長野県の東部に位置する佐久市は、浅間山、八ヶ岳、蓼科山、荒船山などの山々に囲まれた、自然豊かな高原都市。年間を通じて降水量が比較的少なく、冬の積雪も少ないことから、暮らしやすいところです。日本を代表する高原避暑地・軽井沢にも、車で30分ほどとすぐ近く。市内には北陸新幹線佐久平駅があり、首都圏へのアクセスも便利なことから、移住先としても人気があります。
ここでは、そんな魅力がいっぱいの街・佐久市の、暮らしやすさや治安、家賃相場、物件価格をご紹介します。
ライター:立花裕子(MAP&NEWS.net)
CONTENTS
01| 概要:日々の暮らしのなかでも自然の恩恵を感じられる
佐久バルーンフェスティバル
写真提供:佐久市観光協会
佐久市は、人口約9万7,000人(2024年5月1日現在)、面積約423平方km。その立地から、「長野県の東の玄関」とも呼ばれています。
望月宿
写真提供:佐久市観光協会
市西部の望月・浅科エリアは、里山の風景が美しい地域。ここの「望月宿」をはじめ、市内には江戸時代の五街道の一つ・中山道の宿場町が五つあり、趣のある町並みとなっています。南の臼田エリアは、「佐久市天体観測施設うすだスタードーム」などもある、天体観測にもってこいの場所。中央部の佐久平駅及びJR線沿いは、市の中心街で、買い物やお出かけにも便利です。
コスモス街道
写真提供:佐久市観光協会
市内を東西に走る国道254号線の東側は「コスモス街道」と呼ばれており、8月下旬から約6kmに渡ってコスモスが咲き乱れる人気の観光スポット。周辺には、姫岩やナポレオン岩、屏風岩などの奇岩怪石が集まる「内山峡」もあり、自然がつくり上げた雄大な景色が広がっています。
また少し南に行けば、日本に二つしかない星型稜堡を持つ洋式城郭「鶴岡城五稜郭」も見られます。
龍岡城五稜郭
写真提供:佐久市観光協会
02| アクセスと主要駅:北陸新幹線で東京駅まで約1時間15分
佐久市は、北部に北陸新幹線、南北にJR小海線が走っており、周辺や首都圏へのアクセスは極めて良好です。JR佐久平駅から東京駅までは、北陸新幹線で1時間15分ほど。長野駅へも約25分なので、東京や長野への通勤・通学も可能です。車の場合も、上信越自動車道を使えば、佐久ICから東京の練馬ICまで2時間ほどでアクセスできます。
また、東京や京都、大阪からは、高速バスの運行しています。佐久―東京間は、佐久平駅と池袋駅・バスタ新宿の間で運行しており、片道3,000円以下、約3時間前後で移動できます。
車がなくても首都圏の通勤・通学に不便はありませんが、近場への移動やお出かけ、買い物を考えると、車はあった方が便利です。
03| メイン駅周辺の様子:買い物は佐久平駅周辺が便利
市民交流ひろば
写真提供:佐久市
JR佐久平駅の周辺は、「イオンモール佐久平」や「フォレストモール佐久平」などの大型ショッピングモールが集まる、買い物に便利なエリア。どの施設も広い駐車場があるので、車で買い物に行くのがおすすめです。
ミレニアムパーク
写真提供:佐久市
佐久平駅からほど近い「市民交流広場」は、市街地にありながら3.2haの広さを持つ、緑がいっぱいの公園。カラフルな大型複合遊具もあり、休日には多くの親子連れでにぎわっています。隣接する「ミレニアムパーク」は、多目的広場やストリートバスケットボール、スケートボードが楽しめるプレイサークルなどもあり、若い人たちに人気の場所。冬場のイルミネーションも見ごたえがあります。
04| 治安:1,000人あたり犯罪件数は長野県の平均とほぼ同じで全国平均よりは少ない
佐久市は、移住者に人気の街だけあって、治安面にとくに目立った問題はありません。長野県警によると、2023年の佐久市の刑法犯発生件数(認知件数)は395件。人口1,000人あたりの件数は約4.0件で、長野県の平均3.8件とあまり変わらない数字になっています。全国平均は5.6件ですから、治安はよい方だといえるでしょう。
防災面では、火山の噴火や大雨による河川の氾濫、土砂崩れへの備えとして、ハザードマップの作成や地域防災力の向上のための訓練などを実施。また、市の情報配信サービス「さくネット」でも、防犯・防災情報の配信が行われています。
05| 週末に出かけたい、親子で楽しめるお出かけスポット3選
豊かな自然に恵まれた佐久市には、美しい景色やおいしい食べ物を堪能できるスポットがいっぱい。子ども連れでのお出かけにぴったりな場所も、たくさんあります。おすすめの3スポットをご紹介します。
