ラジオやバラエティ番組を中心に活躍するほか、役者としてドラマや映画にも出演する磯山さやかさん。今回、久しぶりの映画での主演となった『愛のこむらがえり』について、オファーを受けたときの思いや、コント番組などで培った演技などについてお聞きしました。
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01| バラエティのドッキリか何かじゃないかなって(笑)
――18年ぶりの映画主演ということで、オファーを受けたときはどのような気持ちでしたか?
ドラマなどに出させてもらうことはありますが、そもそも、映画はほとんど出たことがなかったですし、主演ということで、そのワードが強すぎて。バラエティ中心でやってきて、芸歴的にも20年以上経っていた時だったので、さらに驚きでしたね。自分が映画に出て、さらに主演をすることなんて全く考えていなかったので、バラエティのドッキリか何かじゃないかなって思っていました(笑)。
監督からお手紙をいただいたり、実際にお会いして作品への思いを伝えてくださったりして、それは本当にうれしかったですし、その気持ちに応えたいという気持ちがありつつも、どこかでまだ少し疑っていましたね。本読みやリハーサルに入った時に、ようやく主演するんだって実感するようになりました。「愛のこむらがえり」のスタッフさんは、作品の内容的なものもあるかもしれませんが、映画愛が深い方が多くて、それが作中の雰囲気にも出ていると思いますし、すごく幸せにあふれた現場だったと思います。
――主演のオファーについては、すぐに出演を決められたのでしょうか?
今回の主演のお話はすごく嬉しいことではあったのですが、決断するまではすごく悩みました。ずっと芝居中心にやってきているわけではないので、そもそも主演が務まるのか、本当にできるのかなということがありました。それに、私が主演の映画って誰が見るのかなとか、いろいろと考えてしまって。このオファーを断るということではなく、本当にできるのかなっていう部分が出演を決断するまで大きかったですね。
02| ナチュラルな演技という部分ではコントでの経験が生きました
――演技という部分では、バラエティ番組でコントをしていたことが生きた部分はありましたか?
私がやらせていただくコントは、日常的な出来事を面白く表現することが多いです。オチにつながるフリの部分では、こういうおかしな人いるよねとか、ツッコミどころの人いるよねとか、日々のあるあるが詰め込まれています。コントでは、おばあちゃんもおじいちゃんも、お母さんも子どももいろいろ演じさせてもらいましたが、実際にいるような人を表現していたので、そういうナチュラルさは、今回の作品でも生きていたんじゃないかなと思っています。それに、髙橋監督も普段の私の様子とかを見てくださって、私が演じた香織と遠くない存在として思い描いてくれていたので、演じやすかったです。
――磯山さんは、今回演じた香織をどのような女性だと思っていますか?
香織は、芯があって強い女性だと思います。だからこそ、浩平のことを自分のこととしてすべて受け入れて一緒に頑張れるんだと思います。人のためにこれだけ行動できるってなかなかないと思うので、そういう部分は役から一歩引いて、「香織ってほんとうにすごいな」と感じたし、こういう人になりたいなと思いました。香織は、男性が求める理想の女性なんじゃないかなって。私も男女問わず好きな人とか、好きなこと、物に対しては、こういうことをしたら喜んでくれるんじゃないかと思って、行動したりするんです。そういう部分は香織と似ていると思います。でも、香織みたいに、自分のことはいったん置いておいて、ここまで献身的にはできないですね。
©『愛のこむらがえり』フィルムパートナーズ
03| 応援してくれる地元の人がよろこんでくれたらいいな
――今作の舞台は調布市がメインですが、磯山さんの地元の茨城県鉾田市も登場します
調布市は、本当に色々な所にお世話になりました。香織がバイトをしていたパン屋さんもそうですけど、地域の人に愛されているお店から、普段はロケ地にならなそうな地元の人だけが知っている場所などが登場しています。私もその地域にずっと暮らしているような気持ちになれたので、すごくリアルな映像になったと思います。撮影を通じて、調布に住んでみたいなと思いましたね。
鉾田市は、いろいろな作品でロケ地として使われたりしていますが、今作ではしっかり鉾田市の名前が出ていて、それが自分の出演作なのですごくうれしかったですね。地元の人も家族のように応援してくれているので、喜んでもらえたらいいなって思います。
©『愛のこむらがえり』フィルムパートナーズ
――磯山さんとしての作品の見どころはどのような部分でしょうか
『愛のこむらがえり』ってなんだろうと感じると思うんですが、作品を見てもらえれば、タイトルの意味が分かってもらえると思います。もし、何か夢を持っている方とか、年齢で諦めたりしている方も、いくつになっても夢に挑戦できるし、諦めないことも大切と、もう一回頑張ろうって思ってもらえるような作品になっていると思います。それに、香織と浩平の関係にも心が温まるので、そんな関係を見て癒されに映画館に来てほしいなと思います。
04| 映画『愛のこむらがえり』INFORMATION
©『愛のこむらがえり』フィルムパートナーズ
『愛のこむらがえり』
6月23日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー
配給:プラントフィルムズエンタテインメント
地方雨公務員の家に生まれ、「幸せなお母さん」になるのが夢だった香織。地元の鉾⽥メロン映画祭で受賞した無名の映画監督・浩平の映画に感動し、人生が一変。スクリプターになるべく上京した香織は浩平と再会し、“浩平にいつか誰をも感動させる映画を撮ってもらう”という夢をかなえるために同棲を始めるも8年がたってしまう。浩平も映画監督の夢をあきらめかける中、1本の映画の脚本を書き上げる。その脚本に感動した香織は、浩平の才能にほれ直し、制作費を集めるために奔走するが…。
監督:髙橋正弥
出演:磯山さやか、吉橋航也、篠井英介、菜葉菜、京野ことみ、浅田美代子、菅原大吉、品川 徹、吉行和子、柄本 明ほか
公式HP: https://aikomu-movie.com/