公開日: 2023.02.22 最終更新日: 2023.10.26

【菅原佳己さん監修】ご当地スーパー④高知・嶺北「末広ショッピングセンター」の自家製惣菜

【菅原佳己さん監修】ご当地スーパー④高知・嶺北「末広ショッピングセンター」の自家製惣菜

すべて同店の自家製ご当地惣菜。真ん中手前から反時計周りに「いも天」、「ごぼ天」、「手羽先唐揚」、「さば姿寿司(ハーフ)」、「手造り羊羹ニッケイの香」

監修:菅原佳己

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01| 地域の人から愛される自家製惣菜 「末広ショッピングセンター」

黒潮のイメージが強い高知県ですが、柚子の産地として知られる嶺北(れいほく)エリアは、山の中です。以前は秘境とも呼ばれたこの地域、今では高速道路を使って空港から50~60分! 太平洋で獲れた海の幸も新鮮なまま届くようになりました。自然豊かな山の暮らしを満喫できるアウトドアスポットとしても、人気のエリアです。

今回ご紹介するのは、この高知県嶺北エリア・土佐町のご当地スーパー「末広ショッピングセンター」。人口4,000人ほどの町としては大きな店舗で、隣では結婚式にも利用される総合宴会場も経営しています。地元の日常食から、ハレの日のご馳走まで用意する、地域に頼られるご当地スーパーです。

そんな「末広ショッピングセンター」の人気は「昔は周りに何もなく、なんでも自分たちでつくらざるを得なかった」(末広・谷脇敦社長)ことから生まれた、数多くの自家製商品たち。いまや末広の名物となっています。

02| 人気のお惣菜はこちら

右下から時計回りに「いも天」、「ごぼ天」、「手羽先唐揚」、「さば姿寿司(ハーフ)」 右下から時計回りに「いも天」、「ごぼ天」、「手羽先唐揚」、「さば姿寿司(ハーフ)」

まずは、人気のお弁当とお惣菜。毎朝300種ほどが並び、ほとんどが同店の自家製です。ご飯も、美味しいと評判が高い冷涼で水の豊富な嶺北産のお米を使用。開店早々、近隣のお年寄りたちが待ち構えるように買っていきます。

いも天

現在は日常的な惣菜も、元々は特別な日のご馳走だったものも多く、揚げ物もそのひとつ。高知の「いも天」は一般的なものと違い、ドーナッツ風。甘いふんわりした衣をたっぷりまとったいも天は、おかずのようでもあり、デザートのようでもあり。高知市内で毎日曜日に開催される朝市名物のいも天が観光客に人気ですが、こんな風にスーパーでも定番となっています。

ごぼ天

同店の「ごぼ天」は隠れた人気商品。細かくささがきにしたごぼうをしっかり揚げているのでカリッカリの外側ともちもちの内部の不思議食感が魅力です。地元ファンの言葉を借りると「口の中に刺さりそうなぐらいの揚げ具合が最高」とのこと。どうぞ気を付けて。

手羽先唐揚

同店人気の上位に入る「手羽先唐揚」は、あまり知られていませんが高知県民のソウルフードのひとつ。高知県内には手羽先専門店があるほどです。唐揚げという名ですが、素揚げにした手羽先に、塩こしょうしただけのシンプルな味付けで、お酒が進みます。

さば姿寿司(ハーフ)&手造り羊羹ニッケイの香

「さば姿寿司(ハーフ)」と「手造り羊羹ニッケイの香」は、高知県のご馳走を盛り込んだ大皿料理「皿鉢(さわち)料理」に盛り込まれるメニューの定番です。皿鉢料理は鰹のタタキや刺身、寿司、煮物、揚げ物、甘いものを一皿に盛り付けた、豪快なパーティスタイル。宴会のことを「おきゃく」と呼び、その席に欠かせないものなのです。

今回はハーフ(半分)の「さば姿寿司」ですが、通常はド〜ンと一匹の姿寿司が盛られ、残ったものを翌日、焼き網で焼いて食べるのが地元の密やかな楽しみだそう。そして、飲みながら、目にも眩しい真っ赤な甘い羊羹をインターバルにし、しょっぱいと甘いを行ったり来たりと、高知の「おきゃく」の夜はふけていきます。

03| 本格的な鰹のタタキは、ネットでも購入可能

さて、「末広ショッピングセンター」がある土佐町は、人口4,000人の山間の町。こんなに自家製商品をつくっていても売れないのでは? と心配になった方がいるかもしれません。じつは、末広は、地元の食を自社商品として、全国のスーパーに卸しているほか、自前のネットショップでも広く一般に販売しており、これが大人気。

店でも購入できますが、ネットでも買えるのが、自社で本格藁焼きする「鰹のタタキ」。無農薬・有機肥料で育てた自家栽培米の藁で一気に炙るため、表面がこの上なく香ばしく仕上がる、安心で美味しい本場の味です。

ネット商品では、これに、薬味と自家製ポン酢、自家製柚子酢をセットにしたものが届きます。

ネットショップで購入可能な「鰹のタタキ」 ネットショップで購入可能な「鰹のタタキ」

04| 山の幸を寿司ネタにした田舎寿司

また、店でも、ネットでも人気の地元の食といえば、「田舎寿司」。昔は海の幸が乏しかった里山で、山の幸を寿司のネタにして食べる郷土料理の「田舎寿司」がハレの日のご馳走でした。旬の野菜の煮物や酢漬けは、見た目も美しく滋味深い味わいです。地元名産の柚子が香るすし飯と山の幸のハーモニーは絶品。ぜひ、高知の山の食文化を楽しんでみてください。

※今回紹介した商品の価格(すべて税込価格)
自家製 いも天 2個入り:105円
自家製 ごぼ天:105円
自家製 手羽先唐揚:213円/100g
自家製 さば姿寿司(ハーフ):537円
手造り 羊羹ニッケイの香:※000※円

(以下はネットショップ商品、送料別。店内で販売するものと価格や企画が異なります。)
鰹のタタキ三昧ぜよ1節セット(自家製 藁焼き鰹のタタキ):2,190円
自家製 田舎寿司せっと:1,500円~

05| 「末広ショッピングセンター本店」店舗情報はこちら

末広ショッピングセンター本店
住所:高知県土佐郡土佐町田井1353-2
TEL:0887-82-0128
営業時間:9:00~19:45(夏期のみ20:00まで)

※価格は取材時の税込み価格です。予告なく、価格や商品仕様の変更、取り扱いの有無が生じることがあります。

菅原佳己

この記事を書いた人

菅原佳己 監修

すがわら よしみ
スーパーマーケット研究家。家族の転勤で国内外の転居を繰り返すうちに、スーパーの魅力に気づき、埋もれた日常食の発掘などの研究をスタート。ご当地スーパーやご当地グルメブームの火付け役として、テレビや雑誌、新聞などで活躍している。2019年7月には一般社団法人「全国ご当地スーパー協会」を設立し、新たなる活動を開始。著書は『日本全国ご当地スーパー掘り出しの逸品』(講談社)、『47都道府県 日本全国地元食図鑑』(平凡社)など多数。

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