公開日: 2024.03.26 最終更新日: 2024.03.26

日本最北端の雄大な大地・北海道への移住関連情報&移住メリット・デメリット

日本最北端の雄大な大地・北海道への移住関連情報&移住メリット・デメリット

上富良野町のラベンダー畑と十勝連峰

日本の最北端に位置する北海道。国土の約22%を占め、都道府県で最大の面積を誇ります。道域のほぼ半分を山地が占め、広大な平野や多くの河川、貴重な湿原などで構成された自然豊かな大地です。日本で唯一、亜寒帯気候に属しており、冬の寒さや積雪の多さは北海道ならでは。屋外では厳しい自然が待ち受けていますが、北国の知恵で気密性が高く、暖房の行き届いた家屋が普及しています。札幌市や旭川市といった都市機能の発達した自治体もありますが、多くの地域では農業や酪農、漁業が盛んで、自然と一体の暮らしています。こうした地域特性を十分に理解することが、移住検討のファーストステップとなります。

編集:アントレース

編集:アントレース

blog

CONTENTS

  1. 北海道の概要:雄大な自然の中に市町村が点在。大きく6つのエリアに分かれる
    1. ●道央エリア
    2. ●道南エリア
    3. ●道北エリア
    4. ●オホーツクエリア
    5. ●十勝エリア
    6. ●釧路・根室エリア
  2. 北海道移住のメリット・デメリット: 北海道独自の自然条件の理解を
    1. ●メリット
    2. 美しい自然に囲まれている
    3. 食べ物がおいしい
    4. 家賃・住宅購入費が安い
    5. 夏は快適、冬は室内であれば快適
    6. ●デメリット
    7. 冬の寒さが厳しい
    8. 暖房費が高額
    9. 自然環境が厳しい
    10. 車が必須
  3. 北海道移住で失敗、後悔しないための準備:仕事は農業・酪農・漁業と観光関連がメイン
    1. ●家の相場
    2. ●仕事
    3. ●北海道のアクセス
  4. 北海道移住に関する支援制度・補助金:東京圏からの移住を促進する支援金制度に注目
  5. マドリームが選ぶ、北海道移住におすすめの地域:旭川、札幌、函館など都市に隣接する市町村に注目
    1. ●東川町
    2. ●歌志内市
    3. ●陸別町
    4. ●北斗市
  6. 北海道移住後の生活をイメージできる物品:札幌発祥で道内でポピュラーな2つの名物パン
    1. ①パン、ちくわ、ツナマヨのバランスが絶品「ちくわパン」
    2. ②パン、クリーム、ようかんが調和する「ようかんパン」
  7. 北海道で家を建てるなら、こちらがおすすめ
  8. 北海道移住のイメージが広がる、その他の記事はこちら

01| 北海道の概要:雄大な自然の中に市町村が点在。大きく6つのエリアに分かれる

美瑛町にある四季彩の丘と大雪山系の山なみ 美瑛町にある四季彩の丘と大雪山系の山なみ

日本の都道府県で最北端に位置する北海道。道域は東西約500km南北約400kmに及び、その面積は83,457平方kmと、日本の国土の約22%を占めています。北海道本島と約508の島で構成され、東京都の約38倍という、都道府県中で最大の面積を誇ります。

釧路平野にある釧路湿原 釧路平野にある釧路湿原

道域全体のほぼ半分を山地が占めていますが、全体的にはなだらかな土地が多いのが特徴です。本島の中央には北海道の最高峰で、今も噴煙を上げる活火山の旭岳(標高約2,291m)がそびえ、周辺は北海道の屋根と称される大雪山系を形成しています。この中央部からは天塩山地、北見山地、石狩山地、日高山脈が走っており、山地の周辺には石狩平野、十勝平野、天塩平野、そして<富良野盆地、名寄盆地、上川盆地などの平野が広大な大地が広がります。また、釧路湿原やサロベツ原野などの湿原、屈斜路湖や摩周湖、阿寒湖などのカルデラ湖が点在し、北海道ならではの雄大な自然が広がります。

