公開日: 2025.11.06 最終更新日: 2025.11.06

九州移住のおすすめ地域16選! 移住や子育てなど各種支援情報も紹介

九州移住のおすすめ地域16選! 移住や子育てなど各種支援情報も紹介

個性豊かな九州。ライフスタイルにあわせて住む街を選べます

豊かな自然と都市の便利さをあわせ持つ九州地方は、移住先として人気です。1年を通じて温暖な気候に恵まれ、海や山、温泉といった大自然を身近に感じながら暮らせます。各県の市街地には、スーパーやコンビニ、病院など生活に必要なインフラも整い、利便性も確保。豚骨ラーメンや長崎ちゃんぽん、チキン南蛮など、豊富で美味しい地元グルメも揃います。暮らしやすさと安心が揃う九州は、「田舎すぎず都会すぎない」新しい暮らしを求める方にぴったりのエリア。本記事では、暮らしやすさや支援制度を踏まえ、2025年におすすめの16の地域をわかりやすく紹介します。

編集:アントレース

編集:アントレース

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01| 移住を検討する前に知っておきたい九州の基礎知識

九州・沖縄地方の各県の特徴と歴史

福岡県

九州北部に位置する福岡県は、人口約509万人を擁し、九州の経済・文化の中心地として発展してきました。古くから大陸との交流拠点であり、博多港や太宰府政庁にその歴史が刻まれています。現在も国際色豊かな都市文化が息づき、多くの人を惹き付けています。

  • アクセス
    福岡の最大の強みは「陸・海・空の結節点」としての交通アクセスです。陸路では、山陽新幹線・九州新幹線が乗り入れ、本州や九州各地への移動が非常にスムーズ。海路では博多港が国際航路や国内フェリーの発着港となり、交流や物流拠点として重要です。空路では福岡空港と北九州空港の2つの空港が利用可能で、特に福岡空港は博多駅から地下鉄で2駅、わずか5分の至近距離にあり、国内主要都市やアジア各国へのアクセスも抜群です。
  • 気候
    比較的温暖で、冬の積雪も少なく過ごしやすい一方、梅雨や台風シーズンには豪雨への注意が必要です。福岡市では博多と天神を中心に商業施設、医療機関、教育機関が集積しており、都市機能がコンパクトにまとまっているため、暮らしやすさは全国でも高水準です。また、福岡市はスタートアップ支援の拠点としても注目され、「グローバル創業・雇用創出特区」に指定されるなど、働く環境の魅力も広がっています。

    一方で、郊外や糸島半島、志賀島周辺などへ足を延ばせば、美しい海や緑豊かな山々が楽しめ、週末にはサーフィンやハイキング、キャンプなど多彩なアクティビティも満喫できます。
  • 食文化
    福岡ならでは食文化も大きな魅力です。博多ラーメン、明太子、もつ鍋、水炊きなど、全国的に知られる郷土料理が多彩に揃うほか、玄界灘で獲れる新鮮な魚介や、糸島の野菜、冬の風物詩である「牡蠣小屋」など、食の豊かさは格別です。夜になると福岡市中心の天神や中洲には屋台が立ち並び、気取らない雰囲気の中で地元グルメを味わえるのも福岡らしい暮らしの一部です。

佐賀県

九州北西部に位置する佐賀県は、古くから陶磁器の名産地として知られ、唐津焼や有田焼など世界的にも高い評価を受ける工芸文化が今も息づいています。吉野ヶ里遺跡など弥生時代の歴史遺産も多く、歴史や文化に触れながら暮らせる地域です。

  • アクセス
    九州新幹線の停車駅である新鳥栖駅から博多駅までは最速で約15分と近く、熊本や鹿児島方面への移動もスムーズです。JR長崎本線は鳥栖駅や佐賀駅など主要都市を結び、佐世保方面へも佐賀駅から特急電車が利用できます。さらに、九州自動車道や長崎自動車道が県内を貫き、福岡市や長崎市との連携も便利です。
  • 気候
    気候は温暖で冬の積雪も少なく過ごしやすい一方、梅雨や台風シーズンには降雨量が増えるため注意が必要です。平野部は比較的穏やかですが、沿岸部では風の強い日もあるため、自然災害への備えは欠かせません。

    県庁所在地の佐賀市を中心に商業施設や医療機関、公共施設が 整い、日常生活に必要な機能は十分に揃っています。都市部から少し離れれば田園や海辺の穏やかな環境が広がり、自然に囲まれたスローライフを実現できます。また、日本三大美肌の湯のひとつ、嬉野温泉のほか、武雄温泉などの温泉地も身近にあり、週末のレジャーやリフレッシュも楽しめます。
  • 食文化
    豊かな農産物と海産物に恵まれた佐賀県では、佐賀牛や呼子のイカ料理、嬉野茶などの名産品が揃い、日々の食卓を彩ります。

長崎県

日本本土の最西端に位置する長崎県は、九州西部に広がり、三方を海に囲まれた独特の地形が特徴です。数多くの半島と島々から成り立ち、五島列島、壱岐、対馬を含めその数は実に1,479島 で、日本一。県の面積の約45%が島で構成されています。

古くから海外との交流が盛んな港町として発展。南蛮貿易や朱印船貿易、江戸時代の鎖国下では唯一の国際貿易港として出島が置かれ、オランダや中国との交易を通じて独自の文化が育まれました。現在も街並みのいたるところにその名残が感じられます。また、端島炭鉱(軍艦島)や大浦天主堂、原城跡など、歴史を物語る世界文化遺産構成資産が県内各地に点在し、世界遺産の宝庫です。

  • アクセス
    令和4年9月に開業した西九州新幹線(武雄温泉〜長崎間)により、長崎〜博多間は乗り換えも含めて最速1時間20分と、約30分のスピードアップを実現しました。本土と多くの島をつなぐ橋やフェリー、高速船路線が整備されており、離島部へのアクセスも可能です。さらに県内6つ の空港が国内外との行き来を支え、暮らしと観光の両方を支える交通網が整っています。
  • 気候
    温暖で冬は積雪も少なく過ごしやすい気候ですが、梅雨や台風シーズンには降雨量が増えるため注意が必要です。平野部は穏やかですが、島や半島の沿岸部では風が強い日もあり、自然災害への備えも欠かせません。

