアは閑静な住宅街となっており、市内中心部へのアクセスも便利です。
左京区
京都大学
京都市の東北部に位置し、その面積は大阪市をしのぎます。東側は滋賀県大津市に接します。北部はのどかな農山村、中部は市街地と農村地が混じり合う地域、南部は都市的な地域と多彩な顔を持ちます。全体の約8割を山林が占め、京都府の最高峰・皆子山があるなど自然あふれる地域です。区内には、世界遺産に登録されている下鴨神社や銀閣寺はじめ有名な社寺が多数あるほか、久多の花笠踊、大文字・妙法送り火、鞍馬火祭など伝統行事も数多く継承されています。また、大学が6つあり、市内各所で学生の姿を見かけるほか、京都会館,国際交流会館,琵琶湖疏水記念館をはじめとした文化施設も充実しています。
中京区
河原町御池の交差点
名前の通り、京都市の中心部に位置し、御池通・烏丸通・河原町通・四条通といったよく知られた通りに沿って、官公庁や金融機関、商業施設が集積。京都の行政、経済、娯楽、ショッピングなどの中心となっています。さらに、世界遺産の二条城や京都の台所・錦市場といった観光スポットも点在します。こうした賑やかなエリアですが、大通りから路地へ一歩入ると町家などレトロな町並みが表れ、伝統を大切に受け継ぐ市民生活が垣間見られます。大学も数多くあり、キャンパスの周辺が住宅街になっているエリアもあり、近年は場所によってはマンションも増えています。
●京丹後市
丹後松島
京都府の最北端に位置し、日本海に突き出た丹後半島の大部分を占めます。沿岸部は山陰海岸国立公園、丹後天橋立大江山国定公園に指定されています。内陸部は標高400~600mの山々が連なり、市域の4割は山地。海・山の自然に恵まれ、近年は「海の京都」として人気のエリアです。京都市や大阪府、兵庫県、関東圏から移住者が多いことで知られます。
「京丹後市移住支援センター」
移住相談の対応や移住希望者の現地案内、都市圏でのセミナー実施、移住ポータルサイト「丹後暮らし探求便」の管理運営などを通じて、市の魅力を発信しつつ、きめ細かな移住支援を行っています。丹後市では、府と共同で京丹後市移住支援事業補助金(地方創生移住支援事業)の支給を行っています。
「移住者(空家に移住する方)向け補助金」
京丹後市に移住予定・移住後1年以内の人に、居住スペースとして使われる空家のリフォーム工事費を最大230万円補助。
「結婚新生活支援補助金」
新婚世帯を対象に、婚姻に伴う住宅確保に係る経費を最大60万円、京都府外からの移住者が属する世帯は最大120万円を補助。
「多子世帯・三世代同居・近居支援補助金」
多子世帯及び三世代同居・近居世帯を対象に、住宅確保に係る経費を最大100万円、京都府外からの移住者が属する世帯は最大200万円を補助。
「京丹後市定住促進奨学金返還支援補助金」
大学等を卒業後に就職する者で、京丹後市に10年以上定住する意思があり、奨学金の返還を行う人に対して、最大10年間で360万円を補助。
●福知山市
福知山城から見た福知山市の風景
京都府の北西部、中盆地域に位置する福知山。由良川流域の福知山盆地にひらけた人口約75,000人の街です。京都市からは約60km離れていますが、JR山陰本線・福知山線および京都丹後鉄道宮福線、多くの国道や舞鶴若狭自動車道などが整備され、北近畿の交通の結節点となっています。
市の中心部には美術館などの文化施設や行政施設、病院などの医療機関、大型商業施設が集約されている一方、市街地を一歩離れれば田園地帯が広がっており、様々な暮らし方ができそうです。福知山市で特筆すべきは、合計特殊出生率が2.02人で、本州にある市の中で3位、京都府では1位と子育て世代の多い街であること(平成25~29年調査)。近年は、郊外で農業に就いたり、古民家カフェや農家民宿を営む人など、さまざまな生活を楽しむ移住者も増えています。
