公開日: 2023.01.27 最終更新日: 2023.10.26

片付け苦手さん必見! これで解決、建築士によるカミワザ収納&リフォーム術

片付け苦手さん必見! これで解決、建築士によるカミワザ収納&リフォーム術

小物や季節物・子どもの様々な物が増え、ふと部屋を見渡すとモノで溢れかえっている部屋。窮屈な気持ちになったり、クローゼットが使いにくいと感じたり、うんざりする瞬間はありませんか? そんな方のために、収納を上手く使いこなすポイントや、収納空間のリノベーション方法をご紹介します。忙しいワーママさんや片付け苦手さん必見です!

Smau design(スマウデザイン):大景祥

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01| 私たちは、1,200個のモノに囲まれている?

私達は日々の暮らし中で多種多様なモノを使いこなし、所有しています。食材や衣類、洗剤等の生活必需品、仕事道具に勉強道具に加えて、趣味の物など。暮らしの中で一人あたり平均してどれくらいのモノに囲まれているかというと、約1,200個前後と言われています。

ちなみに、5人家族の場合は平均して約6,000個もあることになります。さらに、物を多く所有されている方は2倍・3倍とより多くを所有しているの物があることになります。

数字でみると驚きですよね……。

これを機に断捨離をして、すっきりと気持ちのよい空間にしてみませんか?

02| まず始めに、大事なこと

皆さん、いつも使っている物を思い浮かべてください。靴や服・ボールペンにコップ等、無意識的にお気に入りばかり使用して、それ以外はほとんど使わず眠ったまま、なんて方がほとんどだと思います。

たくさんの物を所有していながら、実際に使っているのは、ほんの一部だったりします。もしかしたら「全てまんべんなく使っている!」という方もいらっしゃるかもしれませんが、大体の方は物の中でも一軍・二軍・三軍とあるのではないでしょうか。

そして、お客様からのご相談でよくお聞きするのが「収納場所が少なくて……」「物が多くて納まらない……」「捨てるものなんてないです……」etc.

よく勘違いされがちですが、収納は多ければ多いほどいいかと言うと、そんなことはありません。大事なのは目的や用途に合った空間を選ぶことです。

例えば、白い紙に絵を描く時も、何を描くかでキャンバスのサイズもかわってきます。果物などの単体であればメモサイズで十分ですが、風景や人物像を描くときは大きなキャンバスが必要です。逆に手いっぱいの大きなキャンバスにりんごや一輪の花を描いても、アンバランスになりがちです。それと同じで、物のサイズ感をしっかり認識して、適切な空間サイズを選ぶ事。そして物量を把握すること。それを押さえるのがポイントです。

03| 物の4つの分類分け

次に、身の回りの物を4つに分類分けしていきます。

①よく使うもの…アクティブ領域
②たまに使うもの…スタンバイ領域
③迷いもの…プロパティ領域
④使っていないもの…スクラップ領域

①よく使うモノ

まず①のカテゴリーとしては、毎日もしくは結構な頻度で使用する物です。言わば一軍にあたります。例えば、お気に入りの服やお皿、ペン等の文房具など、日常生活で欠かせない物が入ります。こちらは言うまでもなく、整理して大切に使ってあげてください。

②たまに使うモノ

次に②のカテゴリーで、二軍の物。こちらはたまに使用する物や季節物、ストック品が該当します。例えば、手袋や旅行鞄、行事用のひな人形、替えの洗剤や予備の食材などです。

こちらも使用頻度は低いですが必要性は高いので、整理しながら保管して、必要な時に思う存分使ってあげてください。

③迷いモノ

次は③のカテゴリーですが、皆さんこのカテゴリーに入るものが一番多いのではないでしょうか。

例に挙げると、たまに使っているが相当消耗していたり傷んだりしている物や。いつか使えそうと取っておいているもの。そのほか、内祝いで頂いた趣味の合わないコップや、知人やお店から頂いた粗品なども入ります。こちらはなかなか捨てにくいですし、タイミングが分からないですよね。

そういった物は、過去2年間を思い出してみて、一度も使用していない・開封していない場合は手放すようにしましょう。もし分からないものは『迷いモノリスト』に入れてみて、今後の2年間で判断してみるといいでしょう。「いつか使うだろう」と思っている物は、実は「絶対にいるものではないけど……」と言う前置きが必ずあるはずです。少しづつ、手放す力をつけていってください。

④たまに使うモノ

最後は④のカテゴリー。こちらは持っているが使用していない物、戦力外の物が入ります。サイズアウトした服やズボン、使わなくなったアクセサリーや靴、いつか宿泊に来るかもしれない知人や親族用に一応置いてある多量の布団・座布団・食器にコップ、使えないレコーダーや自転車、壊れているがただ高価なために置いてある物など、言い出したらきりがないほど出てくると思います。

これらには、今すぐに戦力外通告をして手放しましょう。知人や友人、ほかに使ってくれそうな方がいれば譲るか、リサイクルショップに渡してください。ただ、忙しくて1ヵ月以内に実行できない方は潔く処分をしてください。

※この時、思い出の品やお金で買おうと思っても買えないモノ(お金では買えない価値のあるもの)は保管して頂いて大丈夫です。大切なのはそれに”どれだけの価値があるか”です。

ちなみに、あなたの身の回りの物はどの分類に当てはまりますか?