    長崎県はエリアごとに異なる魅力が広がります。異国情緒あふれる街並みや歴史的建造物が魅力の長崎地区、多島海に囲まれた佐世保・平戸エリア、温泉や豊かな自然に恵まれた島原や五島・壱岐・対馬では、ハイキングや釣り、マリンスポーツなど多彩なアウトドアを楽しめます。
  • 食文化
    水揚げされる魚種が全国一の長崎県 は、玄界灘や五島列島で獲れる新鮮な魚介類も豊富です。カステラ、長崎ちゃんぽん、皿うどんなど、海外との交流で育まれた独自の食文化も根づいており、多彩な味わいを楽しむことができます。

熊本県

“火の国”と呼ばれる熊本県は、阿蘇の活火山が生み出した世界有数のカルデラや、広大な草原など雄大な自然景観が広がり、訪れる人を圧倒します。また“水の国”としても知られ、県内には約1,000カ所 の湧水地があります。県全体の水道水源の約8割を地下水が占め、熊本市の水道水はすべて地下水由来。さらに県土の約6割を森林が占めており、清らかな湧水と豊かな地下水が日々の暮らしを支えています。

  • アクセス
    九州の中心に位置する熊本県は、九州新幹線で博多駅まで約30分と通勤圏内。鹿児島方面へも直結しており、都市間の移動がスムーズです。熊本空港からは全国各地への直行便が運航され、出張や帰省にも便利。さらに九州自動車道や南九州西回り自動車道が県内を縦横に結び、日常生活の移動手段としても快適な環境が整っています。
  • 気候
    三方を山に囲まれ、東の阿蘇地方は寒暖差の大きい山岳気候、西は海に面した温暖な海洋性気候、中部は内陸性気候と、地域によって気候が異なります。

    日本三名城の一つである熊本城をはじめ、県の人気キャラクター「くまモン」が広く親しまれています。玉名温泉や山間に佇む黒川温泉など個性豊かな湯処が点在し、自然と都市が近接しているため、週末には阿蘇や天草でのアウトドアや温泉、観光地巡りなど、多彩なアクティビティを楽しめます。
  • 食文化
    熊本ラーメンや馬刺し、辛子蓮根など、個性豊かな郷土料理が揃います。阿蘇の野菜や天草の海産物など新鮮な地元食材も手に入りやすく、食文化も豊か。特に馬肉の生産量は日本一で、スーパーでも日常的に手に入るため、家庭の食卓でも気軽に熊本の味を楽しめます。

大分県

源泉数・湧出量ともに日本一を誇る“おんせん県”・大分。日本にある10種類の泉質のうち、実に8種類が揃い、別府温泉や湯布院温泉をはじめ、屈指の温泉地が県内各地に点在しています。

県東部は「九州のこぶ」と呼ばれる国東半島や豊後水道沿いのリアス式海岸など、変化に富んだ海岸線が広がります。西部には九重連山をはじめとする「九州の屋根」と呼ばれる山々が広がり、雄大な山岳景観を楽しめます。山と海、両方の自然に恵まれた大分県は、四季を通じて多彩な表情を見せてくれます。

  • アクセス
    九州東部に位置する大分県には、JR日豊本線(小倉駅~鹿児島方面)、久大本線(久留米駅~大分駅)、豊肥本線(大分駅~熊本駅)、日田彦山線(福岡・城野駅~大分・夜明駅)の4路線が走っています。新幹線は通っていないものの、特急列車が主要都市を結び、別府や大分への移動も便利です。空路では大分空港から東京・大阪・名古屋など主要都市への直行便が運航しています。
  • 気候
    全体的に瀬戸内海型の温暖な気候に恵まれています。東側の国東半島など海に面した地域は温暖で湿度が高く、西側の山間部は標高が高いため冬は寒さが厳しく、寒暖差が大きい山岳気候となります。地域ごとに異なる気候が暮らしを豊かにしています。
  • 食文化
    全国的に知られる中津からあげをはじめ、とり天、鶏めし、がめ煮など、鶏肉を使った郷土料理が豊富。県内でも大分市は鶏肉消費量でも全国上位にランクインするほど、日常的に鶏肉料理が親しまれています。歴史あるブランド和牛の豊後牛や、関アジ・関サバ、カボスなどの地元食材も充実。温泉地では高温の蒸気で食材を蒸し上げる「地獄蒸し」も名物で、暮らしの中で大分ならではの食文化に触れやすいのも魅力です。

宮崎県

九州南東部に位置する宮崎県。南は日向灘に面し、北は熊本・大分・鹿児島県と接するこの地は、黒潮の恩恵を受けて一年を通して温暖。日照時間も長く、「日本のひなた」と呼ばれるほど陽光に恵まれた環境です。

山地が多く、森林率は約76%。 中央部から南部にかけて観光スポットとしても人気の日南海岸が広がり、サーフィンやダイビングなどのマリンスポーツも盛んです。7kmにわたる断崖の柱状節理が壮観な高千穂峡や、数々の神話の舞台として知られる天安河原など、自然や歴史の名所も点在。冬には山間部で雪が積もる地域もあり、スキーが楽しめます。

  • アクセス
    宮崎空港からは東京・大阪・名古屋など国内主要都市への直行便が発着。羽田へは約1時間35分、大阪へは約1時間でアクセス可能。空港から市内へはJRで約8分と便利です。JR日豊本線が福岡方面から鹿児島方面までを結び、特急も多く運行。南宮崎駅からは日南線や延岡方面への路線が伸び、県内の移動もスムーズです。さらに九州自動車道や宮崎自動車道、東九州自動車道が整備され、車での移動も快適。2025年には都城志布志道路が開通し、鹿児島県へのアクセスもより便利になっています。
  • 食文化
    食文化も豊かで、地元で獲れる日向灘の新鮮な魚介や、日向夏、宮崎牛などの特産品が揃います。郷土料理ではチキン南蛮や冷や汁が有名です。