北海道は温帯気候の北限にあたり、道内の多くのエリアは日本で唯一、亜寒帯気候に属しています。年平均気温は6~10度年平均降水量は700~1,700mmで、冷涼低湿な気候。梅雨はなく、台風の影響もほとんど受けません。周囲を太平洋、日本海、オホーツク海の3つの特性の異なる海に囲まれていること、いくつかの山系・山脈からなる地形の違いにより、地域によって気候には大きな違いが見られます。通常は、太平洋側の東部と西部、日本海側、オホーツク海側の4つに区分されます。共通するのは、夏と冬の温度差が非常に大きいこと、道内全域が豪雪地帯となっていることです。

北中部に位置する旭川市 北中部に位置する旭川市

広大な北海道は市町村による区分のほか、北海道独自の「振興局」が設置された14の支庁に区分されます。更に、地域特性やアクセスなどから近隣の支庁をまとめて、大きく6つ、または4つのエリアに部類されることが多いようです。気象予報区分(7エリア)、NHKのテレビ放送エリア(4エリア)、北海道警察方面本部(5エリア)なども用いられます。

以下に、一般的な6エリアの区分とその特徴、そこに所属する支庁、代表的な自治体を紹介します

●道央エリア

道内最大の交通拠点、札幌駅 道内最大の交通拠点、札幌駅

道庁所在地の札幌市や小樽市といった、北海道の行政・経済などの都市機能が集まるエリア。JR札幌駅、新千歳空港、苫小牧港といった北海道の玄関口の機能も。北海道の総面積の30%を占めます。

支庁(市町村):後志(小樽、ニセコ)、石狩(札幌、千歳)、空知(岩見沢、夕張)、胆振(室蘭、苫小牧)、日高(浦河、えりも)

●道南エリア

函館の八幡坂 函館の八幡坂

北海道の中では比較的気候が温暖。かつて北海道が蝦夷地といわれた時代から本州との交流が盛んでした。函館、松前、枝幸(えさし)などかつての歴史文化を残す町も点在。北海道新幹線の開業で新たな発展が見込まれます

支庁(市町村):檜山(江差、奥尻)、渡島(函館、松前)

●道北エリア

上富良野町に位置する十勝岳温泉の紅葉 上富良野町に位置する十勝岳温泉の紅葉

北海道の北端に位置し、大雪山国立公園や利尻礼文サロベツ国立公園といった自然の厳しさと美しさを体感できるエリアです。富良野・美瑛に旭川と北海道観光を代表する地域も。近年人気の高い北海道産の米の生産地です。

支庁(市町村):宗谷(稚内、利尻)、留萌(増毛、天売)、上川(旭川、富良野)

●オホーツクエリア

オホーツク海の流氷 オホーツク海の流氷

北海道の北東部、オホーツク海の流氷で有名なエリア。冬の寒さは厳しいですが、日照時間に恵まれており、畑作と酪農の大規模農業が盛んです。

支庁(市町村):オホーツク(網走、北見)

●十勝エリア

広大な十勝平野 広大な十勝平野

エリア内の耕地面積は全道の20%強を占め、日本最大の食料基地となっています。夏と冬、昼夜の寒暖差が大きく、農作物に好影響を与えています。

支庁(市町村):十勝(十勝、帯広)

●釧路・根室エリア

フロストフラワーが広がる阿寒湖畔 フロストフラワーが広がる阿寒湖畔

日本最東端にあたるエリアで、釧路湿原、阿寒湖をはじめ手つかずの圧倒的な大自然が残ります。一帯は牧草地が広がり酪農が盛ん。また釧路港、根室港と全国有数の水産基地も。

支庁(市町村):釧路(釧路、厚岸)、根室(根室、羅臼)

2020年(令和2年)の国勢調査によると、北海道の人口は約522万人。都道府県別では第8位となっており、日本の総人口の約4%を占めています。ただ、2015年(平成27年)の前回調査からマイナス2.9%(約15万人)となっており、増加が見られたのは札幌市や千歳市など12市町で、それ以外の167市町村では減少しています。人口密度は1平方kmあたり66.6人で、全国平均の約5分の1です。

