大阪市の北東部に位置する東淀川区は、市中心部に通勤・通学する人たちが多く暮らす、閑静な住宅街が広がる地域。JR、私鉄、地下鉄が縦横に走っていて交通の利便性が高く、子育て支援や子ども・高齢者の見守り活動などにも力を入れていることから、世代を問わず暮らしやすい街になっています。
そんな大阪市東淀川区の住みやすさや治安、家賃相場、物件価格をご紹介します。
ライター:立花裕子(MAP&NEWS.net)
CONTENTS
01| 概要:交通便利なベッドタウンとして人気の街
崇禅寺
©(公財)大阪観光局
大阪市東淀川区は、人口約17万5,000人(2024年3月1日現在)、面積13.27平方km。大阪市内の24区中、第3位の人口規模を誇る街です。北には神崎川・安威川、南には淀川が流れており、淀川河川公園をはじめとして自然も豊か。交通の便がよく、元気な商店街もあるベッドタウンとして知られています。
阪急淡路駅周辺と阪急上新庄駅の周辺は、人が集まる買い物エリア。それぞれ駅周辺には商店街があり、日常的に買い物客でにぎわっています。
サイクリングロード「なにわ自転車道」
区内には、細川ガラシャの墓がある「崇禅寺」や、大正時代に東洋一の水源地と謳われた「柴島浄水場」といった名所・旧跡が点在し、淀川や神崎川沿いには散歩道やサイクリングロードが整備されていて、歴史や自然に触れられるスポットも充実しています。
02| アクセスと主要駅:阪急梅田駅まで約10分でアクセスが可能
阪急電鉄淡路駅
大阪市東淀川区の魅力のひとつは、充実した交通網。区内には、JRおおさか東線、大阪メトロ今里筋線、阪急京都線、阪急千里線の4路線が走っており、大阪市中心部はもちろん、京都方面へのアクセスも非常に便利です。
阪急淡路駅から大阪中心部の梅田駅へは、乗り換えなし・約10分で到着可能。京都一の繁華街・四条河原町へも、乗り換えなし・35~40分ほどでアクセスできます。
また、JR淡路駅からJRおおさか東線を使えば、新大阪駅まで約5分という近さです。
03| メイン駅周辺の様子:駅周辺と商店街で大抵のものは揃う
東淡路商店街
画像提供:ええやん!大阪商店街サイト
阪急淡路駅と阪急上新庄駅の周辺は、多くの店舗が集まる買い物スポット。とくに淡路駅は、西側にアーケード商店街の淡路本町商店街、東側に東淡路商店街があり、たいていの買い物はここで問題ないほど、さまざまな店舗が集まっています。
上新庄駅前のはなみずき通り
一方、阪急沿線のなかでもとくに乗降者の数が多い上新庄駅には駅ビルの「上新庄阪急プラザ」があり、各種ショップや飲食店、クリニックなどが揃います。また、駅から100mほど歩いた先には、アーケードがなくオープンな雰囲気の上新庄南商店街もあり、飲食店を中心に、大規模スーパーやクリニック、ファッション・美容分野の店舗などが並んでいます。
04| 治安:ボランティアによるパトロール活動が治安のよさを支える
大阪府警察が発表している犯罪統計によると、2023年の東淀川区の刑法犯発生件数(認知件数)は1,749件。人口1000人あたりの件数は約10件で、24区中8番目に少ない数字となっており、市内では治安のよい地域といえます。
大阪市の中心部エリアと異なり、東淀川区はほぼ全域が閑静な住宅街です。新大阪駅を擁する隣の淀川区では、近年シティホテル・ビジネスホテルの建築ラッシュもありましたが、その影響もあまりなく、観光客の姿は多くありません。
夜間や子どもたちの登下校時の「青色防犯パトロール」、月に一度の「見まもるデー」といった取り組みもあり、犯罪が起こりにくい環境になっています。
05| 週末に出かけたい、東淀川のよさを感じられるお出かけスポット3選
淀川と神崎川・安威川の間に広がる東淀川区は、豊かな自然と便利な交通に恵まれ、お出かけにも便利な街。休日に出かけるのにぴったりな、おすすめのスポットを紹介します。
①国登録有形文化財の建物も魅力「水道記念館」
水道記念館
柴島浄水場の旧「第1配水ポンプ場」を保存活用した、水道の歴史や浄水場の仕組みを学べる施設。映像でのナビゲートやパネル、実物の展示などを見ながら楽しく学べるようになっており、館内には、江戸時代の街並みをリアルに再現した「江戸時代のくらしと水」や、「水道のろ過実験コーナー・ペーパークラフトコーナー」といったユニークなコーナーもあります。