鹿児島県

九州南端に位置し、南北に約600kmと縦に長い鹿児島県。温帯から亜熱帯までの3つの気候帯を有し、冬でも日中の平均気温が15度を超えることも多く、1年を通じて温暖な気候です。

約2万6千年前からの噴火を繰り返して誕生した桜島をはじめ、宮崎県との県境に位置する霧島山など活火山を有します。全国的に知られる指宿温泉や霧島温泉郷など、火山活動による温泉資源が県内各地に点在しています。また九州最大のカルデラ湖である池田湖など、雄大な自然景観も楽しめます。県内には1256の島々があり、その数は全国3位。世界自然遺産に登録されている屋久島、日本最大のロケット発射基地・種子島宇宙センターがある種子島、マリンスポーツが盛んな奄美大島や喜界島などの奄美群島など、離島それぞれが独自の文化と自然を育んでいます。

  • アクセス
    九州新幹線の開通により、鹿児島中央駅から福岡方面への移動が一層スムーズになりました。博多駅までは最短1時間16分で結ばれています。鹿児島空港からは東京・大阪など主要都市への国内直行便のほか、上海・ソウル・台湾 などアジア主要都市への国際線も運航。さらに、屋久島や種子島など南西諸島への航空便やフェリーも運行され、陸・空・海の交通網が県全域をつなぎます。九州自動車道の整備も進み、九州各県へのアクセスも快適で、国内外をつなぐ交通環境が整っています。
  • 食文化
    幕末の英雄・西郷隆盛の出身地としても知られ、薩摩藩の城下町や史跡、武家屋敷なども残り、歴史の香りが今も息づきます文化的な魅力も。食文化も個性豊かで、火山灰を利用して生産される桜島大根や桜島小みかんのほか、黒豚やさつま揚げ、きびなご、焼酎など、地域色の強い名物が揃います。

02| 九州に移住するメリットとデメリット

九州移住のメリット

自然の豊かさと都市の利便性をあわせ持つ九州。海や山にすぐにアクセスできる環境が整っており、休日には登山やキャンプ、マリンスポーツなど多彩なアクティビティが楽しめます。温泉地も各地に点在しているため、日常的にリフレッシュできるのも魅力。食文化がとても豊かで、福岡のラーメンや佐賀牛、熊本の馬刺し、大分のとり天、鹿児島の黒豚など、各地で特色ある「食の楽しみ」が暮らしに彩りを与えてくれます。気候は比較的温暖で、冬も雪が少ないため、関東や東北に比べて過ごしやすいと感じる人も多いでしょう。生活コストは東京や大阪などの大都市圏に比べると抑えられ、広めの住居を手頃な価格で手に入れられるのも大きなメリットです。

九州移住のデメリット

一方で、九州移住には注意したいポイントもあります。街の中心地以外では公共交通機関が十分に整っていない地域が多く、日常生活では車が必須となるケースがほとんど。車の維持費やガソリン代などで出費が増える点にも注意が必要です。地理的に台風の通り道にあたるため、豪雨や強風など自然災害への備えが欠かせません。春先には黄砂やPM2.5の飛来があり、洗濯や健康管理に気を配る必要があるでしょう。また、鹿児島では桜島の噴火にともなう火山灰の影響が日常生活に及ぶこともあります。さらに、地域によっては人間関係が濃く、移住者が最初は馴染みにくいと感じることもありますが、地域活動に少しずつ参加することで新しいつながりや安心感を得られるようになります。

03| 九州各県おすすめ移住先と支援制度16選

九州は温暖な気候と豊かな自然が魅力で、住み心地のよい環境が整っています。各県おすすめの移住先と支援内容をご紹介します。

福岡市(福岡県)

福岡市の風景 福岡市の風景

人口約165万人を擁し、全国792市の中で横浜市・大阪市・名古屋市・札幌市に次ぐ、全国第5位 の人口を誇る九州最大の都市・福岡市。都市機能と自然環境がバランスよく共存するコンパクトシティで、福岡空港から博多駅までは約5分。JR線や地下鉄を利用すれば市内の移動もスムーズです。主要駅の博多駅や天神駅周辺は商業施設が集まり、買い物や外食にも便利。通勤時間帯は混雑しますが、アクセスは良好です。

海沿いの「福岡アイランドシティ」は21世紀型の先進的な街づくりモデルとして注目されるエリア。教育・健康づくりや子育て支援が整備され、子育て世代を中心に人口が増加中。少し足を延ばせば、百道浜や能古島では海辺の時間を過ごせます。

子育て世帯への支援も充実しており、国の「幼児教育・保育の無償化」に加え、市独自の制度として、子育て世帯住替え助成事業(中古住宅で基本額15万円、最大25万円を支給) を実施。スタンプを集めると育児用品と交換できるサービス・おむつと安心定期便など、さまざまな施策が整っています。

さらに、創業支援にも力を入れており、起業を考える人向けの補助金制度や、オフィス・相談窓口の整備、ネットワークづくりのサポートが充実しています。

北九州市(福岡県)

人気の観光地・門司港レトロ 人気の観光地・門司港レトロ

九州最北端、福岡県北部に位置する北九州市は、関門海峡を挟んで本州からの玄関口となる都市。九州地方では福岡市に次ぐ人口規模を誇り、古くから工業都市として発展し、九州のみならず日本の経済を支えてきました。新幹線の停車駅・小倉駅を中心に商業施設が集まり、利便性の高い都市機能が整っています。一方で、門司港レトロ地区では、大正ロマン漂う街並みや焼きカレー、ふぐ料理などのご当地グルメが楽しめ、観光地としても人気です。海や山など自然環境が身近に感じられるため、暮らしやすさも魅力。

