大阪の経済・金融の中心地・北浜。この界隈は豊臣秀吉の頃から商いの町として栄えてきたのですが、最近は都心の閑静な住宅街としての認知度、人気度が高まっています。そんな注目の街、北浜の街の住みやすさを、交通アクセスや治安、休日にお出かけしたいスポットなどを通してご紹介します。
ライター:中野祐子
CONTENTS
01| 北浜の概要:ウォール街からセレブな住宅街へ
▲街の象徴である大阪取引所外観
(写真提供:(公財)大阪観光局)
北浜は大阪市中央区の北側に位置するエリア。1878(明治11)年、数年前に放送された朝ドラでも有名になった五代友厚らによって、この地に「大阪株式取引所」が設立されたことを機に、銀行や証券会社が多数立ち並ぶ「大阪のウォール街」として発展してきました。
▲五代友厚の像。朝ドラや大河ドラマで知名度が広がった
北浜が「上質の住宅街」という顔を持つようになったのは2000年代に入ってからといわれています。以前からマンションなども点在していたのですが、ビルの跡地にタワーマンションが続々と誕生。都心の利便性と歴史あるウォール街に住むという付加価値から多くの人が移り住むようになったのです。
02| アクセス:主要駅が集中!徒歩移動もスムーズ
▲堺筋に並ぶビルやホテルに直結しており、便利な北浜駅
北浜は都心部なので、アクセスは申し分なし。主要駅は大阪メトロ堺筋線・北浜駅。堺筋線は天神橋筋六丁目から天下茶屋までを結び、天神橋筋六丁目から阪急電鉄千里線・京都線、天下茶屋から関西国際空港にもつながる南海電車が乗り入れ。さらに沿線には大阪のビジネス街のひとつ堺筋本町駅、ミナミへの入り口・長堀橋駅もあります。
また、大坂屈指のビジネス街・淀屋橋とも目と鼻の先で、大阪メトロ御堂筋線淀屋橋には徒歩で5分程度。沿線には梅田駅や難波駅、新幹線の発着駅・新大阪駅があり、便利。北浜駅と淀屋橋駅は地下街でつながっているので、雨の日の移動も快適です。さらに堺筋線北浜駅は京阪電車北浜駅とも隣接し、大阪のもうひとつのビジネス街・京橋駅や京都へもスムーズに移動できます。
車のアクセスもよく、御堂筋、堺筋という主要道路が通り、阪神高速高麗橋ICにも近いです。通勤・通学にも、休日に遊びに行くにも、とにかく便利な街です。
03| 治安と暮らし:平日は活気に溢れ、休日は静か。生活環境も整う
北浜の治安は良好です。平日は人の往来が多く、にぎやか。一方、土曜日曜や祝祭日は、多くのオフィスが休日となるため静かに。いつもとは違うひっそりとしたビル群を散策……というのもいいかもしれません。
街の治安維持に欠かせない警察署は、北浜駅と淀屋橋駅の間に東警察署北浜交番と、北浜を北端に流れる土佐堀川の対岸に天満警察署という大きな警察署があって安心。平日は各ビルに警備員が常駐していることも安心につながるのではないでしょうか。
生活環境としては飲食店が多く、老舗料亭や有名レストランも点在しています。銀行や郵便局、コンビニエンスストアも充実し、住宅街として機能するようになってからはスーパーや病院、スポーツクラブなども増加。北浜駅直結のタワーマンション「ザ・北浜プラザ」のテナントフロアには生鮮食品が揃うスーパー「フレスコ」があり、日用品も揃う「ライフ天神橋店」、「KOYOH淀屋橋店」も徒歩圏内です。
04| マドリームがおすすめ。北浜ライフをランクアップさせるスポット
上質な暮らしを満喫できる北浜エリア。休日は心地いい公園やリバーサイドカフェ、レトロ建築巡りで穏やかに過ごしてみてはいかが?
