みなさん、「ラブリコ(LABRICO)」を知っていますか? 賃貸物件で自由にDIYできなかったり、収納棚が欲しくても場所がなかったりなど、部屋づくりの悩みを解消してくれるすぐれもののアイテムなんです。今回は5回にわたり、このラブリコの活用法や魅力を徹底解剖。ラブリコについての解説をはじめ、ライターの初めての設置体験、商品を購入できるホームセンターの紹介、さらには生みの親である平安伸銅工業3代目社長の竹内香予子さん宅のインテリア術も披露します。初心者だけでなく、DIY女子にも必見のアイデアをたっぷり詰め込みました!
初回のvol.1はラブリコの入門編。実際に設置する前に、知っておきたい情報を、ラブリコの製造メーカーである平安伸銅工業の広報の方にお伺いしました。使い方や特徴、種類など予備知識を頭に入れておくことが、ラブリコでDIYを楽しむ第一歩になりそうです。
※写真・イラスト提供:平安伸銅工業株式会社
ライター:鈴城久理子
CONTENTS
01| まずはラブリコのことを知ろう
壁にクギやネジを打てなくても、柱を立てれば自由に収納やディスプレイを楽しめる
ラブリコという名前はよく聞くけれど、柱のこと? 棚のこと? パーツのこと? そう疑問に思っている人もいるかもしれません。実は、私も恥ずかしながら、よく理解していなかった一人です。まずは、そんな初心者の素朴な疑問を解決することからスタート。
ラブリコとは、木材と組み合わせて自由に柱や棚を作れるDIY用のパーツブランドのこと。天井から床までなど突っ張れる場所があれば、好きなサイズで好きな場所に柱を設置できるのだとか。クギやネジで固定する必要がないので、壁や天井を傷つける心配がないのもうれしいポイントです。まさに賃貸物件の悩みを吹き飛ばしてくれるアイテムですね。
ラブリコの使い方
木材にパーツをかぶせて突っ張るだけ(上)。柱を2本立てれば収納棚を作ることも可能(下)
次は、ラブリコってどんなふうに使うの? という疑問にイラストで解説してもらいました。上記のイラストのように、木材の上下にパーツをかぶせて天井と床に突っ張るだけで、柱が完成するのだそう。もし棚を作りたいなら柱を2本立てて、その間に棚受を使って棚板をネジ留めすればできあがり。場所を取らず、自由に収納やディスプレイを楽しむことができるとあって、ますます期待が高まります。
木材のこと
厚みのない1×4(ワンバイフォー)材(左)。一般的なのが2×4(ツーバイフォー)材(右)
ラブリコは大切な主役ですが、それだけで柱や棚は作れません。もうひとつの重要なアイテムがこの木材。とはいえ私のようなDIY初心者にとって木材選びも至難のワザ。でも、ラブリコで使用する木材は、1×4(ワンバイフォー)材や2×4材(ツーバイフォー)と呼ばれる、手頃な価格で加工しやすい規格サイズのものなんです。ホームセンターなど、身近なところで購入できるのもうれしいですよね。木材を選ぶときは、反りやたわみがないか、チェックするのが大切なポイントとのこと。
02| 初心者にもおすすめのラブリコは?
写真はビギナー向けの「突っ張りキャップ」と2×4材を使ったもの
ひとくちにラブリコといっても、実はいろんなタイプがあるんだそうです。
①木材にキャップをかぶせて天井に押し当てるバネタイプの「突っ張りキャップ」
②木材にキャップをかぶせて調節ネジを回して取り付ける「アジャスター」
③木材に差し込んでネジで固定し、プラスドライバーで調節する「アジャスター アイアン」
そのほか、棚受や木材をつなぐジョイントなどさまざまな補助パーツがあるので、作りたいものと設置する場所に合わせて選べます。
今回は、上記の3タイプのなかから初心者におすすめのものを教えてもらいました。それぞれ柱や棚を作るときのコツ、そして必要なパーツの特徴などをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
03| ビギナーズモデル「突っ張りキャップ 2×4 ライト」
柱を立てるとき
壁面にぴったり沿うから玄関のような狭い場所にもぴったり。フックを取り付けて収納力アップ
「DIYはまったくやったことがない」という人におすすめなのが、この「突っ張りキャップ」。木材に上下のキャップをかぶせて天井に押し当てるだけ。上キャップに内蔵されているバネがしっかりと突っ張り、柱を設置することができます。脚立が要らないので、初心者でも簡単に取り付けられます。インテリアに合わせて木材に塗料を塗れば、さらに自分らしくカスタマイズできそうですね。
本体1セットと高さ調節板2枚がセットになった「突っ張りキャップ 2×4 ライト」。ブロンズとオフホワイトの2色。2×4材用のほかに2×6(ツーバイシックス)材用もあり