子育てや移住支援にも力を入れており、保育・医療体制が充実。移住者向けの制度としては「北九州市移住支援金事業」により、東京圏・名古屋圏・大阪圏からの移住・就業・起業で最大100万円を支給。「住むなら北九州 移住推進事業」では、子育て世帯や新婚世帯などを対象に住宅取得(最大50万円)や賃借費用(最大20万円)の一部を補助「北九州空き家リノベ補助」では、若者世帯や子育て世帯の住まいのリノベーション費用が支援され、前述の「住むなら北九州」移住支援との併用も可能です。

久留米市(福岡県)

JR久留米駅 JR久留米駅

福岡市、北九州市に次いで福岡県内で3番目に人口が多い久留米市。広大な筑後平野の中央に位置し、筑後川の流れる自然豊かな街です。久留米駅から博多駅までは新幹線で最短約17分と通勤圏内。九州自動車道が南北に走り、長崎自動車道や大分自動車道へのアクセスも良好で、県内外への移動がスムーズです。駅周辺には繁華街やショッピングモールが揃い、日常の買い物も便利。少し足を延ばせば耳納連山を背景にのどかな田園風景が広がり、都市の利便性と自然環境がバランスよく共存しています。

医療体制も充実しており、人口あたりの医師数は全国トップクラス。九州で5か所しかない高度救命救急センターにはドクターヘリが常駐し、子どもからお年寄りまで、安心して暮らせます。

オンラインでの移住相談はもちろん、移住コンシェルジュが希望に応じて市内を案内してくれる「オーダーメイドツアー」も実施。実際の生活を体験できる「お試し久留米ステイ応援事業」では、グループで最大4万円、単身で最大2万円の宿泊費補助があり、移住前に地域の雰囲気や生活環境を確かめることが可能。さらに住宅を取得した方には、基本額は5万円、要件に応じて最大25万円まで加算される移住補助金制度もあり、移住・定住を支援する体制が整っています。

武雄市(佐賀県)

武雄温泉楼門 武雄温泉楼門

佐賀県西部に位置する武雄市は、雄大な山々に囲まれた温泉と焼き物のまち。2022年の西九州新幹線の開業を機に、注目度が一気に高まりました。武雄温泉駅から長崎駅までは最短で約23分、博多駅へも在来線特急で新鳥栖駅を経由して約1時間

市のシンボルである武雄温泉は、1300年の歴史を有し、東京駅の設計で知られる辰野金吾が手掛けた朱塗りの楼門が訪れる人々を迎えます。「陶器のまち」としても知られ、約90の窯元が1590年代から受け継がれる伝統の技法を現代に伝えています。

子育て環境も充実しており、「武雄市こども図書館」には、“ひみつのへや”や“えほんの山”など、子どもたちの好奇心を刺激する仕掛けがいっぱい。遊びながら本と親しめます。高校生までの医療費助成や休日急患・小児時間外診療体制が整い、子育て世代の安心を支えています。

移住支援制度も充実しており、定住特区エリアへの転入で最大45万円の補助が受けられるほか、住宅ローン「フラット35」の金利引き下げ(最大0.5%)といった優遇措置が利用できる場合も。さらに西九州新幹線やリレー特急を利用して県外に通勤・通学する人には「通学通勤定期券購入補助金」を、空き家の改修では費用の2分の1・、最大100万円を補助する「空き家等リノベーション補助金」があります。東京圏からの移住者には、世帯で100万円(18歳未満の子ども1人につき100万円加算)、単身者には60万円が支給される「東京圏移住支援金」もあります。

佐賀県外から就業・起業する人を対象にした「未来につなぐさが移住支援事業支援金」など、幅広い支援が整っています。教育・子育てと生活支援の両面から、安心して新しい暮らしを始められます。

基山町(佐賀県)

本福寺の五重塔 本福寺の五重塔

佐賀県の東端に位置する基山町(きやまちょう)は、人口およそ1万7千人のコンパクトなまち。福岡県との県境にあり、JR基山駅から博多駅までは特急電車で約30分久留米駅へは約20分と、福岡都市圏へのアクセスに優れた立地です。その利便性から、福岡市のベッドタウンとして人気を集めています。

町名の由来でもある基山(きざん)は、国の特別史跡・基肄城跡(きいじょうあと)が残る標高約405メートルのなだらかな山。ハイキングや自然散策が楽しめるだけでなく、山頂からは筑後平野や有明海までをぐるりと一望できます。

中学生以下の子どもがいる世帯には、住宅購入を支援する補助制度があり一律10万円を支給。要件によって最大70万円まで補助されます。新婚世帯は「結婚新生活支援補助金」が利用でき、引っ越し費用や家賃など、新生活のスタートアップにかかる経済的な負担をサポート。29歳以下の新婚世帯で上限60万円、39歳以下では上限30万円まで補助されます。

さらに、移住を検討している人のために「移住体験住宅」が用意されており、最大2週間無料で滞在することができます。実際に暮らしながら通勤や買い物の利便性、地域の雰囲気を体感できるのは大きな魅力です。

五島市(長崎県)

大瀬崎灯台 大瀬崎灯台

九州最西端に位置する五島市は、大小152の島々からなる美しい離島です。対馬暖流の影響を受け、冬は暖かく、夏も比較的過ごしやすい海洋性気候に恵まれています。エメラルドグリーンの海と白砂が続く高浜海水浴場をはじめ、海と山が織りなす風景はまさに絶景。世界文化遺産に登録された教会群をはじめ、歴史と文化の息づく町並みも五島市ならではの特色です。釣りやサーフィンなどのマリンスポーツ、サイクリングやトレッキングといったアウトドアも気軽に楽しめ、自然と共にある暮らしを求める人にとって理想的な場所です。

五島つばき空港から長崎空港へは飛行機で約30分福岡空港へも約40分でアクセス可能。長崎港や福岡港からは高速船やフェリーが運行され、福江港から長崎港までは高速船で約1時間30分、各島への定期船も運行しています。

市内には大型スーパーや病院も整い、生活の利便性は十分。保育所は21か所あり待機児童はゼロ、18歳までの子ども医療費助成も実施されるなど、若い世代の移住者にも優しい環境です。