北海道の経済の指標となる道内総生産は、2020年(令和2年)の調査で19兆7,256億円。都道府県別の総生産では全国で8位の数値となっています。産業構造を構成比で見ると、第1次産業が4.0%(全国1.0%)、第2次産業が18.0%(全国25.8%)、第3次産業が77.2%(全国72.7%)となっており、全国平均に比べ第1次産業(農林水産業)と第3次産業(サービス業)の割合が高く、第2次産業(製造、建設)の割合が低くなっています。中でも農業は、全国の約4分の1の耕地面積を占めることもあり、その農業産出額は日本全国の約15%にもなります。

家計の状況については、2022年(令和4年)の家計調査によると、勤労者世帯(2人以上の世帯)1世帯あたり1か月の実収入は58万4,894円で、全国平均の61万7,654円を下回っています。また、消費支出も一世帯当たり31万7,849円と全国平均の32万627円を下回ります。支出の内訳では、「食料」が23.8%で最大で、「その他の消費支出」(こづかい、交際費、仕送りなど)19.0%、「交通・通信」16.2%、「光熱・水道」9.8%が続きます。

02| 北海道移住のメリット・デメリット: 北海道独自の自然条件の理解を

●メリット

美しい自然に囲まれている

旭川市の全景 旭川市の全景

札幌市や旭川市といった道内の大都市に住んでいても、車で30分も移動すれば自然豊かな場所に出られます。小さな市町村であれば周辺は大自然に囲まれています。自然の中での遊びに関しても、冬のスノースポーツ、夏のキャンプやカヌーをはじめ、さまざまなアクティビティを楽しむことが可能です。温泉地の数も多く、道内には2021年(令和3年)の時点で228の温泉があり、都道府県別の温泉数では日本一です。

食べ物がおいしい

北海道の海の幸 北海道の海の幸

日本の農業・酪農を担う食糧基地だけあって、産地直送の新鮮な農産物が安価で手に入ります。太平洋、日本海、オホーツク海と豊かな漁場に囲まれているため、季節ごとに種類豊富な魚介類が水揚げされ、市場やマーケットに新鮮な状態で並びます。また、帯広の豚丼、室蘭の室蘭やきとり、札幌のスープカレー、道内各地でポピュラーなジンギスカンなど、本場の北海道グルメをリーズナブルに楽しめます。

家賃・住宅購入費が安い

釧路の街並み 釧路の街並み

家賃の相場は、札幌や旭川といった都会であっても東京の2分の1くらいの感覚です。住宅価格についても、2022年の坪単価(1坪あたりの建築費用)を見ると、東京は約83.3万円であるのに対して、北海道は68.1万円となっています。また、各都道府県の住宅地平均価格(2021年・円/平方m)では、東京都が約380,900円であるのに対して、北海道は20,800円と圧倒的に安くなっています。

夏は快適、冬は室内であれば快適

美瑛の風景 美瑛の風景

気象庁の梅雨入り・梅雨明け宣言でも北海道は対象外となっているように、北海道には一般的にイメージされるような梅雨はありません。夏前には「蝦夷梅雨」と呼ばれる小雨の続く時期がありますが、期間が短く雨量も少ないため、6~7月も蒸し暑さがなく快適に過ごせます。なお、近年は7~8月に真夏日が続くことがありますが、朝晩はぐっと気温が下がるので熱帯夜はなく、むしろ肌寒く感じるほどです。

さっぽろテレビ塔から見る大倉山方面 さっぽろテレビ塔から見る大倉山方面

一方、冬は積雪をともなう厳しい寒さとなりますが、住宅には北海道ならではの工夫が施され、屋内では快適に過ごせます。北海道の住宅の窓は二重サッシやペアガラスが基本で、屋内の熱を逃さず、屋外の冷気をシャットダウンするように、気密性・断熱性を高めているためです。また、玄関に風除室といわれる小部屋を設け、屋外の寒さや雪が室内に入り込まないようにしている家庭も多くあります。暖房器具は強力な灯油ストーブや床暖房が各部屋に備えられ、浴室やトイレ・洗面所などを含む家全体を暖めるセントラルヒーティングを取り入れている家も珍しくありません。

