公開日: 2023.05.02 最終更新日: 2023.10.26

2階リビングに向いている家とは? メリット&デメリットも解説

2階リビングに向いている家とは? メリット&デメリットも解説

家づくりのプランの王様といえばリビング。今回はその王様を1階にするか、2階にするかのお話です。土地の条件や住む人のライフスタイルによって変わりますが、今回は、2階リビングのメリット・デメリットをご紹介いたします。

アトリエdiシノ 一級建築士:井岡志野

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01| 2階リビングに向いているのはどんな家?

これまで2階にリビングを計画した住宅は、以下の4つのいずれかに該当していました。


①都心の3階建ての場合

②2世帯住宅の場合

③1階に事務所や店舗がある場合

④1階に採光があまり望めない場合

都心の3階建て住宅では2階リビングを選ばれる方が多い 都心の3階建て住宅では2階リビングを選ばれる方が多い

どちらかと言えば、望んでというより、状況的に2階リビングになったという感じが強いです。しかし、今後は2階リビングを積極的に選ぶ人が増えるかもしれません。それはライフスタイルや建物の構造、技術にも関係します

02| 2階リビングのメリットは?

2階リビングのメリットをご紹介します。


➀採光・通風が抜群

②プライバシーを保ちやすい

③構造的に安定する

④勾配天井にできる(天井を水平ではなく傾斜させていること)



①と②はわかりやすいと思いますが、③の「構造的に安定する」について、少し補足します。

2階リビングにすると、必然的に1階は寝室などの個室となり、リビングより小さい部屋となるため、壁や柱が増えて、1階が構造的により強くなるのです。

メリット④の勾配天井以外は、特別に何かしなくても、2階リビングにしただけでその恩恵を受けられるという、なんだかSDGsの精神にかなっているメリットです。

おしゃれな空間になる勾配天井 おしゃれな空間になる勾配天井

03| 2階リビングのデメリットは?

2階リビングのデメリットは以下の通りです。


➀階段の上り下りが大変になる

②リビングへの大きな荷物や家具の搬入が大変

③2階にいると1階の気配が感じられず防犯面が心配

④夏は日差しが入りやすく暑い

⑤1階に各居室があると家族間のコミュニケーション不足になることがあ

➀階段の上り下りが大変になる

デメリット➀の階段の上り下りは、個人差があります。慣れてしまうとそれほど負担に思わない方もいれば、いつまでたっても、疲れて帰ってきてさらに階段を登らなければならないのは苦痛と思う方もいらっしゃいます。2階リビングだと、普段から家の階段で足腰を鍛えることになり、健康寿命は延びるかもしれませんね。いよいよ上り下りが難しくなったら、階段リフト設置することもできます。新築の際には階段巾を広くしたり、勾配緩くしたり、ホームエレベーターのスペースを確保しておくのもよいでしょう。

リビングルームから各個室へ移動する際も階段の上り下りが必要になる リビングルームから各個室へ移動する際も階段の上り下りが必要になる

②リビングへの大きな荷物や家具の搬入が大変

デメリット②に関しては、まずは、冷蔵庫の搬入の可否について確認しておくとよいです。飲み物や日々の食材も意外と重いので階段からキッチンやパントリーが近いと軽減されます。

③2階にいると1階の気配が感じられず防犯面が心配

デメリット③は、2階リビングだから空き巣などに狙われやすいとうことも無いように思います。ですが、玄関を吹き抜けにする等、1階の気配を感じられる間取りにするほか、電子鍵、宅配ボックスの設置、防犯カメラ、等の防犯設備を設置すると、備えあれば憂いなしです。

④夏は日差しが入りやすく暑い

デメリット④については、近年は省エネルギーに対して基準が高くなり、建築資材の断熱性能も上がっているため、暑さ対策も昔よりは効果を発揮しています。それでも、異常気象の暑さにはかなわない時もあるので、天井または屋根断熱を念入りにして、天井を高くし、シーリングファンをつけることをおすすめします。さらに付け加えるなら、防音対策も忘れずに。排水の音や生活音の対策として、極力、PS(電気、ガス、給水、排水などのための配管のこと)を居室から遠いところに計画したり、床に防音マットを入れておいたりするのもよいと思います。

⑤1階に各居室があると家族間のコミュニケーション不足になることがある

デメリット⑤については、居心地がよければリビングに家族が集まりそうですが、子ども部屋や勉強スペースも2階にするなど、部屋割りを工夫すれば、距離は縮まります。

04| まとめ

このように、デメリットと感じることも、現代の技術でカバーしやすくなっています。プライバシーが保たれ、より明るく開放的な環境で日々の生活を送ることに魅力を感じる方は、ぜひ2階リビングを検討されてはいかがでしょうか。

井岡志野

この記事を書いた人

井岡志野 アトリエdiシノ 一級建築士

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