「五島市空き家バンク制度」では空き家のリフォーム費用が最大50万円、新婚家庭は最大100万円を助成。子育て世帯には、1世代あたり30万円、29歳以下の夫婦は60万円まで引っ越し費用の助成を受けられます。さらに、お試し移住が可能な短期滞在施設では、1か月以上最長3か月間無料で滞在でき、移住前に現地での生活を実際に体験できます。

長崎市(長崎県)

長崎港の夜景 長崎港の夜景

九州西部に位置する長崎市は、三方を海に囲まれ、長崎港を中心に発展してきた港町です。平地が少なく「坂のまち」として知られ、山間部まで建物が密集している独特の景観が広がります。市内から望む夜景は世界三大夜景にも選出。江戸時代には唯一、海外との貿易が許され、国際色豊かな文化が育まれたことから、長崎ちゃんぽんや皿うどんなど、中国・福建省の伝統料理と地元食材を融合させた食文化が市民に親しまれています。端島(軍艦島)を含む複数の構成資産からなる世界遺産を二つ有し、グラバー園やオランダ坂など異国情緒あふれる歴史的建造物も点在。文化都市としての魅力にあふれ、観光地として多くの人々を惹きつけています。

市の中心部から車で1時間圏内には商業施設や病院などが揃い、都市機能を備えたコンパクトな環境。自然との距離も近く、稲佐山からの夜景や稲佐山公園、海沿いの散策路など、日常の中で豊かな景観や自然に親しむことができます。医療環境も充実しており、病院数は全国8位、診療所数は全国4位を誇ります。さらに、犯罪発生率は全国で3位 と治安面でも安心。温暖な気候と海洋性の風土に恵まれ、冬も比較的穏やかで過ごしやすく、夏は海風が吹き抜けることで快適に暮らせます。

長崎駅から博多駅へは、特急と新幹線を乗り継いで約1時間30分。西九州新幹線の開業により、本州へのアクセスもぐっと身近になりました。長崎空港から長崎駅へはシャトルバスで約50分、車で約40分。長崎駅から徒歩約15分の長崎港からは、九州各地へ向かうフェリーが利用できます。

移住者向けの支援制度としては、中学生以下の子どもがいるファミリーが県外から移住し、就業や創業を行った場合には「子育て世帯ウェルカム補助金」 として35万円を支給。また、移住や地域交流を目的とした空き家のリフォームについても、対象経費の2分の1(上限50万円)を補助する制度があり、住まいづくりもサポートされます。移住を検討する方向けには「ながさきお試し暮らし応援事業補助金」があり、市内に連続して6泊以上宿泊すると上限3万円まで補助され、それ以降は1泊ごとに2,500円を加算。最大30泊まで、合計9万円まで支給されます。市内視察用のレンタカーも年3回まで無料で利用でき、長崎での暮らしを体験しやすい制度が整っています。

熊本市(熊本県)

熊本市街地の様子 熊本市街地の様子

人口約74万人を擁し、九州で3番目に大きな都市、熊本市。江戸時代に加藤清正によって築かれた熊本城を中心に城下町として発展し、整備された市街地には交通網や商業施設、病院が整い、都市機能が充実しています。一方で、水前寺公園(水前寺成趣園)や江津湖、坪井川沿いの遊歩道など、日常的に水と緑を感じられる場所が多く、散歩やランニング、子どもの遊び場としても利用されています。阿蘇からの伏流水がを活用した水道が整備され、熊本市内の上水道は100%地下水を利用。「水の都」とも呼ばれるゆえんとなっています。北東に位置する金峰山(標高665m)からは、阿蘇外輪山や有明海を一望でき、都市にいながら自然を身近に感じられる環境です。

九州のほぼ中央に位置する立地から、九州各方面へのアクセスも良好。九州新幹線で博多駅まで最速約32分、鹿児島中央駅までは約42分。熊本空港から市中心部の熊本駅まではシャトルバスで約45分、車では約40分でアクセス可能です。市内の交通は熊本市電や熊本バスが整備され、通勤や通学にも便利。さらに、熊本港からは天草方面へのフェリーが就航しています。

移住者向けの支援も充実しています。「熊本市UIJターンサポートデスク」では、移住相談や専門の就職支援員による求人案内を実施。経済的な支援としては、東京23区から移住し、県運営の「ワンストップジョブサイトくまもと」に掲載された企業へ就業、または認定を受けた起業を行った場合に交付される「移住支援金」は、2人以上の世帯で100万円、単身の場合は60万円です。そのほか、県外からの引っ越し費用を補助する「転居費等支援金」中古住宅購入費用の一部(最大50万円)を支援する「移住者向け中古住宅購入補助金」など、住まいに関する制度も整っています。市の「空き家バンク」では、貸したい・売りたい物件情報を移住希望者に紹介しており、住まい探しをサポート。移住者の家賃負担を軽減する目的で、市営住宅の一部を一時的に提供する「移住定住促進住宅」も用意されています。

菊陽町(熊本県)

菊陽町西部町民センター 菊陽町西部町民センター

熊本県中央部に位置し、人口約4万3千人を擁する菊陽町。東には雄大な阿蘇山を望み、町内には緑豊かな田園風景が広がります。一方で、熊本市中心部へは約15kmと都市部へのアクセスも良好です。豊かな自然を身近に感じながら、都市生活の利便性も享受できる環境から、近年はベッドタウンとして移住者が増えています。農業を基盤に発展してきましたが、現在では世界的な半導体関連企業が進出し、最先端技術の集積地としても注目されています。また「サンリーカリーノ菊陽」や「ゆめタウン光の森」といったショッピングモールもあり、日常の買い物も便利です。

交通の利便性も菊陽町の大きな魅力。JR豊肥本線で熊本市中心部まで約20分、車でも約30分と通勤・通学圏内。阿蘇くまもと空港へも車で約15分と近く、出張や旅行にも便利です。町内を巡回するバス「キャロッピー号」も運行され、日常の移動手段として地域住民に親しまれています。

