公開日: 2023.09.07 最終更新日: 2023.10.26

【私の移住ストーリー】 ~vol.4 ベストな子育て環境を考える中でたどり着いた富良野~ くみさんのケース

【私の移住ストーリー】 ~vol.4 ベストな子育て環境を考える中でたどり着いた富良野~ くみさんのケース

移住の魅力をお伝えする「私の移住ストーリー」。今回は、出産を契機に都内近郊から北海道富良野市に家族で移住したくみさんです。北海道の中心に位置し、大雪(だいせつ)十勝連峰と芦別(あしべつ)・夕張山系に囲まれた盆地で、雄大な自然を感じられる富良野。移住後、富良野が大好きになり、北海道観光マスターの資格まで取得したというくみさんに、富良野の魅力を伺いました。

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01| 子どもの幼少期の10年間、富良野へ

広大なラベンダー畑が有名な「ファーム富田」。観光スポットで旅しながらリゾートバイトをする学生さんが多いのも富良野ならでは 広大なラベンダー畑が有名な「ファーム富田」。観光スポットで旅しながらリゾートバイトをする学生さんが多いのも富良野ならでは

東京で生まれ育ち、大人になってからは千葉で暮らしていたくみさん。下のお子さんが生まれた年から富良野への移住を決意したそうですが、富良野は、親戚がいるわけでも前から行きたかった場所でもなかったそう。

子育てする上でベストな環境はどこか考えた結果でした。下の子は予定帝王切開で産みましたが、まだお腹を縫ってもらっている時から別の病院へ緊急搬送されて。1か月小児科のNICUに入院することになったんです。少し身体が弱そうな次男、当時は千葉の工場が多いエリアに住んでいたので、ぜんそくにならないか心配でした。都会ではなく、自然の多い地域に引っ越したいと考えた時、前職の会社の先輩が富良野に移住されていたのを思い出したんです」。

思い出したものの、富良野はまるで知らない場所だったそう。

有名な『北の国から』を観たこともないぐらい事前知識に乏しい場所でした(笑)。でも、北海道の中でも都会過ぎず、よさそうだなと思い候補にあがりました。そこから千葉にいる間に富良野での就職先を見つけ、子どもたちの預け先も目途が立ったので、移住をスタートさせました」。

02| 移住に関して心配だったこと

希望の職種で働き口はあるか? それ以外はどうにかなる精神で突破

牧草地にポツンと咲く桜「上御料(かみごりょう)の一本桜」へは、ぜひ車で 牧草地にポツンと咲く桜「上御料(かみごりょう)の一本桜」へは、ぜひ車で

JRや路線バスもありますが、やはり車がある方が便利な富良野。くみさんは、運転免許を持っていなかったのですが、移住後に取得したそう。そんな「まずは行動してみる」ことを大切にしているくみさんの中で心配だったのは、勤め先。

夏の北海道を代表する祭りのひとつ「ふらの北海へそ祭り」 夏の北海道を代表する祭りのひとつ「ふらの北海へそ祭り」

「これまで夫はテーマパークのスタッフとして働いていたので、近しい募集を探していたところ、アウトドア関連の会社で接客業の募集を見つけて。ちょうど都内で社長が出張に来たタイミングで面接を受けました。夫はそこで採用通知ももらい、私も「ファーム富田」のアイスクリーム販売の職に就けたので、現地で家を見て決めて、生活の基盤を固めました」。

トントン拍子で就職が決まったくみさん。小さなお子さんの預け先はどうしたのでしょうか?「子どもは0歳、2歳の時で、定額制の幼稚園がよかったので移住してから数年は自分で面倒をみようと思っていました。でも、運よく兄弟なら下の子が小さいうちからでも預かってくれる幼稚園を見つけ、お願いすることに。上の子が3歳になった時に2人とも入園できて、幼稚園の先生たちに恵まれていたな、と出会いに感謝しています」。

03| 移住してよかったこと

子どもたちがのびのびと育つ、地域で面倒をみてくれる環境

雪の上に寝転んで、腕をパタパタさせて天使の羽を作ります 雪の上に寝転んで、腕をパタパタさせて天使の羽を作ります

親の代から続いていた、都会ならではの子育て環境が、移住してからガラッと変わったそう。「私は東京生まれ、東京育ち。『車に気を付けて』『芝生で寝転がってはダメ』と子どもに注意するような、人口密度が高い分、周りの目を気にした子育てをしていました。しかし、富良野に行ってからは色々なことを『いいよ』って言ってあげられるようになりました。どこでも走り回り、転がって……ということが楽しくて。おかげで子どもたちはちょっとしたことには動じない、大らかな性格になりました(大らかすぎて心配になるぐらい)。現代ではなかなか持てない性格になれたのではないかな、と嬉しく思います」。