①中之島公園でアカデミックに過ごす
▲川にぽっかり浮かぶ中之島公園
(写真提供:(公財)大阪観光局)
北浜ライフの絶好の癒しスポットとなるのが「中之島公園」です。北浜の北端に流れる堂島川と土佐掘川にはさまれた延長約1.5km、面積10.6haの水辺公園で、緑あふれる都心のオアシスとして親しまれています。春は桜並木が美しいお花見の名所であり、バラ園も有名。朝の散歩に、休日は芝生広場でピクニック気分を味わうのもおすすめです。
▲古文書や大阪関連の文献、ビジネス関係の書籍が揃う中之島図書館
写真提供:(公財)大阪観光局)
中之島公園には、赤いレンガ造りが特長の中央公会堂、重厚な石造りの大阪府立中之島図書館といった施設もあります。レトロな建築様式を鑑賞したり、読書をしたりと、アカデミックな一日を過ごすことができるでしょう。
▲ライトアップされた中央公会堂。大阪のシンボル的存在でもある
(写真提供:(公財)大阪観光局)
さらに中之島公園では、水都大阪の象徴として、さまざまなイベントが随時開催されます。とくに12月に行われる光のアート「OSAKA光のルネサンス」は必見。界隈がライトアップされ、公会堂や図書館を使ったプロジェクションマッピングも圧巻で、寒い季節が待ち遠しくなりそうです。
②リバーサイドカフェでスタイリッシュに
▲都心でゆったりと過ごせる「大阪川床北浜テラス」
(写真提供:(公財)大阪観光局)
北浜ライフをおしゃれに彩ってくれるのが土佐堀川に面するビルの一角を活用した「大阪川床 北浜テラス」。カフェやレストランが並び(現在14店舗)、対岸の中之島公園の緑、中央公会堂などを眺めながら、心地いいひと時を堪能できます。
▲夏はビアガーデンにもなる「RIVERSIDE GRILL & BEER GARDEN」
(写真提供:(公財)大阪観光局)
中之島公園のバラ園にある「RIVERSIDE GRILL & BEER GARDEN」では、手ぶらでBBQがOK。また、中之島図書館内には「スモーブロー キッチンナカノシマ」というデンマーク生まれのオープンサンドのカフェ、中央公会堂には「中之島ソーシャルイートアウェイク」というミシュランシェフ監修のレストランもあります。
③レトロビル巡りでノスタルジックに
▲レトロビルが多数現存するのも北浜の魅力
北浜界隈には明治、大正、昭和初期の商人たちが財を投じて建築した当時の最先端建築が密集しています。アールデコ、ルネッサンスなど様式も多彩で、まるで街全体が美術館のよう。暮らす物件によっては、これらのレトロ建築物を眺めることができる贅沢さ。ショップやレストランが入っているビルも多いので、北浜の歴史を感じながらノスタルジックな気分に浸ってみてはいかがでしょう?
いくつか、代表的なレトロ建築をご紹介します。
(写真提供:(公財)大阪観光局)
(写真提供:(公財)大阪観光局)
「生駒ビルヂング」
1930(昭和5)年に株式会社生駒時計店の本社として完成。屋上の時計塔や振り子のデザインが施された出窓や丸窓が目を引き、入口正面のイタリア産大理石を使った階段やステンドグラスも綺麗。本社の営業時間内であれば見学も可能で、1階にはバールもあります。
(写真提供:(公財)大阪観光局)
(写真提供:(公財)大阪観光局)
「芝川ビルヂング」
1927(昭和2)船場の豪商・芝川又四郎によって竣工。関東大震災を教訓に当時は珍しい鉄筋コンクリートで造られました。マヤ・インカ文明を想わせる装飾も当時としては斬新で、今も異彩を放っています。現在はテナントビルとしてレストランやバー、ショコラティエなどが営業中。
(写真提供:(公財)大阪観光局)
「北浜レトロビル」
大阪証券取引所の向かい側に建つ英国風の洋館。証券の仲買業者の社屋として1912(明治45)年に竣工。現在は1階が自家製カントリーケーキ、紅茶、英国雑貨のショップ、2Fは純英国スタイルのティーサロンになっていて、中之島公園のバラ園が一望できます。
05| 知っておきたい大阪市中央区の制度
暮らすうえで気になる自治体の制度をご紹介します。
まずは医療費。大阪市では子どもの医療費を一部負担してもらえます。
・医療費、訪問看護利用料:1医療機関ごと 1日当たり最大500円(月2日限度)
・対象:0歳〜18歳(12歳〜18歳は所得制限あり)
次に子育て支援。大阪市中央区子ども・子育てプラサを利用可能。子どもを遊ばせたり、イベントに参加したり、子育て相談もできます。(事前予約・定員制、利用回数の制限など条件あり)
また、最近の北浜の住宅街化によって、学校区の大阪市立開平小学校も生徒数が大幅に増加。それに伴い、2022年、地上5階・地下1階建ての新校舎が完成予定です。
06| 家賃と新築物件の相場
北浜の家賃や新築物件の相場は次の通りです。
賃貸マンション・アパートの目安
ワンルーム・1K・1DK:70,000円~
1LDK・2K・2DK:120,000円~
2LDK・3K・3DK:240,000円~
3LDK・4K・4DK:230,000円〜
新築・分譲マンション
3,000万円~
中古マンション
2,000万円~
賃貸も分譲も相場はやや高めですが、シングル、カップル、ファミリーを問わず人気があり、競争率も高いので、不動産店にしっかり相談するのがおすすめです。
07| 北浜のことならおまかせ!おすすめの不動産店
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中野祐子 ライター