「幼い頃、母と鎌倉の古本屋や古道具屋を巡るのが好きでした」。香緒里さんの書棚には、その頃の古い童話が並んでいます。蚤の市やネットで購入した古い家具を塗装し、収集している古い金具を付けてリメイク。「戦前の、ハイカラ好みの作家の書斎」のような部屋ができました。
　「注文住宅に憧れましたが、好みを言葉で伝えるのは意外と難しく、何しろお金がかかります。イメージ通りにDIYできそうな建売を11年前に購入しました」。キッチンカウンターに板とタイルを貼り、ドアには蚤の市で見つけた窓をはめ込みました。
　リビングの東側の窓、古めかしいアイアンの窓枠に見えるのは…「百均で買った薄い板を二つの違う幅に重ねて黒く塗ったものを直接窓に貼り付けました。十字に交差している部分と、端の部分にだけペンキをぼってりと盛り上げるように塗って金属っぽく見えるようにしています」。子育ての隙間時間に取り組んだ工夫の数々。「男の子3人なので床も傷がいっぱい」と笑いますが、それもレトロな味わいになっています。

　「『カッコイイ』と『使い勝手の良さ』を両立させたい」という麻衣子さん。プロ厨房みたいな男前の流し台は掃除もしやすそうですが、「実はステンレスシールを貼っただけなんです」。床に古材風クッションフロア、壁にタイルやレンガの柄の壁紙を組み合わせ、コンロ周りは防火に配慮してトタンを貼りました。トタンの凹凸はキッチン用具をフックで掛けるのに便利。
　古い食器棚は塗装した板を貼り、上部を取り払ってオープン収納に。「子どもにもわかりやすいように、白いボックスに調味料やお弁当セットを。カウンターに置いたカトラリー入れも、回転式テレビ台にガラス瓶を留めた手づくりです。みんな、自分で取りだしてね、と」。
　家事が楽になる工夫がいっぱい。「インテリアの好みは変化しますから、新しい家具を買うのはもったいない。手づくりや古道具に手を加えることで楽しんでいます」

　caworiさん宅の個性的な革張りソファは、なんと彼女の手づくり。「知人に病院の待合室みたいなベンチをもらい、それをベースにしました。詰め物を置いて革で覆い、革に穴を開けてひと針ひと針縫い上げたんです」。ヘリンボーンスタイルの寄せ木の床も、テレビを掛けたモザイク壁も、ご夫婦でコツコツつくり上げたもの。「休日返上で床材を一枚ずつ貼りました。モザイク壁は角材をスライス、着色して組み合わせました」。
　高校の美術科で出会ったふたりは、モノづくりとアンティークが大好き。「レトロに改造する前提で注文住宅を建てました。付けてもらった室内ドアはトイレだけ。ほかはネットで買い集めた古いドアを自分たちで取り付けました」。
　次はリビングの西側にコンサバトリー（ガラスで囲まれたサンルーム）をつくる予定だとか。「家という大きな玩具を買い、たぶん一生、リフォームが趣味でしょうね」。

自分で取り付けられるインテリアアイテムは、さっぱりとしがちな壁を自由に飾ることができるので、お店のような雰囲気にしたり、自分だけのオリジナル空間をつくることができます。ひと手間かける楽しさを知ると愛着が湧いてきますし、DIYを気軽に楽しみたい方にもおすすめですよ。

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LIFULL インテリア
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　日髙 里奈
Hidaka Rina
子どもの頃から模様替えをしたり、洋服や写真をコーディネートしたりすることが大好き。インテリアにおいても、魅力的な商品をご紹介していけたらうれしいです！