移住者向けの支援制度も充実。「菊陽町定住促進補助金制度」では、対象地区に定住するファミリーが住宅の新築・購入を行う場合には100万円が交付され、小学生以下の子どもがいる場合は1人あたり20万円が加算されます。既存住宅のリフォームも、費用の2分の1(上限50万円)が補助され、住まいの選択肢が広がります。さらに、町外からの転入や町内での転居に際しては、小学生以下の子ども1人につき10万円が支給されるほか、出生児1人あたり10万円が交付されるなど、子育て世帯に手厚い内容となっています。

大分市(大分県)

大分市街地 大分市街地

人口約48万人が暮らす大分市は、九州で5番目に大きな都市です。大分県のほぼ中央に位置し、崎山や鎧ヶ岳、樅木山などの山々に囲まれ、東部の沿岸部は豊予海峡に面する天然の良港として古くから栄えてきました。

中心地・大分駅には「JRおおいたシティ」が直結し、商業施設やホテル、シネマコンプレックスが集積。休日のショッピングや日常の買い物に便利です。沿岸部の漁港では、全国的にも名高い「関あじ」「関さば」をはじめ、新鮮な海の幸を日常的に味わえるのも魅力です。2019年にはラグビーワールドカップの会場都市のひとつとなり、国際的な観光都市としての顔も備えています。

交通面では、新幹線は通っていないものの、JR日豊本線・久大本線・豊肥本線の3路線が走り、特急を利用すれば博多駅まで約2時間、小倉駅まで約1時間30分。宮崎へも約3時間でアクセスできます。大分空港から市街地へは高速バスで約60分。大分自動車道や東九州自動車道が市域を横断しており、県内外への移動を支えています。

大分市では、漁業や農業・林業に挑戦する移住者向けの支援が整っています。「大分市漁業新規就業者育成支援事業」では、独立経営型で最大150万円、親元就業型で最大100万円、漁業学校研修生向けに上限75万円の就業準備金を支給。「ファーマーズカレッジ事業」や「大分市林業作業士確保育成支援事業」では、農業や林業に関心のある方が実践しながら学べます。子育て世帯には、市内11か所のこどもルームを設置し、0〜15歳の子どもと保護者が遊びや交流、子育て相談を無料で行える体制が整っています。

豊後高田市(大分県)

田染荘 田染荘

大分県北東部、国東半島西部に位置する豊後高田市は、穏やかな海や両子山を中心に広がる山・谷・川の美しい自然に恵まれています。市内6か所の「くにさき六郷温泉」では、塩類泉という珍しい泉質で日々の疲れを癒やせ、“おんせん県”ならではの魅力を堪能できます。また「昭和の町」では昭和30年代の町並みを再現した商店街や体験施設が楽しめ、観光スポットとしても人気。人口約2万1千人の小さな町ながら、子育て支援を中心に186項目(2024年度実施)の移住支援を展開しており、『住みたい田舎ベストランキング』2025年2月号(宝島社)で人口1万人以上3万人未満のまち部門で4冠、全部門で第1位を獲得。 地方移住ブームの先駆けとして全国的に注目されています。

交通面では、市街地は鉄道駅から離れており、JR宇佐駅までバスや車で約10分。宇佐駅から博多駅へは約1時間35分、小倉駅へは約50分で到着します。大分空港から豊後高田市までは空港バスで約50分。市内の移動には車があると便利です。

子育て世帯への支援が特に充実しており、0歳から高校生までの給食費が無料で、高校生までの入院・通院費も自己負担なし。市立保育園や公立幼稚園、高田高校の授業料も完全無料です。市営の「学びの21世紀塾」では、子どもたちが無料で学習できる環境が整っており、妊娠期から高校生まで切れ目のない手厚いサポートと教育環境の充実が提供されています。

移住希望者に向けた支援としては、空き家情報の提供に加え、住宅取得者を対象とした「ハッピーマイホーム新築応援奨励金」があり、市外から移住した方には基本額20万円、条件を満たすと最大70万円までが支給されます。

宇佐市(大分県)

宇佐神宮 宇佐神宮

大分県北部に位置する宇佐市は、人口約5万2千人。古事記や日本書紀にも登場する歴史深い地です。全国の八幡宮の総本宮「宇佐神宮」をはじめ、数多くの文化遺産が点在し、歴史と文化を肌で感じることができます。

自然環境も豊かで、年間を通じて穏やかな瀬戸内気候区に属しています。海岸部から平野部にかけては温暖な気候が続き、南部の山間部では冬に雪が舞う日も。変化に富んだ地形の中には「宇佐三瀑」と呼ばれる大滝もあり、日常の暮らしに潤いを与えてくれる自然が身近にあります。

市街地には商店街や専門店がそろい、日常生活に必要な買い物環境が整っています。医療面でも病院が8か所、診療所が35か所あり、安心して暮らせる体制です。さらに宇佐市は「からあげ発祥の地」とされ、市内には数多くのからあげ専門店が軒を連ね、食の楽しみも広がっています。

交通面では、JR日豊本線の特急列車停車駅・宇佐駅と柳ヶ浦駅を中心に、大分・福岡方面へのアクセスが良好。博多駅までは約1時間30分、大分駅まで40分程度です。宇佐別府道路や国道10号を通じて大分市・別府市方面へのアクセスもスムーズ。公共交通が届きにくい地域では「ふれあい号」というコミュニティバスが21系統運行されており、買い物や通院の足として活用されています。

住宅取得支援では「うさ暮らし定住支援事業補助金」により、県外から移住して新築住宅を建てる場合は最大50万円、子育て世帯なら最大100万円を補助。起業希望者にも最大100万円の支援金が交付され、移住後のチャレンジを後押ししています。また、就農希望者に向けても「ぶどうのファーマーズスクール」「おおいた味一ねぎトレーニングファーム」「大分広域白ねぎ就農学校」といった研修機関が整備。新規就農者には年間最大150万円 の支援や、就農前に月額5万円 を支給する研修サポートもあり、農業に挑戦したい人にとって力強い支えとなっています。

都城市(宮崎県)