●デメリット

冬の寒さが厳しい

屋根の雪下ろしの様子 屋根の雪下ろしの様子

寒さや降雪量の多さは北海道の冬の大きな特徴です。地域によりますが、例年11月に入ると各地から初雪の便りが届きはじめ、12~3月頃までは雪が積もっています。12~2月の平均気温は多くのエリアで氷点下となります。気象庁のデータによると、札幌市内でも12月はマイナス0.9℃、1月はマイナス3.2℃、2月はマイナス2.7℃となっています(1991~2020年の平均)。また、札幌の降雪の深さを月ごとに合計すると、12月が113cm、1月が137cm、2月が116cmです(いずれも1991~2020年の平均)。雪の日数は12月が26.8日、1月が29.1日、2月が25.2日となっています(いずれも1991~2020年の平均)。

このため、屋根の雪下ろしや家の周辺・駐車場などの雪かきを日常的に行う必要があり、降雪の多い日は朝夕で2回必要な場合もあります。また、冬の期間は積雪や路面の凍結が常態であるため、11~4月まではスタッドレスタイヤが必須で、ワイパーも冬用に交換します。

そして、いざ外出となったときは厳重な防寒対策が必要です。ダウンコートなどの厚手のアウターに手袋、マフラー、ニット帽などを身に着け、なるべく肌の露出をなくします。また、足元は防寒・防水に加え、ソールの溝が深く滑りにくい雪道用の靴やブーツの準備が必要です。

暖房費が高額

万全の寒さ対策が施されている北海道の住居ですが、冬場はどこの家庭も暖房を24時間フル稼働させます。そのため、電気、ガス、灯油代などが高額になります。総務省の2022年の家計調査によると、2人以上の世帯の水道光熱費の月平均は、全国平均で24,524円なのに対し、北海道では30,642円と割高になっていました。 内訳として、電気やガス、水道料金は全国平均とほぼ同じですが、暖房器具に使う灯油の負担が大きな割合を占めています。

自然環境が厳しい

冬の上富良野町 冬の上富良野町

冬季の自然環境はとても厳しく、屋外活動には注意が必要です。雪道での車の運転はスピードを抑え、急ハンドル・急ブレーキを避け、車間距離を確保することが必須になります。更に、悪天候で視界が真っ白になる「ホワイトアウト」や、降り積もった雪が強風で舞い上がる地吹雪などが発生する可能性があり、事故につながりやすいため外出を控えたほうがよい日も。また、公共交通機関を使う場合も、降雪による遅延や運休になるケースを想定しなければなりません。

広大な面積を有する北海道だけに、各地でさまざまな災害も発生します。過去には北海道南西沖地震や十勝沖地震とそれに伴う津波、有珠山の噴火、集中豪雨による大雨や強風・高波、竜巻の襲来もあります。なかでも地震については、2022年(令和4年)の都道府県別の震度観測回数によると、震度1~5の発生回数の合計が229回となっており、全国で4位の頻度となっています。

車が必須

札幌市内中心部のような都市機能が発達したエリア以外では、車中心の生活になります。北海道では鉄道路線の廃線が進んでおり、バス運転手の人手不足などから中長距離バスの便数が減少傾向にあるため、こちらも車の必要性を裏付けています。また、近年、日本全国での傾向ですが、中心部の商業施設が衰退し、ロードサイドの大型商業施設を利用するライフスタイルが一般的になり、一世帯で数台の車を所有しているのも珍しくありません。ガソリン代の負担やスタッドレスタイヤの用意などの維持費もかかります。

