公開日: 2022.12.14 最終更新日: 2023.10.26

「楽しんで演じているのを、笑って観てもらうのがベスト」村井良大さんインタビュー Vol.2

「楽しんで演じているのを、笑って観てもらうのがベスト」村井良大さんインタビュー Vol.2

取材・文/小松孝裕(エンターバンク)、撮影/山下陽子

2007年にドラマ「風魔の小次郎」で主演デビュー後、ドラマや映画、舞台などで着実にキャリアを重ねる実力派俳優の村井良大さん。自身が主演を務めるミュージカル「ファースト・デート」について、役に対する思いや意気込みなどをお伺いしました。

編集:エンターバンク

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01| ワンシチュエーションもののコメディは絶対に出たかった

――「ファースト・デート」への出演の話を聞いた時は、どのような思いでしたか?

僕自身が、見るのも演じるのもコメディ作品が好きです。それに、「ファースト・デート」は、ワンシチュエーションの作品ですが、個人的にワンシチュエーションものは面白い作品が多いと思っているので、今回のお話を頂いた時は絶対に出演したいと思いました。

舞台作品のチケットは、決して安くはないので、だったら面白いものを見たいなという思いが僕自身にありますし、エンターテインメントとしてやるからには、演者としてもお客様に楽しんで帰ってもらいたいです。それに、コロナ禍で“生”でやることの大変さがあらためて身に染みて、毎日公演ができるだけでちょっとした奇跡というような気持になりました。ですから、コメディ作品には積極的に出演したいですし、出演できることがうれしいです。


――2013年にブロードウェイで上演され、2014年には日本版が初演された「ファースト・デート」ですが、作品についての印象は?

作品そのものが完成されていて、台本がすでに面白いんです。役者たちも普通に笑って楽しみながら作っていけるかなと思っています。それに、とあるバーを舞台に話が進んでいくので、見ているお客様にとっても、すごく分かりやすいと思います。その分、演じる側はセリフの言い方など言葉を大事にしていかないと、話がそのまま流れて行ってしまいます。物語をコメディとしてお客様に最大限楽しんでもらえるように、言葉やセリフの言い回しにはより気をつけたいなと思います。

自分の中では、台本を基にある程度ビジョンが見えていて、僕一人の妄想ではすごく楽しい作品になるだろうと感じています。まだ稽古が始まっていないので、出演者の皆さんと合わせることで自分の妄想を超えてどのような相乗効果が出てくるのか楽しみです。

02| アーロンは意外とかっこいい男性なんです

――今回の作品を楽しみにしているのが伝わってきます! 今回演じられるアーロンという男性はどのような人物でしょうか?

作品のテーマになっているブラインドデートというのは、共通の知人の紹介で、全く会ったことのない異性と2人だけで会ってデートをすること。

僕が演じるアーロンは、元カノと結婚目前で破談になったという、悲しい過去を抱えています。そのうえ、ブラインドデートも初めてで、女性にも慣れていない。見ている人にとっては、あたふたしていて、男として頼りなく見えると思います。その情けなさが面白さになって、だんだんと感情移入してしまうかもしれません。あとは、自分自身の信念があって、自分がこうだと決めたことは貫くという、意外と男らしい部分もあって、最初のダメ男な印象から、意外とかっこいい人なんだなと印象が変わっていくグラデーションがアーロンの魅力ですね。

03| アーロンは草食系?

――アーロンは “草食男子”と言われたりしますよね

アーロンは“草食男子”といった枕詞が付けられがちですが、僕から見ると、ちゃんと恋愛はしたいし、結婚もしたい、ただ女性にガツガツしていないだけという印象です。だから、“草食男子”とは違うんじゃないかなと。作中に「ファーストインプレッション」という曲があるのですが、人は第一印象じゃ計れないという曲なんです。アーロンをはじめとした色々な面を持つ登場人物の、深みや面白さがこの作品のコメディ部分でもあり、面白い見え方だと思います。

04| 「レ・ミゼラブル」にも負けてない? 多彩な曲たち

――曲の話も出ましたが、村井さん自身もTwitterでおっしゃっていたように、多彩な曲も魅力のひとつですね。

1曲ごとに色々な情報が詰まっていて、それがロックだったり、ポップだったりバラードだったりとすごくカラフルに表現されています。ワンシチュエーションの作品ですが、曲ごとにまったく印象が違います。それに、どの曲も大人の雰囲気があります。夜のバーでご飯を食べるという設定なので、ジャズではないですが、温もりのある曲が多くて、すごくいいんですよね。

曲ごとにキャラクターが成り立っている歌なので、個人的には「レ・ミゼラブル」にも負けてないと思っています! それに、今回のために歌詞も書き直されているので、マイナーチェンジではあるけれども、2014年の初演を見た人でもあらためて楽しんでもらえる作品になっていると思います。

――主演としての意気込みを教えてください

お客様よりもキャストが面白くなっちゃって、笑いをこらえているぐらいがベスト。そうすることで、面白さがお客様にもより伝わっていくと思います。僕らが楽しんで演じていますというのを見てもらって、笑ってもらうのがベストなコメディなので、そう仕上げられるように、稽古をがんばりたいと思います。

僕にとっては2023年最初の作品になりますし、世知辛い世の中ではありますが、シアタークリエで思いっきり笑って、最後に元気をもらえる、心が洗われるような作品になっていますので、ぜひ劇場で楽しんでください。

05| 「ファースト・デート」ミュージカルINFORMATION

ファースト・デート
2023年1月19日(木)~31日(火)
シアタークリエ

ニューヨーク、ウェイスト・ヴィレッジのレストランバーで、ブラインド・デート(一度も会ったことのない状態でするデート)をすることになった金融マンのアーロン。緊張した面持ちの彼のもとに、相手のケイシーがやってくる。その場にいないはずの、親友、親、兄妹、元恋人の心の声に翻弄されながら、お互いを探り合い、ぎこちなく会話を始めるアーロンとケイシー。そんな二人を、ウェイターも見守っているが……。

脚本:オースティン・ウィンズバーグ 作詞・作曲:アラン・ザッカリー&マイケル・ウェイナー 翻訳・訳詞・演出:上田一豪
出演:村井良大、桜井玲香、植原卓也、音くり寿、オレノグラフィティ、保坂知寿、長谷川初範
HP:https://www.tohostage.com/first_date/

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