公開日: 2022.12.12 最終更新日: 2023.10.26

【インテリアスタイリストに聞く】癒し効果も期待できる照明使いのポイント

【インテリアスタイリストに聞く】癒し効果も期待できる照明使いのポイント

日が沈むのが早くなり、寒さもどんどん厳しくなってきました。みなさま、いかがお過ごしでしょうか? インテリアスタイリストのCHAMPI です。コラムの第3回目は、夜の時間が長くなってきたこの季節、おうち時間をゆったりと過ごしていただくために「癒しの効果もある照明使いのポイント」を紹介させていただこうと思います。

インテリアスタイリスト:CHAMPI

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01| 照明効果で元気になったり、感動したり

照明には"照らす"という機能的な面だけではなく、感情に影響を与えるという側面があることをご存じですか? 昼間の太陽の光をみて元気になる、夕日を見るとジーンと心温まる気持ちになる。どれも人がもともと持っている心理です。ここに照明が加わることで、より感情に影響を与えます。

普段使っている照明の色は、みなさんが思う以上に心身ともに影響を与えます。 今回ご紹介するポイントを押さえて、プライベートな時間をゆったりと過ごしていただき、心身ともに健康に過ごしていただけたらと思います。

02| 照明の光の色を意識する

長い冬の夜をゆったりと過ごしていただくために、シーンにあった照明の色は欠かせません。さまざま照明の色がありますが、大きく分けて3種類。それぞれの特徴をご紹介します。

交感神経が活発になる「昼光色」

フラットな光で隅々までよく見えるのが特徴の昼光色。オフィスなどでも使われることが多い フラットな光で隅々までよく見えるのが特徴の昼光色。オフィスなどでも使われることが多い

青白いフラットな色の光です。照らされたときに影ができにくく、光も隅々まで届きやすいという特性があり、交感神経が活発になります。そのため、仕事や勉強、作業をするのに適しているといわれます。高い位置から照らすとさらに効果的です。交感神経が活発になるため作業効率はよくなるのですが、副交感神経が優位になるゆったりとしたシーンには不向きかも。よく就寝前にスマホを触らないほうがよいといわれているのはこのためです。

副交感神経が活発になる「電球色」

あたたかな電球色につつまれ、リラックスできそうなレストラン あたたかな電球色につつまれ、リラックスできそうなレストラン

夕日のようなオレンジ色の暖かい光です。陰影が付きやすく、副交感神経が活発になり、ゆったりとした癒しの空間を演出してくれます。特に就寝前には電球色のみの照明を使い、自律神経を整えて、神経も気持ちも落ち着かせ、深い眠りへのアプローチをすることが大切です。暗さが残るので、雰囲気のある場所、ホテルライクな空間やリビングや寝室などくつろぎのシーンに最適な色です。高級感も演出できます。

確認したり選んだりするのに最適な「昼白色」

昼光色と電球色の間の色です。野外の光に近い色なので、料理をするときや、服を選んだりメイクをするとき、色を確認したり、選んだりするときに最適な色です。

以上が、照明の主な3つの色です。また、青白い昼光色とオレンジ色の電球色では体感温度が 2 度違うともいわれており、暑い季節、寒い季節によってうまく使い分けると省エネにも繋がります。また、光の色はケルビン=Kで表記されています。数値が高ければ高いほど青い色になり、低いほどオレンジ色になります。

最近では明るさだけではなく、光の色を調色できる電球も普及していますので、勉強するときは青白い昼光色、くつろぎたいときはオレンジ色の電球色とシーンによって調光することにより、快適な空間を作れます。リラックスした癒し空間を意識したコーディネートにする場合、照明や電球は電球色を選んでくださいね。

03| シーリング照明は癒しのときには不向き?

標準的なシーリング照明 標準的なシーリング照明

照明といえば、メインとなるのはやはり天井照明です。日本の、とくに建売や賃貸などに、デフォルトでついてくるのがシーリング照明で、メインの照明として使っている方も多いのではないでしょうか。シーリング照明は、天井から照らすことにより、フラットな光が行き届き、仕事や勉強、作業をするときなどには最適なのですが、 頭の上からの照明はゆったりとリラックスするときには不適切。

いまは新型コロナウイルスの影響でリモートワークをされている方も多いので、メインとなる天井照明のほかに、スタンドライトやテーブルランプ、その他の照明アイテムでくつろぎの癒し空間を演出していただくことも可能です。

04| 癒しの時に必要なのは間接照明

リラックスしたくつろぎの癒し空間を作るには、やはり、間接照明は欠かせないアイテムです。間接照明は、「間接」照明という名前の通り、壁や天井に光を向けて、その反射により空間を明るくします。 直接的な光はリラックスした癒しの空間には不向きなので、リラックスしたいときは間接照明のみスイッチを入れるのがおすすめです。