市街地の様子 市街地の様子

宮崎市に次いで県内第2位、人口約16万人を擁する都城市。宮崎県南西部の都城盆地に位置し、霧島連山や高千穂峰など四方を山に囲まれた地形です。年間を通じて温暖な気候ですが、降雨量は多めで農作物に恵まれています。農業と畜産業が盛んで、総産出額は全国1位 。畜産の品目別では牛・豚が全国1位、鶏は全国3位と、畜産都市として知られています。

市街地には交流センターや広場など複数の機能を統合した「Mall mall(まるまる)」や、「イオンモール都城駅前」といった大型商業施設が整い、日常の買い物にも便利。週末には少し足を延ばして、霧島火山群最大の湖「御池」や「金御岳公園」といった自然スポットを訪れたり、「高千穂牧場」で乗馬や乳搾り体験を楽しんだりと、豊かな自然環境も満喫できます。

交通面では、宮崎空港と鹿児島空港の利用が便利で、宮崎空港へは車で約30分、鹿児島空港へは約45分でアクセス可能です。東九州自動車道や宮崎自動車道を利用すれば、九州各地への移動も便利で、宮崎市まで約30分、大分市まで約2時間10分、熊本市まで約2時間、福岡市まで約3時間30分で到着。またJR都城駅から宮崎駅へは特急で約50分、鹿児島中央駅へは約1時間30分で到着しますが、運行本数が少ないため、利用時は時刻に注意が必要です。

子育て支援も手厚く、市内には5か所の「子育て支援センター」や「都城市こども発達センター」、育児の相互援助活動を行う「都城市ファミリーサポートセンター」など、地域全体で子育てを支える体制が整っています。さらに「病児・病後児保育事業」や「夜間急病センター」の設置もあり、保護者が安心して子育てできる環境が充実しています。「子育て世帯移住支援事業」 では、県外から移住して就業や起業を行う子育て世帯に100万円・最大500万円の補助金が支給されます。また「お試し滞在制度」 では、市内で通算10泊までの宿泊費やレンタカー利用料(燃料費除く)などが補助され、移住前に生活環境を体験することも可能です。

延岡市(宮崎県)

市街地の様子 市街地の様子

宮崎県北部にある延岡市は、人口約10万9千人 を有する地域の中核都市。旭化成をはじめとした大手企業の工場が立地し、工業のまちとして発展してきた歴史を持ちながら、農林水産業など幅広い産業が地域を支えています。市街地から車で約30分走れば、清流・五ヶ瀬川での鮎釣りやBBQ、環境省の「快水浴場100選 特選」に選ばれた下阿蘇ビーチなど、海・山・川の自然を満喫できるスポットが点在し、アウトドアやレジャーを気軽に楽しむことができます。

チキン南蛮や辛麺、酒蔵「のべおか三蔵」に代表される地酒など、地元の食文化も個性豊か。イオン延岡をはじめ、幹線道路沿いにはスーパーやドラッグストアなどが揃っており、日常の買い物には困りませんが、移動には車があるとより便利です。

医療体制も充実しており、県立延岡病院にはドクターヘリ発着場を備えた救命救急センターを設置。延岡市医師会病院には夜間急病センターを併設し、県北9市町村が連携する「県北救急医療ダイヤル」では、夜間も医師や看護師が相談に応じています。

気候は温暖で過ごしやすく、雪はほとんど降りません。降水量はやや多めで、台風への備えは必要ですが、一年を通じて暮らしやすい環境です。

交通面では、東九州自動車道の整備により大分市や宮崎市へは車で約1時間15分、熊本市へ約2時間30分、福岡市へも約3時間30分と、九州各地への移動が可能。鉄道はJR延岡駅が拠点となり、特急列車で宮崎駅へは約1時間、大分駅へ約2時間、鹿児島中央駅へは約3時間、博多駅まで約4時間と広域へのアクセスも便利です。市街地は、まちなか循環バスが周遊しており、地域住民の日常の移動手段として活用されています。

移住希望者向けに「お試し滞在」や住まい・家賃の支援を実施しています。市内での宿泊費は1人1泊2,000円を上限に6泊まで、レンタカー代は1日3,000円まで、7日分を補助。北方町には移住希望者が生活や仕事を体験できる施設もあり、2日~14日まで無料で利用可能です。また子育て世帯は所定条件を満たすと最大1年間の家賃補助(月額上限1万円)を受けられ、新築・中古住宅の取得にも最大100万円の補助金があり、移住前の体験から移住後の住まいづくりまで支援が整っています。

霧島市(鹿児島県)

霧島温泉郷 霧島温泉郷

鹿児島県南部に位置する霧島市は、豊かな自然環境と温暖な気候が魅力です。日本で初めて国立公園に指定された霧島連山をはじめとした雄大な山々や、美しい海岸線が広がります。霧島温泉郷を中心とした4つの温泉地もあり、アウトドアや観光が気軽に楽しめます。農業・畜産業も盛んで、黒豚や霧島茶、名水で造られる焼酎などの特産品が知られています。また霧島市は、桜島と霧島連山の活火山に囲まれており、火山灰の影響には注意が必要ですが、自然の中でのびのび暮らせる地域です。

霧島市内には鹿児島の空の玄関口である鹿児島空港があり、市中心部から空港までは車で約30分。東京へは最短約100分、大阪へは約70分でアクセスが可能です。名古屋や福岡など国内主要都市のほか、ソウル・上海・台湾・香港などへの国際便も利用できます。鉄道はJR日豊本線と肥薩線の2路線が利用可能。九州自動車道や東九州自動車道も整備されており、鹿児島市へは車で約1時間の距離です。

中山間地域中山間地域で新築住宅を建てる場合は最大50万円 、住宅の増改築や中古住宅購入にも補助金があり、住まいづくりをしっかり後押し。貸家の家賃補助も月額最大2万円、最長12か月支給されます。18歳未満の子どもを連れて移住する世帯には、子ども1人につき100万円が加算されるため、子育て世帯も安心です。さらに、2日〜14日間利用できるお試し滞在施設で、移住前に暮らしを体験できるのも魅力。自然豊かな霧島で、安心して移住生活を始められる環境が整っています。

日置市(鹿児島県)