03| 北海道移住で失敗、後悔しないための準備:仕事は農業・酪農・漁業と観光関連がメイン

●家の相場

北海道の道庁所在地である札幌市の家賃や新築物件の相場は次の通りです。

賃貸マンション・アパートの目安は下記。

2DK:55,000円
3DK:70,000円
1LDK:65,000円
2LDK:75,000円


新築・分譲一戸建ては、2,000万円台後半から多くの物件が販売されています。

中古マンションの目安は下記。

築5年~15年以内:3,000万円台前半
それ以上の築年数:2,000万円台前半


一方で、5年ごとに発表される総務省の「平成30年住宅・土地統計調査」の「住宅及び世帯に関する基本集計」によると、北海道の借家の1か月あたりの家賃の平均は41,715円で、全国平均の55,695円と比べると低くなっています。

なお、同調査の「借家1住宅当たりの居住室の広さ(畳数)」では、北海道の借家の平均は20.73畳で、全国1位の広さがあるとわかります。全国平均と比べても割安な家賃で広い部屋を借りられるといえるでしょう。また、「二重以上のサッシ又は複層ガラスの窓あり」の住宅は、北海道は79.6%と全国で最も高くなっています。

●仕事

厚生労働省の「地域別最低賃金の全国一覧」によると、2023年(令和5年)度の北海道の最低賃金は960円。全国加重平均の1,004円、首都圏(東京:1,113円、千葉:1,026円、埼玉:1,028円、神奈川:1,112円)に比べると低くなっています。

また、厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」、所定内給与(基本給に家族手当などを足した値)によると、北海道は267,700円となっており、全国平均の311,800円よりも5万円近く下回っています。

厚生労働省の「一般職業紹介状況」における2023年(令和5年)11月現在の求人倍率を見てみると、北海道は1.08倍となっており、全国平均の1.28倍、東京都の1.17倍よりも低くなっています。

「北海道データブック2023」内の道内総生産の産業構造比を見ると、第1次産業が4.0%(全国1.0%)、第2次産業が18.0%(全国25.8%)、第3次産業が77.2%(全国72.7%)となっており、全国に比べ第1次産業と第3次産業の割合が高くなっています。北海道は日本の食糧基地といわれほど農業が盛んで、数多くの作物を産出。また、観光が一大産業になっていることから、飲食・宿泊業や観光客を対象とした小売業が盛んです。

求人に関しては、全国有数の都市で人口の集中する札幌市ではさまざまな職種の求人が見込まれ、旭川市や函館市、釧路市などの主要都市でも求人はそれなりにあるようです。一方。都心部を離れると、農業や酪農、漁業、林業が主要産業であり、第1次産業が主になります。また、都市部、地方とも観光関連の仕事は高い需要が見込まれます。

●北海道のアクセス

道内の主要都市は、国道、高速道路、鉄道、バスなどで結ばれています。北海道は面積が広く、移動距離・時間ともに長くなりがちです。主要都市間の一般国道を利用した場合の、移動時間の目安は以下のようになっています。

札幌―小樽:約1時間10分
札幌―千歳:約1時間10分
旭川―富良野:約1時間30分
旭川―稚内:約5時間
北見―釧路:約3時間
北見―網走:約1時間10分
釧路―帯広:約2時間30分
釧路―根室:約2時間30分

普段の生活圏内での移動については、札幌市は市営地下鉄を利用できるため、住むエリアによっては車がなくても生活できるでしょう。旭川市や函館市といった人口の多い地域では、中心部はバスで移動できます。しかし、郊外に住む場合は車の利用が前提となります。生活の利便性を求めるなら、近隣に道内主要都市があるエリアを選ぶのが無難です。

04| 北海道移住に関する支援制度・補助金:東京圏からの移住を促進する支援金制度に注目

北海道では、東京圏からの移住を促すため、対象となる市町村に移住して就業・起業をした人を対象にした移住支援金制度を設けています。給付額は単身者が60万円、世帯の場合は100万円で、諸条件を満たし、北海道公式の移住支援金対象求人/就業マッチングサイトを通じて就業した場合に移住支援金の対象となります。ちなみに、就業する場所と居住地が別々の場所でも大丈夫です。