「移住定住サポートセンター」
移住希望者への住居、雇用、地域情報などに関するワンストップ相談・支援窓口となるサポートセンターを市役所に設置しています。また、ウェブサイト「Fuke Fuke Life」にて、お試し住宅、各種補助制度、空き家バンクの取りあつかい、就職・就農、子育ての相談などの情報を発信しています。なお、福知山市では府と共同で「福知山市移住支援金」の交付を行っています。
「お試し住宅制度」
福知山市への移住を希望する人に、一定期間福知山の生活を体験できる施設としてお試し住宅を整備しています。数日から最大1年までの利用が可能で、3カ月までは無料で利用できます。
●綾部市
由良川と白瀬橋
京都府の中央やや北寄りに位置し、京都府の面積の約7.5%を占める広大な市です。市の総面積の約77%は森林になっており、郊外は里山や田園の広がる自然豊かな地、市街地は古くから日本海と京阪神地域を結ぶ交通の要衝であったことから歴史・文化が蓄積された伝統ある町となっています。製造業を中心とした産業も発達しており、バランスよく様々な機能を備えています。市内にはJR山陰本線と舞鶴線の結節点となる綾部駅があり、京都駅までは約1時間、高速利用で車でも約1時間15分ほどです。
綾部市では移住・定住を支援するワンストップ窓口「あやべ定住サポート総合窓口」を設けています。空き家バンク事業による空き家の紹介をはじめ、移住・定住に関するさまざまな相談ができ、定住希望者を全面的にサポートしてくれます。また、「移住立国あやべ」と銘打った移住を促して綾部市を元気にするプロジェクトを展開。同名のウェブサイトでは、仕事や暮らし、子育て、定住サポートなど様々な情報を発信しています。
「綾部市空き家活用定住促進事業費補助金」
あやべ定住サポート総合窓口に登録し、定住する意思を持って本市へ転入した人、転入しようとする人が対象。主要構造部、トイレ、風呂、台所等の生活するために必要な改修に要する工事の経費を補助しています。金額は登録空き家の場合上限180万円、登録外空き家の場合上限90万円となっています。
「綾部市創業サポート奨励金」
個人または新たに設立した法人・組合で、これから事業を開始、または事業開始後1年未満の人で規定の条件に該当する人が対象。限度額30万円で、奨励金を支給しています。
「出産育児一時金」
国民健康保険の加入者が出産したときは、出産育児一時金として50万円が支給されます。
●木津川市
木津川市の風景
京都府の最南端に位置し、奈良市の中心部とは約8km、京都市や大阪中心部とは約30kmの距離にある木津川市。市内では、JRと近鉄、バスが運行しており、京都、奈良、大阪の主要部へのアクセス至便で、いずれも通勤・通学圏となっています。京都府内では京都市に次いで国指定文化財の数が多く、市内を縫って流れる木津川沿いの平野には里山があり、穏やかな自然も豊富です。
一方で、日本の最先端をいく数々の研究機関が立地する「関西文化学術研究都市」の中核都市といった顔も持ちます。町村合併で木津川市が誕生した2007(平成19)年時に約66,000人だった人口は、以後順調に増え続け、2021(令和3)年には8万人を突破。全国でも珍しい市となっています。この背景には関西主要部へのアクセスのよさとともに、子育て環境が良好なことも寄与。保育コンシェルジュや子育て世代包括支援センター「宝箱」など、子育ての相談窓口が充実していることで知られます。
木津川市では、府と共同で京丹後市移住支援事業補助金(地方創生移住支援事業)の支給を行っています。
「移住促進特別区域」