自分自身が所有している物を見返してみると、案外不要な物だらけだったりするのではないでしょうか。まずは身近にあるカバンの中から分類分けを実行してみてください!

04| 整理・収納計画の実践

さて、分類のイメージができたところで、いよいよ整理・収納計画の実践に移っていきましょう! 前項で分類分けした物を具体的に振り分けていきます。

押入の収納事例 押入の収納事例

分類①の普段から使用するモノは、下段もしくは中段に配置します。服や靴下・布団などはこちらに収納します。

分類②のたまに使う季節モノなどは上段に配置し、出し入れの頻度によって配置を決めていきます。

収納内部イメージ 収納内部イメージ

この時、無印良品やIKEA等の収納グッズを利用しながらまとめていきます。あくまで出し入れしやすく、使い勝手がよいのが基本なので、何でもかんでも収納ケースに入れればよいというわけではありません。

子供部屋の収納例 子供部屋の収納例

多用途のモノが沢山ある場合は、用途別にゾーニングを行いながら進めるのもポイントのひとつです。

洋服や書籍なども様々なサイズがあるかと思いますので、お持ちの大きさや量に合わせて収納空間の奥行や高さも決めていきます 。

05| 収納空間を考える

これまで、収納方法を説明してきましたが、

「そもそも収納スペースが狭くて何も入らない」
「たくさん手放したけどまだまだ物量が多い」

そんな方は、使いにくい収納空間を変える方法として、収納リノベーションも合わせて考えると、よりフレキシブルに片付けることが可能です。

①ウォークインクローゼットを作る

その代表例として”ウォークインクローゼット”を作ることがあげられます。

生活動線の真ん中にウォークスルーの収納スペースを配置することで、回遊動線ができ、開放的で使いやすい空間にすることができます。

費用の目安としておおよそ100~200万程度(仕様と範囲による)と、やや高めではあるものの、日々の使い勝手の向上と利便性を考えると決して高くはないかと思います。

※娘さんや息子さんのお部屋は相談した上でプランニングすることをお勧めします。
 (年頃になった娘からクレームが……なんてことも)

②壁面収納をつくる

別のパターンとしては”壁面収納”を造り、そこに納める方法もあります。

こちらはリビングや洗面所、居室など様々な空間に対応可能です。メーカーによってカラー展開や規格サイズは違いますが、基本的に棚板一枚からカスタマイズ可能な物がほとんどなので、暮らしにあった仕様で製作及び取付けすることができます。

費用としてもおおよそ30~120万とサイズによって増減はあるものの比較的安価で設置可能です。ただし、下地工事が必要になるケースもありますので事前確認が必要です。

③床下収納を活用する

そのほかには、システム畳などを利用して‟床下収納”を活用する方法もグッドです。

2軍のあまり使わない季節モノや防災グッズなどは床下に収納して、普段使いのものは目に見える部分に片づけると使いやすさもスマートになります。

引出し付のタイプや、開き扉が付けられるタイプまで、用途に応じてセレクトしてみてください。既製品を選ぶか、造作でつくるかによってお費用は大幅に変わってきますが、3畳程度の広さの既製品であれば30万程度~で設置が可能です。

あなたのイメージに合わせてこちらもご検討してみてください。

06| プロが教える、カミワザポイント

少し意識するだけで綺麗でお洒落にみえる、カミワザポイントをご紹介。今すぐ実践できるものもあるので要チェックです!

カミワザポイント①収納上部は有効に活用すべし

落下が懸念される収納棚の上部等は、観葉植物などのグリーンやインテリア雑貨を配置しつつ、下段に収納を整理すると、見栄えもよく見えます。収納空間で大切なのはバランスよく配置すること。

カミワザポイント②あえてオープンにすべし

持ち物全てをクローゼットや引き出しに仕舞いがちですが、あえてオープン収納にすることで視覚的に物量を把握できます。“隠す収納”ではなく“魅せる収納”にすることで、どこに何があるかわかりやすくなり、意匠性もグンとアップします。木製の棚板にすると温かみも出て、お洒落な空間へと早変わりです。

持ち物全てをクローゼットや引き出しに仕舞いがちですが、あえてオープン収納にすることで視覚的に物量を把握できます。“隠す収納”ではなく“魅せる収納”にすることで、どこに何があるかわかりやすくなり、意匠性もグンとアップします。木製の棚板にすると温かみも出て、お洒落な空間へと早変わりです。

カミワザポイント③足元は浮かせるべし

足元まで物があると、床面積が狭くなり、それだけで空間も狭く感じやすくなってしまいます。そればっかりか、片付けが苦手な方はとにかく積む習慣がつきがちかと思いますので、床上はなるべく収納スペースにせず、水場に使用する物だけにしましょう。その方がお掃除のときも毎回邪魔にならずにスムーズに掃除ができます。

07| まとめ

身の周りが整うと心も整い、更には暮らしも整います。日常動作も時短になり、ストレスフリーになるとよい波長になって、身近なモノもどんどんよい方向へ改善されていきます。あなた自身の為にも、共に暮らす家族の為にもこの機会に“暮らし改革”をしてみませんか? そしてライフスタイルに合わせて収納空間を上手にアップデートしてみてください。

大景祥

この記事を書いた人

大景祥 Smau design(スマウデザイン)

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