支給対象となるためには、以下の4点すべてを満たす必要があります。

(1)移住する直近10年間のうち、通算5年以上東京23区内に在住、または通勤していた

(2)移住する直前に1年以上東京23区内に在住、または通勤していた
※(1)(2)について、通勤の場合は埼玉県・千葉県・神奈川県のいずれかに居住していた

(3)北海道の移住支援金の対象となる108市町村に転入した

(4)就業マッチングサイト掲載の移住支援金の対象となる求人に新規で就業、または道の起業支援補助金の交付決定を受けた

ただし、令和5年9月現在で、申請多数のため、予算の上限に達することが見込まれ、移住支援金の申請の受付を停止しています。令和6年度の制度の取り扱いは未定ですが、制度が継続する場合は、令和5年度に移住した人も対象となる可能性があります。募集は各市町村を通じて年度ごとに行われるので、まずは市町村のホームページなどでチェックをしてみてください。

なお、北海道の人口の約38%が札幌市に集中していることに象徴されるように、そのほかの地域では過疎化が進んでいるのが現状です。そのため、各市町村とも就労や起業の支援、住宅補助などの制度を充実させているほか、専用サイトやオンライン相談窓口を設けたり、首都圏などでのPR活動を行ったりしているので、情報を見つけやすくなっています。

05| マドリームが選ぶ、北海道移住におすすめの地域:旭川、札幌、函館など都市に隣接する市町村に注目

●東川町

旭岳のある風景 旭岳のある風景

東川町は北海道のほぼ中央に位置する町で、北海道第2の都市・旭川市に隣接。東川町国際写真フェスティバルや写真甲子園などで「写真の町」として知られる風光明媚な土地です。大雪山の雪解け水で上水道をまかなえる自然環境のよさ、旭川市や旭川空港へのアクセスのよさ、子育て・教育環境への注力などから、移住者・転入者によって人口微増を続ける全国的にも珍しい町です。

・東川町移住体験
最短で3か月から1年間を東川町で暮らす本格的な移住体験。生活備品を備えた移住体験用住宅「東川暮らし体験館」に月額家賃35,000円で入居できます。また、滞在中は一世帯ごとに1か月につき、町内で使用できる10,000円分のHUCポイントカードが配布されます。

・東川町移住定住サイト「美しく生きる」
東川町に移住を果たし、町で暮らしている人へのインタビュー記事などを公開。移住に関するQ&A、空き家バンクの確認などもできます。

●歌志内市

歌志内市(うたしないし)は北海道のほぼ中央、石狩平野の東北端の山麓地帯に位置する市です。周囲を山並みに囲まれており、市内の約75%を森林が占めます。神威岳(かもいだけ)やペンケウタシュナイ川などの自然に溢れています。かつては一大炭鉱都市として賑わっていましたが、今は日本で一番人口が少ない「日本一小さな市」。年間平均降雪量は約10mで、雪質もよいので市内にスキー場があります。札幌市へは道央自動車道経由で約1時間、旭川市へは約50分とアクセスも良好です。


・住宅取得奨励金

住宅取得に際して、最大500万円の奨励金を交付。要件は下記の通りです。


【奨励金250万円】

・5年以上歌志内市に定住を確約できる場合 
・税金等の滞納がない方(同一世帯員を含む)・住宅を新築または建売住宅を購入した場合

更に、下記の要件を満たすことで最大500万円の補助を受けられます。

【プラス100万円】
・市内の建設業者から購入または発注した場合

【プラス50万円】
・二世帯住宅、または子育て世帯の場合

【プラス最大50万円】
・建て替えのため既存住宅を解体撤去した場合(市内建設業者利用に限る)

【プラス100万円】
・市が指定する住宅用地

●陸別町

陸別から望む阿寒の山並み 陸別から望む阿寒の山並み

陸別町は北海道の内陸部に位置し、周辺を小高い山に囲まれています。冬の寒さが厳しく「日本で一番寒い町」として知られ、マイナス30℃を下回ることもあり、ダイヤモンドダストも日常的に見られるほどです。町内の8割を森林が占める、林業と酪農が基幹産業となっています。ちなみに、周辺都市へのアクセスは、車で北見市へは約1時間15分、帯広市へは約1時間45分。女満別空港へは車で約1時間の距離で、羽田空港、関西国際空港、中部国際空港 セントレアへの便があります。