日置の海岸 日置の海岸

薩摩半島のほぼ中央に位置する日置市は、鹿児島市の西隣という立地のよさから、近年はベッドタウンとして人気を集めています。西側に広がる「吹上浜」は、日本三大砂丘のひとつに数えられる全長約47kmの白砂青松の海岸で、海水浴やサーフィンなどマリンスポーツも楽しめます。冬でも雪はほとんど降らず、年間を通じて比較的暖かく過ごしやすいのが魅力ですが、桜島の火山灰への対策は欠かせません。

鹿児島市までは車で約30分鹿児島空港へも約40分とアクセスがよく、通勤や旅行に気軽に出掛けられます。JR鹿児島本線も通りますが本数は少なく、日常の買い物は近隣都市の大型商業施設に頼ることになるので、移動や買い物には車があると便利です。

移住や定住を支援するさまざまな制度があります。「空き家改修事業費補助金」では、空き家を所有したり活用したりする方を対象に、改修費用の3分の1(上限30万円)をサポート。「過疎地域移住定住促進事業費補助金(市外転入者向け)」では、市外から日置市の対象エリアに移住し、新築またはリフォームを行った方に、一律20万円(18歳以下の子どもがいる場合1人につき10万円加算、市内のリフォーム業者を利用した場合も10万円加算)が補助されます。

04| 移住者の声

海と街、そして創作の場を持てる都市・福岡市に移住した遠藤幹子さん

写真右は自宅からの眺め 写真右は自宅からの眺め

建築家として国内外で数々の空間デザインに携わってきた遠藤幹子さんは、2018年に東京から福岡市へと拠点を移しました。Z会グループの学習塾や星野リゾート・トマムの屋外遊具のデザイン、あいちトリエンナーレの展示空間など、多彩なプロジェクトを手掛ける一方、海外ではザンビア共和国で「Women’s Center」の設計と参加型ワークショップも実施。お子さんも成人され、仕事のフィールドはグローバルに広がりながらも、暮らしのベースには福岡を選びました。

2010年に福岡市のイノベーター育成事業に講師として招かれた際に、クリエイターや起業家の方々との交流を通じ、「いつかこの街で仕事をしてみたい」という思いが芽生えたことが移住のきっかけでした。2015年からは福岡市科学館のデザインディレクションに携わり、月に数回出張で訪れるようになると、その思いをますます強くしたそうです。東京との二拠点生活を経て、母の介護を終えたこと、東京五輪の準備で当時住んでいた変わりゆく千駄ヶ谷の街並みに背中を押されたことなどが重なり、福岡へと移住を決意しました。

遠藤さんがディレクションを手掛けた福岡市科学館 遠藤さんがディレクションを手掛けた福岡市科学館

「人口密度が低く、大きな建物も少ないので空が広く、毎日の暮らしがゆったりと感じられます」と、福岡での暮らしについて話す遠藤さん。海や山が近く、新鮮な野菜や魚、肉も手に入り、さほどお金をかけなくても遊びの選択肢が豊富です。「東京では毎日忙しく、休みの日も遊びや消費に追われていましたが、福岡では暮らしそのものが楽しめます」。

移住後、遠藤さんは海辺でのアクティビティに夢中になりました。海辺にいると、友人からヨットやボートに誘われることも多く、新しい遊びの幅が広がっていきました。今では海辺に暮らし、SUPやウィングフォイル、ヨットやボートレースまで、多彩なマリンスポーツに挑戦。週末に通うサーフショップ兼カフェを拠点に、仲間と地域の活動やイベントを楽しむ日々です。

移住後に始めたウィングフォイル 移住後に始めたウィングフォイル

ヨットも移住後に始めた遊びの一つ ヨットも移住後に始めた遊びの一つ

オフィスの仲間に誘われて始めたマラソンではフルマラソンを完走。「自宅前の海辺で早朝ランニングをしながらフルマラソンに挑戦し、完走できたときは達成感がありました」と笑顔で話します。

自然の近さも福岡の魅力。車で10分も走れば軽い登山が楽しめ、30分〜1時間で温泉地に到着します。「阿蘇や久住への車中泊旅行では、満点の星空の下で焚き火を囲み、冷たい風とあたたかい焚き火の感触を交互に楽しむひとときに、都会では味わえない解放感に浸れます」と笑顔。車中泊で九州一周旅行に出かけるなど、東京時代には想像できなかった自由な時間を満喫しています。

仕事で関わる福岡県内の里山の町では、地域の方々とバーベキューやワークショップを楽しむなど、暮らしと仕事が自然に結びついています。

地元の公民館を使って開催した地域活動「こどもがつくるこどものまち」 地元の公民館を使って開催した地域活動「こどもがつくるこどものまち」

長垂海岸で行った遠藤さんが主催する活動「本気のビーチ砂あそびの会」 長垂海岸で行った遠藤さんが主催する活動「本気のビーチ砂あそびの会」

里山の地域交流型シェアオフィス 里山の地域交流型シェアオフィス

「朝一の飛行機で東京に行って打ち合わせを終え、その日の夕方には海に戻ってサーフィン。そんな暮らしができるのは、空港が街に近い福岡ならでは。都市の利便性と自然の豊かさを同時に味わえるのは本当に贅沢です」と話します。

海辺の近くで遠藤さんが利用しているオフィス 海辺の近くで遠藤さんが利用しているオフィス

地域活動にも積極的で、海辺の子ども向けコミュニティイベントを主催。砂遊びや工作ワークショップ、海辺ならではの「こどものまち」を企画し、地域との交流を楽しんでいます。「福岡は移住者や転勤族も多く、地域に馴染みやすい環境です」と遠藤さんは語ります。

福岡を「心身をリフレッシュさせながら創作できる大切なホーム」と位置づける彼女は、今後も地域と深く関わりながら、新たな活動を広げていくつもりだとか。「おしゃれな店やおいしい食事が揃いながら、のびのび子育てできる環境も整っています。移住者が多く、外から来た人を受け入れる雰囲気があるので、安心して暮らせると思います」とメッセージをくれました。

アントレース

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