東京都のほぼ中央に位置する東京都調布市。新宿まで京王線の特急利用でわずか18分の好立地ながら、川や市内各所の湧水など、水と緑に恵まれているエリアです。一方で、撮影スタジオや音楽大学、漫画家・水木しげるさんが手がけたアニメゆかりのスポットなど、多彩な文化に触れられます。また、開発目覚ましい調布駅周辺は買い物にも便利。そんな調布市の街の概要や主要駅のアクセス、治安、支援制度などをご紹介します。
CONTENTS
01| 概要:アクセス、自然、文化など生活全般が充実
調布の街並み
東京都調布市は、多摩地域の東端にあります。市の北は三鷹市と小金井市、東は世田谷区、南は狛江市および多摩川を挟んで神奈川県川崎市と稲城市、そして西は府中市に接しています。最近はその市域の形が、たいまつを持った自由の女神の上半身に似ているともいわれます。
緑色が調布市
新宿副都心までは約15kmの距離。市を東西に走る京王線の駅が市内に9駅あり、調布駅から特急を利用すれば約18分で新宿駅に到着します。こうしたアクセスのよさから、都心への通勤に便利で住環境の整った住宅地として発達。多摩地域では、八王子市、町田市、府中市に次いで、4番目に人口が多い市となっています。
武蔵野台地の南部に位置し、市内には湧き水が流れる場所も多くあります。多摩川や野川をはじめとした河川が流れており、水と緑にめぐまれた自然豊かな地でもあります。現在も市域の約7%が耕地となっており、野菜や果樹の栽培が盛んです。
「自由の女神の形」と形容されるように、市域は他の自治体と少々入り組んだ形をしている調布市は、大きく4つのエリアからなります。
<北部>
神代植物公園
北部は、古刹として知られる深大寺、隣接する神代植物公園に代表されるように、武蔵野らしい緑豊かな自然を残すエリアです。
<東部>
仙川駅南口
東部は、京王線のつつじヶ丘駅、仙川駅の沿線にあたる地域。なかでも仙川駅の周辺は、近年「調布の自由が丘」ともいわれる人気のエリア。世界的建築家・安藤忠雄氏が手掛けたアートミュージアムや公共施設、住宅が一体となったスタイリッシュな建物群や商店街に点在する個性的なカフェ、雑貨店などが注目を集めています。
<西部>
味の素スタジアム(東京スタジアム)
西部は、地域北側に大島をはじめ東京島嶼(とうしょう)エリアへの便が発着する調布飛行場があり、その南側にはFC東京、東京ヴェルディの本拠地でもある味の素スタジアム(東京スタジアム)が位置します。また、1964年に開催された東京オリンピックのマラソン折り返し地点にもなった地であり、スポーツ施設も充実しています。
<南部>
調布駅前広場
南部は、調布市のアクセスの中心・京王線調布駅のあるエリア。駅直結のショッピングモールである「トリエ京王調布」をはじめ、商業施設が充実しています。鬼太郎商店街など、商店街に個人商店も軒を連ねます。エリアの南端には多摩川が流れており、緑地も多く、市民の憩いの場となっています。また、多摩川近くには「角川大映スタジオ」「日活調布撮影所」があり、現在も、多くの作品がこのスタジオを舞台に撮影されており、調布は映画の街でもあるのです。
新宿まで電車で18分と交通至便の地でありながら、武蔵野の緑や農耕地など自然も豊か。商業施設も充実し、小粋な駅前商店街エリアやスポーツ施設充実のエリア、そして映画や音楽、アニメなどの文化と多彩な顔を持つ調布市。公私共に充実した生活が送れる地域といえるでしょう。
02| アクセスと主要駅:新宿までのアクセス至便
野川をわたる京王線車両
アクセスの中心となるのは、京王線特急電車の停車駅である調布駅です。京王線は新宿方面から調布市内に入ると、仙川・柴崎・国領・布田の各駅が並び調布駅で京王線と京王相模原線に分岐。調布駅の先は京王線西調布駅・飛田給駅の各駅、京王相模原線の京王多摩川駅があります。
調布駅から京王線の新宿駅までは、特急を利用すれば、途中1駅(明大前駅)に停車するだけ。所要時間は約18分と交通至便です。また、渋谷駅までは明大前駅で京王井の頭線に乗り換えれば、最短で25分ほど。新宿駅でJR山手線をはじめ、各線に乗り換えれば都心へのアクセスも便利です。
