── 地域のお菓子をひもとけば、その場所の素敵な側面が見えてくる。
お菓子をとおして街のなかにちょっとだけお邪魔する、「ご当地お菓子」連載。
第12回は、京都府の北部に位置する港町・舞鶴市の「マイヅルプリン」を紹介します。
ライター:吉田友希
01| 舞鶴の名所が描かれた、とろけるやわらかさのプリン
マイヅルプリン(6本セット)
赤れんが建造物をモチーフとしたボックスに入った「マイヅルプリン」。レトロなロゴと、かわいいパッケージに期待感が高まります。
側面です
上の写真とは反対側の側面はこちら
裏側もかわいい
全面の絵柄を堪能してから開封すると、これまた素敵な小瓶が出現。牛乳瓶のようなコロンとしたフォルムの容器に、舞鶴の名所があしらわれています。
重要文化財である赤れんが倉庫群や吉田のしだれ桜、海軍ゆかりの遊覧船など、舞鶴の名所がデフォルメされ描かれている
フタの部分を上から見たところ
昔懐かしい雰囲気のフタをはずして、さっそくいただきます。とろ〜りなめらかでクリーミー。これは、只者ではない味がします。プリンの祭典ともいわれる「P-1グランプリ」での受賞歴があることは知っていたのですが、もう少しつっこんでお話を聞きたくなりました。
02| “スイーツ親方”のお墨付き!
マイヅルプリンをつくるのは、京都・舞鶴の隠れ家風ビストロ「アメイロ ビストロ アルル」。マイヅルプリンは、工房内で一つひとつ手づくりされ、丁寧に瓶詰めされています。
マイヅルプリンが誕生する以前は、前身として「舞鶴ごくまろプリン」を販売されていたのだとか。お客様からは好評だったものの、本当においしいのかの第三者評価を得るためにP-1グランプリにエントリー。そこで、審査員特別賞を受賞したことが、マイヅルプリン誕生のきっかけとなったんだそうです。
「もともとP-1グランプリに、審査員特別賞という枠はありませんでした。審査員としていらっしゃった元横綱・大乃国である芝田山親方が『あのプリンに賞をあげたい』と評価してくださり、急遽、審査員特別賞が新設されたと聞いています。
全国をスイーツ行脚され、本も刊行されるほどの親方に認めていただいたことが大きな後押しとなりました。受賞を機に、地元の皆さんに喜んでいただけるご当地プリンを名乗ってもいいのではないかと前のめりになったんです」。
03| 地元の食材をふんだんに使用
画像提供:株式会社ツクヨミラシン
マイヅルプリンには、赤岩高原たまごやヒラヤミルクといった、地元の食材が贅沢に使われています。その食材たちが、マイヅルプリンの魅力である、クリーミーでなめらかな食感を生み出している理由の一つです。
「赤岩高原たまごは、火を通すとコクがあり奥深い味わいになります。弊社では、プリン以外にも、こちらの卵を使ったシフォンケーキをつくっているのですが、しっとりとしてもっちりきめ細やかで、皆一様に驚かれます。プリン同様にファンがたくさんおられ、そのような卵を使っているのがポイントです。
また、牛乳には隣町・京丹後のヒラヤミルクを使用しています。乳脂肪が多くコクが強いため、プリンの風味にも影響していると思います」。
画像提供:株式会社ツクヨミラシン
地域に根差したプリンをつくるアメイロ ビストロ アルル。「舞鶴市とはどのような街ですか?」という問いには、感謝の気持ちとともにこう答えてくだいました。
「今年の6月で開業10周年を迎えることができました。舞鶴に対しては、この10年育てていただいた感謝の心があります。
舞鶴は、旧海軍の基地があった名残から、舞鶴海上自衛隊や赤れんが倉庫、引き揚げのまちなど歴史探訪ができますし、京都の海の玄関口として日本海の海の幸に恵まれて、海山ともに食が豊かな街です。
私(お話を伺った広報ご担当の方)は舞鶴市ではないほかの港町で生まれ育ちましたが、舞鶴の食材の新鮮さ、海の透明度の高さには、度肝を抜かれました。ぜひ、舞鶴や北京都にご来訪いただけますと幸いです」。
舞鶴の赤れんが倉庫群
画像提供:株式会社ツクヨミラシン
「海の京都」とも表現される舞鶴らしい風景
画像提供:株式会社ツクヨミラシン
04| 近畿地方のローソンで販売したことも
「おいしい!」と評判になるのが納得の味わい。あっという間に一瓶ペロリ
マイヅルプリンは、これまで何度か近畿地方のローソンで販売したことがあるのだそうです。1本購入したらおいしすぎて、家族全員分を買いにコンビニに戻ったエピソードなど、喜びや応援のメッセージが続々届いたのだとか。
「お客様からのお喜びのお声は、何ものにも代えがたいです。これからもお一人でも多くの笑顔を集めたいと思っています」。
隠れ家的に佇むアメイロ ビストロ アルル
画像提供:株式会社ツクヨミラシン
京都・舞鶴の「マイヅルプリン」、ごちそうさまでした。
アメイロ ビストロ アルル
所在地:京都府舞鶴市魚屋252-2
TEL:0773-76-6661
営業:11:30〜15:00(L.O.14:00)、18:00〜22:00(L.O.21:30)、不定休
https://www.kyo-prin.com/
※マイヅルプリンは、オンラインショップで購入可能。
この記事を書いた人
吉田友希 ライター