公開日: 2025.08.25 最終更新日: 2025.08.25

【ご当地お菓子】“日本一大きい栗”を贅沢に使用! 秋田・仙北、角館発の「焼きモンブラン」

【ご当地お菓子】“日本一大きい栗”を贅沢に使用! 秋田・仙北、角館発の「焼きモンブラン」

秋田・仙北の「焼きモンブラン」
画像提供:株式会社プライムスイーツカンパニー

── 地域のお菓子をひもとけば、その場所の素敵な側面が見えてくる。

お菓子をとおして街のなかにちょっとだけお邪魔する、「ご当地お菓子」連載。
第36回は、秋田県東部に位置する仙北市の「焼きモンブラン」を紹介します。

ライター:吉田友希

ライター:吉田友希

01| 秋の味覚「栗」のホクホク感を感じるモンブランスイーツ

「焼きモンブランギフトセット 5個入」 「焼きモンブランギフトセット 5個入」

秋が近くなってくると、栗やさつま芋、かぼちゃといったホクホク系の食べ物に惹かれます。今回紹介するのは、秋田県仙北市の角館(かくのだて)にあるモンブランスイーツ専門店「RÉGAL RITZ(レガールリッツ)」の「焼きモンブラン」。お店がオープンした、2022年3月から販売されている看板商品です。

「焼きモンブラン」は、ケーキ屋に並ぶ「モンブラン」と同じような、線状のマロンクリームが特徴。モンブランケーキの美しい見た目はそのままに、贈り物にもぴったりの焼き菓子として仕上げられています。

食感は、しっとり、なめらか。栗ならではの香りやホクホク感をしっかりと感じられる、食べ応えのあるスイーツです。栗好きには、たまりません!

マロンクリームは、一つひとつ丁寧に絞られている。手作業ならではの繊細な仕上がりが魅力
画像提供:株式会社プライムスイーツカンパニー マロンクリームは、一つひとつ丁寧に絞られている。手作業ならではの繊細な仕上がりが魅力
画像提供:株式会社プライムスイーツカンパニー

開発ご担当の方にこだわりのポイントを伺うと、

「栗のスイーツといえば、海外発祥のモンブランやマロンパイのイメージが強いと思います。『焼きモンブラン』は、日本人が食べやすいように、ソフトな食感と栗の香りを十分に感じられるお菓子に仕上げました。誰かに食べてもらいたいと思えるような、特別感のある味や見た目にこだわっています」。

02| 地元名産の「西明寺栗」とフランス産栗のブレンド

ひと口に栗といっても、和栗や洋栗など、さまざまな品種が存在します。「焼きモンブラン」に使われているのは、2種類です。

ひとつは、仙北市の名産である「西明寺栗(さいみょうじぐり)」。お店の近くを流れる桧木内川(ひのきないがわ)の上流で、300年ほど前から栽培されているブランド栗です。

画像提供:株式会社プライムスイーツカンパニー 画像提供:株式会社プライムスイーツカンパニー

西明寺栗は「日本一大きい」とされており、大きいものは手のひらサイズに達する場合もあるのだとか。「赤ちゃんの握りこぶし大」とも表現されています。ふっくらとしたボリューム感と、ホクホクとした甘さが魅力の品種です。

もうひとつは、フランス産の栗。「焼きモンブラン」では、西明寺栗とフランス産の栗をブレンドしています。

「国産栗のみだと、焼き菓子にした際に栗の存在感が弱くなってしまうため、2種類をブレンドしています。栗の品種には、加工に適したものとそうでないものがあり、それぞれの特徴を踏まえて品種を選定しています」。

03| 主役はあくまで栗。繊細な栗の魅力を引き出す作り手の工夫

画像提供:株式会社プライムスイーツカンパニー 画像提供:株式会社プライムスイーツカンパニー

RÉGAL RITZでは、「焼きモンブラン」以外に、「絞りたてモンブラン」「西明寺栗の渋皮煮のせ 贅沢モンブラン」「角館モンブラン」など、複数のモンブランが展開されています。

栗は産地により、味わいや風味が異なります。その土地の土壌の栄養が大きく関わっており、木の実らしい香ばしい風味のもの、香ばしさのなかにミルキーさがあるものなど多様です。当店の通年商品の生菓子では、基本的に熊本県産の栗を使用し、季節によっては、秋田県の西明寺栗や京都産、茨城県産の栗を使ったスイーツも提供しています」。

画像提供:株式会社プライムスイーツカンパニー 画像提供:株式会社プライムスイーツカンパニー

また、「私としては、栗はそのまま味わうのが一番おいしいと思っています。栗はお菓子にすると、風味や味わいを維持することが難しい素材です」とのこと。シンプルな食材であり、繊細だからこそ、商品開発では「栗を邪魔しないこと」を意識しているそうです。

04| 使命は「秋田県の良さを全国に知ってもらうこと」

築120年以上の蔵をリノベーションした「RÉGAL RITZ」の店舗入口
画像提供:株式会社プライムスイーツカンパニー 築120年以上の蔵をリノベーションした「RÉGAL RITZ」の店舗入口
画像提供:株式会社プライムスイーツカンパニー

仙北市角館は、武家屋敷や昔ながらの建造物が多く立ち並ぶ、風情のある街。文化や歴史を肌で感じられることから「みちのくの小京都」ともいわれています。

「古き良き日本の風景が残っているところ」が、角館の魅力だそう。また、秋田の魅力については、地元愛たっぷりにこう教えていただきました。

「角館の周辺には、日本一の水深を誇る田沢湖があります。また、乳頭温泉郷や玉川温泉、日本三大花火のひとつである大曲もあり、秋田県は魅力豊富な県です。

一方で素晴らしい食材・商品・観光資源があるにも関わらず、アウトプットが上手でないと感じます。弊社では、創業理念として『新たな秋田銘菓の創造』を掲げており、RÉGAL RITZの店舗構想時から、地元の名産である西明寺栗を生かした“栗の郷”発のモンブランスイーツ専門店を展開しようと考えていました。『秋田県の良さを全国に知ってもらう』という使命のもと、モンブランスイーツ専門店として、“栗の郷”から発信を続けていきます」。

秋田・仙北の「焼きモンブラン」、ごちそうさまでした。

RÉGAL RITZ(レガールリッツ)
所在地:秋田県仙北市角館町下新町34
TEL:0187-49-8285
営業時間:10:00~17:00、年末年始休
https://regal-ritz.shop-pro.jp/
※オンラインショップでも購入可能。

吉田友希

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