調布駅北口のバスターミナル
市内の南北のアクセスは路線バスの利用となりますが、調布駅を中心に整備されており、駅の南北にバスターミナルがあります。北口からは、吉祥寺・三鷹・武蔵小金井方面をはじめ西武多摩川線の武蔵境駅や多摩駅、京王線の国領駅、西調布駅などへ路線が伸びます。一方南口からは京王線の仙川・つつじヶ丘などの各駅、小田急線の成城学園前駅や狛江駅のほか、渋谷駅や三軒茶屋駅、玉川駅などの方面へのバスも発着。本数も多く、通勤・通学に不便はなさそうです。
03| メイン駅周辺の様子:シネコンや鬼太郎ゆかりの商店街も
トリエ京王調布 A館
調布駅は、京王線(八王子・高尾山口方面)と京王相模原線(京王多摩センター・橋本方面)の分岐駅。京王線で最も古い駅のひとつであり、文字通りの主要駅です。京王電鉄単独の駅としては、最多の乗降客数を誇ります。以前は地上にホームがありましたが、国領駅~調布駅間の路線地下化が行われ、現在は地下駅となっています。
駅前の路線跡地に3棟からなる複合商業施設「トリエ京王調布」が誕生したのは2017(平成29)年のこと。それ以前も「調布パルコ」をはじめ、西友、とうきゅう、オーケー、マルエツなどのスーパーが駅周辺にあり利便性は高かったのですが、トリエ京王調布のオープンでより便利な街になりました。
トリエ京王調布は、駅直結のA館に「成城石井」などの食品店や「スターバックス」などのカフェ、B棟には家電量販店の「ビックカメラ」、そしてC棟にはシネマコンプレックスの「イオンシネマ シアタス調布」が入っています。また、調布パルコには「ABCマート」や「無印良品」、「ユニクロ」、「カルディコーヒーファーム」などが。生活必需品だけでなく、衣料品など大抵の買い物が駅周辺で完結します。
天神通り商店街
さらに、調布駅周辺の魅力となっているのが、アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』のオブジェがあちこちに置かれている天神通り商店街。通称・鬼太郎商店街です。調布の街は、この駅前商店街に限らず、街の随所に鬼太郎のキャラクターが登場しますが、これは作者の水木しげるさんが、調布市民だった縁から。商店街に飲食店をはじめ昔から営業している個人商店が軒を連ね、街歩きが楽しめます。
さらに、駅周辺には、調布市役所や文化会館、ホール、警察署などの公共施設、各種金融機関、医療機関など生活関連施設も充実。生活に必要なものが、コンパクトな範囲に揃っている街です。
04| 治安:犯罪件数は下降、住宅街は治安良好
調布市の市内刑法犯認知件数の推移を見ると
2017年 1,576件
2018年 1,721件
2019年 1,509件
2020年 1,105件
2021年 984件
と着実に減少しています。
市内の町別の件数を見ると、各駅の周辺は件数が多くなっていますが、住宅街は概ね20件以内となっており、治安は良好といえるでしょう。また、駅周辺も犯罪の多くは自転車窃盗・万引き・置き引きなどで、凶悪犯にあたるような犯罪はまれのようです。
05| マドリームが選ぶ、文化が香るイベント&スポット3選
昭和30年代、調布市内には映画スタジオや映画関連企業が集積し、東洋のハリウッドと称されていました。現在も角川大映スタジオ、日活調布撮影所に代表されるように、映画関連施設・企業が多く、「映画のまち調布」として様々なイベントを開催。また、仙川は日本を代表する音楽大学のひとつである桐朋学園大学があるなど、音楽が身近な街でもあります。そして、都内唯一の植物公園として開園した神代植物公園も、調布ならではの文化施設。そんな文化が香る調布のイベント&スポットをご紹介します。
イベント①:「調布シネマフェスティバル」
調布シネマフェスティバルの様子
映画・映像企業が40社以上集積する調布市ならではの、映画の作り手にスポットを当てた映画祭。例年、1月下旬から2月中旬にかけて開催されます。開催に先立ち、約半年にわたり「日本映画人気投票」を行い、フェスティバルでの上映作品を決定するのが大きな特徴です。映画祭では、映画賞授賞式をはじめ映画制作の技術スタッフや監督によるトークショー付きの映画上映会、展示、ワークショップなど、各種イベントも開催されます。