市内の加茂町瓶原地区は、京都府の移住促進特別区域に指定されており、市外から移住促進特別区域内の空家に移住する人は、京都府と連携して「移住促進事業補助金」が活用できます。空家改修等の支援で最大180万円、不動産取得税の2分の1軽減、借入資金の金利負担の支援を受けられます。また、移住者が起業する場合、施設設備にかかる経費のうち最大300万円の支援を受けられます。
08| 京都府の子育て施設:京都市は子育てを支援する施設が充実
・京都市「こどもみらい館」
乳幼児の子育て支援の推進を目的に運営されている、京都市の子育て総合支援センター。中京区にある地上4階、地下1階からなる施設です。子育て支援事業として、大型遊具やごっこハウスを備えた親子で遊べる室内スペース「こども元気ランド」、子育て中の親子に向けた各種講座、乳幼児の保護者同士で自由に語り合ったり、親子でふれあい遊びなどを楽しむ場「井戸端会議」のほか、「赤ちゃん広場」「あそびの広場」などを完備。子育てに関する専門書や絵本、DVD、CDなどが豊富に揃う「子育て図書館」も。対面による子育て相談、健康相談も行っています。
・京都市「京(みやこ)あんしんこども館」
正式名称は「京都市子ども保健医療相談・事故防止センター」。子どもの保健医療に関する相談・助言を行うとともに、子どもの事故防止に関する知識の普及向上を図るための施設。京都御所の西側のエリアにあります。開館時間中はいつでも小児科医、看護師、保健師が子どもの成長・発達や急病・ケガなどで困っていること、心配なことなどについて相談にのってもらえます。また、電話での子どもの保健医療相談を実施。館内には、家庭内の危険個所を実際の家具を用いて再現した「子どもセーフティハウス」もあり、事前予約制で担当スタッフが来館者に同道し、子どもの事故防止に関する説明してくれる見学コースも用意されています。
・京都市「ゆめあす」
正式名称は「京都市ひとり親家庭支援センター」。ひとり親家庭と寡婦(夫と離婚または死別した後再婚せず、独身でいる女性)の自立と生活のための相談・支援を行う総合センターです。仕事関連では、就業相談のほか就職準備セミナー、パソコン講習会、パソコン自習支援などを行っています。また、生活相談として無料法律相談、養育費や子どもとの面会などの相談、日常生活の相談などに応じてくれます。さらに、親と子の交流会や生活に役立つセミナーなども随時開催しています。
09| 京都府移住後は、伝統が育んできた多彩な食を楽しめる
京都の漬物
平安京遷都以来、1000年を超えて都が置かれた京都。公家、武家、神官、僧侶など様々な階層の人々が伝統文化を培ってきましたが、食もその例に漏れません。また、豊富な地下水が湧き、水はけがよく肥沃な土があるなど、自然環境も食の発展を支えてきました。
京野菜
京野菜とは一般的に、明治時代以前から栽培されており、京都府内でとれる伝統的な野菜を指します。中でも「京のブランド産品」として、京野菜は31品目が登録されています。別に「ブランド京野菜」というくくりもあります。よく知られているものには、「京みず菜」「九条ねぎ」「伏見とうがらし」「賀茂なす」「えびいも」「聖護院だいこん」などがあります。いずれも、通常の野菜より栄養価が高く、味が濃厚で、野菜本来の香りが強いといった特徴があります。
湯葉
中国で古くから精進料理の素材として用いられてきた湯葉は、鎌倉時代に日本へ伝えられたといいます。最初は公家などが食す高級食材でしたが、やがてお寺で参拝客に振る舞う精進料理の素材として使われるように。長い間、日本の政治・文化の中心であった京都で、欠かせない素材となっていきました。また、京都の水のよさも、おいしい湯葉がつくれる大きな要素でした。揚げ物やお造り、炊合せなどに用いられるほか、近年は洋食の素材としても注目されています。
京漬物