赤レンガと御影石で作られたネオ・ルネッサンス様式の建物は、1914年(大正3年)の完成で、関西建築界の巨匠・宗兵蔵氏の設計によるもの。現存する明治・大正建築として国の登録有形文化財となっており、建築物としても見ごたえがあります。
開館日は、冬季(12月~2月)を除く土・日曜、祝日で、春休み・夏休み中は平日もオープン。入場無料なので、気軽に立ち寄れるのも魅力です。
②個人店から大手チェーン店まで多種多彩な100店舗が集まる「淡路本町商店街」
淡路本町商店街
画像提供:ええやん!大阪商店街サイト
阪急淡路駅の西側駅前にある商店街。駅前からまっすぐのびる約300mのアーケード街をメインストリートとして、約100店舗が軒を連ねています。個人店もあれば大手チェーン店もあり、取り扱うものも食料品からファッション、サービス・医療・健康、飲食店まで多種多様。1980年から行われてきた「ついたちバーゲン」に代わり、2018年以降は、毎月各店のお買い得情報が満載のチラシを発行して「淡路にぎわい市」が開かれています。
また季節行事として、ハロウィンイベントや歳末イベントなども開催。歳末セールでは、ガラポンの抽選会やミニライブ、射的などの出店もあり、買い物にプラスαの楽しみも加わります。
③スポーツやバーベキューを楽しめる市民の憩いの場「淀川河川公園」
淀川河川公園
©(公財)大阪観光局
いくつもの区や市をまたいで淀川の河川沿いに広がる広大な公園。散歩道とサイクリングロードのほか、野球場やサッカー場、テニスコートなどの運動施設も整備され、散歩やジョギング、サイクリング、各種スポーツの場として親しまれています。
指定区域ではバーベキューも可能。マルシェや自然観察会、コンサート、スポーツ体験会など、エリアごとにイベントも充実しており、週末は多くの人でにぎわいます。子ども自転車教室やワークショップなどもあり、小さな子どもとのお出かけにもおすすめです。
06| 独自の支援制度:独自の子育て支援事業や民間事業者と組んだ見守り事業が充実
大阪市東淀川区は、「住んでよかった、住み続けたい東淀川区」の実現を目標に掲げて、街づくりを推進。重点課題として、にぎわいのある元気な街づくりのための担い手発掘や居場所作りの支援、子どもと子育て家庭を社会全体で支える総合支援体制の構築、福祉・健康への取り組みなどを挙げています。
具体的な制度やサポートとしては、まず子育てサークルやサロン、保育所・幼稚園の情報をはじめ、さまざまな子育て情報を提供し、交流会や子ども向け講座、イベントの開催も行っている「東淀川区子ども・子育てプラザ」が利用可能。また0~18歳の子どもは、大阪市共通の「こども医療費助成制度」の対象になります。加えて、東淀川区独自の取り組みとして、小学校高学年・中学生向けの個別指導型放課後課外学習「こぶしのみのり塾」があります。こちらは、大阪市の習い事費用助成制度を利用すれば、実費負担0円で利用可能です。
一方、福祉支援としては、民間事業者と協定を締結。区内2か所に設置した見守り拠点(ライフステーション)を中心とした、高齢者の見守り活動などが行われています。
07| 知っておきたい家賃相場と新築物件の価格帯
大阪市東淀川区の賃貸物件の家賃相場は次の通りです。
1LDK:79,300円
2DK:70,200円
2LDK:100,700円
3LDK:112,200円
大阪市東淀川区の新築・分譲一戸建ての価格相場は、3,000~4,000万円台です。
中古マンションの価格相場は、築5~10年以内では3,000万円台、築10年以上では2,000万円台となっています。
東淀川区の2LDK・3K・3DKの家賃相場は99,200円。大阪市24区のうち安い方から6番目で、市内では暮らしやすい価格になっています。
近隣市の家賃相場は、吹田市が116,900円、守口市が106,400円、摂津市が95,400円となっているので、これらの市と比べても、同等か暮らしやすい家賃といえます。
08| 東淀川区で家を探すなら、この不動産がおすすめ
「地域社会から必要とされ続ける企業」を目標に不動産事業を展開する株式会社アースリード。「お客様のために」を実現するべく、評価採点制度を導入している。子ども食堂や放課後の居場所として事務所を活用するなど、不動産以外でも街と人に力を尽くしている。
この記事を書いた人
立花裕子(MAP&NEWS.net) ライター