準備するのは、突っ張りキャップ 2×4ライトと2×4材だけ。木材は取り付け寸法からキャップのサイズを引いた60mm短いものを用意しましょう。
棚を作るとき
収納力を上げたいときは、棚受けを使って収納棚を設置
「柱だけでは収納が足りない」という場合には、柱を2本立てて棚板を取り付けましょう。このとき必要になるのが、棚板の追加や取り外しが簡単にできる棚受。好きな位置に取り付けられて、棚板の場所を変えるときも簡単なのだとか。
棚受2個とネジがセットになった「シェルフサポート」。左上から時計回りに、ヴィンテージグリーン、マットブラック、オフホワイト、ブロンズの4色
突っ張りキャップのほか、アジャスターで立てた柱など万能に使える棚受のシェルフサポート。付属のネジは2×4材だけでなく、1×4材などにも使用できるそう。
04| ベーシックモデル「2×4 アジャスター」
柱を作るとき
設置した柱にフックを取り付けて収納やディスプレイコーナーに
ラブリコの人気モデルがこのアジャスタータイプ。私もラブリコと聞くとこのタイプをイメージしていました。木材に上下のキャップをかぶせて突っ張ったら、上キャップのネジを回すだけ。工具が要らないので、私のようなDIYに慣れていない人でも簡単に取り付けられそうです。またゆるみ防止のバネがあるので、定期的に圧着状態を調節すれば長期間でも安心して使用できます。
木材の上部と下部にかぶせるキャップがセットになった「2×4 アジャスター」。左上から時計まわりに、ナチュラルグレージュ、マットブラック、ヴィンテージグリーン、オフホワイト、ブロンズの5色
準備するのは、2×4 アジャスターと2×4材。木材は、取り付け寸法からアジャスターのサイズを引いた95mm短いものを用意しましょう。手が届かない高い位置に設置する場合は、脚立や人がのっても壊れないイスを準備しておくのがよさそうです。
棚を作るとき
柱を2本立てれば、インテリアに合わせて自由に棚を作ることができる
突っ張りキャップタイプ同様、アジャスタータイプも棚を手軽に作れるのが魅力です。棚受を使って、棚板を柱の好きな高さに取り付けるだけでOK。場所も取らず、本を見せつつ収納したり、植物などをディスプレイしたりするのにちょうどよさそうですね。
棚受シングル1組(2個)とネジがセットになった「2×4 棚受シングル」。左上から時計回りに、ナチュラルグレージュ、マットブラック、ヴィンテージグリーン、オフホワイト、ブロンズの5色
取り付けも簡単。柱になる木材に棚受を通してネジ留めすれば完成。正面から見てネジが隠れるのもうれしいポイントです。同じ色のアジャスターとセットで使うことで、統一感のある印象に仕上がりそうです。
05| ベーシックモデル 「2×4/1×4 アジャスター アイアン」
柱を作るとき
洗面所のような極狭の場所でもおしゃれに収納できる
インテリアに合わせておしゃれなパーツを選びたい人には、アイアンのアジャスターがおすすめ。木材×アイアンの重厚で上品な組み合わせがインテリアの魅力をさらに引き立ててくれそうです。取り付けるときは、アジャスターを木材にかぶせてネジ留めし、天井と床に突っ張った後、穴にプラスドライバーを差し込んで回して固定します。
アジャスターとネジ、パッド1枚のセット。マットホワイトとマットブラックの2色。「2×4 アジャスター アイアン」(左)。「1×4 アジャスター アイアン」(右)
準備するのは、アジャスターと木材、プラスドライバー。木材は取り付け寸法からアジャスターのサイズを引いた75mm短いものを用意しましょう。2×4 アジャスター アイアンは2×6材にも使用することができるそうです。
棚を作るとき
棚を作ってワンルームの仕切りに。黒のアイアンに合わせて木材をペイント
スリムなデザインでインテリアの邪魔をしないのもアイアンタイプの特徴。スタイリッシュな部屋づくりにおすすめなのだとか。また、木材の長さが足りない場合は、「2×4/1×4 ジョイント アイアン」という補助パーツを使えば2本の木材を接合することもできるそうなので、引っ越しして柱の高さが足りなくなってしまった、などというときにもよさそうですね。
棚受2個とネジがセットになった「2×4/1×4 シェルフサポート アイアン」。マットホワイトとマットブラックの2色
柱をさらに追加して棚板を増やしたいというときなど、取り付けたい位置に後付けできるのも特徴のひとつ。また木材からはみ出さないサイズなので、壁付けにぴったり設置することができるのもポイントですね。
06| まとめ
ラブリコ特集の入門編、いかがでしたか? 次回はDIYをほとんどやったことのないライターが、初めてのラブリコ設置体験談を紹介します。
この記事を書いた人
鈴城久理子 ライター
雑貨紹介や料理、インテリアなど暮らし系の記事を中心に執筆することが多いライター。ただいまメダ活実践中。