ラグジュアリーなベッドルーム。天井の照明がほっとくつろげる ラグジュアリーなベッドルーム。天井の照明がほっとくつろげる

間接照明の選び方のキーワードは「低い」

間接照明といっても、どういう風に選んだらいいのか、なにを買えばいいのか、どこに置いたらいいのか、 悩んでしまう方もいらっしゃると思いますので、いくつかポイントをご紹介したいと思います。 リラックスしたくつろぎの癒し空間を作る間接照明のキーワードは、ずばり"低い"です。それぞれ、詳しく説明していきます。

  • 低い照度にする(明るさ)
  • 低いケルビンの電球の色を選ぶ(オレンジ色の光のものを選ぶ)
  • 低い位置に置く

"低い"というポイントを押さえていただければ、リラックスした癒しの空間を演出できます。

キーワード① 低い照度にする

まずは、低い照度(明るさ)の照明についてですが、目に直接的な光が入ってしまうと、交感神経が刺激されるので、くつろぎにくくなります。 シェードがついているもの、光源の周りがなにかで覆われているもの、とくに和紙などは、北欧スタイルや日本の家屋になじみやすいです。やわらかい光が部屋を照らすので、落ち着いた空間になります。

和風の旅館などでよく白い玉砂利が敷いてあると思うのですが、玉砂利は光を柔らかく拡散させる役割を担っています。柔らかい光は、リラックスした癒しの空間には欠かせないものです。あのような柔らかい光をイメージしていただくと、よりよい空間づくりができると思います。

和紙のシェードがやわらかな光をつくる 和紙のシェードがやわらかな光をつくる

キーワード② 低いケルビンの電球の色を選ぶ

そして、低いケルビンの電球の色を選ぶというポイントですが、「照明の光の色を意識する」でお話させていただいた通り、 ケルビンの数値が低い、オレンジ色の光源のものを選んでいただくということがポイントとなります。

キーワード③ 低い位置に置く

天井照明とは別にテーブルの上にも間接照明を置き、リラックス感をつくる 天井照明とは別にテーブルの上にも間接照明を置き、リラックス感をつくる

最後に、低い位置に置くというポイントですが、低い位置に照明器具を置いて、空間を照らすと、高級感がでるといわれています。 ホテルライクなリラックスした空間を演出できる方法です。簡単な方法としては、テーブルランプで床置きできるものを買うといいです。

以上の 3 つのポイントを押さえて、照明器具を選んで、お部屋に取り込んでいただくと、よりくつろげる癒し空間が演出できます。

05| 照明で観葉植物を照らす

植物の背後に照明を 植物の背後に照明を

ホテルや旅館では、よく植物にライトがあてられています。ホテルライクな空間を演出でき、非日常の雰囲気を作り出すにはもってこいの方法なんです。

植物を照らすためのライトも販売されていますが、置き型のライトや既にお手持ちのライトを鉢の後ろ側に置くという方法もあります。リラックスしたムードが出ますので、照明で今までと違った雰囲気を出したい方は、ぜひチャレンジしてみてください。

06| キャンドルを取り入れる

キャンドルや、アロマで癒し効果を キャンドルや、アロマで癒し効果を

人は太古から何万年もの間、夜の明かりには火を使い、炎をみて過ごしてきました。 また、昔の人々はオレンジ色の炎から作られる陰影も楽しんでいたといいます。炎のもっている"ゆらぎ"には、人のこころを落ち着かせる効果があります。また、自然の要素を取り入れることで、癒しにも繋がるのです。

キャンドルは近年ではどこでも売っているアイテムなので、簡単に取り入れることができます。特別な日はダイニングで料理と一緒にキャンドルホルダーを置く、疲れた日はバスタイムや寝室でアロマキャンドルを灯す、というルーティンを取り入れると、リラックスして心が落ち着き、疲れもとれます。そして、ゆったりとくつろげ、次の日はいつも以上のパフォーマンスを発揮できることでしょう。強い光は思った以上に神経を疲弊させますので、照明器具を購入するのはハードルが高いという方は、まずはキャンドルから取り入 れてみてください。

07| まとめ

以上、癒し効果もある照明使いのポイントを紹介させていただきました。照明は思った以上に心身に影響を与えます。癒されるお部屋の照明のポイントは 2 つ、オレンジ色の光、やわらかい光です。この 2 つのポイントを念頭に置いていただければ、素敵な癒しの空間が完成します。

簡単な照明のアイディアで長い冬の夜をゆったりと過ごしていただき、今年中の疲れは今年中に癒し、 新年を素敵に迎えてくださいね♪

08| 照明を探すなら、マドリーム掲載中のショップをチェック

部屋の雰囲気をワンランクあげてくれるライトを扱う

シバタ照明

CHAMPI

この記事を書いた人

CHAMPI インテリアスタイリスト

フリーランスのインテリアスタイリストとして活動中。プロップのスタイリングや商品撮影のスタイリング、店舗のVMDや展示会、個人邸のコーディネートなど、活動は多岐にわたる。

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