冬の清水山。手前には、ブドウ畑の中に建ち眺望が見事な「カンパーナ六花亭」が 冬の清水山。手前には、ブドウ畑の中に建ち眺望が見事な「カンパーナ六花亭」が

近所にはおじいちゃんやおばあちゃんが多く、地方ならではの距離感もよかったそう。「当時東京ナンバーの車だったのもあって、私の車を見ては「くみさんの家の車ね」とみんなに分かってしまっていました(笑)。そんな小さなコミュニティがこれまでと違って驚きましたが、その分みんなが私たち家族をよく見てくれていている。子どもたちも挨拶をきちんとするようになり、それはこちらに戻ってきてからも続いているいい習慣です」。

04| 有名な観光地から、日常を送る心安らげる場所に

見えづらいですが、葉っぱの周りの白い点は雪虫です 見えづらいですが、葉っぱの周りの白い点は雪虫です

家が山に囲まれ、豊かな自然を享受できていたのが、移住して一番幸せだった点だと言います。「四季を体感する機会が多くなったのもとてもよかった。家の周りの山々が色づけば秋が、雪虫が飛ぶようになれば冬の訪れを感じました。おかげで都内に戻ってからもキンモクセイが香る、などちょっとした季節の変化もよくわかるようになった気がします」。

北海道で開発された白いとうもろこし 北海道で開発された白いとうもろこし

「地場野菜もすごくおいしくて。近所の農家さんが、収穫後に余ったメロンや野菜をドアノブにかけてくれていることもよくありました(笑)。私自身、移住前は精神的につらい局面でしたが、移住後はこの恵まれた自然環境で落ち着くことができました」。

05| コンパクトな中に自然も行政もあるバランスのよさ

お気に入りスポット「ふらのワイン工場」から見た風景。旭岳の噴煙があがるのを見ながらいただくワインは格別 お気に入りスポット「ふらのワイン工場」から見た風景。旭岳の噴煙があがるのを見ながらいただくワインは格別

自然が豊かな分、通学などに関しては少し大変になるイメージでしたが、住んでみると違ったそう。「富良野の中央部に住んでいましたが、スーパーなど商業施設も近く、行政施設がまとまっており、小学校も徒歩で通えていましたね。洋服で好みのブランドのモノを買いたかったり、おしゃれなカフェに行きたいと思ったりした時は、車で旭川まで行くこともありましたが、不便さはほとんど感じませんでした」。

06| 好きが高じて北海道観光マスターも取得

べべルイ地区に自噴する伏流水で観光客、地元民ともに人気の「原始の泉」 べべルイ地区に自噴する伏流水で観光客、地元民ともに人気の「原始の泉」

富良野ライフを満喫していたくみさんですが、下のお子さんが小学1年生になる年に東京へ戻ってきました。「東日本大震災で親が少し精神的に不安定になったので、泣く泣く帰ってきました。また、子どもが好きになったものが、進路を決める上で都内の方が選択肢が充実している分野だったのもこちらに戻ってきた理由のひとつです」。

富良野から近い美瑛町に立つ「親子の木」が好きでした。ここに行くと勇気をもらえます 富良野から近い美瑛町に立つ「親子の木」が好きでした。ここに行くと勇気をもらえます

東京に戻ってからは旅行会社に就職。「知識はそれほどないのに、富良野に住んでいた経験から重宝いただいて。より自分に自信をつけたいし、大好きな富良野をきちんとアピールできるようになりたくて北海道観光マスターの資格をとりました。子育て環境に私の心身の健康に、資格と、富良野にいたからこそ得られたものがたくさんありましたね。移住してすごくよかった!」

07| くみさんから、移住についてのアドバイス

とにかく行動に移すこと(1人暮らしの方ならなおさら!)。私の時は、たまたま年少クラスより下の学年でも預かってくれる幼稚園を見つけられるなど、動いてみて初めてわかったことも色々ありました。多くの人に恵まれ、離れても色々な相談ができるほど、繋がりもつくれました。ご家族がいる方なら、長期スパンで計画をしておくのも大事だと思います。子どもが小さい時と大きくなってきた時では、重視する環境が違いますから。子どもたちの将来の視野を狭めないために、環境から時期に応じて考えてみていただくといいと思います」。

※くみさんも参加している、旅コミュニティ「旅色LIKES」はこちら。
https://tabiiro.jp/likes/

旅色LIKES 旅色LIKES

08| まとめ

子どものための最善な場所はどこか。そう考えて精力的に行動に移して運をひらいていく、くみさんのストーリーでした。移住に興味がある方は、ぜひ参考にしてくださいね。

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