京都府内で収穫される野菜を使った漬物の総称ですが、京都の人々が好むのは、しょっぱくなく、あっさりと上品な味わいのもの。味の濃厚な京都産の野菜だからこそ醸し出せるおいしさです。その背景には、京都中心部はまわりに海がなく、古くから食料の保存技術が発達していたこと、盆地ならではの寒暖差のある気候、水質のよさなどがあるとされます。野菜の種類豊富なのも京漬物の魅力のひとつですが、中でも、聖護院かぶらを薄く切って昆布と漬け込んだ「千枚漬」、茄子など夏野菜を刻み赤紫蘇の葉で塩漬けにした「しば漬」、すぐき菜を伝統的な製法で乳酸菌発酵させた「すぐき漬」は京都の三大漬物として知られます。
西京漬
京都独特の白味噌である西京味噌に、魚や肉の切り身を漬け込んだ伝統料理です。海から離れた土地である京都中心部で、魚を保存し、美味しく食べるために味噌に漬け込んだのが始まりとされます。味噌床に漬け込むことで、味噌床にブレンドした味噌や醤油、酒の旨みが素材に移り、奥深い味わいを醸し出します。銀だら、さわら、鮭の西京味噌がポピュラーです。
抹茶
乾燥させた茶葉を茶臼で挽き、粉末状にした抹茶。現在の京都府宇治市あたりがその発祥とされます。鎌倉時代の初期に、臨済宗の開祖、栄西禅師が中国の宋から抹茶に湯を注いで飲む点茶法を伝えたとされます。また、茶の種子を持ち帰ったとされ、そこから宇治・山城の一帯で茶の栽培が始まったと伝わります。
15世紀の中頃から宇治茶は京都の天皇家や足利将軍家の庇護を受け、日本のトップブランドへと成長。また、16世紀になると「茶の湯」が楽しまれるようになり、それを昇華させた千利休による「詫び茶」が織田信長などに愛好され、そこで使用されたのが宇治の抹茶でした。こうした歴史を背景に、以後も様々な生産方法を確立してきた宇治は、今も日本を代表するお茶であり、抹茶であり続けています。
10| 京都移住後に食べたいパン
①志津屋の「カルネ」
「志津屋」は1948(昭和23)年、京都市の河原町で創業したパン店。現在は京都市右京区に本店を構え、市中心部の主要駅周辺をはじめ多くの支店があり、京都人にとってはおなじみのお店です。
この志津屋の看板商品で、京都のソウルフードという人も多いのが「カルネ」です。現在はバリエーションがあり、店舗によって扱う商品が違ったりもしますが、その元祖で定番なのが「京かるね」です。丸型のフランスパンにボンレスハムとオニオンスライス、マーガリンを挟んだシンプルなつくり。タマネギのシャキシャキ感が絶妙で、コクのあるオリジナルのマーガリンが全体をまとめ上げます。まさに食べ飽きることのない味わいで、つい手にとってしまう息の長い商品です。
②まるき製パン所の「ニューバード」
京都市下京区の松原商店街の一角にある「まるき製パン所」は1947(昭和22)年に創業。早朝から開店する街角のパン屋さんとして親しまれてきました。コッペパンを使った種類豊富な惣菜パン、菓子パンが揃いますが、なかでも京都の幻のレトロパンとして多くのファンを持つのが「ニューバード」です。
サクサク食感の揚げパンで、ほんのりカレー風味の生地の真ん中には四角い棒状のソーセージが。厚切りボンレスハムのレトロな味わいがクセになります。かつて、西湖堂という京都の大手製パン会社が「バード」というベーカリーチェーンを多店舗展開しており、その全盛期に新商品として投入したのが「ニューバード」。ところが、西湖堂は2000年頃に廃業。その後、懐かしい味を京都各地のパン店が独自のレシピ、形で再現し、いずれもニューバードの名前で販売するように。中でもまるき製パン所のものは、店頭に並ぶと同時にどんどん売れていく人気商品となっています。
11| 京都で家を建てるなら、こちらがおすすめ
舞鶴で生まれ育った代表が創業。歴史的な木造建築物に使われているものと同様の、十分に乾燥した天然無垢材を注文住宅に使用している。