①夏も冬も家族で楽しめる大規模レジャー施設「佐久平ハイウェイオアシス パラダ」
佐久平ハイウェイオアシス パラダ(グリーンシーズン)
写真提供:佐久市観光協会
佐久平ハイウェイオアシス パラダは、上信越自動車道佐久平PAからエスカレーターで直結の大規模レジャー施設。グリーンシーズンは、日本一の高低差を誇る絶叫スライダーに、アスレチック広場、トランポリンやそり遊びができる「キッズランド」など、子どもたちが大好きな外遊び施設が充実。
ウインターシーズンは、日本一ファミリーに優しい施設を目指したスキー場がオープンし、家族みんなで白銀のゲレンデを楽しめます。全天候型キッズランドもあるので、天気が悪くても、小さな子ども連れでも安心。敷地内には、日帰り温泉「みはらしの湯」もあり、一日の終わりには、蓼科山や八ヶ岳連峰を望む露天風呂で、のんびりと疲れを癒せます。
②日本三大ケーキの街の人気店「ケーキブティック ピータース」
ケーキブティックピータース
写真提供:佐久市観光協会
佐久市は、神戸、自由が丘と並んで「日本三大ケーキの街」と呼ばれる、ケーキ屋さんが多い地区。地元産の上質なフルーツや乳製品、卵などを使えることもあり、各店のパティシエが切磋琢磨して、日々おいしいケーキをつくっています。
「ケーキブティックピータース」は、そのケーキ激戦区佐久市のなかでも人気を誇る、1967年から続く老舗ケーキ店。バラエティに富む旬のケーキのほか、焼き菓子やジェラート、ショコラまで揃い、飽きないおいしさが魅力です。カフェスペースを備え、イートイン利用も可能。おひとり様でも過ごしやすい席がたくさん用意されているのも、うれしいところです。
③体験型の展示がいっぱい!遊びながら学びが深まる「佐久市子ども未来館 sakumo(サクモ)」
佐久市子ども未来館 sakumo(サクモ)
写真提供:佐久市観光協会
佐久ICから車で約5分のところにある体験型子ども博物館(チルドレンズミュージアム)。「身の回りのものやこと、人、自分自身を新たな視点で見つめ直し、あたらしい発見や感動に出合える施設づくり」を掲げています。
常設展は、1階は「地球」と「水・空気」を、2階は「生命」「人間・人類」「天体・宇宙」、3階は「宇宙開発」と「未来」をテーマとして、恐竜の模型や化石、人工衛星なども展示。実際に体を動かしたり、触れたりすることを重視しており、楽しく遊ぶうちに、自然にそれぞれのテーマについて学びが深まっていきます。
また常設展とは別に、「恐竜展」などの特別展も開催。入館料のみで参加できる体験工房も充実のラインナップで、プラネタリウムでもさまざまなプログラムを楽しめます。授乳室や幼児コーナーもあるので、小さな子ども連れでも安心です。
06| 独自の支援制度:医療・介護環境が充実した「健康長寿のまち」
佐久市はまず、全国的にも地域医療・包括ケア体制が整っているのが特徴です。人口10万人当たりの医師数は、全国平均を大きく上回る382人をマーク。地域の医院や診療所の数も多く、二つの総合病院と連携して、「健康長寿のまち」を支えています。
また、佐久市は移住者サポートとして、移住情報の発信や移住補助金の給付、移住関連イベントの開催などにも取り組み中。とくに、「試住」にかかる宿泊費や移動費が最大50%補助されるサービス「Shijuly」は、移住希望者に人気があります。
子育て支援としては、子育て中の親が子どもと一緒に集い、交流できる「つどいの広場」や「子育てサロン」で、パパ・ママをサポート。専門分野の講師を招いての「音楽遊び」「親子ヨガ」などの育児講座も開催しています。子育応援WEB「パパママフレ」では、妊娠・出産・子育てに関する情報が、わかりやすく発信されています。
07| 知っておきたい家賃相場と新築物件の価格帯
佐久市の賃貸物件の家賃相場は次の通りです。
1LDK:69,500円
2DK:54,800円
2LDK:76,500円
佐久市の新築・分譲一戸建ての価格相場は、2,000~9,000万円台です。中古マンションの価格相場は、1,000万円台となっています。
ほかの市区町村との比較では、佐久市の2LDK・3K・3DK家賃相場平均は76,500円で、長野市の78,100円とほぼ同等、松本市の86,400円に比べれば安めです。市内のエリア別では、買い物施設が多く、生活に便利なJR佐久平駅周辺やJR岩村田駅周辺に人気があります。
この記事を書いた人
立花裕子(MAP&NEWS.net) ライター