今のお家で暮らし始めてどれくらいになりますか？

24年です。もともとその土地が気に入って暮らし始めたので、引っ越すことは考えませんでしたね。

お家も建てたときのまま使っているのですか？

基本的にはそうです。どこにいてもコミュニケーションが取れるようにオープンな造りで、キッチンとダイニング、リビングもひとつにつながっています。家族の個室もすりガラスを使っていて、ドアを閉めても中の様子がなんとなくわかるようにしました。隠しごとのない風通しのいい家にしたかったんです。

リビングに家族が自然と集まりそうですね。

家族がいつも集まる場所があるから、心もつながっていられるという気がします。だけど居心地がよすぎるからなのか、成人している子どもたちがなかなか出ていこうとしないんです。

お家で「ひとりになりたい」と思うことはありますか？

あるのですが、ひとりになれるような場所をつくっていないんです。お互い「うるさいなあ」と思いながら暮らしているのかもしれませんね。

セリフを覚えるときはどうしていますか？

家族が寝静まったあとや仕事の合間に工夫しながら覚えています。家族を持つという選択をした以上は、その中でどうやって仕事をしていくのかを考えながらやってきました。おかげで時間配分もうまくなりましたし、家のこともいつのまにかできるようになっていました。

インテリアのこだわりはありますか？

特にこのスタイルが好きというものはないですね。自分のインスピレーションで選んで長く使っています。ソファもそろそろ10年くらいになるので買い替えたいのですが、今、犬を２頭飼っているのでやめておいたほうがよさそうです。

高岡家の食卓はいつも楽しそうです。

子どもたちが家にいつもいてくれるのは家の居心地も食事も気に入ってくれているということでしょうか。もともと私はそんな家族になりたいと思っていたので、いい感じで時が流れてきました。

息子さんもよく料理を作るそうですね。

二人とも知らないうちにできるようになっていたんです。私の知らない調味料を使ったり、私が初めて見るような野菜の切り方をすることもあって「それ、どこで覚えたの？」って聞いたらYouTubeだそうです。

家族の時間を大事にするという気持ちはお子さんたちにも伝わっているでしょうね。

お互いを思いやる気持ちはあふれているかもしれません。それでもつい子どもたちに聞いてしまうんです。「ありがたいと思ってる？ ママ、頑張ってるなって思ってる？」って（笑）。

これから暮らしはどんなふうに変化していきそうですか？

今、すごく幸せな状況ですが、いずれ子どもたちは家を出ていくことになりますよね。リビングでいつも私が座る席から外の景色がよく見えるんです。木々の成長を見ていると、子どもたちの成長も促さなきゃいけないなと思ったりしています。自分だけが幸せではいけないんです。家族ってそうじゃないですか。