・陸別町移住定住促進住宅建設等補助事業
陸別町に移住・定住する人の住宅取得や住宅改修の費用に対し、最大400万円が助成されます。新築住宅を購入する際に、一般世帯で200万円子育て世帯で300万円2世帯で400万円の補助限度額が設けられています。

2023年(令和5年度)の要件は下記の通りです。

・当該住宅に10年以上居住すること
・陸別町内に本店を置く事業者が施工すること
・補助金交付申請前に、事業採択申請書を提出すること

・陸別町移住体験
3棟のちょっと暮らし体験住宅を町で用意。最短6日間~最長30日間まで利用でき、1日あたりの利用料は2,000~2,700円、11~4月はプラス500円/1日となっています。

●北斗市

北海道新幹線 新函館北斗駅 北海道新幹線 新函館北斗駅

北海道南西部に位置し、函館市に隣接する北斗市。市内には、北海道新幹線の始発・終着駅となる新函館北斗駅があります。津軽海峡に面した海から採れるホッキ貝などの魚介類、トマトなどの農作物、更に、松前藩戸切地陣屋跡の桜並木など観光スポットも。北海道の中でも温暖な地域で、降雪量が比較的少なく暮らしやすい地域といえます。

・北斗市空き家バンク利活用事業補助金
北斗市の独自制度で、北斗市空き家バンクに登録された物件を、居住目的で購入または賃借した方に対し、空き家の購入費や改修費などを最大100万円助成するものです。登録空き家の購入では、購入費・改修工事費・解体工事費などを上限50万円、登録空き家の賃借では、改修工事費を上限30万円補助。中学校卒業前の子どもがいる子育て世帯、市内の親世帯と同居か近居をする場合などは、更に補助金が加算されます。

06| 北海道移住後の生活をイメージできる物品:札幌発祥で道内でポピュラーな2つの名物パン

①パン、ちくわ、ツナマヨのバランスが絶品「ちくわパン」

札幌市内を中心に北海道各地で、最近は東京でも見かけるようになった「ちくわパン」。ちくわの穴の中にツナマヨサラダをつめ、生地で包んで焼いた調理パンです。その発祥の店は、1983(昭和58)年に創業し、札幌・江別に10店舗の焼き立てパン屋を展開する「どんぐり」。「弁当のおかずみたいなパンが食べたい」というお客さんの要望に応えて誕生したといいます。今では、札幌市内の多くのパン屋に並ぶ定番商品です。

②パン、クリーム、ようかんが調和する「ようかんパン」

北海道を代表する菓子パンが「ようかんパン」。その原型は、コッペパンを縦割りにして、間にホイップクリームなどのクリームをはさみ、液状のようかんで上部をコーティングしたもの。一見チョコレートをコーディングしたエクレアのようなルックスです。北海道のパンメーカー「日糧製パン」をはじめ、多くのパンメーカーやパン屋で販売されています。ツイストパンや丸型などさまざまな形があり、中身もクリームだけでなくアンコや甘納豆を入れるなどバラエティ豊かです。

07| 北海道で家を建てるなら、こちらがおすすめ

08| 北海道移住のイメージが広がる、その他の記事はこちら

都市機能が集約し、自然も豊かな街・札幌市中央区の街の住みやすさ

都市機能が集約し、自然も豊かな街・札幌市中央区の街の住みやすさ

【移住ストーリー】北海道十勝に移住して移動本屋を経営する長谷川さんのストーリー

【移住ストーリー】北海道十勝に移住して移動本屋を経営する長谷川さんのストーリー

【ご当地お菓子】札幌の乳製品専門店がつくる「#CHACOCHEE」

【ご当地お菓子】札幌の乳製品専門店がつくる「#CHACOCHEE」

アントレース

この記事を書いた人

アントレース 編集

blog

マドリームおすすめ 北海道の不動産・施工会社

北海道の記事一覧

最新の街の住みやすさ記事

都道府県から探す

北海道・東北

関東

甲信越・北陸

東海

近畿

中国・四国

九州・沖縄