コロナ禍でテレワークが進み、都市に住む必要がなくなった、自分専用の仕事部屋を確保するため広い家に住み替えたい、仕事の合間に息抜きをしたいなどの理由で地方移住やワーケーションに興味を持つ方が増えてきました。
また一方で、老後を自然に囲まれて過ごしたいという想いや、Uターンや子どもの教育などの理由で地方に移住をし、数年、数ヶ月後に、やはり自分には合わなかったと都市に戻ることで経済的ダメージを受ける場合もあります。
私自身は、地方で生まれ育ち、大学から会社員時代を東京で過ごしました。フリーランスになってからは地方と実家を月に半々くらいで生活し、今は事情もあってほぼ地方で暮らしています。どちらかにしか住めないとしたら、不便なこともありますが、地方で暮らすことを選択すると思います。それは、私にとって心身ともに健康に過ごせるのが、「ほどほど」の田舎だからです。
この記事では、移住前にまず考えてほしいことをお伝えしたいと思います。
(この記事は株式会社LIFULLが運営する「LIFULL 人生設計 」より提供を受けて掲載しています)
ファイナンシャルプランナー(CFP):遠山有美子
CONTENTS
01| はじめに
地方暮らしには、都会暮らしにはない素晴らしさがたくさんありますが、あらかじめ準備、気を付けておいたほうがいいこともあります。
例えば、豊かな自然の恩恵を受けた生活を満喫できる一方、自然と共存していく知恵が必要になる。例えば、低コストで広々とした住まいで暮らし満員電車や人混みからの解放される一方、交通の便は都会より悪くなるので車がないと不便になるなどです。
このような地方暮らしのメリット・デメリットを踏まえたうえで、まずは、以下の3つのことを考えながら、「移住計画書」を作成してみることをおすすめします。
02| 地方移住のために考えること
①何のために地方移住をするのか? 地方移住でどんな暮らしがしたいのか?
当たり前のことですが、まだ移住先が決まっていない方は最初にしっかりと目的を決めていくといいと思います。
目的の例:自然に囲まれて暮らしたい、地方で仕事がしたい、子どもの教育のため、自分の趣味のため、セカンドライフ、Uターンなどなど。
地方ではなくてもいい理由であれば、自分にとっての移住するメリットとデメリットを整理し直して、本当に地方移住が最善の選択肢か確認するとよいでしょう。
「何のために」と「どんな暮らし」がはっきりしていれば、どこに住むか、どんな家に住むか、どんな仕事・生活をするかが見えてきて、それに必要なもの(車なのか、新しい仕事なのか、住居なのか)が分かります。また、子どもの教育などの目的であれば、移住期間が限定されることもあります。
②自分のできないこと、不得意なこと、苦手なこと、制約は何か?
例えば、テレワークでも週 1 回の出社が必須という制約があれば、勤務地に通うことが難しい場所には移住できないかもしれませんし、どうしても移住したい場所があって通勤できないのであれば、転職などを検討する必要があるかもしれません。
あとは、例えば車の運転です。運転に自信がない、シニアライフでそろそろ運転免許を返上するという方は、最寄駅やスーパーまで歩ける距離の「ほどほど」の田舎暮らしのほうが快適かもしれません。
持病をお持ちであれば、診てもらえる病院が近いところが安心です。
農業が初めてで不安であれば、農業指導をしてくれる自治体もあります。
ほかには、ご近所付き合いが苦手、虫を見るのも嫌などがあれば、対策のできる場所を選んだり、それに順応していけるかお試し移住やワーケーションで確認するのもおすすめです。田舎のご近所さんは親切で温かい方が多いですし、ドラッグストアやネットで虫対策グッズなども豊富にあります。
③地方移住にどのくらいお金がかかって、移住しない場合とどう違うのか?
【考えること ① と ②】を通して「移住計画」が立ってくると、収入の見通しと住居費や生活費などの支出の見通し、車が必要になるのであればそれにかかる費用等々、「お金の計画」も立てることができます。逆もしかりで、「移住計画」でお金のことで迷ったり不安な部分がある場合は、「お金の計画」を立ててみて、検討・決定することもできます。移住やまちおこしなどに関する補助金も調べてみましょう。
移住する、しないに限らず、お金の先の見通しを立てることは大切です。
お子さまの教育費、住居費、老後の生活費は金額も大きいですし、プランによってかかるお金が大きく変わってきます。お金の心配で地方移住を迷っているのであれば、上記を含め、移住した場合としない場合のお金の見通しを立てて検討することをおすすめします。
私のコンサルティングでは、そうしたお金の見通しを立てるお手伝いをしています。
03| 「本格移住」の前に「お試し移住」がおススメすすめ!
まずは、
「移住計画書」を作成する!
【考えること ① と ②】を通して「移住計画書」を作成し、移住の目的やプランに無理がないかを確認してください。
そして、【考えること ③】の「お金の見通し」を立ててください。
「お試し移住」「短期移住」「ワーケーション」などで、その土地のこと、自分に合っているかを確認する!
住宅も最初は賃貸で様子を見ることをおすすめします。現在持ち家に住んでいるのであれば、様子見の後売却するのか、移住期間によっては人に貸すのか、など検討してみるとよいでしょう。
「ワーケーション」で気になる土地で過ごしてみたり、程よい田舎で「短期移住」を経験して、さらにスローライフ求めて自然あふれる田舎に「お試し移住」をするなど、段階を経ていくのもいいかもしれません。
移住を希望されている方が、なるべくお金の無駄なく見通しを立てて、安心して地方ライフを楽しんでいただければと願っています。
04| この記事を書いた専門家
遠山 有美子(とおやま ゆみこ)
✿地方移住・フリーランスのLife&Money Stylist✿
「自分らしい生き方」「時間と場所、組織に縛られない生き方」をコンセプトに、自分と同じフリーランスや、都会から少し離れたいという地方移住・ワーケーション生活希望の方々を応援。
100歳までの豊かな暮らしに必要なお金の準備をお手伝いします。
フリーランスを事業と家計収支両方から、地方移住をライフスタイルとマネー両方から、コンサルティングし、お一人おひとりのライフ・キャリア・マネープランに合った資産運用やリスクの備えまでご提案します。
金融機関に属さず、お客様のコンサルティングやセミナー、執筆をしているフリーランスのファイナンシャルプランナー(CFP)です。
この記事を書いた人
遠山有美子 ファイナンシャルプランナー(CFP)