公開日: 2024.08.19 最終更新日: 2024.08.27

【ご当地お菓子】ふくしまの桃を存分に楽しめる可愛いおやつ。福島・石川の果樹農園がつくる「ももモナカ」

【ご当地お菓子】ふくしまの桃を存分に楽しめる可愛いおやつ。福島・石川の果樹農園がつくる「ももモナカ」

福島・石川の「ももモナカボックス」

── 地域のお菓子をひもとけば、その場所の素敵な側面が見えてくる。

お菓子をとおして街のなかにちょっとだけお邪魔する、「ご当地お菓子」連載。
第24回は、福島県の中通り南部に位置する石川町の「ももモナカ」を紹介します。

ライター:吉田友希

ライター:吉田友希

01| 本物そっくり! おいしそうな桃のモナカ

福島・石川の「ももモナカ」は、コロンと丸いフォルムがキュート。本物そっくりの立体的なデザインに目を奪われます。

ももモナカを手掛けているのは、福島県石川郡石川町にある果実専門農園「大野農園」です。総面積1080a(10,8000平方m)の敷地で、桃や梨、ぶどう、りんごが大切に育てられています。

画像提供:大野農園株式会社 画像提供:大野農園株式会社

こだわりの土壌で、こだわりの仕立て方で、スタッフによる愛情と自然の恵みをたっぷり受けて育った桃は、7月から8月にかけて収穫期を迎えます。味は、甘くて濃厚。しっかりとした食感を感じられる、深みのある味わいです。

そんな自社農園の自慢の桃をたっぷり使ってつくられているのが、ももモナカ。果物を楽しむスイーツとして、2018年10月に誕生しました。大野農園が果実加工品の開発を本格的に開始した初期の頃から、変わらず人気の商品なんだそうです。

「ももモナカボックス」 「ももモナカボックス」

パッケージデザインもかわいく、栽培から加工までの過程が、丁寧に描かれています。開けるのがもったいないくらい素敵です。

02| つくる過程も楽しめる

「ももモナカボックス」の箱を開けると、モナカの種5組分に、もも餡、チーズ餡、木べら……開封するだけでもワクワクします!

チーズ餡ともも餡。丁寧でかわいらしい包装がワクワク感を醸成する チーズ餡ともも餡。丁寧でかわいらしい包装がワクワク感を醸成する

もも餡のフタを開けると、桃の甘い香りがふわっと広がります。桃の味をしっかりと感じられるだけでなく、果肉の食感が残っているのにも驚きました。

チーズ餡は、マスカルポーネチーズとクリームチーズを独自配合してつくられています。もも餡を引き立ててくれるような、まろやかでやさしい味わいです。

木べらで餡を取り、モナカの種に詰めていきます。「このくらいでいいかな?」なんて考えながら、自分でつくる。普段はなかなかないこの作業、何とも豊かな時間です。

好きなようにつくって大丈夫ということなので、今回は「もも餡50%・チーズ餡50%」と「もも餡100%」の2パターンをつくってみました。どちらも、とってもおいしいです。

03| 大野農園が目指すのは「新しい農業のカタチ」

大野農園が手掛ける商品はどれもかわいらしい。開発の際には、「ファーストインプレッション=興味」「手に取って感じる=フォトジェニック」「食べる工程=楽しさ」の3つの要素が大事にされている
画像提供:大野農園株式会社 大野農園が手掛ける商品はどれもかわいらしい。開発の際には、「ファーストインプレッション=興味」「手に取って感じる=フォトジェニック」「食べる工程=楽しさ」の3つの要素が大事にされている
画像提供:大野農園株式会社

大野農園は1975年に創業。先進的な栽培方法を取り入れたり、当時はあまり浸透していなかった産直販売に転換したりと、生産者や消費者を大切にしながら、地域の魅力を発信してきました。2012年に法人化して以来、くだものの生産・販売だけでなく、果実加工品の開発、イベントの開催、キッチンカー事業など、多様なコンテンツの提供に力を入れています。

人気商品のももモナカ以外にも、大野農園が手掛ける加工品は多岐にわたります。2018年には、敷地内にショップとカフェをオープン。大野農園で収穫された果物を楽しめる場所となっています。大野農園が目指すのは、「くだものを通して人と人を繋ぐ農園」。さまざまな発信を続けながら、課題の解決にも注力しています。

大野農園の営業販売ユニットの丹内さんに、お話しを聞きました。

「農業従事者の減少・高齢化、天候・自然災害の影響、規格外商品の廃棄など、農業が抱える課題は多数存在します。そのような課題を魅力や価値に変え、『ふくしま』を誇れる商品やサービスとして提供しています。

また、農業だけでは解決できない課題解決に向けて、異業種とのコラボや商品開発による企業同士の相乗効果と価値・魅力発信の拡大にも取り組んでおります。

今後も、福島県民に愛される商品開発や地域産業の活性化、農業の課題解決、フルーツ王国ふくしまのさらなる発信に取り組み、一過性ではなく、循環する産業となることを目指していきます」。

剪定バサミがモチーフのロゴ。「新しい農業のカタチ」を切り拓いていきたいとの想いが込められている 剪定バサミがモチーフのロゴ。「新しい農業のカタチ」を切り拓いていきたいとの想いが込められている

04| 感動を与えられる果実や商品をこれからも

画像提供:大野農園株式会社 画像提供:大野農園株式会社

大野農園代表の大野栄峰さんは、2012年に家業を継ぐ形で就農。2011年3月11日に発生した東日本大震災が契機となり、「自分にできることは?」の一心で、東京から地元へ戻る決断をしたそうです。

そして、現在、大野農園には代表の方針に賛同するメンバーたちが全国、異業種から集まっています。農業をよくするため、地域の発展に貢献するために、全員でアイデアを出し合いながら農園づくり、コンテンツづくりを行っています。

画像提供:大野農園株式会社 画像提供:大野農園株式会社

画像提供:大野農園株式会社 画像提供:大野農園株式会社

今回のももモナカは、大野農園らしさが存分に生きた商品であり、まさに「新しい農業のカタチ」の一環です。とっておきの桃があり、志を同じくする農園メンバーがいたからこそ完成した福島・石川の「ももモナカ」、ごちそうさまでした。

画像提供:大野農園株式会社 画像提供:大野農園株式会社

大野農園
所在地:福島県石川郡石川町赤羽新宿130
TEL:0247-57-6004
ショップ:9:00~16:30、年末年始休
カフェ:10:00〜15:00 ※土日祝営業(1〜3月は店舗へお問い合わせください)
https://oononouen.shop-pro.jp/
※オンラインショップでも購入可能

吉田友希

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