イベント②:「調布国際音楽祭」
「調布国際音楽祭」の様子
Ⓒ K. Miura
例年6月に開催されるクラシック音楽の祭典。「手作りの感覚とクオリティを両立させた」ラインナップがコンセプトで、国内有名交響楽団による演奏のほか、若手演奏家で構成されるフェスティバル・オーケストラの演奏や、市民音楽家の参加するコンサートなど、毎年のテーマにそった楽曲が奏でられます。また、市内を代表する古刹・深大寺の本堂でのコンサートも恒例となっています。
イベント③:「神代植物公園のバラフェスタ」
神代植物公園のばら園
神代植物公園は、深大寺の隣接地にある広大な植物公園。園内には、つつじ園、さくら園、うめ園などの見本園や大温室、水生植物園、植物会館、芝生広場、雑木林などがあり、植物の数は約4,800種類、10万株・本にのぼります。なかでも、バラは400種類5,200株が植えられています。シンメトリックに設計された沈床式庭園の本園、野生種・オールドローズを中心に植栽された野生種・オールドローズ園、国際ばら新品種コンクール(JRC)の試作場である国際ばらコンクール花壇の3つのエリアで構成。春と秋の見頃にフェスティバルが催され、早朝開園やバラの講演会、マルシェなど様々な催しも行われます。
06| 独自の支援制度:安心の居場所が充実
さまざまな子育て支援を展開している調布市ですが、ママと子どもが一緒に出かけられる場所、子どもたちの居場所になる場所、地域の人々と交流できる場所など、気軽に出かけられる“場”を設けているのが大きな特徴です。
調布駅南口には、「気軽に子どもを預けられる施設」「雨の日でも子どもが遊べるスペース」「親同士の交流を図る場所」として「こどもとフラット」を開設中。施設内の「プレイセンターちょうふ」は、雨の日でも子ども(小学校就学前の児童)が遊べる屋内の遊び場。親同士が学び合いながら、主体的に運営に参加するプレイセンター事業も実施しています。同じく施設内にあるのが子育てカフェの「aona(あおな)」。子育ての悩みを独りで抱えみがちな保護者と、地域の様々な子育て支援者をつなぐ交流の場で、子育て支援活動が生まれる仕組みを作る多世代交流カフェです。
一方、国領駅近くにあるのが「調布市子ども家庭支援センター すこやか」。親子でボールプールや積み木などで自由に遊べる「屋根のある公園」、満3カ月から1歳の誕生月を迎えるまでの赤ちゃんと保護者の交流の場「コロコロパンダ」、1歳から1歳6カ月未満の未就園児と保護者の交流の場「にこにこパンダ」、1歳6カ月以上の未就園児の親子の交流の場「すくすくパンダ」、さらに専門相談員による子ども・家庭総合相談など、充実した施設内容です。さらに、ショートステイやトワイライトステイ、ファミリー・サポートなど一時預かりの橋渡しも行っています。
また、小中高生の居場所づくりも積極的に展開。放課後子供教室事業「ユーフォー」では、放課後にランドセルを背負ったまま、友だち同士で遊びに行くことができる、小学校内や近隣施設を利用した自由で安全な遊び場を提供。「青少年ステーションCAPS」では、中・高校生世代への健全な居場所の提供を目的に、各種講座やサークル活動、ボランティア活動などを支援。「青少年交流館」は小中高生が交流する居場所として、共有スペースやパソコンコーナーを開放しています。さらに、児童青少年の文化活動の集会の場「つつじヶ丘児童館ホール」、市内11か所の児童館、多くの学童クラブなど、放課後や休日に充実した時間が過ごせる場を数多く設けています。
07| 知っておきたい家賃相場と新築物件の価格帯
東京都調布市の家賃や新築物件の相場は次の通りです。
賃貸マンション・アパートの目安は下記。
2DK:100,000円
3DK:120,000円
1LDK:120,000円
2LDK:145,000円
新築・分譲一戸建ては
5,000万円台前半
から多くの物件が販売されています。
中古マンションは
築5年~15年以内:4,000万円台前半
それ以上の築年数:3,000万円台前半
となります。